深まる秋‥キノコは木の子が、本当のきのこ
◇ 赤松の根元で発生したマツタケ(下の写真)
いまスーパーや八百屋には、一年を通していろいろなキノコ類が、たくさんあり消費者はいつでも購入できます。
野生のキノコは、秋の味覚というのが日本人の常識なのに、一年中店舗の棚に並ぶキノコ類を不思議に思わない消費者の感性こそ、私は不思議に思います。
この不思議なキノコたちは、木の子ではなくほとんど「オガクズの子」、木の子のように自然の中で栽培されたキノコではなく空調施設の中で生産される「菌床培地の子」なのです。
◇ 野生のアミガサタケ‥「お吸い物」にすると美味しい(下の写真)
オガクズを晒(さら)してタンニンを抜き、高温で無菌消毒、ヌカで固め栄養剤を入れ培地を作り、キノコの種菌を植え、温度調整して人工栽培している言わば、キノコ工場の製品なのです。
キノコの王様といえば「マツタケ」、高価で売れるので一攫千金を狙った人工栽培に、バイオ企業も研究機関もマツタケの人工栽培技術開発に投資し挑戦していますが、成功していません。
マツタケは、赤松の根元に生息する微生物(バクテリア)を栄養にシロ(培地)を作り発生します。
だが、果たしてそれは木の子なのかな?「バクテリアの子」では?‥とヘソ曲がりの私は思います。
薬膳・漢方で珍重されている高価なキノコ「冬虫夏草」は、ガ・セミ・アリ・ハチ‥などから生えるキノコですが、これは「虫の子」なのでは?‥と私は思います。
「バクテリアの子」・「虫の子」の品名表示では、消費者のイメージ悪く、食欲も失せることでしょう。
さて、話を戻して、近年原木シイタケの価格が高騰し、原木シイタケ生産者の将来は明るいのですが、山に若い生産農家の姿はありません。
裏庭の木かげで原木シイタケ栽培にトライしてみてください。(こちら参考)
秋と春の二回、食べきれないくらいの美味しい原木シイタケが、収穫できます。
1.秋の黄葉期に樹齢20年くらいの原木(クヌギ・コナラなど)を伐採します。
2.葉枯らししてから1m~1.2mの長さに原木を玉切りします。(または、玉切り原木を購入します。)
3.(梅の花~桜の花のシーズンに)原木に植菌‥そして、半年~一年伏せこみます。
4.原木がシイタケ菌糸の活着で成熟(1~2年)したら榾木(ほだぎ)になります。
5.榾木を起こし発生(一日の気温の高低差が15℃で発生)を待ちます。
6.菌糸の小さな塊を原基といいシイタケに成長します。
7.5~6分開きくらいで採取‥厚肉なドンコ・シイタケで食べると極上の食感が味わえます。
8.乾シイタケにするには、専用乾燥機が必要ですが(少量なら)石付部分にタコ糸を通し、風通しの良いところで陰干し、そのあと天日干しすると出来上がりです。
‥焼いて良し、煮て良し、蒸して良し、頬っぺたが、落ちるほど美味しいシイタケを味わえます。