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心の時空

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a day in my life

この夏上映の映画「一枚のハガキ」は、新藤兼人監督(1912~、99才)の渾身の作品と思います。
出演した名優陣の中でも、二人の夫(兄弟)に戦死された寡婦を大竹しのぶが名演しています。
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私が、最後に新藤兼人監督作品を見たのは1992年の「濹東綺譚(ぼくとうきたん)」だったように記憶‥この映画で永井荷風を演じた津川雅彦を相手に、私娼屈の芸者を演じた墨田ユキの姿態が美しく、今でもきれいな体の印象が残っています。
a0212807_17431736.jpgさて、新藤監督の新作映画「一枚のハガキ」のストーリーは、運の悪い不幸な寡婦(大竹しのぶ)の人生を中心に、最初の夫(兄)から彼女に宛てた「一枚のハガキ」通して、戦争の不条理と国家の理不尽さに巻き込まれた不運で不幸な人々を描いていきます。
戦争末期、敗戦の決断しかない戦況を大本営帝国陸軍本部は、壊滅していく前線から届く状況をひた隠し、ウソの情報を国民に流し騙(だま)し続けました。
それを信じた国民は、赤紙(召集令状)で次々に召集され‥勝ってくるぞと勇ましく、誓って國を出たからにゃ、手柄立てずに死なりょうかと行進し、天皇陛下、バンザイ、バンザイと叫び、老いた親や妻子に見送られながら御國のためにと戦地に向かいました。
どこの戦地へ行くかは、上官の引くクジで決まり、夫(兄)は運悪く、水・食料・武器もない悲惨なフィリピン戦線へ出征しますが、戦地へ向かう途中敵の攻撃を受け船もろ共にあえなく海に沈み戦死しました。
夫が戦死したため(白木の箱に遺骨はなく、英霊と書いた紙があるだけですが)老いた舅・姑のたっての願いで義弟と夫婦(めおと)となりますが、継夫となった義弟もすぐに召集され戦死しました。
届けられた継夫の白木の箱にも英霊と書いた紙が入っているだけでした。
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老いた舅は、怨念と憎悪を心中にしまい心臓発作で死亡、老いた姑は、自分たち家族を不幸のどん底に追い込んだ怨み・呪い・憎む相手も分からないまま嫁の足手まといになるまいと「運が悪い家ですまない」と書き残し首つり自殺をしました。
兄弟二人の夫に嫁ぎ、貧農で老いた夫の両親の暮らしを支え、理不尽な不幸の続く寡婦役の大竹しのぶが、実にすばらしいと思いました。
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この映画の脚本を書き、監督した99才の新藤兼人監督は、戦争への憎悪、怨念、拒否、戦争をする愚劣な国家権力への嫌悪と否定を自分の代わりに、映画に登場する主演者たちに、声を大にして叫ばしていました。
主演者たち共演者たち、いずれも名優ぞろいで映画を質の高いレアリズム溢れる反戦映画にしています。
# by blues_rock | 2011-08-25 21:07 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
a0212807_0183930.jpgデイサービス施設に通所されている男性高齢者の方(86)とお話をする機会がありました。
昭和20年、鹿児島県知覧の特攻隊基地から特攻隊一員として出撃したものの足に銃弾を受け、特攻ならず生き残られたのだそうです。
「アタシゃ、そん時二十歳(はたち)ばい。今じゃけん、ほんなこつ言うばってん、アタシゃ、死にとうなかったばい。まだヨメサンももらわん若さで、死にとうなかったばい。飛行機に爆弾積んで、出撃したばってん銃撃され、足にタマ食らい生き残った。」と私に話されました。
7年前亡くなった私の父も、特攻隊予科練生として知覧にいましたので、そのことをお話しすると軽い認知症せいか、また同じことを繰り返し言われます。
知覧での体験を私の父は、終生話そうとしませんでした。
十代の終わりに味わったつらく苦しい体験を思い出したくなかったのだと思います。
この方も特攻基地「知覧」のことだけは、今でも決して忘れることのできない心の傷なのだろうと思います。a0212807_0191336.jpg
「そうですか‥、ご苦労なさったんですね。」と話を続けると「アタシゃ、86才になったばい、もうよか、はよ死にたか、トモダチゃも、みんな死んでしもうた、もう死んでもよか。」と言われます。
私は話を伺いながら「○○さん、そげなこつ言わんと。そげん急がんでもよかじゃなかですか、まだお元気です、もう少し先まで行きましょう、イヤでもお迎えが来っとですから‥今生きている皆に、お迎えが来っとですから、お迎えが来るまでゆっくりしましょう、楽しく生きていきましょう‥お迎えが来ても、外で待っとれと言いましょうよ。」と息子のような年齢の私が、人生の大先輩に小生意気なことを申しあげたら、ウンウンと頷きながら笑顔で応えてくださいました。
私は知覧の特攻平和会館を2度訪ねました
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「祖国のため」と二十歳(はたち)前後の優秀な若者たちが、飛行機に爆弾と片道分の燃料を積んで沖縄の海を目指して飛び立ちました。
決死の特別攻撃つまり今の自爆テロを、カミカゼと当時の日本国民は讃えました。
知覧の特攻平和会館に残された千数十名の若者たちの写真や手紙、遺品を見ていると涙が溢れてきます。
「私くしは、死にたくありませんでした。」の御魂の叫びが、心に響いてきます。
# by blues_rock | 2011-08-24 20:21 | 高齢者介護(認知症) | Comments(0)
a0212807_1611078.jpg「本能」

どうして 歴史の上に 言葉が生まれたのか
太陽 酸素 海 風
もう充分だった筈でしょう

淋しいのはお互い様で
正しく舐め合う傷は誰も何も 咎められない
紐 解いて 生命に 擬う

気紛れを 許して
今更なんて思わずに急かしてよ
もっと中迄入って
あたしの衝動を 突き動かしてよ

全部どうでもいいと云っていたい様な月の灯
劣等感 カテゴライズ
そういうの 忘れてみましょう

終わりにはどうせ独りだし
此の際虚の真実を押し通して絶えてゆくのが良い
鋭い其の目線が 好き

約束は 要らないわ
果たされないことなど 大嫌いなの
ずっと繋がれて 居たいわ
朝が来ない窓辺を 求めているの
a0212807_1105180.jpgこれは二枚目のアルバム「勝訴ストリップ」(2000)に収録されている12曲目の「本能」で、椎名林檎の個性が良く表現されていると思います。
すばらしい歌詞で、心ウキウキする詩と思います。
椎名林檎を初めて聴いたのは13年前「歌舞伎町の女王」(1998)で、そのヴォーカルと歌詞が鮮烈(耳がビックリ)でした。
彼女のエロティシズムには、卑猥さや下品さがなく、性の表現に凛とした品性が感じられます。
新旧日本語の漢字・カタカナ・ひらがなの言語を縦横無尽に駆使し、詩人としての才能もあると思います。
ギターが上手く、ヴォーカルも際どいフレーズを巻き舌で歌われるとグッと官能的に聴こえます。
椎名林檎は、中学生の頃から福岡のライブハウスでバンド活動をしていました。
自分のバンドの他にも20以上のバンドに参加し、どの楽器パートもできていたそうです。
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玉石混合(ほとんどジャリ石ですが)のJポップシーンにあって、本物のロックの才媛と思います。
# by blues_rock | 2011-08-24 00:46 | 音楽(Blues/Rock) | Comments(0)
夏の終わり頃、夕暮れ時に辺りの景色が、少し赤みを帯びて、まるで茜色のフィルターを通して見ているような時間があります。
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そんな時、森から聴こえるヒグラシの「カナカナカナ‥」と鳴く声には、どこか移ろう季節の哀感があります。a0212807_2274411.jpg
6、7年前の冬、カナカナの鳴き声が無性に聴きたくなり、ネット通販でカナカナの鳴き声CDを手に入れました。
いろいろな場所で採録したカナカナの鳴き声アルバムで、中には人の暮しの生活音が入っているものもあり、聴いていると真冬でも、夏が終わる季節の茜色に染まった夕暮れ時のせつない雰囲気が心の中に広がります。
無心になりたい時に取り出して聴くと、しばらく我を忘れさせてくれる貴重なCDの中の1枚です。
# by blues_rock | 2011-08-23 22:07 | 柏原生活/博多叙景 | Comments(0)
英語のNuclearは、「核兵器」・「原子力」を意味し、軍事も民生も同じ言葉Nuclearで言い表します。
中国語も「核兵器=原子力」で「核」という同じ言葉を使います。
日本では、Nuclearを軍事用には「核(兵器)」と呼び、民生用には「原子力」と表現し言葉を使い分けています。
原子力発電所が、核発電所では、困るのです。
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ヒロシマとナガサキに核兵器を使われ、核の威力と被害を体験している国民にとって「核(兵器)」は、感情的に御法度なのです。
敗戦後の日本は、日米安全保障条約(軍事同盟)によりアメリカの「核(兵器)の傘」の下で、世界の騒乱を尻目に、平和ボケと言われながらも66年もの長い間、平和な時代を享受してきました。a0212807_22542622.png
自民党政府は、非核3原則‥核(兵器)を「つくらず・もたず・もちこませず」の建前を国是として、日本国民をなだめ騙(だま)し安心させ(暗黙の了解で)、軍事同盟国アメリカの核空母・核潜水艦の日本国内入港を認めてきました。
日本には、現在、核エネルギー(日本では原子力と呼ぶ)による発電所が、54基あります。
「核」を「原子力」と言い換え使い分ける欺瞞に、私はもうウンザリです。
いまフクシマでは、根拠のない放射能数値を垂れ流して住民を不安にさせ、まったく意味のない専門用語を羅列したチラシをバラまき(と言って悪ければ、資料を配り)、いったいこの国の未来をどうしようというのか‥民主党もやはりルーピー(とんちんかん)な政権でした。
アメリカは、イスラエルの核兵器保有には寛大ですが、イラン・イラク・キタチョーセンの原子力発電所(建設準備)には、過剰なくらい神経質になり強硬な外交をするのは、反米だからです。
原子力発電所には、核エネルギー融合のノウハウがぎっしり詰まり、核兵器へ転用されるとアラブ原油権益が脅かされ、アラブ産油国の統制に影響するからです。
66年前、日本を核兵器で破壊したアメリカが、なぜ日本には、54基もの核エネルギー発電所建設を容認してきたのでしょうか?
a0212807_22551752.jpg本来ならアメリカは、日本の復讐が怖くて原子力の研究さえ認めるはずがありません。
すべてが、アメリカの「核の傘」の管理下あるから許可したのです。
日本の非核3原則の「もちこませず」は、アメリカ政府も認めている政府間の密約があったためで、核エネルギー(原子力)空母・核エネルギー(原子力)潜水艦に「核兵器は搭載していない」と簡単な報告すれば、日本への入港は、いつでもOKでした。
非核3原則の残り2つ、核(兵器)を「つくらず・もたず」に、日本の平和利用のための核エネルギー(原子力)発電所は含まれません。
私も日本に核兵器保有による武装は不要と思っています。
しかし、国策として「核エネルギー融合・核燃料管理・核廃棄物保全」のノウハウ確保と原子力コントロール技術習熟は、他国への「いつでも準備できますよ」のメッセージとして自衛の安全保障上、どうしても必要です。
ルーピー(とんちんかん)民主党政府の「反原発・脱原発」を今後の国策として、どこの国が、ダレが一番喜ぶのか‥非武装中立を党是とした当時の社会党と同レベルのタワゴトと思います。
国連が、自衛隊にソマリア沖(アフリカ)の武装海賊対策に派兵を要請する時代です。
能天気なアタマで、火力発電所用の原油をアテにしようものなら、産油国から足元を見られバカ高い原油を売りつけられることになるでしょう。
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アメリカ軍は、有事の地震で混乱し機能していない日本政府を横目に、地震発生後ただちに三陸沖に空母・戦艦など20隻を結集させ、オバマ大統領の指令のもと「トモダチ作戦」を展開しました。
地震被災地への緊急物資運搬や救援のためなら空母・戦艦・ジェット機は、必要ありません。
日本海の向こうにある国々に対して「有事のパフォーマンス」を無言のメッセージとして発信したのだと私は思っています。
今度の東日本大地震は、日本国民に、この国の将来のために自立・自助・自己責任で乗り越えなければならない多くの問題と課題を宿題として残しました。
# by blues_rock | 2011-08-22 00:08 | 社会/歴史/思想 | Comments(0)
1999年の中国映画で、チャン・イーモウ監督、ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞しています。
主人公の恋する少女を映画初出演のチャン・ツィイーが実に瑞々しく、魅力的に演じていて感動しました。
チャン・イーモウ監督の映画演出が見事で、現実をモノクロで過去(の懐い出)をカラーで映像表現し、主題の初恋の美しさが、見る人の心に深く印象に残ります。
<ストーリー>a0212807_1421545.jpg
中国の辺境な小さな極寒の村に、突然の事故で亡くなった父の訃報を聞いて都会に住む一人息子の青年が帰って来ました。
嘆き悲しみ泣き続ける母は、町の病院にある父の遺体を、中国の昔の風習どおり村人に背負ってもらい、町から村へ続く長い一本の道を一緒に連れて帰るのだと困惑する息子に強く懇願しました。
真冬なのでムリだとの息子の説得にも‥母は、父が自分と知り合う前に歩いて来た道を一緒に帰るのだと頑として耳を貸しません。
父を終生慕い続けた母には、強い初恋の記憶(懐い出)がありました。
(ここまでモノクロ、ここから一転カラー映像に‥)
純粋な初恋の物語、中国辺境の地の美しい風景とチャン・ツィイー演じる18才の少女の表情豊かな演技が、すばらしいと思いました。
純粋でまっすぐな恋心をもつ少女、走るたびに揺れる三つ編みや厚地の綿入れ上着とモンペ姿がたまらなくキュートなツィイーの姿と、はにかんだ笑顔が可愛くて忘れられません。
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都会から来た青年(父)に一目惚れした少女(母)の初恋、彼の姿を見たい一心で待ち伏せしたり、手作りの弁当を食べてもらうため毎回一生懸命料理を作り(料理で恋を告白する少女に胸キュン)、赤が似合うと褒められると、赤い服ばかり着てみたり‥健気な少女の恋する想いがスクリーンから伝わってきて、無垢な気持ちの強さを感じさせた映画でした。
a0212807_1492062.jpg映画の中で少女が、取り落として壊した磁器碗(大ぶりな茶碗)を巡回の修理屋に修繕してもらうシーンも印象に残りました。
映画のストーリーにあまり関係ないシーンでしたが、割れた磁器の破片を鎹(かすがい)で丁寧に継いでいく職人技をチャン・イーモウ監督は、ゆっくり見せてくれました。
チャン・イーモウ監督は、このシーンを中国の近代化で失われた伝統工芸の職人技(匠)へのオマジュにしたのだろうと思いました。
# by blues_rock | 2011-08-21 14:14 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
a0212807_374080.jpg福岡の繁華街天神から那珂川に出て川沿いにしばらく歩き、小さな橋を渡ったところに「人形」という酒場(バー)がありました。
1972年就職して社会人に成りたての頃から1977年東京に転勤するまで良く行きました。
オーナーは、皆がトミさんと呼ぶ年齢不詳の不思議な雰囲気をもつ魅力的な女性でした。
いつも彼女の回りには、男・女数人の取り巻きがいて、凛としながらも気さくでやさしい女性でした。
バーは、いつも常連客ばかりなので経営しているという風ではなく、まるで放任しているような感じでした。
その頃の私は、就職したものの絵描きになることを夢想し、自分の将来への当てのない不安と焦燥感で自堕落な生活をしていました。
a0212807_361929.jpg飲めない酒(ウィスキー)を飲んでは吐いて、酔いつぶれ長イスに寝かされモウロウとした意識の中で、トミさんは、そんな私に何も言わず、時々横でギターを弾きながら「ラ・ボエーム」を歌ってくれたこと懐い出します。
東京に転勤後「人形」に行くことはありませんでしたが、人伝てにトミさんが「人形」を手離し、田舎にこもり能面をうちながら暮らしている‥そして数年前に身寄りもなく病気で亡くなったと聞きました。
「ラ・ボエーム」は、シャルル・アズナヴール(1924~、87才)のシャンソンです。
彼の歌う「イザベル」というシャンソンにも感動し45回転のドーナツ盤レコードで何度も聴いたものです。
「ラ・ボエーム」を聴くと、私が「人形」で出遭った心やさしい人たちを懐い出します。
# by blues_rock | 2011-08-20 03:06 | 音楽(Blues/Rock) | Comments(0)
a0212807_19411169.jpgティナ・ターナー(1939~)は、現在72歳ながら現役バリバリのロックシンガーです。
セクシーダイナマイト・ヴォーカルと称されエネルギュシュなパフォーマンス、抜群のエンターティメントと、どれを取ってみても現役女性ロックシンガーの中でNO.1、いや彼女以上のパフォーマンスができる男性ロックシンガーもそう多くはいないでしょう。
ミック・ジャガーやデビット・ボーイ、ブライアン・アダムスあたりと互角にデュエットできるのは、ティナ・ターナーくらいではないでしょうか。
アイク&ティナ・ターナーは、R&B夫婦デュオとして60年代(1960~1970)一斉を風靡しましたが、アイクのコカイン中毒と妻ティナへのDVで二人は離婚、その後シンガーとしてのティナは、契約を巡るレコード会社との法律上の問題で、不遇な70年代を送ります。
アイク&ティナ・ターナー時代に、彼女が大ヒットさせた曲も含め、当時歌ったすべての楽曲を契約上の制約から歌うことを禁じられました。
そして1984年、アルバム「プライベート・ダンサー」(LP)で、十数年ぶりにロックシーンにカムバックし、その年のグラミー賞を総なめにしました。
そのLPアルバム1面の5曲目に「プライベート・ダンサー」があります。
‥I'm your Private dancer A dancer for money
切なく唄う彼女も魅力的で、グッと胸に迫ります。
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この名曲の作詞・作曲者は、マーク・ノップラー(ダイアー・ストレイツ)でした。
# by blues_rock | 2011-08-19 19:39 | 音楽(Blues/Rock) | Comments(0)
2003年の早春、兵庫県尼崎市の舎宅で、引越しの荷造りをしながら何となく聴いていたFMから、やさしく語りかけるような女性のジャズヴォーカルが流れてきました。
春の陽射しのような‥暖かく心地いいナチュラルヴォイスに、荷造り準備の手を止め聴き入ってしまいました。
それが、ノラ・ジョーンズ(1979~、32才)の歌との出会いでした。
その歌が「don't know why」だったか、「come away with me」だったか‥もう忘れましたが、やさしく心に沁みる自然な声に感動しました。
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すぐにファーストアルバム「come away with me」を手に入れました。
アルバム収録曲「I've got to see you again」‥顔のシワも素敵に見える‥じっと見つめていたいだけ‥あなたに、また会いたい、と切なく歌うノラ・ジョーンズの音楽をしみじみいいなぁと思います。
ずっと昔に聴いたキャロル・キング(1942~)の「you've got a friend」を歌詞の内容こそ違いますが、懐かしく思い出しました。
ノラ・ジョーンズは、トム・ウェイツ(1949~)をリスペクトしているとか、分かるような気がします。
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ちなみに彼女の父は、有名なシタール奏者のラヴィ・シャンカールです。
ラヴィ・シャンカールは、ビートルズやローリングストーンズにインド音楽を通して大きな影響を与え、ビートルズのジョージ・ハリスン、ローリングストーンズのブライアン・ジョーンズにシタールの演奏(インドの民族楽器)を教えた人です。
# by blues_rock | 2011-08-18 19:26 | 音楽(Blues/Rock) | Comments(0)
今年の初めインターネット(ITサイト)は、国民に倦(うと)まれたチュニジア軍事独裁政権をあっと言う間に破壊し、崩壊させました。
独裁者はなす術(すべ)もなく海外逃亡(亡命)しました。
インターネットの中でもフェイスブックとツイッターは、相当な威力を発揮しました。
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チュニジアの暴動に端を発した北アフリカの民主化反政府運動は、エジプトに飛び火しエジプト独裁政権もあっという間に崩壊しました。
リビアも時間の問題‥いかなる権力も俗欲に腐敗し、必ず消滅します。
チュニジアの暴動は、そもそも「小麦価格の高騰」に起因しており“パンが買えない”貧しい庶民の反乱でした。
これに反政府民主化運動が呼応し、フェイスブック・ツイッターなどのインターネット(ITサイト)を武器にして、チュニジア国民の怒りは、独裁政権を打倒しました。
エジプトは独裁国家で、アラブ世界での数少ない親米政権としてイスラエルとも平和条約を締結し、何とか良好な関係を維持して来ました。
エジプトの政変(民主化運動)を一番憂慮しているのが、世界の民主化を標榜するアメリカ政府というのも皮肉です。
イスラム教アラブ諸国の国民は、元々反米感情が強く、そのためアメリカ政府は親米アラブ諸国での反政府デモ・暴動・民主化運動には神経質で、原油資源など国益のためには、軍事力を行使(当事国軍への支援・援助)して防ぐと思います。
サウジアラビア・ヨルダン・シリアにまで反米・反政府運動が拡大し、イスラエルが反米・反ユダヤのアラブ諸国に包囲されるような事態は座視しないでしょう。
そういう事態になるとパレスチナ和平交渉は暗礁に乗りあげ、イスラエルの国家存亡に関わり民族・宗教戦争が、再び勃発するでしょう。 (下は、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の聖地イエルサレム旧市街地)
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アメリカの空前の金融緩和政策は、天文学的な巨額のドル紙幣は世界中にあふれさせ、ヘッジファンドの投機マネーは、食料品・資源など国際商品取引価格を高騰させています。
昨年の暴騰した小麦価格も、この投機マネーがロシアの大干ばつによる小麦不作に目をつけ、小麦先物を買占めたからに他なりませんでした。
キリスト教価値観で建国されたアメリカの覇権国家としての弱点は、異教イスラムの価値観をもつアラブ諸国の統治にあり、その国々が原油産出国であることでした。
いまアラブ世界に広がりつつある反政府民主化運動に火をつけたのが、アメリカの象徴である「ドル」と「インターネット」というところに新時代の皮肉を感じます。
そもそもアメリカの国家規範は極めて利己的であり、強欲なキャピタリズムで成り立っています。
アメリカ経済の不況対策による金融緩和で供給された巨額のドルは、アメリカ国内で2割・BRIC’s他新興国に4割・EU日本その他地域には4割が、基軸通貨として流通しています。
新興国にどっと流れ込んだドルマネーは、ブラジル・インド・中国などでインフレを誘発し国内経済を蝕み始めました。
食料品など国際商品価格の高騰は、庶民の台所を狙い撃ちし始めています。
世界各地で庶民の暴動のタネはまかれつつあり、いつ反政府運動に火が点いてもおかしくありません。
ここでもフェイスブック・ツイッターなどのインターネット(ITサイト)が大活躍することでしょう。
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中国は、フェイスブック・ツイッターというインターネットソフトの国内使用を許可していません。
社会主義を国是とする共産党一党独裁国家の中国に「民主主義・言論の自由」はなく、基本的な人権の要求運動が、インターネットで中国人民の間に広がるのを極度に恐れ警戒しています。
しかし皮肉にも経済発展とともに、中国国内での携帯電話・インターネット普及はめざましいものがあります。
先日の中国新幹線事故での当局の隠蔽(いんぺい)工作や虚偽報道に対しても中国人民は怒り、インターネットSNSサイトで抗議を続け、中国政府も鉄道省トップの更迭・責任追及・処分を断行せざるをえなくなりました。
今年2月6日の日本経済新聞に、興味深い記事がありました。
「新華社の膨張、どこまで~国家メディア戦略の先兵」と題した見識ある記事でした。
中国共産党の進める国家ガバナンス(政権強化と統治)の具体例が書かれていました。
「新華社」と「中国移動」の提携についての記事でした。a0212807_23301134.jpg「新華社」は、言わずと知れた新聞や通信など中国最大のメディアで、社長は中国共産党中央委員です。
「中国移動(チャィナモバイル)」は、中国最大の携帯電話会社で、6億人近い契約者(日本総人口の5倍!)を持ち、社長はやはり中国共産党中央委員です。
「新華社」が、国内のインターネットをコントロールし「中国移動(チャィナモバイル)」は、国内情報の検索エンジンソフトを開発し管理するというものでした。
つまり「中国移動」が開発を担うITソフトに、高度の特種なフィルタリングプログラムを密かに組み入れ、中国共産党・中国政府に都合の悪い情報を排除し「新華社」の情報を中国国内のインターネットに流すためのものです。
中国共産党(国家)の先兵として「二人の共産党中央委員」社長は、意気揚々ですがインターネット(フェイスブック・ツイッターなどITサイト)への危機感の表れと見てとれます。
どのような統制手段を以ってしても、中国インターネット普及はいずれ一党独裁の共産党政権をゆっくり破壊させていくことでしょう。
# by blues_rock | 2011-08-17 00:00 | 社会/歴史/思想 | Comments(0)