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心の時空

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a day in my life

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デンマークのヤヌス・メッツ監督(1974~)が、1980年ウィンブルドン決勝での同大会4連覇中の世界ランキング第1位ビョルン・ボルグ(1956~、スウェーデン)対、同第2位ジョン・マッケンロー(1959~、アメリカ)二人の3時間
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55分にわたる死闘と表現しても決して大袈裟ではないテニス史上に残る ‘不滅の名勝負’ を再現(アカデミー賞4部門受賞の「ボヘミアン・ラプソディ」の再現手法に似ている)しました。
a0212807_22383930.jpg「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」(原題「Borg McEnroe」)のとおり、ストイックそのままに表情を変えないことから ‘氷の男’ と称賛された天才ビョルン・ボルグ(1980年当時24歳)と ‘炎の男’ どころか、審判や観客への悪態と暴言から ‘悪童 マッケンロー’ と ヒールなニックネームで呼ばれた(揶揄された)これまた紛れもない天才ジョン・マッケンロー(1959~)二人の「真a0212807_22384251.jpg実は、小説よりも希なり」の伝記(レジェンド)映画です。
ビョルン・ボルグを演じたのが、スウェーデンの俳優 スベリル・グドナソン(1978~、ビョルン・ボルグの少年時代を彼の息子レオ・ボルグが、演じています)で ‘ボルグそっくり’ なのに驚き、ジョン・マッケンローは、アメリカの俳優 シャイア・ラブーフ(1986~、脚本を絶賛「初めて読んだときに泣いた」とコメント)で、‘悪童’ぶりa0212807_22390282.jpgを名演しています。
その脚本は、ロニー・サンダール(プロファイル不詳)で、デンマークの撮影監督ニルス・タストゥム(1973~)が、「ボルグとマッケンロー天才二人の不滅の名勝負」をリアルに臨場感あふれる映像で撮っています。
とくに、4セット7ゲーム目のマッチポイント、タイブレーク18-16‥まで 延々と続く名勝負は、‘ノーガードで打ち合うボクシング’ のようで息の詰まる、まさa0212807_22390526.jpgしく固唾を飲んで見るドラマチックなシーンです。
メッツ監督の二人に対するリスペクトは、演出にも表われ、1980年ウィンブルドン決勝前の二人と少年時代をカットバックさせながらウィンブルドン決勝当日を映し激戦の末、ボルグが、5連覇を達成、帰国するマッケンローは、ヒースロー空港の出発ロビーにいたボルグを見つけると駆け寄り健闘を讃えて別れます。
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翌1981年のウィンブルドンでは、マッケンローが、ボルグの「6連覇」を阻止し優勝、世界ランキング第1位になりました。
a0212807_22391796.jpgビョルン・ボルグは、ラケットに80ポンドと云うこれ以上ガットを強く張れないという強度から繰り出す鉄壁のストローク(とくに両手打ちのバックから狙いすましたダウン・ザ・ラインは、圧巻)で、当時の世界のテニス界に君臨、そのボルグの前に宿敵として登場したのが、ジョン・マッケンローで、ガットをぎりぎりまで緩く張った(何と38ポンドと云う驚異的なローテンション
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の)ラケットを完全にコントロールした‘サーブ&ボレー’の絶妙なタッチは、芸術でした。
私は、草テニス(もちろんダブルスです)をやっていた頃、‘悪童マッケンロー’に憧れ、彼の真似をしてガットを緩a0212807_22393952.jpgく張り、審判と試合相手に悪態ばかりつき(私の場合、下手くそテニスを暴言で誤魔化していただけ)、ドロップ・ボレーばかり狙っていましたので、相手から見透かされて、いつもロブを上げられ、もつれた足でバックしテニス・ボールで、ヘディングばかりしていました。
a0212807_22400684.jpgお笑い草の戯れ話は、さておいて緊張の糸が、切れたのか、ビョルン・ボルグは、1983年26歳の若さで引退しました。
ジョン・マッケンローは、1992年まで 勝っても負けても 悪童のまま現役を続け 33歳で引退、今でもビョルン・ボルグと親しく友だち付き合いをしているようです。
スウェーデンの元デ杯監督にしてボルグのコーチであったレナート役をスウェーデンの名優ステラン・スカルスa0212807_22401161.jpgガルド(1951~)、ボルグの婚約者でルーマニアの女子テニス・プレイヤーのマリアナを同じくスウェーデンの女優ツヴァ・ノヴォトニー(1979~)が、脇を固め ボルグとマッケンローという稀有な二人の天才テニス・プレイヤーの伝記映画を人間劇映画に変奏する重要な役割を担い好演していることも見逃せません。

# by blues_rock | 2019-03-27 00:07 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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イギリスのジャスティン・チャドウィック監督(1968~)が、スペイン(スペイン・ハプスブルグ家)の支配から逃れ、独立国家となったオランダ(ネーデルラント連邦共和国)の黄金時代、当時 ‘チューリップ・フィーバー’と呼ば
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れ、チューリップ球根に熱狂した‛バブル経済‘に酔い痴れた市民社会を繁栄の象徴でもあった‘絵画ブーム’と重ね合わせ「チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛」(原題「Tulip Fever」)をドラマチックに描いています。
a0212807_07505347.jpg当時のオランダ、デルフトの画家フェルメール(1632~1675)を描いた2003年映画「真珠の耳飾りの少女」に対するチャドウィック監督のオマージュを感じます。
このオランダの黄金時代は、オランダ絵画も絶頂期で、フェルメールの他にもハルス(1581~1666)、レンブラント(1606~1669)、ステーン(1626~1679)など美術史上著名な画家が、数多くいて、多くの傑a0212807_07505702.png作油彩画を遺しています。
映画の舞台は、1634年のオランダで 東インド会社が、アムステルダムにもたらす巨万の富(経済繁栄)の黄金時代もピークを過ぎオランダは、時まさにヨーロッパ諸国を巻き込んだキリスト教カトリックとプロテスタントの三十年戦争(1618~1648)の最中でした。
映画の時代考証が、実にすばらしく撮影のエイジル・ブリルド(1971~)、美術のサイモン・エリオット(プロファイル不a0212807_07510067.jpg詳)、衣装のマイケル・オコナー(1965~)と製作スタッフいずれも秀逸です。
スペイン王国から独立し共和国となったオランダの修道院育ちの美しい娘ソフィア(アリシア・ヴィキャンデル 1988~)は、若くして年の離れた豪商のコルネリス(クリストフ・ヴァルツ 1956~)に嫁ぎました。
a0212807_07510309.jpgそこには、同世代の召使いマリア(ホリデイ・グレインジャー 1988~)が、おり、魚売りの青年ウィレム(ジャック・オコンネル 1990~)と恋仲でした。
主のコルネリスは、友人の画商から紹介された若手画家ヤン(デイン・デハーン 1986~)に妻ソフィアの肖像画を依頼しました。
ヤンは、美しいソフィアを見たとたん一目惚れしました。
ソフィアは、最初ヤンを避けていたもののやがて密かに逢瀬を重ねるようになりました。
魚売りのウィレムは、マリアと結婚するためチューリップ球根の取引で一攫千金を夢見ていました。
a0212807_07513954.jpgウィレムは、チューリップの球根を育成している聖ウルスラ修道院の庭で、純白と真紅の混ざったブレイカーと呼ばれる希少種を発見するも強かな修道院長(ジュディ・デンチ 1934~)から見透かされ高値で購入しました。
ソフィアが、召使いマリアのマントを無断借用してヤンに会うため外出した丁度その時、マリアを訪ねて来たウィレムは、そのマントの色から顔を隠しa0212807_07514765.jpgたソフィアをマリアと想い尾行、ヤンの部屋に入る後ろ姿を見て茫然自失、アムステルダムから姿を消しました。
突然のウィレムの失踪で、気が、狂わんばかりのマリアは、妊娠していることをソフィアに告白しました。
ソフィアは、ソフィアで、コルネリスとの間に子供が、できず悩んでいたこともあり、一計を案じ、医者を丸め込んで自分の子供として出産させることにしa0212807_07515078.jpgました。
ヤンは、恋焦がれるソフィアと駆け落ちするため、彼もまた一攫千金のチューリップ球根の取引を行ないますが、はじけたバブルの後遺症で大損、無一文になりました。
やがて、コルネリスは、ソフィアが、産んだという子供は、召使いマリアの子供と知ることになります。
a0212807_07515565.png冒頭、映画を見る人に「あなたが、生まれる前のオランダは‥」と自分の子供に語りかけるように話す女性が、マリアで、コルネリスは、死後召使いマリアの子供に自分遺産を与えました。

# by blues_rock | 2019-03-25 00:05 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
九州道 筑紫野インター下の道を山神ダム方向へ車で5~6分(インターから5㌔くらい)走ると山神ダム展望公園が、あります。
知る人ぞ知る「麺工房 筑紫庵」は、その山神ダム展望公園駐車場入口の道路を挟んだ山手側にあります。
麺工房と言っても古い民家を改造した「うどん店」で工場(こうば)の趣は、なく食堂です。a0212807_19365171.jpg
緑に囲まれた広い庭には、野外ライブ(ミニ・コンサート)が、できる設えもあり、これからのシーズン(春から秋まで)、また訪ねることになりそうです。
広い古民家には、ギャラリーも併設され、ご主人から「金継ぎ作品の展覧会に使用していいよ。」と声かけられましたので、今年秋(2019年10月26日から11月4日まで)の「金継ぎ、陶と漆の作品展」(クラフト店「梅屋」のギャラリーKOYA、福岡市早良区石釜)が、終わったら、来年(2020年)春、新緑のころ開催しようかな、と思案しています。
「麺工房 筑紫庵」の完全無添加 ‘手抜きうどん’ は、one&only ‥ 自分の舌で味わったら分かる「美味しい‘うどん’」です。

# by blues_rock | 2019-03-23 00:03 | 柏原生活/博多叙景 | Comments(1)
アスガーを演じるのは、スウェーデンの名優ヤコブ・セーダーグレン(1973~、2010年トマス・ヴィンターベア監督作品「光のほうへ」主演)です。
a0212807_07055737.jpg共演者は、電話向こうにいる三人、ひとりが、車に拉致されどこかに連れ去られている女性イーベン(イェシカ・ディナウエ 1993~、声だけの出演)、その怯えて恐怖に喘ぐ途切れ途切れの声でアスガーは、異常事態が、発生していることを知ります。
a0212807_07055490.jpg警察官であったアスガーは、不祥事件の原告として係争中で、そのため緊急ダイヤル指令室のオペレーターとして左遷されていました。
元警察官のアスガーは、捜査経験を生かし通報者のイーベンから身元、拉致状況、車の位置情報を誘導しながら聞き出そうとするも、時おり聴こえる男の怒鳴り声に‘助けて!’と怯(おび)え、喘(あえ)ぐa0212807_07060275.png彼女の声が、聴こえるだけでした。
イーベンは、電話で話している相手が、幼い自分の娘と装い、緊急ダイヤル指令室に助けを求めてきたのでした。
アスガーは、聞き出した少ない情報から拉致した男が、イーベンの元夫ミカエル(ヨハン・オルセン 1969~、声だけの出演)で、二人の間に幼い娘(少a0212807_07060536.jpg女、声だけの出演)と息子(少女の小さな弟)が、いると分かりました。
真っ暗闇の自宅でひとり、受話器を握りしめ一生懸命アスガーの問いかけに答える幼い少女は、安全なのか、奥の部屋に小さな弟が、いるという家の状況を知ろうとアスガーは、必死でした。
当初は、家庭内DVに端を発した単純な暴力拉致事件と思えましたが、モラー監督は、「視覚的な」音の感覚をa0212807_07062026.jpg絶妙に駆使しながら、見る者(声と音と聴く者)の先入観を打ち砕き、どんでん返しの予想しない方へ私たちを連れていきます。
モラー監督の脚本と演出の冴えも見事ながら、撮影監督 ジャスパー・J・スパニング(1987~、31歳)の映像と音楽監督 オスカー・スクライバーン(プロファイル不詳)の音響が、見る者の不安(不穏な心理)を煽
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り、‘声と音’の効果は、抜群です。
タイトルの“ギルティ(罪)”の意味は、この不可解な拉致事件と相俟って主人公アスガーが、抱える係争中の刑a0212807_07062281.jpg事事件の“罪”でもある重層的な意味であることを見る者は、知ることになります。
そして、「The guilty/ギルティ」は、次第にイマジネーション・スリラーから重層的なクライム・サスペンスへと変奏し‘深い余韻’を残して終わります。
a0212807_07062674.jpg早くもハリウッドは、名優ジェィク・ギレンホール(1980~、右写真)主演で、リメイクするとのこと、このことからも「The guilty/ギルティ」が、いかにすばらしい作品であるか、お分りだろうと思います。

# by blues_rock | 2019-03-21 00:01 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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デンマーク映画界は、コンスタントに秀逸な(鬼才や異才)監督を輩出しています。
この30年余年、1987年に「バベットの晩餐会」を撮ったガブリエル・アクセル監督(1918~2014)以来、ラース・a0212807_07032010.jpgフォン・トリアー監督(1956~、1996年「奇跡の海」、2000年「ダンサー・イン・ザ・ダーク」、2003年「ドッグヴィル」、2005年「マンダレイ」、2009年「アンチクライスト」、2011年「メランコリア」、2014年「ニンフォマニアック」)、トマス・ヴィンターベア監督(1969~、2010年「光のほうへ」、2012年「偽りなき者」)、スサンネ・ビア監督(1960~、2009
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年「マイ・ブラザー」、2010年「未来を生きる君たちへ」、2014年「セリーナ 炎の女」)、ニコライ・アーセル監督(1972~、2009年「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」脚本、2012年「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」)、ニコa0212807_07033405.jpgラス・ウィンディング・レフン(1970~、2010年「ヴァルハラ・ライジング」、2011年「ドライヴ」、2013年「オンリー・ゴッド」)など世界映画史に残る名作を撮った名監督たちに続く新星として若干30歳の新鋭グスタフ・モラー監督(1988~)が、登場しました。
a0212807_07034639.jpg「The guilty/ギルティ」が、初監督作品のモラー監督は、「見る人に挑み、驚かせるようなジャンル映画を作りたい」とデンマーク(人口570万人)の首都、コペンハーゲン北部緊急ダイヤル指令室を舞台に電話の向こうから聴こえる‘声と音’を道具立てに、映画センス抜群のイマジネーa0212807_07035182.jpgション・スリラーとワンシチュエーション・サスペンスを融合させた‘新感覚の密室劇’(プロット)を発表しました。
「The guilty/ギルティ」は、今や世界中の映画関係者(とくに映画配給会社、ネット映画放送会社など)が、注目するインディペンデント系映画(国籍問わず各国の新作、a0212807_07050986.jpg新人監督作品)の発表の場であるサンダンス映画祭で大絶賛(観客賞受賞)されました。
サンダンス映画祭(グランプリ)から有名になった主な作品に2008年「フローズン・リバー」、2012年「ハッシュパピー バスタブ島の少女」、2014年「セッション」などが、あります。
a0212807_07035570.jpg余談(前置き)が、長くなりましたので閑話休題します。
映画を見る者は、1時間半に満たない(88分の)映画「The guilty/ギルティ」を冒頭から最後までずっと息を殺し固唾をのんで「主人公と一緒に電話の向こうの“声・息づかい・沈黙”に耳を凝らす」ことになります。
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映像に終始映るのは、主人公の緊急ダイヤル指令室オペレーター警官アスガーただ一人、まわりに同僚オペレーターが、いるにはいるものの彼の背景みたいな役回りです。
a0212807_07053265.jpg出ずっぱり、それもエクストリーム・クローズアップで映し出されるアスガーの表情(目に現われる感情)が、見る者の心にシンクロしていくので緊張感は、途切れることが、ありません。(後編に続く)

# by blues_rock | 2019-03-19 00:09 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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造船所で働く兄良夫(松浦祐也)は、右足が、悪く引きずるように歩き、発達障碍が、あり放浪癖のある妹真理子(和田光沙)を鎖につなぎ外から鍵をかけ狭いアパートに閉じ込めていました。
ある日、鎖を切り、鍵を壊した真理子は、アパートから出て居なくなりました。
a0212807_23151201.jpg夜も更けたころ公衆電話から「娘を保護しているのですぐ来て欲しい」と良夫の携帯に電話が、入りました。
真理子をアパートに連れ帰り、風呂に入れ、脱衣した衣類を洗濯しようとしたところ服のポケットに一万円札が、入っていました。
そして、良夫は、真理子の下着に精液が、付着しているのを発見しました。
一万円札をどうしたのかと、風呂にいる真理子に良夫が、訊ねても「もらった」としか答えませんでした。
同じころ良夫は、造船所をリストラされ食料も尽き電気も止められてしまいました。
生活に困窮した良夫は、思い余って妹の真理子に売春させようとポン引き(売春の斡旋)を始めました。
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良夫は、真理子を連れ長距離トラックの駐車場に行き一時間一万円の売春を勧誘し、チラシを作って二人で配って歩きました。
真理子は、売春を冒険と呼び客をとるうちに性に目覚めたのか積極的になり、やがて客のひとりである小人症a0212807_23153382.jpgの男に淡い恋心を抱くようになり一時間を過ぎて良夫が、真理子を迎えに行っても売春先の男のアパートから帰ろうとせず、無理やり連れ帰ると悲しみました。
二人が、生きるためとは言え、どこか妹に売春させる後ろめたさを感じていた良夫は、売春を冒険と呼び、積極的に行こうとする屈託のない妹真理子の喜びや悲しみを知って戸惑いました。
a0212807_23154300.jpg真理子の売春を知った良夫の幼な友だち(警察官)が、妹の売春を止めさせようとアパートを訪ねて来ました。
そして、良夫は、真理子の妊娠を知りました。
産婦人科の女医役で、1980年代の日活ロマンポルノを支えた風祭ゆき(1953~)が、出演していました。
片山監督は、「岬の兄妹」のクランク・イン前、障碍者の関係者や福祉に関わる人たちから厳しい批判の声が、
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上がると覚悟していたそうです。
だが、片山監督によると障碍者福祉の専門家たちの方は、障碍者も自分らと同じ人間であると理解していて、一般人のほうが、自分勝手に「障碍者」というフィルターを通し狭量に考えているのでイチャモンを付けて来たa0212807_23155342.jpgのは、一般人(最も危ないのは、自分を健常者と誤認している人たち)だったそうです。
「岬の兄妹」のエンディングでスクリーンに映る冷徹なリアリティは、私の胸にぐさりと突き刺さり、その切なさとやりきれなさの相俟った余韻(秀逸な映画を見た感動)が、映画館を出たあとも私の心にいつまでも残りました。
a0212807_23155668.jpg片山監督の次回作が、今から楽しみで、私の提言ながら、2019年カンヌ国際映画祭(ベルリンでもヴェネチアでも良いのですが)には、この傑作映画「岬の兄妹」を現代日本映画の代表として出品して欲しいものです。
(右写真 : 主演の二人)

# by blues_rock | 2019-03-17 00:07 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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インディペンデント映画「岬の兄妹」は、現代日本社会の底辺に住まう人たちの現実(私たち日本人が、見て見ぬふりをしている真実)を片山慎三監督(1981~、現在38歳 製作・監督・脚本・編集の4役、長編映画監督デビュー作品)が、主人公の兄妹ともに障碍(兄は、右足が、不自由、妹は、発達障碍で放浪癖が)あるも、押し潰a0212807_23030159.jpgされそうな厳しい現実の中で生きていく姿を冷徹な目でリアルに描いています。
兄のリストラによる貧困、困窮した生活ゆえに行き着いた妹に売春させるという重くシリアスなプロットに時に、笑いを誘う‘コメデアスなシーン’のバイアスをかけ、初監督と思えない緩急自在の見事な演出で、映画の冒頭、居なくなった妹を捜す兄のシーンから、やはりエンディングで居なくなった妹を捜す兄のシーンまでa0212807_23030627.jpg徹底したリアリズムとテンションを貫き、すばらしい映画(傑作です)にしました。
片山監督は、社会派映画と呼ばれるのを避け、押しつけがましさのない見る人たちに兄妹や彼らに関わる人たちもまた「同じ人間」であると思ってもらいたいと、若干寓話性を持たせて映画を撮った(そのため障碍者施設や福祉行政のことについては、敢えて触れなかった)と公開後のインタビューに答えています。
a0212807_23032008.jpg「岬の兄妹」には、2010年の傑作「海炭市叙景」の貧しい兄妹愛と昨年(2018年)話題となった傑作「万引き家族」の貧困と生きて行くための万引き(「岬の兄妹」は、売春)が、シンクロしたような印象を私は、受けましたが、‘人間の本質’を これでもかという、おぞましいシーン、えげつないシーン、胸締め付けられる切ないシーン、やりきれないシーン、また人を思いやる情愛溢れるシーンなどの描a0212807_23031804.jpg写は、「海炭市叙景」・「万引き家族」の両傑作に勝るとも劣らない新しい傑作映画の誕生だと思います。
私が、信じられないのは、インディペンデント系とは言え、これほどの上質な映画が、西日本(京都以西九州全域)で上映されているのは、福岡市郊外の粕屋郡志免町にあるイオンシネマ福岡一館(単館)だけということです。
a0212807_23032379.jpg映画製作に当たって片山監督ほかスタッフ陣総がかり体制で(低予算ゆえスタッフが、一人何役も兼ね、移ろう四季折々のシーンを2年がかり)で撮影しています。
とくに、主人公の兄妹(きょうだい)、右足を引きずる兄良夫役の松浦祐也(1981~)、発達障害のある妹真理子役の和田光沙(1983~、2018年「菊とギロチン」に女力士役で出演)が、実にすばらしく、二人の迫真演技に私は、心底感動a0212807_23032720.jpgしました。
薄幸ながら微塵の屈託もない天真爛漫な妹真理子を演じた和田光沙の名演‘体当たり’の演技(真理子を不幸に見せないよう演じたとコメント)は、稀代の名女優 故樹々希林が、演じたどの役柄の存在感にも通じる演技の本質(リアリティ)を感じました。
片山監督は、兄良夫役を早くから松浦祐也とイメージし脚本を書いていたそうながら真理子役が、決まらずオーa0212807_23032501.jpgディションで和田光沙に決定したのだとか、和田美沙は、撮影移動車輌の運転やチラシの配布の裏方仕事も積極的(強い映画愛の顕われ)だったそうで、映画冒頭からの全身裸での体当たり演技にそれは、よく表れています。
映画は、とある岬の小さな港町(三浦半島の三崎港で撮影)で暮らす共に障碍をもつ兄妹が、主人公です。
後編に続く)

# by blues_rock | 2019-03-15 00:05 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
制作していて次の工程に行き詰まるとわが技量の至らなさに気持ちが、沈み爆発しそうになるので「白檀塗」
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を私は、「爆弾塗」と自虐的にシャレて そう呼んでいます。
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まだ完成には、ほど遠いのですが、恥を忍んで制作中の「木胎漆変わり塗り四角平皿( 裏に「=」のゲタ高台)」
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2枚をあえて掲載しました。 (上下写真 : 変り塗りの表と裏)
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どなたか この白檀塗のグレード・アップ法をアドバイスくださると光栄です。

# by blues_rock | 2019-03-13 00:03 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)

アイデンティティ とは、 ‘自分’が、何者で何を考え、どう在りたいのか、自己同一性(自我を認識する=自分を知ること)を意味する心理学の専門用語です。

人の場合「個性」、企業の場合「CI(コーポレート・アイデンティティ)」が、概念としては、一番近いと思います。

a0212807_00360158.jpgつまり、心理学と社会学において、ある者が、何者であるか について、他の者と区別しようとする概念、信念、性質、そしてそれを表現、主張することです。

幼児期の他者は、母親です。

幼児期の自己主張(本能やわがまま=自己中心)は、母親が、丸ごと受入れ受け止めてくれます。(このところネグレクト=育児拒否・虐待する母親も増えてはいますが)

やがて、子供から思春期を経て成長し大人になる人生の初期に ‥ 自我が、生まれると母親や父親への反抗、友だちや異性とのコミュニケーションに悩むようになり自我に目覚め、自分を意識する、つまり自己認識するようになります。

私は、‘人間の資質’で最も大切なことは、「問題(トラブル)解決能力」だと考えています。

a0212807_00360690.jpgいま世界中、この「問題(トラブル)解決能力」ない人たち(‘悪しき風潮’に大衆迎合する人々)が、増え、そのポピュリズム(大衆迎合)は、いまから(わずか!)74年前の1945年以前の、暗黒の戦争時代に バック・ツゥ・ザ・フューチャーしようとしています。

今まさに “戦前”の予感 ‥ だが、次の戦争の時代のあとに、もう戦後は、ない(つまり、世界の消滅しかない)でしょう。

あれ、あれ、「個性と発達障害のこと」を書くつもりが、デストピア(ユートピアの真逆)世界の話になりましたので、閑話休題いたします。

私の知人が、開いている「学習障害児を持つ親のブログ」を読んでいたら、いまさらながら私は、‘発達障害’だっa0212807_00361544.jpgたかもしれない(今でも成人性アスペルガーかも?)と気付かされ 思い当たるフシが、たくさんありました。

とくに十代半ばに発症し苦しんだ「強迫観念症」は、自分の感情や衝動をコントロールできないので本当に悩まされました。

私は、そのころ、精神医学者 森田正馬(18741938、「森田療法」の創始者)先生の「神経質の本態と療法」(こちら参照)と出遭い、私の座右の書として先生の「あるがまま」の教えを実践し自分の心(精神、感情)と向き合って来ました。

私は、子供のころから興味や関心が、ないものへ適応能力に劣り、他人との協調もニガテで自分の価値判断と行動基準は、生理的な感情(つまり好き嫌い)でした。

‘壊れたラジオ’みたいに おしゃべりな今の私を知る人たちは、いつもの冗談と、信じてくれませんが、私は、子a0212807_00362003.jpg供のころ 吃音(どもり)に苦しみました。

吃音(どもり)コンプレックスが、あるので言いたいことを早く言おうとして早口で どもるので ますます劣等感、そしてそれに押し潰され「強迫観念症」を発症しました。

大学に入学するとすぐに美術部に入り、大学のアトリエか、自宅の狭い部屋にこもり、絵ばかり描いていました。

学生時代、友人から面と向かって「おまえは、いいやつだが、気難しいからなあ」とか「変わっているからなあ」と変人扱いでした。

大学を何とか卒業し就職‥次第に、絵は、描かなくなりましたが、三つ子の魂、百までなのか私の居場所(和め寛げる場所)は、美術館・博物館・映画館の三館にあるよう思われ入り浸るようになりました。

a0212807_00454363.jpgそして、秀逸な作品は、皆な個性(アイデンティティとオリジナリティ)にあふれ、それこそが、芸術の魅力(感動の本質)と気付きました。

そうか だから、芸術家に奇人、変人が、多いのか、そうか ‥彼らは、皆な「発達障害・学習障害・ADHD(多動性障害)などの‘アスペルガー性向’を芸術に昇華したのだ」と妙に納得するも私の場合、時すでに遅く、ずっとアスペルガー性向を引きずったまま(成人性アスペルガーとして)今に至りました。

生来、希薄だった私の「問題(トラブル)解決能力」は、年追うごとにさらに劣化、気難しさや生理的な(好き嫌いの)感情だけが、昂じるばかりながら、いまさら奇人、変人を隠しても始まらないので、私の中で問題(トラブル)を解決できないこと(や人たち)とは、距離をおき、近付かない、もし運悪くニアミスしたらすぐにそこを立ち去る(静かに拒否する)などして物事(しがらみ)に対処、だから私は、大の冠婚葬祭ギライでもあります。

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わがまま? ジコチュー? いいじゃないですか!
自分の人生です。
自立・自助・自己責任の原則さえ全うすれば、何も 嫌なことを我慢して生きていくこともありますまい。

# by blues_rock | 2019-03-11 00:01 | 人生/愛(Love) | Comments(0)
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ギリシャの鬼才 ヨルゴス・ランティモス監督(1973~)が、イギリス王室のアン女王(1665~1714、日本では、江戸初期の第4代将軍 徳川家綱、家光の息子)の時代に、スポットを当てて撮った、最新作のコメディアスな歴史
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映画「女王陛下のお気に入り」を見ました。
ヨルゴス・ランティモス監督は、36歳のとき2009年ギリシャ映画の怪奇な家族ドラマ(の異色作)a0212807_09163045.jpg籠の中の乙女」(カンヌ国際映画祭の新人監督作品を対象にした ‘ある視点’部門でグランプリ受賞)で注目されるも、ギリシャ危機でイギリスに映画製作の拠点を移し2015年、これまた特異なSFデストピア恋愛映画「ロブスター」を発表しました。
ランティモス監督の最新作「女王陛下のお気に入り」に登場するのは、歴史上実在した人物ばかり、それをランティモス監督が、包丁さばき(脚本と演a0212807_09163327.jpg出)も鮮やかに、コッテリとした300年前のイギリス王室 内幕劇料理をコメディ風味(口当たりもノド越しも好い味わい)にして私たちに饗してくれました。
主人公のアン女王をイギリスの名女優オリヴィア・コールマン(1974~、2015年「ロブスター」、2017年「オリエント急行殺人事件」に出演)が、怪演、アカデミー賞主演女優賞を見事射止めました。
a0212807_09163598.jpg受賞後のオリヴィア・コールマンのスピーチ「まぁ、これはホントにストレスたまるわ」から始まるユーモアあふれる情愛に満ちたスピーチが、すばらしく才媛女優の知性を感じました。
オリヴィア・コールマン演じる実在のアン女王のキャラも凄ましいの一言、妊娠と出産17回ながら死産や出産後の死亡と併せアン女王の子供全員が、亡くなっています。
a0212807_09163839.jpgブランデーが、好きで浴びるように飲んでいたことから ‘ブランデー’と揶揄され、17回の妊娠と出産しつつ同性愛の性癖もありました。
アン女王は、ストレスから情緒不安定で、ゲーゲー吐きながら過食、持病の痛風に苦しみ車椅子生活、ムラっ気が、激しく、政令の朝令暮改も当たり前で、死んだ子供たちの代わりに王宮内の広大な自室で17匹のウサギを子供たち(Babies、a0212807_09165975.jpgchildren)と呼び溺愛していました。
この女王陛下のお気に入りになろうとアン女王を軸に二人の女官(従姉妹同士)が、なりふり構わない激しい愛憎劇を展開していきます。
女官の一人が、アン女王の幼友だちで女王陛下の親友にして同性愛の相手でもある公爵夫人サラ、演じるのは、名女優レイチェル・ワイズ(1970~)、女王陛下のアンに対する態度も横柄a0212807_09164181.jpgでタメグチ口調、大臣たちにもアン女王代理の権力者として居丈高な女を好演しています。
もう一人は、女官の座を狙うサラの従妹のアビゲイルで演じるのが、若手ながら名女優のエマ・ストーン(1988~)、没落貴族の娘にして身売り同然でドイツ人商人の妻になったものの ‘貴族復帰’の野心に燃える 何でもありの女を女官サラ役のレイチェル・ワイズ相手に体当たりの演技で挑み熱演をしています。
a0212807_09170257.jpg野心に燃えるアビゲイルは、従姉のサラから女王アンの侍女にしてもらったことをチャンスと思いアンとサラの同性愛にも割り込み三角関係の同性愛になりました。
気分屋のアン女王は、自分のワガママに寄り添い喜怒哀楽を共にしてくれるアビゲイルを好むようになりますが、‥どこまでもジコチュー女王陛下のお気に入りになるのは、強靭な忍耐のいることでした。
a0212807_09170530.jpgこの映画の見どころのポイントは、五つ、① ヨルゴス・ランティモス監督の緩急自在な演出、② 三人の女性たちお互いの毒のある罵詈雑言(脚本のすばらしさ)、③ アイルランドの撮影監督 ロビー・ライアン(1970~、2014年「ジミー、野を駆ける伝説」、2016年「わたしは、ダニエル・ブレイク」)の当時の空気を感じさせる映像、④ 美術(プロダクション・デザイン)監督 フィオナ・クロンビーのa0212807_09170824.jpg時代考証されたセットと背景、⑤ 衣装(コスチューム・デザイナー)監督 サンディ・パウエル(1960~、2015年「キャロル」の名衣装デザイナー)の、やはり時代考証された衣装です。
男性俳優も大勢出演していますが、強烈なアン役のオリヴィア・コールマン、サラ役のレイチェル・ワイズ、アビゲイル役のエマ・ストーンの前に、霞んでほとんど印象に残りません。
a0212807_09172175.jpg敢えて挙げるなら念願の王宮に来て、野心に燃える侍女アビゲイルに近づき王宮内の情報を流すよう(スパイになれと)迫るハーレー卿を演じたニコラス・ホルト(1989~)くらいです。
映画のエンディングも秀逸で、うんざりして(王宮に嫌気が、さし)王宮を去ったサラの後任女官となったアビゲイルの頭につかまりアン女王が、立ったまま新女官アビゲイルに自分の足を揉a0212807_09172726.jpgませ、二人とも空虚な表情で宙を見つめているシーンと、そんなことなど我関せずの無垢なウサギたちを映したシークエンスで映画は、終わります。
ヨルゴス・ランティモス監督の次の作品もスーパー・シニカルで、ブラック・ユーモア満載の作品を期待しています。

# by blues_rock | 2019-03-09 00:09 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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先夜の「ブルー・マインド」に続き、今夜もヨーロッパ(北欧)のホラー映画の秀作をご紹介します。
デンマークのヨアキム・トリアー監督(1974~、ラース・フォン・トリアー監督 1959~の甥ながら両者にあまり交流はないとか)が、2015年のミステリー映画の秀作「母の残像」のあとに撮った ‘ロマンティック・スーパーナチュラa0212807_18461685.pngル・スリラー’(ヨアキム・トリアー監督の本人談)、2017年のノルウェー映画「テルマ」は、確かに監督本人が、コメントするように新感覚のサイキック(超能力の怪奇現象)ホラー映画です。
北欧の宗教的神秘主義を背景に描いたサイキックなホラー映画「テルマ」は、1976年の「キャリー」を彷彿とさせるオカルトのようなシーン(少女テルマの心が、動揺しパニックになると様々な怪奇現象を引き起こすシーン)もありますが、ヨアキム・トリアー監督は、a0212807_18462504.jpg奇怪な演出を極力抑え、スウェーデンの名監督イングマール・ベルイマンの1966年名作「仮面/ペルソナ」に触発されたような主人公の少女の深層心理(禁欲と欲望、愛と憎悪、抑圧と解放)、そしてテルマのパニックの原因である強制された信仰のトラウマ(潜在意識)を秀逸なシュールレアリスム映像で表現しています。
確かに ‘ホラー’というより終始漂う緊張感は、秀逸なスリラー映画のようで、たとえるなら2013年スリラー映画a0212807_18462851.pngの秀作「イノセント・ガーデン」に似ています。
ヨアキム・トリアー監督は、まず「テルマ」を見る者に、主人公の少女テルマが、妄想癖や幻覚の発作を起こすサイコシス(精神病疾患)と想起させて(先手を打って)おきます。
幼児期からテルマは、カルト的なキリスト教を両親ほかまわりから洗脳され、その深層心理が、人間原始の本能(欲望と快感)覚醒で、自分の性的な妄想は、信仰の堕落によるものと恥じて自分を責め、その罪悪感で苦a0212807_18463681.jpg悩、「心因性の発作(心因性非癲癇という不可解な発作)」を起こす少女テルマの姿をヨアキム・トリアー監督が、いかにも北欧的でミステリアスなホラー演出で描きました。
テルマ(エイリ・ハーボー、1994~)は、ノルウェーの田舎町で厳格な原理主義キリスト教徒の両親に育てられ禁欲的で信心深いもののささいなことで折檻されていたこともあり幼少期の記憶が、ありません(児童虐待ストレスによる記憶喪失)でした。
a0212807_18463186.jpg成長したテルマは、オスロ大学に入学、一人暮らしを始め、すぐに自由奔放な大人びた女子大生のアンニャ(カヤ・ウィルキンス 1990~、映画初出演、アメリカ出自のミュージシャン)と出遭い、やがて初めて恋(キリスト教の教義で同性愛は、禁断の恋)に落ちました。
それ以来、突如テルマを「心因性の発作(心因性非癲癇発作)」が、襲うようになり、彼女のまわりでは、不可解a0212807_18464369.jpgな出来事が、続発するようになりました。
テルマの両親は、封印して来た自分の家族にまつわる “恐ろしい力”(テルマの祖母が、長い間、精神病院に入院中であることをテルマは、知らなかった)が、テルマの中で覚醒(封印を解くスイッチが、入った)したことを知り、覚悟を決め我が娘(こ)のテルマを抹殺しようとします。
ここまでが、映画の半ば、ヨアキム・トリアー監督の全作品を撮ったスウェーデン人の撮影監督ヤコブ・イーレ(プa0212807_18464664.jpgロファィル不詳)の美しく神秘的な映像は、見る者の視線を捉えて離さず、後半いよいよ佳境に入り、トリアー監督の新感覚サイキック(超能力の怪奇現象)ホラー演出をイーレ撮影監督が、見事に映像化していきます。
新感覚ホラーの「テルマ」に「キャリー」や「イノセント・ガーデン」の影響を感じるのは、当然だとしても、劇中に幾度か登場する「鳥」の群れが、トリアー監督のヒッチコック1963年作品「鳥」へのオマージュ(トリアー監督談)として見るのもこの映
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画の楽しみです。 (上写真 : 映像モニターで 演技の確認をするエイリ・ハーボーとヨアキム・トリアー監督)
敬虔なキリスト教信者の深い信仰心が、思春期少女の肉体(初潮と性徴)と精神(欲望と快感)の変化を否定することから生まれる‘罪悪感’をサイキックなプロットながら神秘的なホラー映画にしたヨアキム・トリアー監督のa0212807_21160024.jpg手腕は、たいしたものです。
この映画が、美しいハッピーエンドなのか、ダークなエンディングなのか、それは、見終えたあなた自身の判断です。
テルマを演じたノルウェーの新人女優 エイリ・ハーボーが、実にすばらしく、心因性非癲癇発作の長回しシーン、映画の冒頭とラストで、がらりと変わるテルマの表情(の演技)は、必見です。

(左写真 : フランス版「THELMA」のポスター、日本版と比較してみると センスの差は、歴然)

# by blues_rock | 2019-03-07 18:30 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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スイスの若手女性監督リサ・ブリュールマン(1981~、現在38歳)の初監督(オリジナル脚本)作品「ブルー・マインド」(2017)は、人魚のおとぎ話を‘今風’にアレンジして撮るとこうなるのかと、その映像才能にいたく感心させa0212807_06561572.jpgられたシュールながらもリアリズム描写に徹した寓話的なホラー映画です。
スイスの映画祭で作品賞、主演女優賞(ルナ・ヴェドラー 1999~、「ブルー・マインド」は、デビュー作品)、脚本賞を受賞していることからも分かるようになかなかの佳作と私は、思います。
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主人公は、15歳の思春期の少女ミア(新人女優ルナ・ヴェドラー、出演時18歳)で、彼女の初潮(生理の始まり)から彼女の身体に奇っ怪な変化が、起き始めるファンタジー・ホラーです。
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同時に転校した新しい学校での疎外感や孤独感と相俟ってミアの身体の中で何か得体の知れない突然変異、まあいわば、毛虫が、蝶になるような、ヤゴが、トンボになるような「変態現象」が、生理(初潮)の始まりとともにa0212807_06592249.jpg突如、彼女の身体に顕われました。
冒頭、ミアの母親(レグラ・グラウヴィラー 1970~)が、大切に飼っている観賞魚をまるでエサかのように水槽からミアは、手で掬って口に入れ美味しそうに食べますが、このシーンからリサ・ブリュールマン監督は、まず見る者を驚かせます。
a0212807_06592731.jpg人類が、過って海中生活していた水生動物(魚類)であったDNAが、覚醒したかのように、ミアの身体は、変態していきますが、両親は、ふさぎ込んだミアの悩み聞くどころか転校による生活環境の変化(疎外感や孤独感)が、原因だ、と真っすぐ受け止めず、精神の不安定なミアに「カウンセリンa0212807_06593259.jpgグを受けろ」と叱るだけで他人事のようでした。
ミアは、仕方なく病院に行き診察(検査)を受けましたが、婦人科の女医は、ミアに「とくに異常なく気の病です」とカウンセリングするだけでした。
a0212807_06593580.jpgミアは、同級生のジョアンナ(ゾーイ・パスティル・ホルトアイゼン 1999~、映画初出演)と知り合い親しくなりました。
ある夜、同級生たちの集まる海辺のパーティで酔った一人の少女が、海に転落し浮き上がらないので大騒ぎになりミアは、とっさに飛び込み、まるでa0212807_06594741.jpg人魚のような俊敏な泳ぎで沈んでいる同級生の少女を見つけ救いました。
しかし、同級生たちは、ミアに感謝するどころか奇異な目で彼女を見るようになりました。
少女から女性へ成長し初潮を迎えた15歳の美しいスイスの少女ミアの不安と恐怖(ブルー・マインド)を寓話的に描いた耽美ホラー映画で、スイスの撮影監督ガブリエル・ロボス(1975~)の美しい映a0212807_06594407.jpg像ならびに音楽監督トーマス・クラットリ(プロファィル不詳)のセンスあるサウンド・トラックも秀逸です。
ホラーと云っても こけおどしや えげつないシーンは、なく緩急バランスの好いホラー映画の佳作として、まだホラー映画を一度も見たことが、ないという方にホラーの入門編としてお薦めいたします。
(上写真2枚 : リサ・ブリュールマン監督、ならびにルナ・ヴェドラー左 と ゾーイ・パスティル・ホルトアイゼン右)

# by blues_rock | 2019-03-05 00:05 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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‘行書体の祖’王羲之(303~361)は、「書」を芸術にまで高めた書家として、夙(つと)に有名、普遍の存在です。
a0212807_08310587.jpg古代の中国のみならず日本でも奈良時代よりすべての書家が、王羲之の書を御手本にしてきたと伝わります。
過って古代中国(隋から清まで)の王朝に仕える科挙(高級官僚の雇用試験)では、王羲之の書体で答案しないと不合格だったそうです。
さて、私は、刻苧で直した古唐津茶碗に「心」の高蒔絵をしたいと王羲之の書から‘心’の漢字を探しましたら、二つの異なった書体の「心」を発見しました。
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一つは、行書体で、もう一つが、草書体と思われます。
a0212807_08310866.jpgまず一つ、王羲之の行書による「心」を‘青貝と梨子地銀’直しの古唐津茶碗(武雄系古唐津茶碗)に高蒔絵(初高蒔絵作品です)しました。
もう一つの草書の「心」は、‘呂漆塗立て’直しの古唐津茶碗(古山瀬窯茶碗)に高蒔絵しようと思っています。

# by blues_rock | 2019-03-03 00:03 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
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いま、陶土(つち)と轆轤(ロクロ)に翻弄されながらも、なんとか 真っ当な陶胎漆茶碗や陶胎漆器の「陶胎」を焼成したいの一念で奮闘中です。
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ロクロの前に座ることなど考えもしなかったのに、ロクロで作陶始めて間もなく一年、手捻り(紐作り)とは、異次元のロクロでの作陶に「こんなはずではなかった」へたり込んでいます。
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陶土とロクロの連合軍は、手強い相手で悪戦苦闘しています。
二年前、福岡市西区徳永の山中(と云っても徳永の交差点から1㌔ですが)にある玄洋窯の名陶工である冨永
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氏に師事し(それから毎週、押しかけ)、初心(うぶ)な気持ちで手捻り(紐作り)していたころの初心に還るために当時の拙作(茶碗好きの茶道知らずが、作陶した 伊賀風の 鉄釉飛び茶碗)を取り出してみました。
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この伊賀風茶碗(経12.5㌢、高さ8㌢、高台経6㌢)に私は、ちょっぴり苦い初恋ブレンド(ファディの初恋バレンタイン・スペシャル・ブレンド)コーヒーを注ぎセルフお点前しました。
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# by blues_rock | 2019-03-01 00:01 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
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このフランスの2017年クライム・サスペンス映画「女神よ、銃を撃て」は、フランスの大女優カトリーヌ・ドヌーブ(1943~、出演時74歳)とドイツの名女優ダイアン・クルーガー(1976~、出演時41歳)が、母と娘a0212807_03010862.jpg(親子)を演じた二人の名女優の演技を見る映画です。
監督は、脚本家のティエリー・クリファ(プロファイル不詳)で演出もさることながら脚本が、佳作の映画です。
されど、私には、原題「Tout nous sépare(私たちを隔てるすべてのもの)」が、どうして日本語タイトルになるとプロットと関係のない意味不明な「女神よ、銃を撃て」と云う無粋になるのか、さっぱり理解できa0212807_03011054.jpgません。
さらに、フランスとドイツの世界的に有名な名女優二人の主演なのに、WOWWOWだけの放映扱いで一般劇場未公開(DVDスルー)とは、アンビリーバブル(情けなや)です。
映画は、右足と背中に大事故(劇中その説明はない)の傷痕が、残る娘(ダイアン・クルーガー)は、その後遺症の苦痛から逃れるた
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めに薬物依存症(ジャンキー)となり麻薬の売人の恋人(男)が、いました。
彼女は、この男を愛していましたが、男は、彼女をただの金ズルとセックス相手としか思っていませんでした。
a0212807_03012754.jpg娘の母親(カトリーヌ・ドヌーブ)は、ドイツ人の亡父が、経営していたコンテナ会社の跡継ぎ社長をしていて母娘(親子)二人大きな屋敷で暮らし、事故の後遺症で障害のある娘を不憫に思い溺愛していました。
ある日、娘は、片想いの恋人と痴話ゲンカをして、とっさに金棒で頭を殴り、それが、致命傷となり殺してしまいました。
a0212807_03013494.jpg娘の異変に気づいた母親は、娘と過失致死の事件現場へ深夜に行き、死体を川に棄て、二人の乗っていた車を焼却しました。
しかし、しばらくして恋人の死体が、海岸に打ち上げられ警察は、現場検証で遺体の状況からギャングの抗争事件による殺人として片づけました。
a0212807_03014582.jpg娘は、恋人を殺したと云う良心の呵責に苦しみ警察に自首しようとしますが、母親は、娘をなだめ思い止まらせます。
だが、亡き恋人のギャング仲間の一人は、アルコールと薬物依存により挙動不審な娘を見て二人を脅迫、金を強請(ゆす)るようになりました。
エンディングも脚本家クリファ監督のクールな脚色で終わります。
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とにかく、娘を溺愛する母親役のカトリーヌ・ドヌーブと事故の後遺症で心身共に深い疵痕(きず)を負い、片想いの男とのセックスそしてアルコールと薬物に依存する娘役のダイアン・クルーガーが、実にすばらしく、この名
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女優二人のファンなら必見の佳作映画です。

# by blues_rock | 2019-02-28 00:08 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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根来塗り’の歴史は、古く、本来 根来塗りと云えば、朱色漆器の下から、長年の暮らしで普段使用した証である擦れ(傷み)てできた黒漆の表れを根来塗りと称してきました。
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その艶やかなコントラストの美しさを愛でた古人たちは、その反対のコントラストである黒漆の下から朱の漆が、ほんのり顕われたものは、黒根来と呼ぶようになり、これもまた愛好してきました。
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ならば、と私は、焼き締めた四角反り皿に 朱色漆を幾重も塗り重ね最後に、白漆を塗り固め、磨ぎ出して「白根来」にしてみました。
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‘せせらぎ’のような 反り皿(この皿の銘)表面の陶文様が、この皿の見どころです(とは、ちと自画自賛過ぎかもしれませんが‥)。



# by blues_rock | 2019-02-26 00:06 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
絞漆(しぼうるし)は、アカデミックな漆芸から見たら少し変わった技法なので ‘変わり塗り’ とも言います。
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豆腐(絹)と漆を混ぜて塗り固めた下地(他にも卵や上新粉でも、また一味違った下地になります)に、色々な漆を塗り重ね磨ぎ出す(ときに錫粉を蒔いて下地を砥ぎ出す)と漆器蒔絵の精巧にして緻密な神業(このストイック
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な世界は魔界)から解放された魅惑的な漆器や漆塗りのいろいろな小道具(箸やかんざし)が、創れます。
いろいろな素材(木・陶・布・紙・竹・皮など)の胎に絞漆(しぼうるし)で自由に漆と戯れる時間は、別格です。
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写真は、上から「木胎マグカップ」、「陶胎茶碗」、「ステンレス胎タンブラー」の絞漆(変わり塗り)です。
もう少し艶っぽく摺り漆しようかなと 思案中 ‥ 離れて眺め、心迷うのも 漆遊び の楽しさです。

# by blues_rock | 2019-02-24 06:30 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
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今夜もまた‘北朝鮮がらみ’の韓国映画ながら「V.I.P. 修羅の獣たち」は、鬼才パク・フンジョン監督(プロファィル不詳、2010年スリラー映画「悪魔を見た」の脚本、2013年韓国ノワール(犯罪バイオレンス)映画「新しき世界」の監
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督・脚本など)が、‘北朝鮮がらみ’のプロットで映画を撮ったら「なるほど、こうなるか!」と感心させられる作品です。
a0212807_17055196.jpg北朝鮮から韓国に脱北した若者が、VIP(=最重要人物、国家中枢幹部の息子)で実は、怪物(連続猟奇殺人犯)だったら?という設定(プロット)で映画は、製作されています。
連続猟奇殺人事件の裏で蠢(うごめ)く、韓国(政府中枢官僚の自己保身)×北朝鮮(権力闘争)×アメリカ(CIAの謀略)の利害と政治が、対立しやがて軋み始める3国当事者たちのジレa0212807_17055768.jpgンマと運命 ‥ フンジョン監督は、「V.I.P. 修羅の獣たち」を単なる韓国×北朝鮮×アメリカの国家間の緊迫した国際情勢アクション映画として描くだけでなく、スリラー・サスペンス・ミステリーが、ふんだんに盛り込まれた秀逸なエンタメ映画にしています。
a0212807_17060784.jpgそのため映画にリアリティを持たせ「現実ありそうな(弟が兄を暗殺した北朝鮮の事例もあり)猟奇殺人事件」として描くためフンジョン監督の演出が、激しいバイオレンスや残酷な殺人シーンを伴い、さらに猟奇的なスナッフフィルム(惨殺された本物の死体写真)をショットに入れたためフンジョン監督は、映画を愛さない人たちから非難され、a0212807_17231067.jpg編集にずいぶん苦労したようです。
韓国の国家保安局とCIAの陰謀で北朝鮮から亡命(脱北)した中国資金ルートの元締めで失脚した国家中枢幹部の息子(北朝鮮の中国資金秘密口座情報を知ると疑われる)が、連続猟奇殺人事件の犯人であったことをきっかけに事実を隠蔽しようとする者(脱北を受け入れた韓国の国家保安局)、逮a0212807_17063521.jpg捕しようとする者(ソウル市警殺人課の刑事たち)、復讐しようとする者(北朝鮮で殺されかけた国家警察官)、中国の北朝鮮秘密資金を探る者(CIA工作員)など、それぞれの目的と思惑を持った男たちの運命が、交錯していく様子(さま)をメリハリの利いた4部構成(現在から過去にフラッシュバックして現在に戻る起承転結が、すばらしい!)でフンジョン監督は、描いています。
a0212807_17072024.jpgソウル市警の刑事チェ・イド(キム・ミョンミン 1972~)は、韓国で起きた連続猟奇殺人犯が、北朝鮮から亡命(脱北)した政権幹部の息子キム・グァンイル(イ・ジョンソク 1989~)である証拠をつかみ逮捕しようとします。
しかし、その行く手を韓国の国家保安局のパク・ジェヒョク(チャン・ドンゴン 1972~)が、CIAの要請で阻み、北a0212807_17073898.jpg朝鮮から密かに侵入した保安省工作員のリ・デボム(パク・ヒスン 1970~)は、キム・グァンイルが、北朝鮮でもサイコパス殺人鬼のVIPであったことから逮捕し北朝鮮に連行して復讐しようとしチェ・イド刑事(キム・ミョンミン)と対立します。
CIA工作員ポール・グレイ役を名脇役俳優のピーター・ストーメア(1953~)が、怪しく渋く演じています。
a0212807_17074134.jpg北朝鮮でも韓国でも若い女性を狙った連続猟奇殺人犯のキム・グァンイルを演じた美男子の若手俳優イ・ジョンソクが、見事、北朝鮮は、人の命(人権)などゴミのように扱われる独裁国家なので権力中枢にいる者の息子に殺人など犯罪(猟奇殺人ですら)という概念が、最初(はな)からまったく存在せず「ボクが、殺ったけど、それが、何か?」というふてぶてa0212807_17081478.jpgしく横柄な態度を上手く演じています。

必見は、映画冒頭(プロローグ)と最後(エピローグ)にクールな暗殺者を演じるチャン・ドンゴンとソウル市警の無頼刑事、北朝鮮の強面(こわもて)工作員、CIAエージェントの 3人から翻弄される国家保安局の上級官僚を演じるチャン・ドンゴン、これを劇中、同一人物のパク・ジェヒョクとして演じたチャン・ドンゴンの役者ぶりも見どころです。


# by blues_rock | 2019-02-22 00:02 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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韓国は、国内の世情が、怪しくなってくると、大統領以下国会議員まで日韓併合時代(1910年から1945年までの35年間の)「過去の瑕疵(かし、キズのこと=不幸な事件)」を論(あげつら)い敗戦国家の日本(今の日本人)を非難します。
a0212807_03274342.jpg自説ながら私も含め戦後生まれ(戦争を知らない子供たち世代)が、いまや両国民のほとんど(90%)なのに国家間となると恣意的に悪しき戦前意識(旧世代の差別と偏見に満ちた偏狭意識)になる(先祖返りする)のは、どうしたことか、といつも奇異に感じます。
私たち両国民が、目指したいのは、デストピア(暗黒世界)でないはず、ユートピアが、ムリだとしても安寧(ピースフル)な世界であるはずです。
a0212807_03281353.jpg引っ越しできないお隣さん同士は、仲良く暮らしていくしかありません。
韓国は、北朝鮮という厄介な独裁国家と対峙するので国内で世情と政治が、不穏になると大統領や軍さらに議員までも短絡的な反日愛国感情を煽り、保身のための世論操作を始めます。
そうなると日本側にも待っていました!とばかりに金切り声をあげる韓国嫌いの徒が、戦争前夜のように何やら叫び始めると ‥ どっちもどっち、うっとうしく、かつうんざりします。
a0212807_03284077.jpg坊主憎けりゃ、袈裟まで憎い、の喩えのとおり、このところ日本映画より韓国映画のほうに秀作が、多いのに映画ファンなら必ず見るような韓国映画の傑作「バーニング」のような作品までスルーする嫌韓人には、困ったものです。
閑話休題、北朝鮮という今そこにある危機を抱える韓国のアクション(バイオレンス)・サスペンス・スパイ映画は、日本映画のそれと比べ格段にすばらしく、その韓国映画の面白さをてんこ盛りしているのが、北朝鮮絡みの映画で、a0212807_03285958.jpg2000年「JSA」、2013年「ベルリン・ファイル」、同年「レッド・ファミリー」、同年「サスペクト 哀しき容疑者」、2017年「V.I.P. 修羅の獣たち」など他にも面白い映画は、たくさんあります。
今夜は、2017年作品「コンフィデンシャル/共助」(原題「confidential」 極秘)を紹介します。
この韓国映画「コンフィデンシャル/共助」は、北朝鮮と韓国の南北対立を背景に北朝鮮の闇の「偽ドル印刷組織」から銅版を強奪し韓国へ逃亡(脱北)した北朝鮮軍の犯罪者グループ(闇の「偽ドル印刷組織」を捜査していa0212807_03290422.jpgた秘密警察グループ)逮捕のため韓国が、歴史上初の南北共助による極秘捜査に調印ことから始まります。
北朝鮮から国際犯罪の捜査要請を受け入れた韓国ながら、この時まだ 精巧な銅の偽ドル札印刷原版にからむ極秘捜査であることを知りませんでした。
北朝鮮の秘密警察官 イム・チョルリョン(ヒョンビン 1982~)は、闇の偽ドル札印刷組織摘発の極秘任務中、上官のチャ・ギソン(キム・ジュヒョク 1972~2017)率いるグループの裏切りで自分の部下と妻を殺されました。
a0212807_03290760.jpgチャ・ギソンのグループは、銅の偽ドル札印刷原版を強奪すると韓国に逃亡(脱北)しました。
その事実を韓国はおろか世界に知られず極秘で奪還しなければならない北朝鮮は、担当官のイム・チョルリョンを北朝鮮の捜査官としてソウルに派遣しました。
韓国は、南北共助による犯罪捜査に調印したものの北朝鮮の説明を信用しておらず、その真の狙い(裏の目的)を探ろうとソウル市警の刑事 カン・ジンテ(ユ・ヘジン 1970~)に捜査協力と偽装して、北朝鮮の刑事 イム・a0212807_03291479.jpgチョルリョン(ヒョンビン)に密着し監視するよう命じました。
そして二人は、ソウルに潜む凶悪な北朝鮮の犯罪組織との戦いに身を投じていきました。
韓国の映画は、北朝鮮が、絡むとコメディでもシリアスな作品(前述「レッド・ファミリー」は、その典型)になります。
この「コンフィデンシャル/共助」もまたシニカルながらブラックユーモアたっぷりの面白い映画です。

# by blues_rock | 2019-02-20 03:22 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
普段使っている食器のキズを「色漆直しの金継ぎ」で修理してみました。
普段使いの修理は、色漆による直しが、気楽に出来て重宝です。
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古伊万里の呉須「千鳥文松竹梅窓絵」7寸皿に長く深い窯疵が、ありましたので錆漆で埋め呂色漆で整え浅葱漆で直しました。
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三角反り皿(一辺15㌢)に一箇所、窯疵が、ありましたので錆漆をいれ、全体の色調に合わせコバルト・ブルーの浅葱漆で直しました。
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高蒔絵小菊文の配(あしら)われたアンティーク小皿(経7㌢、たぶん明治期の有田窯)の縁のカケを刻苧で埋めて弁柄漆の下地に白漆で草文を描きました。
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今どきの丸皿ながら縁のカケが、おもしろくパテで元のように成形し呂漆で固め、弁柄漆のうえに白漆の露草文を蒔きました。
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どこにでもあるリキュール・グラスとビール・グラスのステム(軸=持ち手)が、味気ないので朱漆のうえに錫箔微塵粉を蒔き、梨子地漆で固め生正味漆を摺りました。
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木目の美しい四角盆を見つけましたので拭き漆にしました。
五枚が、それぞれ異なった木目で小ぶりながら裏表使える(リバーシブルな)菓子盆です。
a0212807_14250590.jpg犬も歩けば、棒に当たる です。
‘漆目’で街を歩けば、棒だらけ ‥ 時おり百均より安い万円棒(超掘り出し物)に ぶち当たったりするので アンティーク店(ユーズド・ショップ)覗きは、止められません。
コツは、「こんにちは、見せてください。」と気楽に入り‘衝動買い’をしないこと、グッと来る‘超掘り出し物’が、なければ、潔く立ち去ること、これを繰り返していれば‘超掘り出し物’は、向こうからあなたの前に出現します。

# by blues_rock | 2019-02-18 00:08 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)