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心の時空

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菜の花の風はつめたし有夫恋  川柳:時実新子

川柳は、江戸時代中期に生まれた諧謔(かいぎゃく)精神に満ちた‘五・七・五’調の詩歌文学です。
時実新子(ときざねしんこ、1929~2007)は、現代川柳の第一人者でした。
1987年に発表した川柳句集「有夫恋」は、心の底にある女の情念を謳いあげ‘川柳’の知名度を高めました。
菜の花の風はつめたし有夫恋  川柳:時実新子_a0212807_15491226.jpg性的な隠喩ある言葉に、相当セクシャルな句も多数ありますが、女の性を素直に表現しているので句に強靭さを感じます。
                ◇
どうしても  好きで涙が  膝に落ち
手が好きで  やがてすべてが  好きになる
たわむれの  鋏が垂直に  落ちた
舟虫よ  お前卑怯で  美しい
膝折って  愛に恥など  あるものか
百合みだら  五つひらいて  みなみだら
どうぞあなたも  孤独であって  ほしい雨
よその男と  命の芯を  みつめ合う
男の嘘に  敏感な  ふしあわせ
ののしりの  果ての身重ね  昼の闇
カザノヴァに  逢いたや指の  反るほどに
空に雲  この平凡を  おそれずに
by blues_rock | 2012-11-22 00:39 | 詩/短歌/俳句/小説 | Comments(0)
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