吉田拓郎 ‥ 人間なんて
岡林信康(1946~66才、3月21日「復刻盤 ‥ 岡林信康1969神田共立講堂リサイタル」参照)、井上陽水(1948~64才、3月18日「井上陽水‥傘がない」参照)と同じ団塊世代のオリジナリティをもったミュージシャンです。

それまで日本の大衆音楽は、歌謡曲・演歌・浪曲(浪花節)・民謡で、歌謡曲・演歌は、レコード会社から依頼を受けた専属の作詞家・作曲家が作った歌を、これまたレコード会社専属の歌手が歌うので、子供の私にも大人の世界のウソっぽい陳腐な歌詞と退屈な節(こぶし)回しで感動のない歌ばかりでした。
余談ながら、私は子供ころザ・ピーナッツが好きで、当時の歌謡曲で自分の歌をハモる歌手はおらず、ザ・ピーナッツのカッコ良かったこと‥二人のコーラスをじっと聴いていました。

吉田拓郎や井上陽水、中島みゆき・松任谷由美・桑田佳祐・長淵剛たちのミュージシャン然とした艶姿(あですがた)に憧れて、次から次に若いミュージシャンたちが、登場してはすぐに消え、人々の記憶からも消えて行きました。
30年40年と息の長い音楽活動を続けていくには、秀でた才能・相当の気力・持続する体力が、不可欠となります。
吉田拓郎は、いま病気療養中ですが、早く元気になって、もう一度1971年の「中津川フォーク・ジャンボリー」や「全日本フォーク・ジャンボリー」で聴かせてくれたような拓郎節で「人間なんて」を歌ってほしいと思います。
私の好きな吉田拓郎の歌は、「ビートルズが教えてくれた」・「落陽」・「たどり着いたらいつも雨降り」・「祭りのあと」・「ペニーレインでバーボン」・「今はまだ人生を語らず」・「俺を許してくれ」など(発表年順不同)‥もちろん「人間なんて」も好きな歌のひとつです。