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心の時空

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a day in my life

近未来、地球上のどこかの秘密研究施設において受精卵(遺伝子)操作で誕生したプロトタイプ(完成した試作品) L-9の型番をもつ人工生命体「モーガン」は、完成から5年が、経ち、成長する(人類に推定して20歳くらい)
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につれ人間の感情をもち始めました。
プロトタイプL-9の研究施設でモーガンは、人工生命体L-9開発チームの科学者たちに愛され丁寧に扱われて
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いました。
ある日、モーガンは、彼女を誰より愛し、モーガンもまた信頼する女性科学者に、突然襲いかかり重傷を負わせa0212807_1911858.jpgました。
映画は、監視カメラに映るこの襲撃シーンから始まります。
先日、ご紹介した「エクスマキナ」は、AIの知能進化と反乱を描いたSFミステリー・サスペンス映画でしたが、この「モーガン プロトタイプ L-9」では、原因不明で突然制御不能になった(暴走した)人工生命体の脅威を描いたデストピアSFスリラー映画です。
a0212807_19121211.png監督は、巨匠リドリー・スコット監督の息子(次男)ルーク・スコットで長編初監督作品です。
リドリー・スコット監督は、製作に回り、息子の監督デビューをサポートしています。
主人公の危機管理アナリスト(リスクマネージメント分析専門家)リー・ウェザーズを演じるのが、ケイト・マーラ(1983~ 名女優ルーニー・マーラの姉)
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で、彼女の持ち味である知的な美貌を生かした危機管理アナリスト、リーのクールな才媛ぶりは、秀逸です。
人工生命体L-9モーガンを演じた若手女優アニヤ・テイラー=ジョイ(1996~)も熱演していますが、「エクスマキa0212807_19151246.jpgナ」で、AIのエヴァを演じたアリシア・ヴィキャンデル(1988~)に比べると深層心理の表現にまだ迫力不足の感が、ありました。
ラストのシークエンスも暴力事件を起こした人工生命体プロトタイプ L-9 モーガンと危機管理アナリスト リーの二人が、最初に出会うシーンで、隔離室のガラスに映る二人の影を見て‘そういうことか’と予感させa0212807_19174194.jpgるショットは、私の深読みし過ぎかもしれませんが、もしルーク・スコット監督の見る者に対する暗示(演出)ならば、私は、ミステイクと思います。
劇中で、モーガンを創造した科学者の一人が、「最も残酷な行為は、自分の意思で外に出られない者に、窓の外を見せることだ」とリーにプロトタイプ(試作品)モーガンの混乱による偶発的な事件だと語り、投資ファンドa0212807_19181355.jpg本社が、製造しようとした人工生命体の真の開発目的(軍事用兵士の製造)とプロトタイプ L-9モーガンのもつ‘遺伝的アルゴリズムの歪み(進化の中で発生する不具合)’を指摘していました。
地味な映画ながら、なかなかおもしろい映画でした。
(左写真 : ケイト&ルーニーのマーラ姉妹)
# by blues_rock | 2017-05-05 00:05 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
自己流で‘金継ぎ’をしている方、これから‘金継ぎ’を始める方にお薦めしたい本(ハンドブック 15㌢正方形)が、「金継ぎをする(うめる、まく、みがく、つける)」です。
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書かれたのは、蒔絵の専門家にして金継ぎ師の小松知子さん(なおす、つくる。Kiatsugi & Maki-e)です。
4、5年前、「骨董じじばば」で小松さんが、金直しされた古唐津茶碗の金継ぎを拝見しその仕上がりの見事さに
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私は、一目ぼれ、それ以来、私の金継ぎのお手本として密かに私淑して来ました。
その小松さんが、ご自分の教室の方々のために(初めての人にも)分かりやすく金継ぎのノウハウとマニュアル
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を「金継ぎをする(うめる、まく、みがく、つける)」として本にまとめられました。
この金継ぎマニュアル書「金継ぎをする(うめる、まく、みがく、つける)」(全48ページ/@1、200) を拙ブログに
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(帯封のようなものとして)勝手に紹介いたしました。 (詳細は、こちらをご覧ください。)
金継ぎの手順書(入門書)として無駄がなく、見開きの写真付きで誰にでも分かりやすく、良くここまでa0212807_1134585.jpgコンパクトにまとめられたものと感心しています。
私は、いま金継ぎを学んでいるまわりの人たち、これから始められる方たちに、<この本のとおりを実践し、より数多く取り組めば上達する> と教えてあげたいと思います。
(左写真は、「漆器の直し方」 です。 )
# by blues_rock | 2017-05-04 00:04 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(2)
a0212807_93312.jpgインディペンデンス出身のアメリカの俊英監督ジェフ・ニコルズ(1978~)が、2016年に発表した新作「ミッドナイト・スペシャル」も2011年作品「テイク・シェルター」、2012年作品「MUD マッド」と同様、‘父と子にまつわる’物語です。
ニコルズ監督作品の特長は、3作ともニコルズ監督自身が、脚本を書き、製作のサラ・グリーンや製作総指揮のグレン・バスナーなどニコルズ監督の盟友製作陣なので映像作家ジェフ・ニコルズが、監督した‘作家性の強い’映画になっていることです。
この「ミッドナイト・スペシャル」を映画のジャンルで括るのは、難しくSFスリラーなのか、オカルトやホラーなのか、ニコルズ監督が、今まで見てきた映画で、たとえば1977a0212807_9344322.jpg年のSF映画「未知との遭遇」や1997年SF映画「コンタクト」 さらに1999年のホラー映画「シックス・センス」からの影響とオマージュを感じます。
SF映画と云っても「ゼロ・グラビティ」(2013)、「インターステラ―」(2014)や「オデッセイ」(2015)のようなリアルなSF映像によるSF映画ではなく、サイキックな透視能力(千里眼)やテレキネシス(念力)をもつ8歳の少年にカルト教団と国家秘密機関の魔の手が、伸びるSFスリラー映画と私は、思いました。
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ニコルズ監督作品の常連俳優マイケル・シャノン(1974~)が、少年(我が子)を必死に守る父親を熱演、父親に同行し一緒に少年の逃亡を助ける父親の親友にジョエル・エドガートン(1974~)、8歳の息子の身を心配する母a0212807_943387.jpg親をキルステン・ダンスト(1982~ 「ゼロ・ダーク・サーティ」)、秘密機関のテレキネシス(念力)研究員にアダム・ドライバー(1983~ 「沈黙サイレンス」)そして何より得体のしれない(人間の子供なのか異星人なのか)8歳の超能力少年を演じた新人子役のジェイデン・リーバハー(2003~)が、秀逸でした。
映画は、冒頭、真っ暗なスクリーンに8歳の少年の失踪事件を告げるテレビの緊急速報ニュースの音声だけa0212807_94438100.jpgが、流れスタートします。
カルト教団の持っていた数字の羅列は、アメリカ国家の最重要機密で、少年が、どうやってそれを入手にしたのか、国家秘密機関は、少年の行方を懸命に追っていました。
カルト教団は、少年の超常的な力だけが、世界の終わりを予見でき「最後の審判」を乗り越えるためにどうしても少年を必要していました。
a0212807_9452550.jpg少年には、‘行かなければならない場所’が、あり、少年の両親は、8歳の我が子を信じ、父親と父親の親友そして少年は、彼の言う‘行かなければならない場所’へ向かいました。
‘行かなければならない約束の地’に向かう途中少年は、今まで見せなかった超能力パワー ‥ 宇宙(さら)から監視している人工衛星を破壊し、相手の考えていることを察知するなど、その恐るべきパワーを発揮しました。
a0212807_9455532.jpgニコルズ監督は、「テイク・シェルター」のプロットでもあった神秘的かつ狂信的な主人公の行動は、科学的な根拠のある信念なのか、精神疾患と紙一重の妄想なのか、映画を見ている者が、目の前で起きている摩訶不思議な現象を見て主人公の信念にどう向い合うのか、見ている私たちに‘フィクションの核心’を問いかけています。
ほんの少しだけネタバレしますが、8歳の少年は、「光」として象徴的に描かれています。
a0212807_9471964.jpg「ミッドナイト・スペシャル」は、プロットが、荒唐無稽なSFスリラー(&オカルト・ホラー)であっても、才能ある監督と優秀な製作陣が、タッグを組んで制作すれば、秀作映画になるお手本と私は、思います。
(右写真 : ジェフ・ニコルズ監督)
# by blues_rock | 2017-05-03 00:03 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
ガース・ジェニングス脚本・監督(1972~)によるコンピュータ・アニメーション映画「SING/シング」(中洲大洋映画劇場)は、最近公開された映画の中でも出色の作品です。
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映画ファンをして「傑作より好き!」と言わしめる確かに魅力のある映画でした。
アニメーション映画は、あまり見ない私ですが、この映画は、どうしても見たい作品でした。
a0212807_23541217.jpg理由は、主人公のコアラで倒産寸前の劇場主バスター・ムーンをマシュー・マコノヒー(1969~)、家事と25匹の子ブタ育てに追われる毎日ながら歌が、何より好きな母ブタのロジータをリース・ウィザースプーン(1676~)、ヤマアラシのパンク・ロック少女アッシュが、何とスカーレット・ヨハンソン(1984~)、ビッグマウa0212807_23583936.jpgスながら、世界最小のジャズシンガー ハツカネズミのマイクにセス・マクファーレン(1973~ 「テッド」の監督と声)、象の少女ミーナをトリー・ケリー(1992~ レナード・コーエン‘ハレルヤ’のカヴァーは、必聴の価値)、父親は、強盗団のボスでボス見習い中ながら歌手の夢が、捨てきれないゴリラの青年ジョニーにタロン・
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エジャトン(1989~)、コアラのバスターを支える親友ヒツジのエディをジョン・C・ライリー(1965~)など、そうそうたる俳優たちが、その声を担当し劇中全16曲の中で、それぞれそのノド(皆な上手い!字幕版をお薦めします)a0212807_04426.jpgを披露しています。
ジェニングス監督自身も トカゲの老秘書ミス・クローリー(コアラの劇場主バスターに長年仕える)の声を担当、このトカゲの老秘書は、すること、なすこと ‘ドジばかり’ のやらかし屋ながら憎めないそのキャラクターが、映画の展開に重要な役回りを演出、ジェニングス監督の声優の才能もなかなかのa0212807_065430.jpgものでした。
映画は、擬人化された愉快なキャラの動物たちが、演じるるコメディで全16曲の歌は、それぞれが、歌うシーンで歌うだけなのでミュージカルではありません。
歌(=シング)」の魅力で、映画を見る者のハートを高揚させ涙あふれる感動とノリノリのドライブ感を与えてくれるとは、予想外の驚きでした。
a0212807_072930.jpg「シング」のタイトルは、映画の最後のシーンで、抜群の歌声を持ちながら緊張すると極度の上がり症のため声が出ず、何度も失敗したシャイな象の少女ミーナを励ますため、コアラの劇場主バスターが、ミーナに「歌い始めたら怖くなくなる、歌って(Sing)」とステージに送り出すセリフから来ています。
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勇気をもって歌ったミーナの歌は、倒産した伝統あるムーン劇場跡でバスターが、自分たちのために開いた一度限りのコンサート (この様子を地元テレビがライブニュースで報道)に詰めかけた音楽を愛する聴衆の大喝采
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を浴びました。
続編の「シング2」も決定しているとか、私は、今から楽しみにしています。
# by blues_rock | 2017-05-01 00:01 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
高台の残る古絵唐津の向付か 何かの陶片を梨子地銀直しの香立にしました。
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刻苧(こくそ)で整形し向付に復元しようとも思いましたが、このところ刻苧(こくそ)ばかりしているので少し遊び心も入れて、梨子地銀直しの香皿にしました。
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縁の割れた凸凹を峰に見立て、錆漆で成形し梨子地銀を蒔き梨子地漆で拭きあげました。
普段、私が、部屋で焚いている京都 松榮堂の‘堀川’(スティックタイプ)の香立(香皿)にぴったりでした。
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お茶の時間に茶菓子をのせて愉しんでも風情が、あるかもしれません。
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# by blues_rock | 2017-04-30 00:03 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
a0212807_1731453.jpg同2003年のイギリス映画「ベロニカ・ゲリン」で演じたアイルランド実在の女性ジャーナリスト ベロニカ・ゲリンも秀逸でした。
新聞記者と同時に母親でもあるベロニカは、子供たちを蝕む麻薬犯罪組織に毅然と立ち向かい、脅迫に怯えながらも(麻薬犯罪組織を暴く取材をやめるよう諭す)夫に「私が、恐怖に震えていたと決して悟らせないで、奴らの思うツボだから」と言って報道を続け、麻薬ギャング組織に暗殺された主人公のベロニカ・ゲリンが、ケイト・ブランシェットに憑依したような入魂の演技が、胸を打ちます。
麻薬マフィアに惨殺されたベロニカの死でアイルランド国民が、立ち上がり法律を改正し麻薬犯罪組織のギャングらを国外追放しました。
a0212807_1782991.jpg2002年トム・ティクヴァ監督(1965~)作品の「ヘブン」も印象に残ります。
イタリアのトリノを舞台にした悲恋ロマンスの寓話(とくにラスト・シーン)です。
高校教師であったフィリッパ(ケイト・ブランシェット)は、麻薬中毒で夫と何人もの教え子を亡くし、国家憲兵隊(治安警察)に何度告発しても本部長と裏で繋がる表向き大企業経営者である麻薬組織ボスが、捜査されることはありませんでした。
フィリッパは、麻薬密売を止めるため窮余の策としてボスを時限爆弾テロで暗殺しようとしましたが、予期せぬ事態で、誤って父親と少女二人、50代の掃除婦の4人を殺してしまいました。
憲兵隊は、事件の前に実名で予告電話したフィリッパをすぐに逮捕しますが、彼女の自白をまったく信用せずa0212807_1792048.jpg(本部長が証拠隠滅)彼女は、テロ組織の一員にデッチあげられ、テロ組織の犯行と断定しました。
フィリッパは、麻薬組織のボスを暗殺できず無関係の善良な市民4人を犠牲にした罪の意識に苛まれました。
絶望と悲痛に苦しみ憔悴しながらも毅然として尋問に答えるフィリッパを見ていた若い憲兵隊員フィリッポ(ジョヴァンニ・リビシ 1974~)は、彼女を愛するようになりました。
フィリッポは、彼女を脱獄させ厳しい検問と捜査網を潜り抜けながら二人の逃避行が、始まりました。
ケイト・ブランシェットの丸坊主姿が、美しい映画です。
エストニアの作曲家アルヴォ・ペルト(1935~)によるサティを想わせるピアノの旋律だけの音楽も悲恋ロマンスの寓話をより切ないものにしています。
スウェーデンのラッセ・ハルストレム監督の2001年作品「シッピング・ニュース」で、ケイト・ブランシェットが、演じた淫乱悪女ぶりもお見事です。
オーストラリアの女性監督ジリアン・アームストロング(1950~)が、2001年に撮った作品「シャーロット・グレイ」もa0212807_17341112.jpg必見です。
第二次世界大戦下、イギリスの看護婦シャーロットは、空軍パイロットの恋人が、フランスを占領したナチスドイツ軍と戦闘中に行方不明となり、恋人を捜すため、イギリス諜報機関のフランスでの仕事を引き受けました。
フランスにスパイとして密かに侵入、街に溶け込み偽名を使いイギリス本国からの指示を受けながら、フランスのレジスタンス活動a0212807_17361188.jpgを支援しました。
たが、フランスのレジスタンス活動家には、多くの共産主義者もおり、情報が、ソ連に流れることをイギリス本国は、警戒していました。
スパイとして上手く地域に溶け込んだシャーロット・グレイでしたが、イギリス側にもソ連のスパイは、いました。
サム・ライミ監督の2000年サスペンス・スリラー(ホラー)映画「ギフト」では、霊能者だった家系(とくに祖母の血を色濃く)受け継a0212807_1741732.jpgぎ‘カード占い’で糊口をしのぐ(食料や日用品の差入れで生活する)シングルマザーのアニー役を繊細かつ表情豊かに(怯えや不安、苦悩、心の痛みなどの感情を)演じています。
アニーの霊感は、確かに強いものの心に深い痛手をもつ人や悩み苦しむ住人たちに‘カード占い’をしてカウンセリング(心療)してあげていました。
アメリカの片田舎には、迷信深い人も多く、無知・偏見・憎悪を込めてアニーを魔女と呼んで排斥していました。
a0212807_1743196.jpgアニーは、少女失踪事件というおぞましい事件に巻き込まれ、恐怖に慄きながらも、自分の良心に従い、勇気をもって真実に立ち向かうけなげな女性を名演しています。
ケイト・ブランシェットの名女優ぶりは、これから出演する作品で深耕され、彼女の名女優伝説もまたさらに厚みを増していくでしょう。
デンマークの名監督スザンネ・ビア(1960~)の新作「ザ・ディグ」をケイト・ブランシェットが、主演するとか、二人の熱烈ファンである私は、今から封切りされる日をドキドキしながら心待ちにしています。
# by blues_rock | 2017-04-28 00:08 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
2007年の同じ年、ケイト・ブランシェットは、メキシコの映画監督アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(1963~)「バベル」に出演、主演ではありませんでしたが、印象に残る演技で存在感を示していました。
a0212807_12114026.jpgリチャード・エアー監督はじめスタッフ・キャストのほとんどをイギリス勢(ケイト・ブランシェットだけがオーストラリア)で固めて撮った2006年作品「あるスキャンダルの覚え書き」で見せた少年性愛者の中学教師シーバ役のハマりぶり(少年とのセックスシーンはさらりとしたものながらそのエロティックなリアリティは、凄い!)と、同僚のレスビアン老女性教師を演じたジュディ・デンチ(1934~)との演技バトルは、必見です。
1999年映画「理想の結婚」(監督・脚本 オリヴァー・パーカー 1960~)は、原作が、19世紀末のイギリス貴族社会を舞台にした作家オスカー・ワイルドの戯曲「理想の夫」です。
オスカー・ワイルドと云えば、この映画のキャッチ・コピーが、「嘘つきは、夫婦の始まり」とあるように希代のシニカリスト(辛辣な皮肉屋)なので、劇中の登場人物たち(貴族社会なので紳士・淑女たち)のセリフ(会話)すべてが、嫌味たっぷりでシニカル(冷笑的)ながらウィットに富み、ユーモアのセンス抜群なので、コメディ映画ではないのに、プッと吹き出したり、クスクス笑ったり、ニヤリとしたり ‥ 、知的なa0212807_1213070.jpg会話が、楽しめるおもしろいシャレた映画でした。
ケイト・ブランシェットは、夫を疑うことを知らない貞淑な貴族の妻を演じ、共演したジュリアン・ムーア(1960~)が、彼女の夫を翻弄するウィーン貴族の悪女を演じています。
二人は、ラッセ・ハルストレム監督の2001年作品「シッピング・ニュース」でも共演していますが、この時の二人の役柄は、この時と真逆で、ジュリアン・ムーアが、亡くなった夫を忘れられない貞節な妻を演じ、ケイト・ブランシェットは、男に奔放で家庭を顧みない悪妻(売春婦然とした淫乱な悪女ぶりは秀逸でした)を演じています。
「理想の夫」の劇中で 一人の淑女が、女性にもてる独身の少しトンチンカンな紳士に「見ると 見えるは、違うもa0212807_12175692.jpgの、美しいものが、見えない者には、ほとんどのものが、見えていない。」と暗に自分の想いをうちあけているのに気づかないシーンには、思わずニヤリとしてしまいました。
2006年スティーブン・ソダーバーグ監督作品「さらばベルリン」では、ナチスの優秀な科学者の妻でユダヤ人として生き延びるために娼婦となり、ユダヤ人同胞をゲシュタポに売ることも厭わない虚無にして退廃的な雰囲気を漂わせる女の悲哀を見事に演じていました。
2005年作品「リトル・フィッシュ」(ローワン・ウッズ監督、オーストラリア製作、日本では劇場未公開)では、若いころのヘロイン中毒を何とか克服しレンタルビデオ店のマネージャーとして働く女性トレイシーの悲哀を名演、何をするにも過去が、現在の自分に重く圧しかかり、その閉塞感から抜けa0212807_12235887.jpg出そうともがくも現実の奔流に流されていくリトル・フィッシュのような主人公トレイシーの心理(感情の動き)をケイト・ブランシェットは、絶妙に表現しています。
ヘロイン中毒を克服できずに母親と離婚して独り暮らしをしているゲイの父親をオーストラリアの俳優ヒューゴ・ウィービング(1960~ 1999年~2003年「マトリックス」シリーズ)が、哀切に演じています。
2004年作品「アビエイター」では、マーティン・スコセッシ監督の常連俳優レオナルド・ウィルヘルム・ディカプリオ演じる奇人変人の実業家ハワード・ヒューズの恋人であった往年の名女優キャサリン・ヘプバーン(1907-2003、アカデミー賞主演女優賞を4度受賞)の凛として姿を好演、アカデミー賞助演女優賞を受賞しています。
2003年ロン・ハワード監督作品「ミッシング」では、19世紀のアメリカ西部を舞台に家族を捨ててインディアン一族になった父親サミュエル(トミー・リー・ジョーンズ)が、許せない気丈な娘にして治療師マギー役を好演しています。
ある日、突然忘れたはずの父サミュエルが、二人の娘(サミュエルの孫)と暮らすマギーの前に現れます。
a0212807_12252457.jpgマギーは、憎しみも露わに父サミュエルを罵りました。
数日後、騎兵隊の脱走兵でインディアンの元兵士らによる人身売買団一味に長女リリーを誘拐されたマギーは、やむなくインディアンの知識に詳しい父サミュエルの助けを借りることにしました。
サミュエルとマギーそして次女ドットは、誘拐団一味を追跡しました。
に続く)
# by blues_rock | 2017-04-27 00:07 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
オーストラリアの名女優 ケイト・ブランシェット(1969~)は、現在48歳ながら希代の名女優どころか、もはや伝説の名女優と称して良いくらいの偉大な存在です。
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ケイト・ブランシェットの新作を見るたびに 「生きたレジェンド 女優ケイト・ブランシェット」 を拙ブログの「シネマの世界」で書こうと思い続けて、もうずいぶん月日が、経ちました。
a0212807_11295253.jpg私は、これまでケイト・ブランシェットが出演した映画は、20作くらい(もっとも多いかもしれませんが憶い出せない)見ていますが、彼女の出演した映画に凡作はなく、すべて優れた作品(傑作・秀作)なので一作ずつ、その感動をお伝えしたいくらいです。
ケイト・ブランシェットが、主演しアカデミー賞 最優秀主演女優賞を受賞した「ブルージャスミン」の監督ウディ・アレンは、彼女を評して「天才をぴょんぴょん飛び越えるくらい偉大だ」と絶賛しています。
ケイト・ブランシェットの演技者(女優)としての凄味は、出演した映画の役柄に変身すること、まるで演じる人物が、ケイト・ブランシェットに憑依したような(演技とは思えないような)演技をするところです。
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その役柄が、終わると精根尽き果て魂の抜け殻のようになるのか、いつももう女優を辞めようと思うのだとか、ケイト・ブランシェットの演技には、全身全霊を感じます。
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例えるなら、やはり希代の名優ダニエル=デイ・ルイスに匹敵する役への憑依です。
最新作の「ニュースの真相」(ジェームズ・ヴァンダービルト監督、2016年8月公開)では、アメリカCBSテレビの報a0212807_11472689.jpg道番組「60minutes」で活躍した実在の名女性プロデューサー メアリー・メイプスを演じ、当時のブッシュ大統領の軍歴詐称(ヴェトナム戦争従軍回避のための州軍兵役偽装)番組に執念を燃やして真のジャーナリスト(CBSはブッシュ政権に屈して彼女を追放)を好演していました。
2015年作品「キャロル」で演じた主人公キャロルの品格ある毅然とした深層心理(心の深淵)を的確に演じられる女優は、ケイト・ブランシェットのほかにないと思います。
2013年作品「ブルージャスミン」もまた前述のウディ・アレン監督の評のように、ケイト・ブランシェット以外は、考えられないキャロルでしたしジャスミンでした。
2011年ジョー・ライト監督(1972~ 2005年「プライドと偏見」で監督デビュー)作品の「ハンナ」(新星シアーシャ・a0212807_11503035.jpgローナン主演)では、遺伝子操作で生まれた少女ハンナの抹殺を謀る冷酷非道なCIA工作員マリッサという敵役をニヒルかつクールに演じていました。
鬼才デヴィッド・フィンチャー監督(1962~)の2008年作品「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」では、年を経る毎に若返っていくベンジャミン・バトン(ブラッド・ピット)の恋人デイジーを演じ年月とともに老いていくデイジーの膝のうえで赤ん坊になったベンジャミンが、死んで逝くのを看取る役を愛情深く演じていました。
a0212807_115345.jpg巨匠リドリー・スコット監督の2010年作品「ロビン・フッド」では、ラッセル・クロウ(1964~)演じるロビン・フッドと共にイングランドに侵攻するフランス軍と戦う貴族の未亡人マリアンを凛々しく演じています。
ケイト・ブランシェットの容姿端麗な美貌と品格は、凛として敵と戦う不屈のヒロインや毅然と自立した女性の役に似合い、どんな役柄でも適役にしてしまうところが、(ケイト・ブランシェットの)凄いところです。
トッド・ヘインズ監督の2007年作品「アイム・ノット・ゼア」でケイト・ブランシェットが、見せた‘ボブ・ディランぶり’は、ノーベル文学賞詩人ボブ・ディランも真っ青のボブ・ディランでした。
2007年には、インド出身のシェーカル・カプール監督が、撮った歴史スペキタクル映画「エリザベス ゴールデン・
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エイジ」に出演、前作の1998年作品「エリザベス」と併せ2作の初代エリザベス女王(エリザベスⅠ世 1533~1603)を演じました。 (上写真 : 左 ケイト・ブランシェットのボブ・ディランと右 ボブ・ディラン本人)
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期待に違わずケイト・ブランシェットの凛とした世界(七つの海)に君臨した女帝エリザベスⅠ世の毅然とした迫力のある演技は、見事でした。 (に続く)
# by blues_rock | 2017-04-26 00:06 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
前編より続く) わが国では、一昔前まで長生き(長寿)して認知症になった高齢者のことを「呆け(ボケ)老人」とか「痴呆症の年寄り」とか、明らかに蔑むような口調で呼んでいました。
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半世紀(50年)前までわが国では、還暦(60歳の誕生日)を迎える長生きの高齢者は、少なく、家族に還暦を迎えた人が、いたら長寿を‘祝福’していました。
a0212807_550018.jpgいまや白寿(百歳を前に99歳の誕生日を白寿として祝う)を迎えられる超高齢者も多く、還暦(60歳の誕生日)など人生の通過点で‘あんた若いねえ!’と子供扱いです。
国の財政(さいふ)は、1,000兆円を超える国の債務(借金)返済もままならずアップアップ ‥ 超高齢化社会での国家予算編成に対応できず現在の高齢者年齢65歳を75歳に引き上げようとし10年の定年延長も画策 ‥ 年金a0212807_5503292.jpg支払い年齢を10年先延ばししようとしています。
さりとて、認知症は、どう足掻(あが)こうとも加齢(年取れば)すれば、避けられない脳の病気、次第に衰えていく健康な人生の延長が、そう簡単にできるはずはなく認知症発症のリスクは、長生きすればするだけ高くなります。
認知症は、「明日はわが身」の未病、私もあなたもかなり高い確率で発症する可能性が、ある病気と私は、断言a0212807_5513471.jpgします。
年取れば、誰でも必然的に身体機能(ADL)が、低下し脳も衰えます。
早く気付けば、未病として対処することが、大いに可能なことは、前述のとおりですが、要は、早く認知症の初期症状に気付き対処療法し「病(やまい)も身のうち」と楽観的に考え、「一病息災」として生涯を全うすれば、良いことです。
門前の小僧である私は、そう考え 好きな映画を見、金継ぎをして拙ブログを書きながら‘のほほんと呑気(のんき)に’暮らしています。
クドイようですが、人間は、例外なく毎年 誕生日を迎え 加齢していくわけで、当人が、気付こうが、気付くまいが、身体機能は、ゆっくりと、確実に低下a0212807_5523795.jpg(劣化)しています。
認知症は、まず自覚すること、自覚していない認知症の方には、回りの人(家族・隣人)が、教えてあげること、もしあなたのわずかな異変を教えてもらったら怒るのではなく感謝すること、そして「病(やまい)も身のうち」、「一病息災」にしてしまえば、大丈夫!です。
長くなりましたので、認知症 ‘明日はわが身’のことは、これくらいにして「認知症が、心配な方、または、関心ある方」は、こちら を御覧くだされば、何かの参考になるかも知れません。
# by blues_rock | 2017-04-25 00:25 | 高齢者介護(認知症) | Comments(0)
金継ぎ作品展2017もおかげさまをもちまして盛会のうちに終了しました。
お忙しい中にもかかわらず、大勢の方が、ご来場くださり心よりお礼申しあげます。
先日、若い友人から「最近、高齢者介護のことや認知症のことをあまり書きませんね。」と言われました。
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拙ブログの高齢者介護についての記事を丁寧に読んでくれている人もいるのだと考え、‘門前の小僧、習わぬ経を読む’がごとき介護現場での私の体験(知見)ながら久しぶりに認知症のことについて書きたいと思います。
何よりもまず私が、厭きず懲りずにせっせとブログを書くのは、認知症を‘明日はわが身’の病気と思っています
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ので、わが未病の認知症をチェック(危機管理)するために書いているようなものです。
読んでくださる皆様に少し説明しますと ‥ つまり、自分の生活(日々の暮らし)に感動が、なくなったり、人とのコミュニケーション意欲を喪失したり、自分の思いや考えていることを表現できなくなったりなど、a0212807_5201663.jpg簡単に申しあげれば、今まで(普段)の自分と違うささいな変化でも早くキャッチするよう日々自己点検(メンタルチェック)しているようなものです。
やがて、記憶障害、見当識障害、理解力・判断力の低下などで自分の身の回りのこと(ADL=日常生活動作)が、できなくなると認知症高齢者にも個人の尊厳(人権)は、あると言いながら、私自身のことで申しあげれば、自らの価値観を自分で意思決定できない嘘っぱちな尊厳や他人に自分の人生を委ねる延命措置など、まっぴらゴメン‥の思い強く、それでも認知症をa0212807_5213060.jpg発症するとそんな自分の意思表明も個人の尊厳という美名のもとに全否定されてしまいます。
ならば、まず認知症の発症を早期発見する努力を日々しつつ、運悪く発病したと思ったら、すぐに認知症専門の良医を主治医にして進行を抑制し、症状をコントロールさえすれば、それまでと同じ普段の生活を持続しながら生涯を終えることは、十分可能です。
世間には、認知症と精神疾患(二つとも同じ脳内疾患ながら別な病気)の区別が、できない人たちも多く、脳神a0212807_5362392.jpg経科・精神科以外の医師には、認知症の知識がなく誤診する医者もいて、ヤブ医者の、いい加減な診断による誤った薬の投与で認知症を悪化させた事例もありますので‘要注意!’です。
私は、いま週2回、住まい近くの高齢者介護施設で認知症の方々と絵画・コーラス・俳句などを楽しみながら‘明日はわが身’の自己臨床チェックをしています。
介護資格のない素人の私は、介護介助の専門技術が、何もないので重度認知症の方々、とくに‘コミュニケー
a0212807_1456424.jpgションできない方’との接触は、極力避けるようにしています。(というより‘ニガテ’です。)
たとえば、「危ない!」からと説得しても分からない認知症の方の腕をつかむ(危険防止の行為であっても)と虐待と云われたり、自立支援と言いつつADL(日常生活動作)機能が、低下している方の‘ふらつき尻もち’についても転倒事故と扱われたり、自宅での普段の暮らしにどこにでもある些細なことすら福岡市へ報告しなければならないことを考えると、ただでさえ忙しい現場スタッフに今以上の苦労と迷惑をかけられないからです。
後編に続く)
# by blues_rock | 2017-04-24 04:24 | 高齢者介護(認知症) | Comments(2)