自分の感受性くらい‥詩人茨木のり子さんを偲んで
ぱさぱさにかわいていく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにはするな
何もかもへたくそだったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ

自分という得体の知れない魔物も、この詩を読むと おとなしくなり、しばらく静かにしています。

枕元には、遺書(手紙)が、あり日付と病名を空欄にし ‥ 自分が死んだこと、生前のお礼、自分の弔いへの一切の辞退などが、書かれていたそうです。
一人暮らしの生前から、自分の強い意志で 自らの死を準備されていたのでしょう。

心よりご冥福を申しあげます ‥ などと言えば、他人のことより自分の心配をしなさい とお叱り受けそうです。

