奥三河の村
名古屋市郊外の長久手から猿投グリーンロードを通り、足助から別所街道を長野県飯田市に向かう途中の長野県と愛知県の県境に茶臼山があり、その茶臼山の麓(ふもと)に豊根村と津具村があります。
この豊根村と津具村の間を通るルートは、昔より尾張と信州の交易の重要な街道として栄えました。
私が、この奥三河の村によく出かけたのは、一つは仕事で、当時担当していた‘原木椎茸の生産振興推進’のための出張でした。
もう一つが、アユ漁の解禁シーズンに、地元の渓流で捕れる天然アユを食べるためで、小ぶりのアユながら、食べたときに口の中に広がる水苔の香味と一緒に味わう天然アユの美味しさに感動しました。
さらに奥三河で忘れられない憶い出が、椎茸農家を訪ねたときに、御馳走になった「蜂の子料理」です。
椎茸農家のご主人から「遠くからよく来てくれた。獲って来たばかりの‘蜂の子’があるので、一杯やろう。
大きな蜂の巣から取り出したばかりの蜂の子の料理に、初めて食べることもあり、躊躇(ためら)いながら、一口頂くとその美味しさに、ご主人の「遠慮するな。」の言葉にすっかり甘え、お腹いっぱいご馳走になりました。