ブログトップ | ログイン

心の時空

yansue.exblog.jp

a day in my life

<   2016年 11月 ( 16 )   > この月の画像一覧

シリアル・キラー(連続殺人犯)をプロットにしたブラック・ジョーク映画が、続きましたので今夜は、お口直しに「つぐない」という一見センチメンタルなタイトルのイギリス映画をご紹介します。
a0212807_21131328.jpgイギリスの中堅監督ながら名監督の域にあるジョー・ライト(1972~)が、2007年に撮った映画「つぐない」は、テレサ・テンの歌を連想させるセンチメンタルなタイトルながら、させあらず「少女の嘘」が、少女の愛する姉の人生を狂わせ不幸にし、同時に愛する姉の恋人の運命を破壊する(死に追い込む)ことになるシリアスな人間ドラマです。
デンマークの名監督トマス・ヴィンターベア(1969~ 2010年作品「光のほうへ」監督)の2012年傑作「偽りなき者」も‘幼い少女の嘘’で人格を深く傷つa0212807_21155348.jpgけられ、築きあげた人生を破壊された保育園職員(マッツ・ミケルセン)の悲劇を秀逸に描いていました。
「つぐない」は、性に目覚めた思春期の13歳の少女ブライオニー(シアーシャ・ローナン 1994~ 映画初出演、同じライト監督の2011年サスペンス・アクション映画「ハンナ」で有名になる)が、後年著名な作家(老いたブライオニーa0212807_2118933.jpg= ヴァネッサ・レッドグレイヴ 1937~)となり少女のころに犯した大罪(愛する者二人の人生を破滅させた嘘)を悔い悩み苦しんだことを遺作として書いた小説「贖罪」について、13歳の少女である自分、18歳の大人になった自分(看護婦となったブライオニー = ロモーラ・ガライ 1982~)を述懐する形で描かれ物語は、展開していきます。
a0212807_21191665.jpg1935年イングランドの高名な資産家の家に生まれ育ったロマンティックな少女ブライオニーには、愛する聡明な大学生の姉セシーリア(キーラ・ナイトレイ 1985~)と家政婦の息子ながら姉セシーリアと同じ大学に通う知的な青年ロビー(ジェームズ・マカヴォイ 1979~)と云う二人の尊敬する‘憧れ’の大人が、身近にいました。
いろいろなことを夢想し自分の中で物語(寓話)を創造するロマンティストな乙女ブライオニーは、ある時、憧れの男性ロビーから姉セシーリアに渡して欲しいと依頼された手紙(ロビーは、ラブレターを入れたつもりだったが、セシーリアを夢想して作ったエロティックな詩を間違って入れていた)を盗み見し、二人が、密会しているところに出遭ったブライオニーは、観念a0212807_21303777.jpg(ロマンティックな世界)の中で性に目覚めた処女的潔癖さと残酷な嫉妬心で、この後に近くの森で発生した従妹の少女レイプ事件の目撃者としてロビーをレイプ犯として嘘の証言をしました。
第二次世界大戦前夜という時代背景もあって少女ブライオニーは、自分の敬愛する二人、姉セシーリアと姉の恋人ロビーを不幸のa0212807_21311791.jpgどん底に陥れ死に追いやりました。
戦火の中、18歳の女性になったブライオニーは、看護婦となり姉セシーリアとロビーに謝罪しようと必死で二人を探しました。
映画「つぐない」は、作家となったブライオニーの‘贖罪(しょくざい)’の物語です。
a0212807_2133314.jpg長編映画デビューの新人女優シアーシャ・ローナンの熱演もさることながら2005年のライト監督デビュー作品「プライドと偏見」で見事な演技を披露したキーラ・ナイトレイは、この映画でも名女優ぶりを発揮しています。
「つぐない」は、音楽監督ダリオ・マリアネッリ(1963~ ライト監督作品の常連音楽担当)が、アカデミー賞作曲賞を受賞、ライト組の撮影監督シェイマa0212807_21344862.jpgス・マクガーヴェイ(1967~)との息もピッタリの良質な映画でした。

(右写真) 撮影中のジョー・ライト監督
by blues_rock | 2016-11-09 00:09 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
数か月もかかる難儀な金継ぎに悪戦苦闘していると、その合間に簡単なカケ・ヒビのあるものを手掛け(それでもひと月くらいは必要ながら)、ささやかな自己満足に浸ります。 (下写真) 古伊万里 染付矢筈文 江戸後期
a0212807_14232416.jpg
そんなとき、蕎麦猪口のカケ・ヒビは、金継ぎ仕上げとの相性も好いので最適です。
今回掲載した古伊万里の蕎麦猪口 7口は、江戸後期から明治初期にかけて焼成されたものです。
a0212807_14295219.jpg
それぞれ呉須(ごす=コバルト釉のこと)による染付あるいは印判で文様が、描かれています。
(上写真) 古伊万里 染付微塵(みじん)唐草文 幕末~明治初期
a0212807_14332357.jpg
(上写真) 左から 古伊万里 染付竹笹文、印判村雲文、染付草むら文 江戸後期 (村雲文 幕末~明治初期)
a0212807_14354855.jpg
(上写真) 古伊万里 染付 染付矢筈文 江戸後期
a0212807_14362163.jpg
(上写真) 古伊万里 染付微塵(みじん)唐草文 幕末~明治初期
a0212807_14365351.jpg
(上写真) 古伊万里 印判村雲文 幕末~明治初期
by blues_rock | 2016-11-07 00:07 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(2)
ブラック・コメディ映画「サイト・シアーズ 殺人者のための英国観光ガイド」と「ゴッド・ブレス・アメリカ」が、公開される12年前の1994年にアメリカの巨匠オリヴァー・ストーン監督(1946~ 戦争映画の傑作「プラトーン」監督)
a0212807_0183271.jpg
は、過激なバイオレンス満載のブラック・コメディ映画「ナチュラル・ボーン・キラーズ」(監督・脚本)を斬新な映像(ポップでパンクな)感覚で撮っています。
a0212807_0195672.jpgストーン監督のこの斬新なブラック・コメディ映画が、先に紹介したブラック・コメディ映画2作に少なからず影響を与えていることは、間違いありません。
ストーン監督は、現代アメリカ社会の抱える銃所持をめぐる問題を「ナチュラル・ボーン・キラーズ」で、殺人や暴力を娯楽として消費するアメリカ社会ならびに凶悪事件をニュース・ショウというa0212807_022892.jpg視聴率の高い報道娯楽番組ビジネスの収益源として殺人や暴力を煽るメディアを痛烈に批判、諷刺しています。
前述した斬新な映像感覚とは、画面を5mmフィルムからいきなり画像粒子の粗い16mmフィルムに変えたり、いきなりVTR映像を挿入するかと思えば、カラーとモノクロ映像を交互に使用したりと、さらにアニメやニュース映像、映画・テレビの1シーンをいくつもスクa0212807_0244370.jpgリーンプロセス(画面合成)した多様なイメージ・ショットでテンポの良いMTV風に構成した編集技術にあります。
銃を使ったシリアルキラー(連続殺人犯)の中年男と少女が、撃ちまくり殺しまくりながら逃避行を続けるブラック・コメディ映画「ナチュラル・ボーン・キラーズ」は、各国で年齢制限指定あるいは上映禁止にされましたが、ヴェネツィa0212807_0262514.jpgア国際映画祭では、審査員特別賞を受賞、ヴェネツィア国際映画祭審査員のユーモアセンスを私も称賛したいと思います。
映画の原案は、奇才クエンティン・タランティーノ監督(1963~)でしたが、ストーン監督は、原案と違うストーリーで撮る考えをタランティーノ監督に伝えるとタランティーノ監督が、強い不満を示し脚本から降り、ストーン監督は、この「ナチュラル・a0212807_02656100.jpgボーン・キラーズ」のストーリーで脚本を書きました。
タランティーノ監督は、この映画製作の翌年1995年に弟分の奇才ロバート・ロドリゲス監督(1968~)が、撮った「デスペラード」に出演し銃を撃ちまくり、続く1996年のロドリゲス監督作品「フロム・ダスク・ティル・ドーン」では、脚本を担当し主演、ジョージ・クルーニー(1961~)と主人公の凶a0212807_0321853.jpg悪強盗ゲッコー兄弟の弟役で出演し、銃を撃って、撃って、撃ちまくるシリアルキラーぶりを楽しそうに熱演していますので、なおさらタランティーノ風味の激辛「ナチュラル・ボーン・キラーズ」も見てみたいと思います。
「ナチュラル・ボーン・キラーズ」の主演は、怪優ウディ・ハレルソン(1961~ 「トリプル9 裏切りのコード」)と名女優ジュリエット・ルイス(1973~ 出演時21歳)、二人のアナーキーな凶悪ぶりもこの映画の見どころです。
a0212807_0331766.jpgニュース娯楽番組キャスターのウェイン役にロバート・ダウニー・Jr.(1965~)、さらにアクの強い刑務所長ドワイトを演じるトミー・リー・ジョーンズ(1946~)も強烈な個性を発揮して楽しませてくれます。
映画の冒頭とエンディングに私の好きな吟遊詩人レナード・コーエンの歌を2曲挿入しているのは、ロック好きなオリヴァー・ストーン監督の美学でしょう。
by blues_rock | 2016-11-05 00:05 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
a0212807_1934713.jpgイギリス映画「サイト・シアーズ 殺人者のための英国観光ガイド」(こちら)と同じ年の2012年に製作されたアメリカ映画「ゴッド・ブレス・アメリカ」もアメリカの銃社会を痛烈に皮肉り、同時に形骸化した家族(親子)関係を痛快に嘲笑するヘヴィなブラック・コメディ映画です。
ボブキャット・ゴールドスウェイト監督(1962~)は、元コメディアンだっただけに見ている者を笑わせるのが、非常にうまく、ゴールドスウェイト監督の演出は、少し過剰なくらいドタバタ喜劇風ながら、些細なことで自分の癇気(かんき)に触れる(神経に触る)と相手構わず殺し、たとえば、テレビに映る人物が、少しでも自分の気に入らないムカつくようなことをa0212807_19392458.jpg言ったりしたりするとその人物の自宅や出演するテレビ局に押しかけ銃を乱射して殺すと云うとんでもないシリアル・キラー(連続殺人犯)をアッケラカンと描いています。
映画は、人生何をやってもうまく行かず世の中に不満をもつ中年男フランク(ジョエル・マーレイ 1962~ 名優ビル・マーレイの弟)が、妻に逃げられ娘からは、父親の自分との面会を拒否され、さらに主治医かa0212807_1940164.pngらも悪性の脳腫瘍を告げられました。
フランクは、同じとき好意を持つ同僚女性に彼女の好きな花や本をプレゼントしたことが、誤解されセクハラで会社を解雇されました。
災難続きのフランクは、落ち込み自宅に帰り人生に絶望、ピストル自殺することにしましたが、隣人の騒音で気が、散りピストルの引き金を引けませa0212807_19542579.jpgんでした。
そこでテレビを点けたところ、視聴者をバカ扱いするニュース・キャスターの偉そうな顔や愚劣なバラエティ番組でジコチューの自惚れの強い持ちならない女子高生が、バカ騒ぎするを見たとたんフランクは、考えを変えました。
銃を持ち出し隣人の車を盗み、バラエティ番組の撮影現場に向かいこの女子高生を射殺しました。
この現場を目撃していた劣等感の強い女子高生ロキシー(タラ・リン・バー 1993~)は、興奮しフランクの後を追a0212807_19565298.pngいました。
モーテルで覚悟を決め再度自殺しようとしていたフランクにロキシーは、新たな殺人を持ちかけました。
こうして中年男のフランクとまだ子供(少女)のような娘ロキシーとのどう見ても‘怪しいカップル’のアメリカ横断の殺人旅行(ロード・ムービー)が、始a0212807_2012546.pngまりました。
ピストルからライフルさらに自動小銃まで多様な高性能の銃器類が、闇ルートでいとも簡単に手に入るアメリカのお気楽な銃社会をゴールドスウェイト監督は、痛烈に皮肉った実に痛快なブラック・コメディ映画です。
a0212807_2021677.jpgこのところ日本でも理不尽で不条理な凶悪犯罪が、増えています。
わが国には、銃刀器類の所持を規制する法律(銃刀法)が、あるので直ちにアメリカのようにならないと推察するも街中に氾濫する子供向けの殺人(戦争)ゲームソフトやテレビの愚劣なコンバット(銃撃戦)番組は、若年層の幼い脳を洗脳しアドレナリンに刺激されバーチャル殺人快感に汚染された煽られa0212807_2025473.pngた未熟な脳が、リアル社会の理不尽で不条理な凶悪殺人を引き起こしているのかもしれません。
犯すリスク(危険性)は、事前にヘッジ(回避)しなければなりませんが、これは、自由な社会を満喫する私たち日本国民全員で考えなければならない重要な問題(凶悪犯罪の増加)と課題(罪と罰 ~ とくに‘死刑制度’の是非)です。 (「ナチュラル・ボーン・キラーズ」に続く)
by blues_rock | 2016-11-03 00:03 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
10月最後の週末、大分県飯田高原に秋を見つけに行きましたが、暖秋なのか、湯坪温泉のお宿‘叶館’の庭は、まだ緑碧く吹く風が、初秋のような心地よい涼風でした。 (下 : 可館の庭‥四季折々は こちら を参照)
a0212807_21575218.jpg
ともあれ私も入れ9名の社員旅行一行は、叶館の食事と温泉を大いに満喫、夜更けまで賑やかでした。
帰りは、できるだけ高速大分道に乗らず210号線沿いの道の駅に立ち寄りながら地元の野菜や秋の果物をa0212807_21584419.jpgショッピング、私が、感激したのは、玖珠町と天瀬町の境にある‘慈恩の滝’横の食堂で飲んだコーヒーでした。
地下からの湧水を使いサイフォンで淹れたコーヒーの美味しかったこと、これからは、「慈恩の滝コーヒー」も露天風呂温泉と併せ大分方面行楽 ドライブ・メニューの定番となりそうです。

(右 : 慈恩の滝
真冬には、氷点下 マイナス15℃になることもあるそうです。)




  [付 録]
  お宿叶館の歴史と物語は、こちら をご覧ください。
  3回シリーズなので、記事下にある [→] をクリックして続きをご覧ください。
  私は、とても感動いたしました。
by blues_rock | 2016-11-02 00:02 | 柏原生活/博多叙景 | Comments(0)
シリアルキラー(連続殺人犯)をアンチ・ヒ-ローとして描いた象徴的映画と云えば、アメリカン・ニューシネマの先駆的作品である1967年の秀作映画「俺たちに明日はない ボニー&クライド」でしょう。
a0212807_0531126.jpg
今夜から連続で、シリアルキラーを主人公(アンチ・ヒ-ロー)として描きながら痛烈に現代社会を嘲笑(わら)い飛ばした痛快なブラック・コメディ映画の佳作 3作をシリーズで紹介します。
a0212807_0535482.jpgまず今夜は、イギリスの異才監督ベン・ウィートリー(1972~ 2011年「キル・リスト」 監督・脚本・編集、2016年「ハイ・ライズ」 監督・編集)が、2012年に撮った映画「サイト・シアーズ 殺人者のための英国観光ガイド」(Sightseers 観光客)を紹介します。
この映画、88分と短か目ながら、テンポよくストーリー(連続殺人事件)を構成していますので、妙に惹きこまれ見入ってしまう不思
a0212807_0593524.jpg議なブラック・コメディーのロードムービーです。
ダサい中年カップルが、観光旅行の途中、行く先々で少しムカついただけで人を殺していくサイコパスな笑えない連続殺人事件が、笑えます。
主演のサイコパス中年カップルを演じるのが、ティナ役のアリス・ロウ(1977~ スティーブ・オーラムと共同脚本)とクリス役のスティーブ・オーラム(1973~ アリス・ロウと共同脚本)でa0212807_1115023.jpg、この二人のジコチューぶりとキレっぷりは、バカな両親から躾(しつけ)されない子供が、そのまま大人になったようで不愉快極まりなく身近にいそうなその存在感(いるいる感)は、秀逸です。
ティナの老いた母親(アイリーン・デイビス 1948~)は、中年の娘に依存した生活でディナを束縛することなど平気、娘にやっと年相応の恋人のクリスが、でき有頂天の娘ティナを尻目に、娘から放っておかれると不満たらたらのa0212807_1143066.jpg母親は、猛反対しますが、ティナとクリスの中年カップルは、キャンピングカーでイギリス国内の観光スポットを巡りに出発しました。
クリスは、一応小説家を志望していますが、才能なく努力もしないダメ男ながらプライドは、高く、最初訪ねた路面電車博物館で他の観光客の男にバカにされた腹いせに車で轢き殺しました。
a0212807_1203014.jpg社会的な協調性の欠如するティナも次第に暴走「環境破壊する人間は、減らすべき、人殺しってエコなのよ」と最初、クリスの殺人に大騒ぎしていた彼女もすぐに慣れ少しムカつくとあっけらかんと人を殺すようになりました。
鬱屈し壊れた精神をもつ中年サイコパス・カップルが、オフビートなノリ(軽さ)で、だんだんシリアルキラー(連続殺人犯)になっていく様子は、ブラックa0212807_1211070.jpgな笑いの連続ですが、この「サイト・シアーズ 殺人者のための英国観光ガイド」は、簡単にブラック・コメディ映画としてひと括りにできない‘毒のあるスリラー映画’でもあります。
映画のラスト、シリアルキラーとして警察に追われたティナとクリスは、命運尽きて観念し最後の観光地リブルヘッド陸橋に行き、橋の上から手をつないで一緒に飛び降り自殺することにしましたが‥、ウィートリー監督の毒は、最後まで効いていました。 (「ゴッド・ブレス・アメリカ」に続く)
by blues_rock | 2016-11-01 00:01 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)