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心の時空

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a day in my life

アメリカの名匠ジェームズ・グレイ監督(1969~)が、2013年に撮った「エヴァの告白」(原題「The Immigrant」 移民)は、第一次世界大戦(1914~1918)の戦禍から逃れ難民となり‘生きる’ために一縷の希望を抱いてアメリカ
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へ移住した一人のポーランド女性エヴァの艱難辛苦の物語です。
ポーランド人女性エヴァを演じるのは、フランスを代表する名女優 マリオン・コティヤール(1975~ 1998年a0212807_19204058.jpg「TAXI」のヒロインでブレイク、2004年「ロング・エンゲージメント」、2007年「エディット・ピアフ ~ 愛の讃歌」アカデミー賞主演女優賞受賞、2012年「君と歩く世界」、2016年「たかが世界の終わり」など世界の多くの名監督作品に出演)です。
第一次世界大戦の主戦場(映画「西部戦線異状なし」参照)は、ヨーロッパですが、戦争する帝国の支配する世界各地の植民地でも戦争勃発、1919年のベルサイユ条約で第一次世界大戦は、一旦終結したもののフランス・a0212807_19235766.jpgイギリス・アメリカなどの戦勝国が、無理難題に等しい莫大な賠償金を敗戦国ドイツに要求、その後のドイツ社会の疲弊と貧困は、ドイツ国内で共産主義とポピュリズム(ゲルマン民族主義)対立により混乱、独裁者ヒトラーの率いるナチスドイツが台頭し人類史上最悪にして未曾有の悲惨と破壊をもたらした第二次世界大戦へ突入して行きました。
映画は、第一次世界大戦後の世界が、混乱している1921年のアメリカ、ニューヨーク沖合のエルム島に設けらa0212807_19245883.jpgれた移民入国審査所から始まります。
物語のディテールを語ると100年前のアメリカでの出来事とはいえ、当時のアメリカの世相の暗さにうんざり(いまのアメリカもこれに近いかも)する方もいるでしょうから映画の見どころだけを紹介したいと思います。
何と言ってもこの映画は、いまやフランスを代表する大女優にして「美女 マリオン・コティヤール」を見るため映画でもあります。
a0212807_1927596.jpgイタリア映画「マレーナ」に主演した「美女 モニカ・ベルッチ」、同「ある天文学者の恋文」主演のウクライナの「美女 オルガ・キュリレンコ」と円熟期にある名女優を見るだけでも価値ある映画です。
エヴァと深く関わるヨーロッパ移民の二人の男に、一人を売春婦の元締めで厳格なカトリック教徒のエヴァを言葉巧みに口説き、生活のため(生き延びるため)に売春させる女衒(ぜげん)のa0212807_19323279.jpgブルーノ(ホアキン・フェニックス1974~)と、もう一人、ブルーノの従弟で、エヴァを愛する芸人の手品師オーランド(ジェレミー・レナー1971)の哀れで切ない物語でもあります。
ともあれ、映画は、1921年のニューヨークを舞台に第一次世界大戦下の祖国ポーランド戦火から逃れ、新天地アメリカへ妹と二人生きるために移民した女性エヴァの幸せ薄い過酷な運命を描いていきます。
エヴァのラストシーンをご覧になった方は、安堵されるとともに今世界で跋扈(ばっこ)する悪しきポピュリズムに対するグレイ監督
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のアンチテーゼ(反対メッセージ)が、きっとあなたの心に届くと思います。
# by blues_rock | 2017-06-08 00:08 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
福岡市城南区六本松の大通りから少し住宅街に入ったところに隠れ里風な鮨処の節魚(せちさかな)「すし宗」は、あります。
ずいぶん昔のことになりますが、城南区別府に住んでいたころ私は、通勤バスの行き帰りに六本松(元九州大a0212807_12411569.jpg学教養学部の前)を毎日通っていましたが、もう以前の学生街の面影は、ありませんでした。
旧い町屋風の「すし宗」の趣は、ほっこりと落ち着きます。
饗された鮨は、どれも美味しく「すし宗」の俎(まないた)預かりご主人宗さんが、にぎる繊細にして個性豊かな味加減は、絶妙でした。
博多区御供所の「すし、太郎」も博多前のすばらしい鮨処でしたが、若いご夫婦で切り盛りされている江戸前 (こa0212807_12525665.jpgちらも博多前かな) の「節魚 すし宗」もまたすばらしい鮨処でした。
余談ながらご主人の父上が、昔'たち吉' にお勤めであったとか、「すし宗」の器も唐津をはじめ全国から集められた器類で、ご主人の窯(焼き物)への趣味が、分かる陶磁器ばかりでした。
ほんの少しふちの欠けている4つの器を私が、お預かりしいま金継ぎ(修理)しています。
それぞれの器のもつ雰囲気をできるだけ損なわないように‘漆直し’にしました。
# by blues_rock | 2017-06-06 06:06 | 柏原生活/博多叙景 | Comments(0)
元MI6(エムアイシックス イギリス諜報機関)という経歴をもつスパイ小説作家ジョン・ル・カレ(1931~)が、書いた作品を原作にしたスパイ映画は、どれもサスペンスに満ちておもしろく裏切られることが、ありません。
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2016年クライム・サスペンス映画「われらが背しき者」(原題 Our Kind of Traitor 我々の反逆者)は、2011年のスパイ・サスペンス映画「裏切りのサーカス」や2014年のスパイ・アクション映画「誰よりも狙われた男」のスパイをa0212807_2139512.jpg主人公にしたプロットではなく、主人公が、民間人の大学教授です。
原作者のジョン・ル・カレ自ら製作総指揮、脚本をホセイン・アミニ(1966~ 「ドライブ」の脚本)、監督のスザンナ・ホワイト(1960~)は、クライム・サスペンス映画では、珍しく女性監督というところも、いつものスパイが、暗躍するハードボイルドなジョン・ル・カレ原作映画とは、違います。
a0212807_21393649.jpg映画の舞台となるモロッコ、フランス、スイスの映像を撮影監督アンソニー・ドッド・マントルのカメラが、シャープに捉え劇中のクライムとサスペンスを煽るマーセロ・ザーヴォス(1969~)の音楽と併せ、秀逸です。
映画のストーリーは、モロッコを旅行中のイギリス人大学教授ペリー(ユアン・マクレガー 1971~)と妻ゲイル(ナオミ・ハリス 1976~)が、レストランで食事しているとき、a0212807_2145484.jpgロシア犯罪組織の金庫番 ディマ(ステラン・スカルスガルド 1951~)から言葉巧みに近づかれ自分は、命を狙われており、家族だけでもイギリスへ亡命させたいので助けて欲しいと懇願されました。
MI6(エムアイシックス)のロシア犯罪捜査官ヘクター(ダミアン・ルイス 1971~)と部下のルーク(カリッド・アブダラ 1981~)は、ロシアの犯罪組織が、巨額のマネーロンダリングをロンドンに新設さa0212807_21465846.jpgれたキプロス銀行で行ない、その後ロシアの犯罪組織からロシアに友好的でイギリス政府の要職に就く有力な下院議員や複数の国会議員たちに多額の裏金(ワイロ)が、振り込まれることを察知していました。
そのマネーロンダリングとイギリスの国会議員たちの名前と口座を知っているのは、唯一ディマだけでした。
a0212807_21474781.jpgドラマは、最後まで二転三転しながら展開していきますのでクライム・サスペンス映画が、お好きな方にお薦めしたい映画です。
# by blues_rock | 2017-06-04 04:44 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
a0212807_13584299.jpg2016年公開のイギリス・アメリカ合作映画「ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ」は、1920年代から1930年代にかけてアメリカ文学の傑作を数多く手がけ、アーネスト・ヘミングウェイ(1899~1961)などの世界的な作家を見出した実在の名編集者 マックスウェル・パーキンズ(1884~1947)と37歳で夭折した小説家 トマス・ウルフ(1900~1938)二人の人生と友情を描いた伝記映画です。
監督は、イギリス(ロンドン)の劇場ドンマー・ウエアハウスで長年芸術監督を務め「ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ」が、長編映画初監督となるマイケル・グランデージ(1962~)で、映画の原題は、「Genius(天才)」です。
a0212807_141885.jpgある日、編集者 パーキンズ(コリン・ファース 1960~)の元に無名の作家 トマス・ウルフ(ジュード・ロウ 1972~)の原稿が、持ち込まれました。
数多くの新刊本を編集するパーキンズは、多忙でしたが、ウルフの原稿を何気に見たパーキンズは、その才能を見抜きました。
a0212807_1421542.jpgパーキンズは、若く名もなき小説家 ウルフを編集者として厳しく、時に父親のようにやさしく支えながらトマス・ウルフの処女作「天使よ 故郷を見よ」をベストセラーにしました。
若き無名作家トマス・ウルフの才能を信じ家庭(夫と子供)を捨てウルフと同棲し生活を支える年上の女性アイリーン(ニコール・キッドマン 1967~)、若いころ時代のa0212807_1444158.jpg寵児として一世を風靡するも創作に苦悩する作家F・スコット・フィッツジェラルド(ガイ・ピアース 1967~)、編集者パーキンズが、その才能を見出したノーベル文学賞を受賞した作家アーネスト・ヘミングウェイ(ドミニク・ウェスト 1969~)、仕事を家に持ち帰っても愚痴一つ言わず多忙な夫を支えるパーキンズ夫人(ローラ・リニー 1964~)など個性的な人物が、何人も登場します。
a0212807_1472588.jpgウルフの処女作「天使よ 故郷を見よ」が、ベストセラーとなり二人は、さらなる大作に挑戦、パーキンズが、昼夜たがわずウルフに付きっきりで執筆させ編集した第二作も完成するやウルフは、「この本をパーキンズに捧げる」との献辞を残しヨーロッパへ旅立ち、これを最後に二人が、一緒に仕事をすることは、もうありませんでした。
# by blues_rock | 2017-06-02 00:02 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
三年半前、私の最年少の友だちで、ロンドンに住まう瑞希ちゃん(4歳9か月 ハナ=ミズキ・タナカ・ラムナラインちゃん)、一歳の誕生日にオリーブの木 2本を記念植樹しました。
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今年、そのオリーブの木に花が、咲きました。
植樹したとき30㌢にも満たない小さなオリーブの苗木もいまや大人の背丈くらいに育ちました。
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園芸店の話では、オリーブが、実をつけるのは、定植し10年くらい経ってからとのことでしたが、‘森の家’の庭に植樹したオリーブの木は、すくすく成長、早くも花が、咲くようになりました。 
# by blues_rock | 2017-05-31 00:01 | 柏原生活/博多叙景 | Comments(0)
【 トラ・トラ・トラ】(1970)は、20世紀フォックスによる日本とアメリカ合作映画で、日本版とインターナショナル版 (アメリカ版) の二つが、あります。
a0212807_2028343.jpg私は、‘インターナショナル版(アメリカ版)’が、断然おもしろいと思います。
監督は、アメリカのシーンをリチャード・フライシャー監督(1919~2006)が担当、日本のシーンを舛田利雄監督(1927~)と深作欣二監督(1930~2003)が担当し共同監督としてクレジットされています。
a0212807_20351620.jpg当初、黒澤明監督のもと撮影は、始まりましたが、航空母艦6隻とゼロ戦(戦闘機)300機を要求され製作会社の20世紀フォックスは、巨額の制作費オーバーに激怒し「黒澤は、病気だ!」と監督を解雇していました。
a0212807_20354799.jpgそれにしても当時のアメリカ映画製作会社(20世紀フォックス)は、良い映画製作にかける情熱と気持ちが、太っ腹でどう考えても、アメリカ人の喜ぶような企画ではないのに、巨額を投じ戦争映画の超大作「トラ・トラ・トラ」を製作するとは‥この映画は、謎のハリウッド超大作映画と語りa0212807_20382347.jpg継がれています。
とにかくフライシャー監督ほかアメリカの製作陣が、撮ったシークエンスは、スゴイ!の一言です。
「ワレ奇襲ニ成功セリ」と突然始まった日本海軍のハワイ(オアフ島)真珠湾(パールハーバー)奇襲攻撃は、ド迫力! ‥ ゼロ式艦上戦闘機・九九式艦上爆撃機・九七式艦上攻撃機に改造された160機の旧式軍用機が、ハワイの空を飛びまわり、真珠湾(パールハーバー)a0212807_20384751.jpgに停泊している戦艦や駆逐艦、巡洋艦さらにハワイ オアフ島のアメリカ軍基地を爆撃する様子、迎え撃つアメリカ軍の高射砲など本物の実写映像に度肝を抜かれました。
映画は、太平洋戦争(第2次世界大戦)開戦前夜の日本とアメリカ国内の模様が、交互に淡々と描かれて展開していきます。
a0212807_20405011.jpg映画前半は、日本海軍の連合艦隊が、アメリカ太平洋艦隊の母港(海軍基地)ハワイ真珠湾(パールハーバー)を奇襲攻撃するまでの日本側とアメリカ側それぞれ双方の思惑(政治家と官僚の意見不統一)ならびに軍部の対立(日本側の陸軍と海軍の対立、アメリカ側のワシントンと軍の齟齬)など両国内の虚々実々の舞台裏を描いています。
a0212807_20412216.jpg映画後半は、日本連合艦隊の真珠湾(パールハーバー)奇襲攻撃とそれを迎え撃つアメリカ軍との‘リアリティ’あふれる圧倒的な戦闘シーンです。
とにかく、真珠湾(パールハーバー)のアメリカの戦艦や駆逐艦が、日本の戦闘機により破壊されていくシーン、ハワイ上空での戦闘機による空中戦のシーン、地上のアメリカ軍施設への爆撃シーンなどすべて実写で撮影しており、その迫力には、度肝(どぎも)を抜かれます。
a0212807_20432962.jpgアメリカ政府(ワシントン)は、当時日本の怪しい動きを察知するも表向き外交による和平交渉を続けつつ、すでに日本海軍の暗号を解読しており日本連合艦隊が、真珠湾(パールハーバー)を攻撃することを予知していました。
連合艦隊司令長官 山本五十六(アメリカ留学経験者)は、アメリカに勝つには、唯一短期決戦でアメリカの戦意a0212807_20441100.jpgを喪失させるしかないと判断、自論である真珠湾(パールハーバー)にいるアメリカ太平洋艦隊壊滅のための奇襲攻撃を提案しました。
ワシントンの日本大使館は、東京からの暗号解読に手間取りアメリカへの ‘宣戦布告’ が、間に合わず、日本海軍連合艦隊の真珠湾(パールハーバー)a0212807_20445440.jpg攻撃は、‘宣戦布告なし’で行われたため、当時のルーズベルト大統領演説「卑怯な国 日本」が、アメリカ国民の愛国心に火をつけました。
アメリカは、日本側の暗号をすでに解読、その動きを察知していながらワシントンの大統領府(ホワイトハウス)と軍統合参謀本部a0212807_212989.jpg(情報の隠匿体質と楽観論)、さらにワシントンから現地ハワイへの連絡が、遅く日本の戦闘機編隊は、警戒のないハワイに容易(たやす)く侵入しました。
アメリカは、アメリカで官僚的な政府高官が、軍事情報を共有しておらず(隠ぺいし合い)次々に、作戦ミスを犯すシーンや日本軍に先制攻撃させて開戦の口実を作ろうとするところなど今につながる普遍的なストーリーとリアルな演出にいたく感心しました。
a0212807_213780.png映画は、前半「アメリカに勝てないことが 解っていても戦争せざるを得ない独裁国家の軍国日本」と「日本から攻撃されることが 解っていながら楽観して現場に情報を伝えない民主的官僚国家のアメリカ」という当時の両国内事情を公平に描き、後半の戦争シーンでは、実物の戦闘機を多数用いて空中戦や爆撃の実戦シーンを撮影、CG(SFX・VFX)のない時代に、アメリカの軍人経験者から絶賛されるほどのリアルな戦闘シーンやスペクタクルなアクションシーンを ‘実写’ で撮影した そのド迫力の映像が、見る者を圧倒いたします。  (上写真 2枚 : アメリカ軍が撮影した真珠湾攻撃の記録写真)
# by blues_rock | 2017-05-30 00:03 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
アメリカ(ハリウッド)製作の超大作戦争映画にして不朽の名作を2作品、二夜連続でご紹介したいと思います。
a0212807_1950263.jpg「西部戦線異状なし」が、1930年製作、「トラ・トラ・トラ」は、1970年とそれぞれ今から87年前、47年前とかなり旧い映画ながら、アメリカ(ハリウッド)が、第一次大戦(ヨーロッパ戦線)の敗戦国 ドイツの若い兵士たちを主人公にその悲劇を描いた「西部戦線異状なし」ならびに第二次世界大戦(太平洋戦争)の敗戦国でアメリカの敵国であった日本の視点も入れてハワイ真珠湾奇襲攻撃を描いた「トラ・トラ・トラ!」は、ハリウッド製作が、製作したゴマンとある戦争映画の中でも画期的な超大作戦争映画の異色作です。
映画のプロットもアメリカ国民受けするポピュラーな戦争ヒーロー物語ではなく、前述のとおり仇敵‘ドイツ’と‘日本’から本質にアプローチしています。
それもハリウッドのメジャー映画会社が、巨額の資金をつぎ込んで製作した戦争スペクタクル超大作映画にして不朽の名作であることは、特筆すべきことです。
【 西部戦線異状なし 】は、 戦争映画の古典にして映画芸術としても傑作です。
a0212807_1952756.jpg現在(いま)に至る映画100年史の中で原点となる ‘トーキー(音声映画)’ が、1927年に誕生し、その3年後ユニバーサル映画は、戦争映画の超大作「西部戦線異状なし」を製作しました。
原作は、ドイツの作家レマルク(1898~1970)が、1929年に発表した小説「西部戦線異状なし」で 1930年にこの映画を製作、監督したルイス・マイルストン(1895~1980)は、アカデミー賞監督賞(と作品賞)を受賞しています。
a0212807_19554330.png「西部戦線異状なし」は、1917、18年ごろのエーヌ川沿いに掘られた塹壕の最前線を舞台にドイツ軍とフランス軍が、向い合う中で両軍兵士たち死屍累々の塹壕戦を描いています。
映画は、ドイツの一兵士ポール・バウマー(演じるのは、リュー・エアーズ 1908~1996、生涯独身であった伝説の大女優グレタ・ガルボ、お気に入りの俳優)が、大学の老教授から愛国心を煽られて志願兵になり、熾烈な戦闘を繰り返す西部戦線へ送られるところから始まります。
a0212807_19565292.jpgポールは、すぐに悲惨な戦場で 身近な人の死と肉体の痛み、不安、恐怖、不条理や理不尽への怒り、そして殺戮の虚しさに やがて精神を破壊され、人の死や人生に無感覚になり 負傷による帰省故郷にも平安はなく、休暇を切り上げて前線へ戻りました。
a0212807_19574359.jpgそして、塹壕戦の最中、目の前にいる 一匹の蝶 に気を奪われた途端、敵狙撃兵の銃弾に倒れ戦死しました。
映画は、CGのない時代なので すべて実写、塹壕戦など砲弾が、飛び交う激しい戦闘場面は、リアルで凄絶です。
その中での撮影なので 出演している俳優たちの緊張した息遣い(テンション)が、見る方にも伝わり、血だらけになって塹壕や泥沼のなかを這いまわa0212807_19582794.pngる 敵味方入り乱れた兵士たちの迫撃戦の実相(リアリティ)を撮ったカメラワークは、見事の一言です。
どこからともなく聴こえるハーモニカの音の中、ポールが、戦闘中であることも忘れ 目の前の蝶に心奪われ身を乗り出したとたん銃弾に倒れるラストシーンは、見る者の心も打ち砕きます。
ポールが、戦死したその日の司令部への報告書には、「西部戦線異状なし、報告すべき件なし」と記載されていました。
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後編に続く)
# by blues_rock | 2017-05-29 00:09 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
園芸店で売られていたガジュマルの木を欲しいわけでもないのに、何気に買い、これまた何気に作った陶漆の器にあれこれ入れみました。
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何気なく思いついた「ガジュマルミニ盆栽」ながら‥また持病の誇大妄想に火が、点き、次のミニ盆栽は、どんな
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植物をどのような陶漆器にいれようかとアイデア空想に耽っています。
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これ(下)は、山瀬の半焼成皿と思っていましたが、違うと分かりすっきり、二転三転してできた作品です。
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なんだか皿のオブジェみたいになってしまいましたが、‘まっ、いいか’ と これ以上深追いしないことにしました。
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# by blues_rock | 2017-05-27 00:07 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
近年ほぼ一年間隔で個展をしている画家島村安一氏(略歴はこちら)が、現在福岡市天神のひよ子ギャラリー天神(福岡市中央区天神2丁目10−15 HIYOKOビル3階)で新作展を開催しています。
モチーフは、終始一貫、女性の人物画(25点)です。
今回の展覧会では、ミニ・コンサートも併催企画されていますので夕方行かれると音楽も楽しめると思います。
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23(火) フルート : 金子崇史 氏
24(水) てんじんリコーダーアンサンブル
25(木) 箏 : 高木真理さん
26(金) オカリナ : 松永里香さん
27(土) 二 胡 : 渡辺利津子さん、蓮尾登志子さん
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私は、友人でもある金子崇史 氏のフルートを聴かせていただきました。
展覧会で音楽を聴きながら私が、絵を見たのは、「アルフォンス・ミュシャ展」で聴いたスメタナの「わが祖国(モルダウ)」以来でした。
美術館ももっと音響を考慮してオーケストラとはいかないまでも室内楽のアンサンブルくらい企画したら(個人美術館・ギャラリーでは、すでに開催されているのかもしれませんが)街の情操が、必ずや良くなると思います。
# by blues_rock | 2017-05-26 01:26 | 美術/絵画/彫刻 | Comments(0)
テイト・テイラー監督(1969~)が、2016年に撮った心理サスペンス&スリラー映画「ガール・オン・ザ・トレイン」を紹介します。
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主人公のアルコール依存症で泥酔したらブラックアウト(記憶障害)する女性のレイチェル(エミリー・ブラント1983~ 2015年「ボーダーライン」主演)、ならびに、彼女のアルコール依存症が、原因で離婚した元夫の再婚相
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手の女性アナ(レベッカ・ファーガソン1983~ 2015年「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」出演)、そしてアナの子供のベビーシッター、メガン(ヘイリー・ベネット1987 2016年映画「マグニフィセント・セブン」出演)の a0212807_1831815.jpg3人の女性が、お互いの現在と過去を絡ませつつ(フラッシュバックして)ドラマは、展開していきます。
映画に登場する男たちの役割は、さして重要ではなく、刺身の端(つま)のようなものながら3人の女性それぞれに関わる女癖の悪い男(レイチェルの元夫=アナの現在の夫=メガンの愛人)だけが、ワサビの役割をします。
a0212807_1834464.jpgサスペンスを絡ませたスリラー映画なのでストーリーを述べると安易にネタバレするのでコアとなる3人の女性についてだけ簡単に説明したいと思います。
我が身を守るためなら平然と嘘をつき愛する人を深く傷つけても平気な女や男ばかりが、登場する(もちろん善人もいます)ので見る者の心中は、次第に不穏になるものの、そんなジコa0212807_187486.jpgチューで嘘つきたちの内面と過去が、少しずつサスペンス&スリラー仕立てで、剥ぎ取られていきますので、推理ドラマが、好きな人には、たまらない映画と思います。
まず、主人公のレイチェル(エミリー・ブラント)ですが、元夫の子供を欲しかったのに妊娠せず人工授精するもいつも失敗、いつしか精神のバランスを壊しアルコール中毒a0212807_18912.jpgになり泥酔しては、いつも問題を起こすも一切記憶していない(ブラックアウトしている)自分を自己嫌悪、そして忘れるためにさらに飲むという悪循環を繰り返していました。
レイチェルと離婚した夫は、愛人であったアナ(レベッカ・ファーガソン)とさっさと再婚し二人の間には、子供が、生まれていました。
アナは、ボランティアで留守中、近所に住むメガン(ヘイリー・ベネット)にベビーシッターを依頼していました。
a0212807_18115323.jpgレイチェルは、通勤電車の窓からアナたちが、暮らす家(かって自分の家)とその二軒隣に住まうメガン夫婦の幸せそうな暮らしぶりを眺めながら自分とメガンを重ね合わせ理想の夫婦を妄想していました。
ある日 レイチェルは、メガンが 自宅二階のポーチで他の男と抱き合いキスしている光景を車窓から見て憤怒しa0212807_1814946.jpg電車を降りました。
一方、アナは、愛人から妻になり母になったものの元夫へのストーカー行為と泥酔して自宅に現われるレイチェルに怯えていましたが、夫の携帯に頻繁に届くメールや夫の様子から自分に代わる愛人が、いることに気づきました。
a0212807_18172866.jpgさらに、メガンもまた過去に決して忘れることのできないトラウマを抱えており、精神分析医のカウンセリング(心のケア)を受けていました。
そんなある日、メガンの夫から「金曜日の夜から妻が家に帰らない」と警察にメガン失踪を告げる連絡と捜索依頼が、出されました。
a0212807_18175960.jpg警察は、泥酔したレイチェルが、金曜日の夜、メガンと言い争っているところを近所の住人から目撃されていることを告げ、やがて現場近くの森でメガンは、撲殺された遺体で発見されました。
殺人容疑をかけられたレイチェルですが、その時も泥酔しており翌朝、レイチェルは、顔に大ケガをして血まみれのわが姿に驚くものの何一つ記憶していませんでした。
a0212807_18195656.jpgアルコール依存症のレイチェルを演じたエミリー・ブラントの大きな目は、劇中どんよりしていて生気なく、さらに鼻先と頬が、いつも赤く、エミリー・ブラントのアルコール中毒症状の女性は、秀逸でした。
(右写真:撮影中のエミリー・ブラント)
# by blues_rock | 2017-05-25 00:05 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)