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心の時空

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a day in my life

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ドイツの女性監督ニコレッテ・クレビッツ(1971~)が、自分の夢をもとにイメージを膨らませ、脚本を書き監督した作品「ワイルド(野生)~ わたしの中の獣」をKBCシネマで見て来ました。
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映画のプロットは、クレビッツ監督の作家性が、顕著ながらもリアル(現実)とファンタジー(幻想)を交錯させつつ主人公の女性アニアの性的メタファーとして偶然出遭った野生の狼を通して、若い女性アニアに内在する束縛
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(=現実)への鬱憤、自由(=欲望)への憧れ、自我解放(=本能)の悦びをリアルな映像で描いています。
映画の‘R15+’指定と併せタイトルの「ワイルド ~ わたしの中の獣」(原題「Wild」)とポスター写真からポルノ
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(AV)っぽさを想像して(期待して)見るとバスレます。
クレビッツ監督は、女性監督ならでは、の男心をくすぐるエロティックな演出が上手く、ストイック(禁欲的)な生活a0212807_440495.jpgをしていたアニアが、自宅アパート近くの森林公園で偶然一匹の野生の狼を見た瞬間、狼の野生の姿に魅入られ愛し自ら野性化していく姿(倒錯した愛)は、確かにエロティックでした。
アニアは、知恵を絞り手を尽くして狼を捕獲、密かに自宅アパートで飼い慣らし汚れた部屋で‘恋人’と同棲するように狼と生活、次第に自分を取り巻く現実の人間世界と狼と暮らす非現実的な妄想との境界が曖昧になり人間として常軌を逸するa0212807_4443886.jpg行い(R15+)をするようになりました。
段々野生化していく主人公の若いドイツ女性アニアを演じるリリト・シュタンゲンベルク(1988~)の変貌していく姿が、ワイルドでエロティック、そして美しく魅力的です。
アニアの‘恋人’を演じたヨーロッパ狼(牡の狼ネルソン)のダンディな存在感も秀逸でした。
変貌していくアニアに好意をもつ上司のボリス役をゲオルク・フリードリヒ(1966~ 「ファウスト」でファウスト博士a0212807_4464397.jpgの助手ワーグナー役)、アニアの妹ジェニーをザスキア・ローゼンダール(1993~ 「さよなら アドルフ」主演)が、好演しています。
私は、ニコレッテ・クレビッツ監督(=脚本)作品「ワイルド ~ わたしの中の獣」が、ヨーロッパ伝承の物語「赤ずきん」に深層心理学上の新解釈を与えたと思っています。
女性のクレビッツ監督は、若い娘、森、野生の狼、月経(生理)の血の赤で「赤ずきん」物語の基本を構成し生理
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の血を舐めて清拭する狼、舐められてエクスタシーを感じる若い娘との関係に野生の愛の交歓(野生の本能)つまり新メルヘン「赤ずきん」として表現したのだろうと私は、想像しました。
by blues_rock | 2017-02-08 00:08 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
西南学院が、2016年4月1日に「西南学院 創立百周年に当たっての平和宣言」を公に発表、その決意と勇気に私は、心からエールを送ります。
a0212807_2053258.jpg同窓の私自身は、無宗教にして無信仰の徒ながら平和宣言にある「敵対する異質な他者にさえ、しっかりと向き合い、問い合い、愛し合うことこそが、人としての普遍的価値である」という箇所に‘我が意’を感じましたので拙ブログで取りあげました。
翻って1963年、若きボブ・ティランは、「Blowin' in the Wind」を歌い、旧体制下の暴力支配と自由抑圧に異議を申し立てから早や半世紀、さらに1985年、人種・民族・宗教を超えたアメリカのトップ・ミュージシャン(空前絶後の超豪華メンバー)が、連帯しUSA for Africa として結集「We are the World」をアピールしてから四半世紀、今また私たちは、自らa0212807_20585225.jpgが選んだ愚劣なリーダー(民主主義のリスクで自らの責任ながら)による暴力と抑圧にさらされようとしています。
ちなみに、悪魔のようなドイツの独裁者 アドルフ・ヒトラーも当時のドイツ国民に熱狂的に支持され首相になる(1933年)や老衰したヒンデンブルグ大統領を懐柔し死去と同時に国家元首(総統=独裁者、1934年)になり、この間わずか1年、あっという間の出来事でした。
いつか来た道、今まだ、間に合ううちに「過ちは 改むるに 憚る事なかれ」を肝に銘じておくべきだと思います。
by blues_rock | 2017-02-06 00:06 | 社会/歴史/思想 | Comments(2)
世界映画史に残るイタリア希代の巨匠ルキノ・ヴィスコンティ監督 が、1963年に発表した傑作「山猫」の‘4K完全修復版’を中洲の大洋映画劇場で見ました。
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15世紀に人間復興(ルネサンス)をテーゼに完成した人類史上最高の芸術である絵画と同等の芸術的価値をもつ20世紀の人類(人間)が、発明した映画という表現技術(道具とスキル)は、人類に新たな芸術を誕生させました。
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芸術としての映画が、完成したとは、まだ言い切れませんが、ルキノ・ヴィスコンティ作品は、間違いなく人類(人間)の文化遺産と言っていいだろうと思います。
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そう遠くない未来の映画界に、AI(Artificial Intelligence)監督が、登場し画期的なプロット(ストーリー)と斬新な映像で映画を撮り、IoT (Internet of Things)を道具にして、AI映画関係者(プロデャーサーもインターネット配給もAI)は、
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全世界の映画ファンに、いつでも誰でもどこででも自作を見てもらえるようにするでしょう。
不世出の奇才スタンリー・キューブリック監督が、「2001年宇宙の旅」を発表したとき、宇宙船ディスカバリーの
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機能すべてをコントロールするAIコンピューター(HAL 9000) は、また空想(SF)の世界でした。
AIの研究に熱心なイギリスの鬼才映画監督アレックス・ガーランドは、「エクス・マキナ」 で人間の感情を理解a0212807_10455788.jpgする頭脳明晰な(聡明な)ガイノロイド AVA の誕生を予言しています。
閑話休題、ルキノ・ヴィスコンティ監督生誕110年(没後40年)を記念して最新デジタル技術により完全修復されたヴィスコンティ監督の初期ネオリアリズモ作品から‘滅び’を美学にまで昇華した耽美作品に至る作品までが、一挙公開されています。
a0212807_10464355.jpgイタリア映画希代の巨匠にして世界映画史の至宝ルキノ・ヴィスコンティ監督映画を一度も見たことのない若い映画ファンやネオリアリズモ(ヌーベルヴァーグ、アメリカン・ニューシネマ、アートシアター・ギルド)に熱狂した往年の映画ファンには、千載一遇のチャンスです。
「山猫」の舞台は、1860年代のシチリアです。
a0212807_10591923.jpgイタリアが、群雄割拠した時代、統一国家としての体をなさず混乱、軍事家ガリバルディ(1807~1892)率いるイタリア統一義勇軍のパレルモ進軍で、ナポリ・シチリア王国の貴族たちは、心中穏やかではありませんでした。
シチリア王国の貴族 サリーナ公爵(バート・ランカスター 1913~1994)は、豪奢な貴族の暮らしに浸りながらも貴族身分の終焉が、近いことも感じていま
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した。
サリーナ公爵は、貴族ながらガリバルディ義勇軍に参加した甥のタンクレディ(アラン・ドロン 1935~)にサリーa0212807_1115498.jpgナ一族の安寧を委ねることにしました。
サリーナ公爵は、タンクレディに平民の旧友の娘アンジェリカ(クラウディア・カルディナーレ 1938~)を紹介しました。
タンクレディは、美しいアンジェリカに一目惚れし結婚を申し込みました。
シチリア貴族新旧の世代交代を通してルキノ・ヴィスコンティ監督が、描いた‘滅びの美学’の一大叙事詩です。
劇中に登場する豪奢な貴族の館の設えや有名な大舞踏会のシークエンスは、豪華絢爛そのもの、元貴族ヴィスコンティ監督ならではの壮麗な撮影セット(プロダクションデザイン)も必見です。
当時のヨーロッパ映画界で、フランスの美人女優 BB(ベベ)ことブリジット・バルドー(1934~)と人気を二分したイタリア新鋭の美人女優 CC(シシ)ことクラウディア・カルディナーレの美しいこと、イタリア美人女性の若いときは、本当に美しくルネサンス絵画から抜け出してきたような美貌と気品が、漂っています。
by blues_rock | 2017-02-04 00:00 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
日経新聞のコラムで「人は、一日一回、‘上質な孤独’ が、必要である」という主旨の記事を読みました。
ならば、金継ぎは、‘極上の孤独な時間’ です。
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江戸初期(1610~1640)の唐津に、古窯「小峠窯」(武雄の北)が、ありました。
特長は、三島唐津と刷毛目文の陶器です。
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この刷毛目文皿も当時のもので少し変形していますが、窯での焼きは、硬く上質です。
欠けた部分を刻苧で補い成形、赤漆か弁柄漆のいずれかを下地に蒔絵の金継ぎにしようと迷いながら磨い
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でいたら磨ぎ破り、根来風になりました。
この武雄系古唐津の刷毛目文皿は、根来風な雰囲気を生かすことにして、そまま仕上げました。
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もう一つは、古唐津皿の縁が、4分3ほど欠けていましたので縁周りを刻苧で成形し梨子地銀を蒔きました。
少し黄の色調を出すため、梨子地漆と透明黄漆を交互に入れ仕上げました。
by blues_rock | 2017-02-02 00:02 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)