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心の時空

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a day in my life

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a0212807_1812389.jpg2015年のコメディ映画「エージェント・ウルトラ」(American Ultra)は、ハリウッド製作のイラン系イギリス人の俊英監督ニマ・ヌリザデ(1977~)長編映画第2作目となる‘おバカアクション ラブコメディ’ 映画ながら、これが、なかなかどうして‘バカにできない’ コメディ映画の秀作です。
2009年アメリカのラブコメディ映画「アドベンチャーランドへ ようこそ」で共演したジェシー・アイゼンバーグ(1983~)とクリステン・スチュワート(1990~)が、6年後に再び顔を合わせた ‘おバカアクション ラブコメディ’ ながら「エージェント・ウルトラ」では、若いヌリザデ監督のポップな演出に応え、2人とも真面目に弾(はじ)けて笑わせてくれます。
今や若き名女優 クリステン・スチュワートが、前年の2014年に出演した「レディ・ソルジャー」・「アクトレス~女たa0212807_1815571.jpgちの舞台」・「アリスのままで」の3作品で見せたそれまでのシリアスな演技とは、またひと味ちがうコメディエンヌぶりを発揮、女優としての奥行きを見せてくれました。
クリステン・スチュワートの恋人役で共演したジェシー・アイゼンバーグが、何をやってもドジで風采のあがらない主人公のおバカなコンビニ店員をハマリ役で演じているのも見どころです。
a0212807_18401715.jpg映画は、CIAの極秘マインドコントロール・プログラム計画を封印(隠ぺい)しようとするCIAから命を狙われるコンビニ店員のマイク(ジェシー・アイゼンバーグ)とその騒動に巻きこまれる恋人フィービー(クリステン・スチュワート)の反撃を描いています。
毎日のらりくらりと暮らしうだつの上がらないダメ男のマイクは、恋人のフィービーにプロポーズをしようしますが、なかなかうまく切りa0212807_18533493.jpg出せませんでした。
ある夜、コンビニで店番をしていると怪しげな女が、レジに現われマイクに意味不明なナゾの暗号を囁(ささや)きました。
その瞬間マイクは、それまでの自分と違う何かが、自分の中で覚醒したような奇妙なものを体感しました。
a0212807_18413476.jpgそのとき、屈強な男2人が、マイクを襲撃、突然のことに驚いたマイクは、そばにあったスプーンを武器に、暴漢 2人をあっという間に倒しました。
我に返ったマイクは、血だらけの自分の姿を見てびっくり仰天 ‥恋人のフィービーに助けを求めました。
マイクは、極秘裏にCIAマインドコントロール・プログラム計画によりトレーニングされた最強のエージェント(特殊a0212807_18423838.jpg工作員)ながら計画封印のためマイクを抹殺しようとするCIA組織内の対立でプログラム存続を図るグループの女工作員(怪しげな女)が、休眠されていたマイクの特殊能力を覚醒させる暗号で最強のエージェントに変調させたのでした。
マイクは、危険にさらされると自分の頭脳と身体が、驚異的な攻撃能力を発揮することにとまどいながら、何が何だか分からないまa0212807_18433031.jpgま、フィービーの助けを借りて逃亡しました。
ここまで書くと‘あれまあ、ジェイソン・ボーン’のプロットとそっくり、と感じられた方は、鋭い! ‥ 私は、この「エージェント・ウルトラ」が、要人暗殺特殊工作員(アサシン)育成の 極秘CIAマインドコントロール・プログラムで誕生したジェイソン・ボーンのパロディ・ヴァージョンと推いながら見ました。
a0212807_1844056.jpg「ジェイソン・ボーン」シリーズの恋人と違うのは、マイクの恋人フィービーが、実は‥ と云うところに、ニマ・ヌリザデ監督のひねりがあり、これは、見てのお楽しみにしましょう。
(左写真 : ヌリザデ監督と打合わせるクリステン・スチュワートとジェシー・アイゼンバーグ)
by blues_rock | 2017-08-10 00:10 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
近日(8月25日)公開の「ELLE」を前に、フランスの名女優 イザベル・ユペール(1953~)が、出演している作品を第731話の「アスファルト」に続いて紹介いたします。
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今夜紹介します2015年のノルウェー・フランス・デンマーク・アメリカ 4か国合作映画「母の残像」は、イザベル・ユペールが、亡き母親の役で出演、彼女の死を巡り遺された家族の心理をミステリアスに描いた心理サスペンス映画の
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秀作です。
a0212807_219149.jpg原題は、「Louder Than Bombs(爆弾よりも大きな音)」、主人公の著名な戦争写真家イザベル(イザベル・ユペール)が、突然ナゾの死を遂げてから3年、妻であり 母であった故人を巡る家族3人(夫と息子2人)の心理をサスペンスフルに描いたヒューマンドラマです。
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監督は、ノルウェーの新鋭監督 ヨアキム・トリアー(1974~) ‘トリアー’の名前のとおり デンマークの鬼才 ラース・フォン・トリアー監督の甥にあたります。
a0212807_2212448.jpgヨアキム・トリアー監督の長編3作目となる「母の残像」の脚本は、ノルウェーの脚本家エスキル・フォクトが、同じく撮影監督は、ヤコブ・イーレ(1975~)とヨアキム・トリアー監督の盟友たちが、担い、キャストは、イザベルの夫ジーンにアイルランドのベテラン俳優 ガブリエル・バーン(1950~、1995年「ユージュアル・サスペクツ」ほか出演)、長男a0212807_22286.jpgのジョナにジェシー・アイゼンバーグ(1983~、2011年「ソーシャル・ネットワーク」、2015年「エージェント・ウルトラ)」など主演)、多感な15歳の次男 コンラッドを新人俳優 デヴィン・ドルイド(1998~)が、演じそれぞれの役柄をリアリティのある見事な演技で見せてくれます。
a0212807_2224553.jpgイザベルの撮った写真の出版を担う編集者でイザベルの秘かな愛人役のデビッド・ストラザーン(1949~)の渋い存在感も秀逸です。
映画は、戦争写真家の母イザベルのナゾの死から3年、イザベルの撮った写真展準備のために長男のジョナが、久しぶりに父ジーンと弟コンラッドの暮らす実家に帰ってきました。
a0212807_2231088.jpg事故か自殺か、不可解なイザベル突然の死、久しぶりに顔を合わせた遺族である夫にして父ジーンと息子の2人が、それぞれの心にあるイザベルへの想いを語ることで現実を受け入れ壊れかかっていた家族の絆を取り戻そうとしていました。
a0212807_2244965.jpg憑かれたようにアフガニスタンなど過酷な戦争現場に出向き悲惨な戦場の写真を撮り続けた有名な報道写真家イザベル ‥ 母の死から引きこもり心を閉ざしたコンラッドが、映画の語り部となり、家にいない母イザべルに代わり自分と兄ジョナを育てた高校教師の父ジーンの姿、大学で社会学を教える兄ジョナは、結婚し生まれたばかa0212807_11504168.jpgりの娘に母の名イザベルという名前を付けたものの家庭に囚われる自分と父親になったことへの躊躇(ためらい)、思春期の多感なコンラッドもまたクラスメイトの女子高生を密かに恋していました。
映画は、ヨアキム・トリアー監督の繊細な演出と撮影監督ヤコブ・イーレの丁寧なカメラワークが、生前の家族と一緒にいたイザベルの姿を映し、そのシーンをカットバックさせながら家族4人の葛藤と心理描写で一級のミスa0212807_226528.jpgテリアスかつサスペンスフルな心理劇にしています。
(左写真 : モニターを確認しながら 撮影中のヨアキム・トリアー監督)
by blues_rock | 2017-08-08 00:08 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
江戸中期から後期あたりの古伊万里「輪花青磁染付竹笹図大皿」(径27㌢×高さ5㌢)の縁に6箇所の欠けが、ありましたので形をきれいに整えて 本金で直し(金継ぎし)ました。
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大皿は、愛用されていたようで経年の使用による摺れ疵が、あります。
呉須釉による洒脱な竹笹の絵も見事です。
この(下写真)鉄釉で縁取りされ呉須で山水図の画かれた尺皿(大皿)も江戸後期の古伊万里と思います。
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四時の方角に2箇所、小さな欠け疵があり、錫と銅との合わせ直しで大皿全体の色調に合わせて修理しました。
次は、完品ながら手持ちの大皿2枚を掲載しました。
江戸後期の古伊万里輪花染付大皿で窓の仙人を配した呉須の山水図が、目を惹きます。
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これ(下写真)は、友人のアマチュア陶芸家が、焼成した伊賀陶板の大皿です。
蛙目(がいろめ)の土を陶板風な大皿に成形し、内側を箆(へら)でダイナミックに削り、大胆な箆目(へらめ)を残しています。
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伊賀の陶土(つち)と灰釉(かいゆう)による蒼碧(そうへき)の透明感が、相俟って何とも云えない好い雰囲気を醸し出しています。
by blues_rock | 2017-08-06 00:06 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
その昔、旧福岡スポーツセンター横にあったセンターシネマ(現在のソラリア)で私は、多くの外国映画の名作をa0212807_13264689.jpg見て人生勉強をしていました。
この1971年公開のフランス映画「風の季節」も時おり、ふと懐い出すロマンス(悲恋)映画の佳作です。
映画のプロット自体は、母親の年齢に近い年上の女性(地質学者の妻)とその地質学者である夫の助手として働く若いドイツ人地質学者との、淡く切ない恋物語ながら、サウンドトラックが、全編モーツァルトの楽曲で、映画の主題である悲恋物語と映画音楽との見事な融合(シンクロナイズド)に感動しました。
フランスの映画評論誌‘カイエ・デ・シネマ’の創立者にして映画評論家のジャック・ドニオル=バルクローズ監督(1920~1989)の演出は、年上の女性a0212807_13302030.jpgが、自分に激しい恋心をもつ まだ少年の面影を残した青年に、初めは、躊躇(ためら)いつつも 自分が、まだ女であることを知り 女の情念に目覚めていくさまをストイックに表現、撮影監督のギスラン・クロケ(1924~1981)のカメラは、それを静かに追い、フランス、プロバンス地方の田舎を舞台にした地質学者の妻 イザベル(マリー・デュボワ 1937~2014、出演時 33才)と、彼女よりずっと年長の地質学者で夫のジュリアン(モーリス・ガレル 1923~2011、出演時47才)、この中a0212807_13442065.jpg年の夫婦に、地質学者 ジュリアンの論文を翻訳する助手として雇われた若いドイツ人青年 カール(マチュー・カリエール 1950~、出演時20才)を絡ませ成熟した男女の愛の姿を描いていきます。
イザベルは、子供 2人にやさしく、彼らもまたカールになつき、楽しそうな様子を見てカールに好感を持ち、単調で平凡だった毎日の暮らしに自分の心が、弾むようになりました。
a0212807_13444556.jpgある日 夫から「少しカールと親しすぎるのでは」と言われイザベルの秘めた心が、動揺しました。
そんなとき市場へ買い物に出かけたイザベルは、街でカールに会いました。
その帰り道、カールは、必死の想いでイザベルに「結婚して欲しい」と求愛(プロポーズ)しました。
夫のジュリアンが、地質学の仕事で数日パリに出かけた夜、二人は、月明かりの野原を散歩、明け方までずっa0212807_13481827.jpgと一緒にいましたが、イザベルは、何か言いたそうなカールの心を制し、そして揺れる自分の気持ちも諌(いさ)め、何事も何もなく、それぞれ自室に戻りました。
この後のシーンが、悩ましく エロチック ‥ 二人は、自分のベッドで相手とのセックスを想像し自慰しますが、このシーンは、見ている方が、切なくて やるせなくなります。
イザベルは、翌日カールを呼び「私は、あなたが、好きです。 だが、あなたの若さは、危険すぎるのです。」と別a0212807_1349868.jpgれを告げました。
カールは、黙って雨の中を去って行きました。
パリから帰ったジュリアンは、カールの姿が、ないことに気づいたもののイザベルに何も訊ねませんでした。
夫のジュリアンは、妻イザベルにひと言「君は、正しい。 私の愛は、ジェラシーだけだ。」伝え、家族で、パリに移り住むことを告げました。
a0212807_13493918.jpgフランスでロマンス映画は、“悲恋”でなければ、恋愛映画ではない、という毅然としたポリシー(ロマンス映画の哲学)のような美意識があり、私は、そんなフランス映画のエスプリが、とても好きです。
「私も!」という方は、‥パトリス・ルコント監督の‘ファム・ファタル’三部作とその続編や「灯台守の恋」などご覧いただくとフランスのロマンス(悲恋)映画が、さらに好きになること請け合います。
by blues_rock | 2017-08-04 00:04 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
フランス映画の鬼才サミュエル・ベンシェトリ監督(1973~)の最新作「アスファルト」(2016年、監督・脚本)は、フィンランドの名匠アキ・カウリスマキ監督(1957~)の作風(セリフが、少なくペーソスとユーモアの融合したコメディ映画)を感じさせる作品でした。
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作家でもあるベンシェトリ監督は、子供時代、パリ郊外の団地で暮らした自伝小説から脚本を書き、‘長回しのワンテイク’という演出でフランスの寂れた団地が、舞台の孤独な男女6人のコミカルながらもペーソスに満ちた群像劇として映画を撮りました。
a0212807_1248269.jpgこの映画の良さも 面白さも 文字では、説明できない、映像を見ないと分からない 映画ならでは、の作品です。
映画は、冒頭、団地の老朽化したエレベーター取り換えを討議する住民集会から始まります。
2階に住まうサエない中年独身男(ギュウタヴ・ケルヴァン 1962~)は、相応の経費負担が、イヤでただ1人反対しました。
経費負担しない住民は、新エレベーターの使用を禁止するというルールで取り換えが、決まりました。
a0212807_12493156.jpg数日後、男は、大ケガをして車イス生活となりエレベーターが、要るようになりました。
それからの彼の姑息なエレベーター使用が、笑えます。
ある夜、彼は、団地を抜け出し近くの病院で夜勤中の孤独な看護婦(バレリア・ブルーニ・テデスキ 1964~)と知り合いになりました。
団地に1人の落ちぶれた女優(イザベル・ユペール 1953~)が、引っ越して来ました。
同じ階に住む、いつも母親不在の孤独な少年(ジュール・ベンシェトリ 1998~)は、引っ越してきたばかりの女優a0212807_12553525.jpgを何かと手助けしながら部屋に入り彼女が、出演した映画のビデオを見せて欲しいと強請(ねだ)りました。
そんなある日、団地の屋上にNASAの宇宙飛行士(マイケル・ピット 1981~)が、トラブルで不時着、服役中の息子をもつアルジェリア移民の老女(タサディット・マンディ)に助けられました。
宇宙飛行士は、フランス語が、話せず、アルジェリア移民の老女は、まったく英語を理解できませんでした。
a0212807_1256332.jpg映画は、3組6人の男女が、織りなすコミカルにしてシリアスそしてペーソスに満ちた人生模様をセリフの少ないワンカットワンシーンの長回しで描いていきます。
ベンシェトリ監督が、演出するユニークなキャラクター6人の登場人物を配役の俳優と女優たちは、味わい深く演じています。
とくにフランスの名女優 イザベル・ユペールを相手に演じたベンシェトリ監督の息子で名優 ジャン=ルイ・トランa0212807_12563526.jpgティニャン(1930~、1966年「男と女」、2012年「愛、アムール」は名作)の孫にして当年まだ十代の新人俳優 ジュール・ベンシェトリが、存在感のある見事な演技を見せ、今後どんなに映画に出演するのか、楽しみです。
by blues_rock | 2017-08-02 00:02 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)