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心の時空

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a day in my life

ザ・ローリング・ストーンズ‥「シャイン・ア・ライト」

「ザ・ローリング・ストーンズ」のエネルギーには、ただもう驚き呆れるばかり、映画「ザ・ローリング・ストーンズ・シャイン・ア・ライト」のライブ・バフォーマンスを見ていて、つくづくそう思いました。
1962年にデビューして今年で49年、彼らの平均年齢68才‥とにかくすごい!すばらしいロックンロールを聴かせてくれます。
「It’s only Rock’n roll」と言っていたローリング・ストーンズが、この映画で見せてくれたライブパフォーマンスは「This is just Rock’n roll」でした。ザ・ローリング・ストーンズ‥「シャイン・ア・ライト」_a0212807_0474345.jpg
映画は、冒頭、マーティン・スコセッシ監督(1942~)が、イライラしながらコンサートのセットリスト(演奏曲名と演奏曲順リスト)の到着を待ち、演奏曲目と撮影について映画撮影クルーのスタッフに撮影準備を急がせている様子と、ミック・ジャガーはそれを承知していながら意地悪してセット・リストをなかなか提出しようとしない光景から始まります。
スコセッシ監督が、カメラ・スタッフに細かく指示するシーンを見て、できるだけ多くの「カットとアップ」の映像を求めているのが分かりました。
ローリング・ストーンズほどのロックバンドのドキュメンタリー映画を制作(撮影・監督)するのですから、普通ならスタジアムかアリーナの大会場に大勢の観客を入れ、ライブの熱気と興奮を撮影したくなるものですが、スコセッシ監督は敢えてニューヨークのビーコンシアターという小会場をライブ撮影の会場に選びました。
当然、ステージ・セットの確保や満員の来場者の混雑などで、小会場の狭さが予想されているにも関わらず、大量の音響機器と撮影機材‥撮影用クレーン・固定撮影カメラ・移動カメラなどをステージの上や会場内に、撮影カメラ18台がセットされました。
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映画を見られた方は、まるでライブ会場のステージ最前列にいるような臨場感と興奮を覚えたことと思います。
キース・リチャーズのギターが、いきなり「Jumpin' Jack Flash」のリフを弾き始めると‥あとは122分間、ザ・ローリング・ストーンズ・ワールドです。
ミックは、歌いながら激しくステージを動き回っても、息咳一つ切らず平然と次の曲へ、顔に刻まれたシワに49年の歳月は感じますが、体型は今でもスリムで昔のまま‥ミックの「ザ・ローリング・ストーンズ」にかける強い決意とロックを歌い続けることへの熱意が、彼の気持ちを支えているのでしょう。
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ロン・ウッドは、キースのギターに合わせるようにクールにギターを弾き、チャーリー・ワッツは、いつものように淡々とドラムを叩き、ローリング・ストーンズのリズムをしっかり支えていました。
バディ・ガイとの「シャンペン&リーファー」(1981マディ・ウォーターズ)のブルース・セッション‥ミックのハープとキース&ロンのギターも決まっていました。
スコセッシ監督は、名だたる撮影スタッフを集め、18台の撮影カメラとあらゆる機材を駆使し、ライブ全体とパフォーマンスに集中するローリング・ストーンズ一人ひとりの表情のアップや舞台裏まで、ファン心理剥き出しにして撮影させています。
ザ・ローリング・ストーンズ‥「シャイン・ア・ライト」_a0212807_052921.jpg監督は、映画の撮影に35ミリフィルムを使用するというこだわりようで、ローリング・ストーンズという素材をなんとしても極上の映画にしたい(‥監督自身が熱狂的なローリング・ストーンズのファン)という思いが、良く分かります。
映画は「カットとアップ」の映像が多く迫力あり、演奏曲目ごとにちがうカメラアングルと併せ見事に構成されていました。
スコセッシ監督は若い頃、ロック史に永遠に残る映画「ウッドストック」(1969)の助監督として編集に関わり、ザ・バンドの解散ライブ映画「ラスト・ワルツ」(1976)の監督もしています。
他にも、ボブ・ディランの210分にも及ぶドキュメンタリー映画「ノー・ディレクション・ホーム」(2005)の監督でもあります。
マーチン・スコセッシ監督の映画作品としては、1976年の「タクシードライバー」、1990年の「グッドフェローズ」、2006年「ディパーテッド」、2010年「シャツター・アイランド」などが、私の印象に残っています。
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次回作は、遠藤周作原作の「沈黙」とか、1971年発表の篠田正浩監督作品の映画「沈黙」は、秀作でした。
江戸時代初期、布教を禁止され弾圧された日本のキリスト教をテーマにしたマーチン・スコセッシ監督の新作「沈黙」では、主役のキリスト教イエズス会宣教師役にダニエル・デイ=ルイスとベニチオ・デル・トロという個性的な名優を予定しているとか‥今から楽しみにしています。
by blues_rock | 2011-10-09 01:01 | 音楽(Blues/Rock) | Comments(0)
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