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心の時空

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a day in my life

<   2016年 10月 ( 16 )   > この月の画像一覧

a0212807_18279.jpg私が、勤労者(労働者)だったころ仕事で全国津々浦々いろいろなところへ出かけました。
出張先で時間あるときに立ち寄った美術館や博物館の売店、地元の店でおもしろいマグネットを見つけると記念(懐い出)に購入し、しばらくマグネット・コレクション(大切に保管していないので少し大袈裟かな)していました。
a0212807_1101087.jpgこの魚のマグネットは、どこかの水族館で購入したもの、気に入って使っていましたが、いつの間にか目玉を失くしてしまいました。
確か白と黒の目玉だったように憶いますが、定かではなく、失くした目玉を錆漆で作り、青と赤の漆で目を描いたところ神秘的な魚に変身しました。
いまマグネットが、必要なときは、古陶片や身近な材料で作ったもの(「唐変木の陶片朴」・「アバンギャルド漆芸」を参照)を使用しています。
( Le quitté ) Mon atelier de KINTSUGI
by blues_rock | 2016-10-30 00:03 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
デンマーク出身のヨナス・アレクサンダー・アーンビー監督(1974~)による初長編監督(ならびに原案・脚本)作品「獣は月夜に夢を見る」は、狼男ならぬ狼女(と云っても思春期の若い娘ですが)を主人公にした寓話(ダーク・
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ファンタジー)のような、そしてミステリアスなノルディック・ホラー(ゴシック・ホラー)の耽美的な映画です。
カンヌ国際映画祭の新世代作品コンペでは、「ザ・トライブ」とともに称賛された作品でした。
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この「獣は月夜に夢を見る」は、ホラー映画の秀作2作、スペインの名匠アレハンドロ・アメナーバル監督の2001年作品「アザーズ」やスウェーデンの名監督トーマス・アルフレッドソン(「裏切りのサーカス」の監督)の2010年a0212807_1359782.jpg「ぼくのエリ 200歳の少女」とは、少し趣きが、違い北欧の静謐な風景(北欧の陰鬱な風景と云ったほうが正確かもしれない)を背景に ‘狼女の血をひく家族’ の哀しい物語を美しい映像で描いています。
アーンビー監督は、デンマークの鬼才ラース・フォン・トリアー監督(1956~) のもとで1996年の秀作「奇跡の海」と2000年の傑作「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のプロダクション・デザイン助手(美術アシスタント)を担っていましたので演出(映像へのこだわり)にそれを感じました。
a0212807_13595760.jpg映画は、デンマーク海沿いの小さな寒村が、舞台です。
成人すると狼女に憑依変身する病気を母親から遺伝した若い娘マリー(デンマークの新人女優ソニア・ズー 1994~ 若い娘の性徴を顕す存在感が秀逸)は、全身マヒの廃人同然の姿で車イス生活するマリーの母親(ソニア・リクター 1974~ 遺伝的病気の発症を抑圧された無表情がミステリアス 「特捜部Q 檻の中の女」にa0212807_140497.jpg出演)と付きっきりで妻(マリーの母)の介護をする父親(ラース・ミケルセン 1964~ 妻と娘の遺伝病を受け入れ全身全霊で愛する父親を好演、マッツ・ミケルセンの実兄)の三人で慎ましくひっそりと暮らしていました。
マリーの母親は、寒村の住人から恐れられ忌み嫌われ、父親は、マリーに母親の食事介助以外の介護をさせませんでした。
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海辺の小さな鮮魚処理工場で働く若い娘マリーの体にもわずかながら変異が、顕われ始め、母親の主治医は、マリーにも母親と同じ抗病投薬を薦めますが、マリーは、拒絶しました
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因習的な村の閉塞感は、工場にも充満し人間関係も冷ややかでイジメや差別が横行、マリーは、職場の男たちから性的虐待(いやがらせ)を受けていました。
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そんな毎日の暮らしの中でマリーは、鮮魚運搬係の青年ダニエル(ヤーコブ・オフテブロ 1986~)に恋し愛し合うようになりました。
a0212807_1445078.jpgそして、大人の女性へと変貌していくマリーに母親から遺伝した狼女の兆候が、顕われるようになりました。
劇中に流れるマリーの生(性)と宿命を暗示するようなバッハの「マタイ受難曲」は、映画の美しい映像と併せ、狼女のホラー物語を哀しい寓話にする効果的な音楽にしていました。
by blues_rock | 2016-10-28 00:08 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
娯楽映画の巨匠マイケル・ベイ監督(1965~)の作品で、私の印象に残るのは、ベイ監督が、 30十代前半に撮った1996年映画「ザ・ロック」と1998年映画「アルマゲドン」くらいです。
a0212807_12233547.jpgその後は、インパクトのない荒唐無稽な劇画映画ばかりなので関心が、薄れてしまいました。
だが、ベイ監督・製作の最新作である2016年映画「13時間 ベンガジの秘密の兵士」は、イスラム圏で戦うアメリカ国家の現実を映したリアリティのある戦争アクション映画の佳作です。
ところが、「13時間 ベンガジの秘密の兵士」も2015年の政治劇映画の佳作「選挙の勝ち方教えます」 と同じく我が国では、劇場未公開(DVDスルー)扱いで、心底ガックリするばかり‥日本の映画評論家ならa0212807_12293983.jpgびにメディアやサイトで映画の紹介記事を担当する方たちに「無料券や招待券(つまりタダ券)で見た映画についてあれこれ書くな。自前で料金を払いきちんと見た映画を明晰に評論せよ。」と苦言を呈したいと思います。
自らカメラを持って撮影することもあるベイ監督(上と最後の写真)のカメラアングルやショットへのこだわりは、a0212807_123367.jpg半端ではなく、戦闘シーンの銃撃戦や迫撃砲の砲弾が、落ちていきなり爆発するのではなく、ワンバウンドして爆発するなど専門的な武器の知識を普通に取り入れて撮影しているので迫力満点、ベイ監督演出の意を汲んだ撮影監督ディオン・ビーブ(1968~、2001年「シャーロット・グレイ」、2013年「L.A. ギャング ストーリー」の撮影監督)のカメラが、インパクトのあるドキュメンタa0212807_1236512.jpgリーのような映像で孤立無援にして絶体絶命に陥ったCIA特殊警護チーム6名を追います。
出演者は、主演のジョン・クラシンスキー(1979~「プロミスト・ランド」マット・デイモンと共同脚本・製作)以外私の知らない俳優たちばかりながら 6名とも皆な特殊部隊からスカウトされて出演したように実戦のアクションをリアルに演じています。
a0212807_12364648.jpg映画は、カダフィ死去後のリビア、地中海に面した港湾都市ベンガジが、舞台です。
2012年9月11日夜、ベンガジのアメリカ領事館が、イスラム過激派の武装集団に襲撃され占拠されました。
領事館の近くにあるCIAの秘密基地が、領事館の緊急事態発生と救出要請SOSを傍受するも極秘で諜報(スパイ)活動しているCIA基地は、動くこと(救援出動)できず待機命令を受けますa0212807_12375574.jpgが、領事館から傍受する悲鳴にも似た緊迫した状況にCIA特殊警護チーム6名は、待機命令を無視し自分たちの意思で救援活動に向かいました。
敵味方区別の付かない崩壊後のイスラム独裁国家リビアの緊迫した状況を描いたこの「13時間 ベンガジの秘密の兵士」は、周りの誰が敵で、どこにいるのか分からない得体のしれない敵を闇に隠れて迎え撃つ恐怖と緊張感を終始漂わせて展開していきます。
a0212807_12382491.jpgベンガジのアメリカ領事館で起きた凄惨な13時間の戦闘は、非常にリアリティがあり、現在(いま)シリア周辺のイラン・イラク・トルコなど中東イスラム圏のどこかで毎日起きている無益で悲惨な戦争の断面というか、運悪く恐怖の悍(おぞ)ましい現場に居合わせたような思いでした。
名監督 是枝裕和(1962~)は、エッセイ集の中で、「見えないものと見えているもの」と題して、知らず語らずい
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つの間にか閉鎖的価値観(既得権益)に守られた私たち日本人(村社会)の島国根性(外の世界の多様な美しさ知らないで「美しい国」と引きこもり自画自賛する鎖国精神)を明晰に論破していましたが、私も同感です。
by blues_rock | 2016-10-26 00:06 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
金継ぎ工芸会恒例の、秋の研修で上野(あがの)窯を訪ねました。
a0212807_11221481.jpg今回、初めて上野(あがの)を訪ねる私は、他の近在の窯元、唐津、高取、小石原、小鹿田との比較に興味が、ありました。
上野(あがの)窯は、1602年、当時小倉藩主の細川忠興(1563~1646、茶人 細川三斎、細川ガラシャは夫人)が、朝鮮陶工 金尊楷(キムソンカイ)を招き、豊前国(田川郡)上野(あがの)に登り窯を築かせ開窯させたことに始まります。
細川忠興は、帰化した金尊楷(キムソンカイ)に上野喜蔵高国の名を与え、5人扶持 15石と云う破格の待遇(武士扱い)で召抱えました。
その後、細川忠興が、肥後国(熊本)に転封(国替)されると上野に次男と娘婿の家族を残し忠興に同行、八代a0212807_11271864.jpg郡高田(こうだ)に窯を築きました。
有田では、藩祖の鍋島直茂と同格扱いで朝鮮陶工の李参平(帰化名 金ヶ江 三兵衛)を「陶祖」として1917年、陶山神社に「陶祖 李参平碑」を建立、神として祀りました。(詳しくは こちら をご覧ください。)
朝鮮陶磁器焼成の最新技術と知識を有した渡来陶工に名を与え(江戸時代では武士扱い)、敬い石を扶持して(給料を支払って)待遇したことが、良く分かります。
左は、上野焼皿 2枚(上: 径14㌢ 縁に2㌢の窯疵、下:径9㌢ 片身変わり)
by blues_rock | 2016-10-24 11:20 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(2)
a0212807_1245612.jpgその昔、唐津の窯で焼成されていた皿3枚が、崩れて付着し塊(かたまり)となりモノハラに捨てられていた陶片です。
金継ぎ用にもらった古陶片の一つですが、呼び継ぎするにも刻苧(こくそ=地の粉・続飯・刻苧綿・生漆を合わせて練ったパテ材)で形を整え、どうにかしようにもどうしようもなく長い間そのままにしていました。
金継ぎダチョウの卵のために観葉植物のエアープラントを購入したとき、この猪口才な古陶片をプランターにしたらおもしろいかもと考えました。
裏に高台の出っ張りがあり、壁にL字フックを付けると観葉の部屋飾りになるなと思案中です。
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根来塗りに魅入られ材料さえあけば、手当たり次第何でもかんでも根来風の作品にしています。
今回は、根来シリーズ その3の‘根来角盆’(縦横22㌢)です。
a0212807_12113514.jpg私が、一昨年秋、初めて作陶した茶碗 2口もいま‘根来茶碗’に変身させようと目下トライしているところです。
漆工芸の楽しさは、‘漆と遊ぶ’ことに尽きますが、漆と遊んでいると漆から翻弄されている(弄ばれている)ことに気づきます。
漆のご機嫌(粘度の状態)を伺いながら塗り残しのないよう薄くでもなく、また縮まないよう厚くでもなく、風呂の温度・湿度に気を使いつつ‥なんて面倒くさいと思われるでしょうが、‘漆うるわし’の徒には、これもまた楽しい作業‥まあ、病気ですね。
by blues_rock | 2016-10-22 00:22 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
看板は、‘辛ねぎラーメン 郷家’になっていますが、私は、郷家の「支那そば」が、好きです。
博多ラーメンの、バリカタ麺にゴマを振り、紅ショウガと併せて食べるその美味しさも捨て難いのですが、東京圏で長く生活していたためか、あるいは、年齢からくるものなのか、いつしか私は、 ‘中華そば’ のほうが、好きにa0212807_1912084.jpgなりました。
郷家の「支那そば」は、その東京の中華そばに近い味のためか、ラーメンを食べたくなると郷家へ行き「支那そば」を注文しています。
もちろんアゴ(トビウオ)出汁の効いた辛ねぎラーメンも定番の郷家ラーメンも美味しいのですが、やはり、あっさりスープの支那そばを選んでしまいます。
出張で東京の友だちが、福岡に来たので会い、博多ラーメンを食べたいと云うので、博多ラーメンではないが、博多の中華そばも旨いぞ‥と前置きして天神の郷家(南区寺塚に本店)に案内、支那そばを食べてもらったところ美味しいと褒めていました。
郷家の場所は、天神南駅の交差点から路地裏に20mくらい入った左側にあり、その狭い路地を挟んだ右側に以前、紹介しました「カレー店 Tiki」があります。 
by blues_rock | 2016-10-21 00:01 | 柏原生活/博多叙景 | Comments(0)
この名作映画「黄昏」は、なんと云っても今は亡き名優ヘンリー・フォンダ(1905~1982、1957年秀作映画「十二人の怒れる男」主演、「黄昏」は遺作)と希代の名女優キャサリン・ヘプバーン(1907~2003、アカデミー賞主演女優賞4度受a0212807_5125570.jpg賞)の名演技と併せ、二人のウィットにとんだ会話を堪能する心温まる映画です。
今から35年前1981年の作品ながら映画に旧さは、まったくなく、むしろ ‘高齢者の増えた今’ こそ、老夫婦の、そして親子のあり方について、私たちに「あなたは、どう?」と問いかけるヒューマンドラマです。
監督のマーク・ライデル(1934~)の作品で「黄昏」以外に印象に残るものは、ありませんが、この映画では、キャスト(出演者 ヘンリー・フォンダ、キャサリン・ヘプバーン、ジェーン・フォンダ)・スクリプト(脚本・原作 アーネスト・トンプソン)・プロダクション・デザイン(湖畔の風景)が、すべてと云って良いでしょう。
ジェーン・フォンダ(1937~)は、長年不仲であった父ヘンリー・フォンダのために戯曲(on golden pond)の映画化a0212807_5213394.jpg権を取得、老夫婦の夫ノーマンを演じるヘンリー・フォンダに娘として何としてもアカデミー賞主演男優賞を取らせたい一心でした。
頑固で毒舌家のノーマンに長年連れ添った妻エセル役にキャサリン・ヘプバーンを希望したのは、ジェーン・フォンダで、当初エセル役を辞退していたキャサリン・ヘプバーンでしたが、二人の娘チェルシーを演じるジェーン・フォンダの熱意に主演
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を受諾しました。
ジェーン・フォンダは、プライベートでも子供のころ父ヘンリー・フォンダと離婚した母親が、精神を病み自殺したa0212807_5232826.jpgこともあり弟のピーター・フォンダ(1940~、1969年アメリカン・ニューシネマの代表作「イージー・ライダー」に主演)ともども父親への反発とわだかまりは、相当なものでした。
ジェーン・フォンダが、若いころ過激な社会運動家、政治活動家としてFBIとCIAから監視されていたのは、そんなことも原因の一つだったかもしれません。
a0212807_524555.jpg「黄昏」は、1981年のアカデミー賞で主演男優賞・主演女優賞の両賞と脚色(脚本)賞を受賞、ヘンリー・フォンダは、主演男優賞受賞者として最高齢の76歳での受賞となりました。
キャサリン・ヘプバーンもまた4度目の主演女優賞となり、この二つの記録は、今もなお破られておりません。
a0212807_5254223.jpgこの映画のもう一つの魅力は、ゴールデン・ポンドと呼ばれる湖畔の美しい風景映像で、撮影監督ビリー・ウィリアムズ(1929~、1975年映画「風とライオン」、1982年映画「ガンジー」など秀作の撮影監督)のカメラワークも秀逸です。
a0212807_527105.jpg映画のストーリーは、ゴールデン・ポンド湖畔の別荘を舞台に、人生の黄昏(終焉期)を迎えたノーマンとエセルの老夫婦、長年父ノーマンと仲違いしギクシャクした関係にある娘チェルシー、彼女のフィアンセとその子供である13歳の少年が、お互い関わりながら心を通わせていく1か月間を描いています。
a0212807_5282135.jpg地味な映画ながら戯曲をもとにした脚本と云うこともあって‘セリフ’(ノーマンとエセル老夫婦の会話、エセルとチェルシー母娘の会話、ノーマンと少年の会話)が、すばらしく何度も見たくなる名作映画です。
by blues_rock | 2016-10-20 00:02 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
アメリカの映画監督スティーブン・ソダーバーグ(1963~)は、鬼才なのか凡才なのか、時々、私を困惑させる不思議な監督です。
a0212807_10155695.jpgソダーバーグ監督作品と云えば、希代の革命家‘チェ・ゲバラ’の生涯を描いた「チェ 28歳の革命」と「チェ 39歳 別れの手紙」 2部作(こちら)のインパクトが、私に強くソダーバーグ監督作品は、いつもつい期待してしまいます。
そのチェ・ゲバラ2部作の2年前に撮った2006年作品「さらばベルリン」には、ソダーバーグ監督の特異な映画才能を感じます。
ソダーバーグ監督の「カサブランカ」や「第三の男」へのオマージュかも知れませんが、1945年当時の時代を描くためのモノクロ(白黒)映像と昔ながらのトーキー標準サイズ(アスペクト比 1:1.33)は、良いとしてもこの二つの名画からのシーンを連想させるいくつかのカットやショットが、私には、少し過剰のように思われました。
a0212807_10192358.jpgともあれ、40年代から50年代にかけてのハリウッド映画黄金期のスタイルを準って描いたモノクロ映像によるフィルム・ノワール(ミステリー・サスペンス)映画「さらばベルリン」は、ソダーバーグ監督の映画への強い思いを感じます。
映画の舞台となるナチスドイツ敗戦直後の1945年7月、破壊された建物の瓦礫に埋った荒廃した首都ベルリンに漂う虚無・退廃、住人の悲観、占領a0212807_10235939.jpg軍と癒着した無法(地下犯罪)の実態は、見事に表現されていました。
ソダーバーグ監督は、映画製作へのこだわりが、非常に強い監督で、撮影も編集も自ら担当することも多く、この「さらばベルリン」でも撮影監督(ピーター・アンドリューズ名義でクレジット)と編集(マリー・アン・バーナード名義でクレジット)を自分で行なっています。
a0212807_1030356.jpgこの映画の見どころは、何と云っても出演時37歳のケイト・ブランシェット(1969~)の演じる過去にワケありの女性でしょう。
彼女の元恋人を演じるジョージ・クルーニー(1961~)を相手に風格のある演技を見せ、中でも秘密の過去を抱えた女性の陰影は、「カサブランカ」でイングリット・バーグマンが、ハンフリー・ボガード相手に見せた演技に引けを取らない名演技でした。
a0212807_10305630.jpg映画のプロットは、第2次世界大戦後4国分割統治されたベルリンを背景に、核弾頭ミサイルの開発を急ぐアメリカとソ連との、元ナチスドイツでロケット開発を担っていた科学者の国家間極秘争奪戦(ポツダム会談の裏で動く国家間のサスペンス)の謀略とそれに絡む複雑な男女関係を描いたミステリーです。
a0212807_10312324.jpg劇中に出てくるセリフで「ソ連は、多くの犠牲(2千万人から3千万人の犠牲者)を払った見返りにドイツの東半分から東のヨーロッパ領土を取り、アメリカが、ナチスの優秀な科学者の頭脳は、もらう」と云う場面は、日本人にとっても示唆に富むものがありました。
このところノーベル賞受賞に沸く日本ながら現在までの受賞者数 23人、これに比べ国籍・民族・宗教を問わず世界中から多くの天a0212807_10321074.jpg才的頭脳を移民として集め、国家の発展を支えているアメリカは、352人、イギリスも同様な戦略により118人、元々優秀な頭脳を輩出するドイツ(ユダヤ人含む)が、82人‥と続きます。
日本も時間軸を飛鳥時代(1500年前)まで遡って当時の国家観を見習い、もう一度新しい優秀な頭脳(渡来人の血DNA)に頼るときかも知れません。
もうひとつ、年末にロシア(旧ソ連)のプーチン大統領が、来日し、ロシア念願の極東シベリア開発援助を条件にa0212807_1032496.jpg日本固有領土である‘北方4島’領有権を協議するようながら、私は、生半可な期待などしないほうが、良いと考えています。
ロシア(旧ソ連)には、‘北方4島’を第2次世界大戦の犠牲の見返りにもらった領土の一部という確固たる認識(「クリミア半島とヤルタ(中)」こちら の中段以降を参照のこと)があり、海千山千のプーチン政権は、日本の世論(国民の意見)を分断a0212807_10383654.jpgしその反応を見ながら小出しして莫大な開発資金の無償援助(つまり4島の一部を実利的に買い取らせる秘策)と日本市場の開放(幸いなことにアメリカの次期大統領候補はTPP反対しているので絶好の機会)を要求してくることでしょう。
「さらばベルリン」を見ながら私は、そんなことを考えていました。
by blues_rock | 2016-10-18 00:08 | 映画(シネマの世界) | Comments(1)
吟遊詩人 ボブ・ディラン(1941~)が、2016年度のノーベル文学賞を受賞しました。
a0212807_12113097.jpg1962年3月にデビュー(ビートルズは同年9月デビュー)して、54年‥75歳のいまもミュージシャンとして「ネバー・エンディング・ツアー(コンサート)」を行なっていますので尊敬いたします。
ボブ・ディランの本名は、ロバート・アレン・ツィンマーマンと云いアシュケナジム系ユダヤ人移民の子孫(3世) としてミネソタ州に生まれました。
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ロバートの愛称ボブとウェールズの詩人ディラン・トマス(1914~1953)からディランを併せ‘ボブ・ディラン’と命名し作品を発表、その後改名しボブ・ディランを本名にしました。  (下写真 : 昔の恋人 ジョーン・バエズと)
a0212807_12134563.jpg子供のころから音楽好きでエルビス・プレスリーに憧れロックンロール・ミュージシャンになることを夢見ていました。
十代の終わりにウディ・ガスリー(1912~1967 「This land is your land」わが祖国 )のフォーク・ソングを聴いたことでボブ・ディランは、エレキ・ギターからアコースティク・ギターに持ち替えて自分の詩を詠うフォーク・シンガーになりました。
1963年リリースされた2枚目のアルバム「フリーホイーリン・ボブ・ディラン」が、人気となり特にA面1曲目の「風にa0212807_12152418.jpg吹かれて(Blowin' in the Wind)」は、ベトナム戦争の反戦気運と公民権運動の高まりと相俟ってプロテスト・ソングの象徴となりました。
1964年発表のアルバム「時代は変わる(The Times They Are a-Changin' )」のヒットでボブ・ディランの名前は、プロテスト・フォークシンガーとして一人歩きするようになりました。
ボブ・ディランは、このころから自分の詩が、勝手に解釈され、若者たちから反戦運動や社会運動の象徴としてa0212807_12183495.jpg扱われることに辟易(へきえき)し、大げさな自分のイメージに違和感を覚えるようになりました。
1963年から1964年にかけてボブ・ディランは、イギリスへ行くことが、多くなり、ビートルズやローリング・ストーンズと交流、イギリスのロック・バンドに刺激を受けたボブ・ディランは、またエレキ・ギターを持つようになりました。
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とくに人気絶頂期のビートルズは、ボブ・ディランの内省的で作家性の強い詩に触発され‥とくにジョン・レノンの音楽と精神に大きな影響を与え、ボブ・ディランから刺激を受けたジョージ・ハリスンもメロディラインの美しいa0212807_12242865.jpg内省的な独自の曲を提供するようになりました。
ボブ・ディランは、1965年「ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム」、同年「追憶のハイウェイ 61」、1966年「ブロンド・オン・ブロンド」と立て続けに3枚の‘フォーク・ロック’(エレキ・ギターによるフォーク・カントリー・ブルースの融合した新しいロック・ミュージック)の名盤アルバムを発表、ロック・ミュージシャン ボブ・ディランの誕生を宣言しました。
a0212807_12251558.jpgアコースティック・ギターでプロテスト・フォークソングを歌うボブ・ディランを信奉していたファンは、ブーイングを浴びせますが、ボブ・ディランは、意に介せず「ライク・ア・ローリングストーン」を歌い「アイ・シャル・ビー・リリースト(私は解放されるだろう)」と旧い時代の自分から立ち去りました。
それから半世紀、「風に吹かれて」いれば、「時代は変わる」を具現した偉大なロックの吟遊詩人 ボブ・ディランにノーベル文学賞が、授与されました。
余談ながらボブ・ディランが、ロサンゼルス郊外にある孫の通う幼稚園を訪ねたときの園児たちの反応は、「変なおじさんが、来て、ギター弾きながら、怖い歌を唄ってくれた」と家に帰って両親に報告したそうで園児たちにとっては、変なおじさんも彼らの父母や祖父母だったらきっと興奮、大騒ぎだったことでしょう。
ともあれボブ・ディランご本人は、いたって冷静で、ノーベル文学賞受賞について一切ノーコメント‥受賞発表の後のコンサートでは、来場者の大歓声や万雷の拍手にも何も語らず、ピアノに向かい淡々と「風に吹かれて」やa0212807_12281965.jpg「時代は変わる」などの自分の詩を弾き語るように歌ったと新聞のコラムにありました。
ノーベル文学賞を選考したスウェーデン・アカデミーは、本人との連絡が、付かないと困惑し、ボブ・ディランの音楽仲間の一人は、「(本人は)受賞を認めたくないのでは‥」と語ったと他の記事にありました。
a0212807_123193.jpgボブ・ディランについては、これまでも関連する記事を書きましたのでよかったらご覧ください。
1. ボブ・ディラン ‥ Like A Rolling Stone(追憶のハイウェイ61)
2. トッド・ヘインズ監督映画「アイム・ノット・ゼア」 ‥ 6人の俳優にボブ・ディランを演じさせるという奇想天外な作品ながら秀作映画です。
a0212807_123294.jpg3. ノーマン・ジュイスン監督映画「ザ・ハリケーン」& ボブ・ディラン「Hurricane」 ‥ 映画「ザ・ハリケーン」に挿入された名曲「Hurricane」(1975年)の散文詩が、すばらしくノーベル賞級です。
4. トーマス・ヤーン監督映画「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」 ‥ ボブ・ディランの名曲「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(天国への扉)」にインスパイヤーされて製作されたアバンギャルド映画ながら秀作です。
5.ボブ・ディランの新アルバム「テンペスト」  
by blues_rock | 2016-10-16 00:06 | 音楽(Blues/Rock) | Comments(2)
アクション映画の名匠 ポール・グリーングラス監督(1955~)の最新作「ジェイソン・ボーン」(監督・製作・脚本)が、先ごろ公開されたので、早速見て来ました。
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グリーングラス監督が、撮る‘ジェイソン・ボーン’でなければ、自分は、出演しないと宣言していたマット・デイモン(1970~)もはや46歳、待望の最新作「ジェイソン・ボーン」の完成まで9年の歳月を要しました。
a0212807_1650837.jpgジェイソン・ボーン・シリーズ(三部作)のプロットである 記憶を喪失した超凄腕の特殊工作員(暗殺が任務の)ジェイソン・ボーン 対 巨大諜報機関CIAの構図は、シリーズのプロットを受け継ぎ、4作目の最新作も変わらず、14年前の2002年「ボーン・アイデンティティ」から見ている者にとってCIAの緻密な情報網に気付かれないよう、世界のa0212807_16505135.jpg片隅に深く潜伏し14年間生き延びてきたジェイソン・ボーンを見て安心すると同時に、今回もまた次から次へと怒涛のように押し寄せるCIAの特殊工作員らを相手に独り徒手空拳で挑み、間一髪で逃亡していくジェイソン・ボーンを見て手に汗握り緊張したままエンディングに至ります。
東欧の難民キャンプから始まりジェイソン・ボーンは、取り戻した記憶を辿りながらギリシャ、ベルリン、アイスラa0212807_16515514.jpgンド、ロンドン、ワシントンDC、ラスベガスへと場所を移し、暗殺工作員ジェイソン・ボーン誕生の秘密、その裏にあるCIAの陰謀(レッドストーン計画の立案者であった父親の暗殺)が、明らかになっていきます。
「ボーン・アイデンティティ」の最初からシリーズ3作すべてに登場するCIA連絡員のニッキー(ジュリア・スタイルズ 1981~)は、4作a0212807_16534418.jpg目の今回も登場しますが、ジェイソン・ボーンに接触したことにより陰謀の元締めであるCIA長官(トミー・リー・ジョーンズ 1946~、ジェイソン・ボーンを執念深く追跡しボーン抹殺に威厳と迫力を以って望み自ら陣頭指揮を執る憎まれ役のCIA長官を好演)は、ニッキーとジェイソン・ボーンの抹殺を暗殺作戦員(ヴァンサン・カッセル 1966~)に命じますが、ニッキーだけ射殺され、ボーンa0212807_16541548.jpgの死体は、ありませんでした。
ニッキーに代わり登場するのが、CIA長官直属の部下で、野心に燃えた情報分析官のヘザー(アリシア・ヴィカンダー 1988~、「リリーのすべて」でアカデミー賞助演女優賞を受賞)です。
若く美人にして頭脳明晰、テキパキと仕事をこなしますが、終始ニコリともせず、自分の能力をアピールすることに長け上司のCIA長官であれ作戦会議a0212807_1656332.jpg
の席であれ堂々と自分の意見を云うクールな女性です。
前半は、その的確な分析能力でジェイソン・ボーンの動きを徹底的にマークし追跡していきますが、ある時ジェイソン・ボーンの目的は、CIA機関の破壊でなく、自分のアイデンティティ(誕生の真相と自分の存在理由)解明であると気づき、彼に接触、逃亡を助けながらジェイソン・a0212807_16564171.jpgボーンのCIA復帰をヘザーは、画策します。
だが、百戦練磨のジェイソン・ボーンにとってヘザーの狙いなど想定の範囲内‥エンディングでの二人の別れが、クールでした。
映画の中で世界12億のユーザーをもつITプラットホーム企業のオーナーで陰のCIA協力者(リズ・アーメッド 1982~、「ナイトクローラー」出演)の設定(個人情報の提供a0212807_16592468.jpg協力)は、今の時代、本当に有りそうな(リアリティのある)話で、インパクトが、ありました。
グリーングラス監督作品の常連撮影監督バリー・アクロイド(1954~)が、ジェイソン・ボーンを撮るのは、この最新作「ジェイソン・ボーン」が、初めてながら、盟友グリーングラス監督の映画へのこだわり(演出と構成)は、先刻承知なのでグリーングラス監督の細かいカット割りの‘アクション’も迫力満点、スピード感と併せアクロイド撮影監督のカメラ・ワークも冴えていました。
by blues_rock | 2016-10-14 00:04 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)