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心の時空

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a day in my life

<   2016年 02月 ( 14 )   > この月の画像一覧

a0212807_2025648.jpgミュージカル映画は、私の好みではないのでほとんど見ないものの、なんでこのミュージカル映画「NINE」を見たかと云うと私の好きな名優ダニエル・デイ=ルイスが、ミュージカル映画に出演(2009年)しており‘ダニエル・デイ=ルイスが、ミュージカル? ホンマかいな !?’ と云う好奇心でした。
監督(振付・製作)は、2002年ミュージカル映画「シカゴ」(私は見ていませんがアカデミー賞6部門で受賞)で一躍有名になった舞台振付師ロブ・マーシャル(1960~)です。
イタリア映画の巨匠フェリーニ監督の自伝的映画「81/2」が、ブロードウェイミュージカル「NINE」となりミュージカルならお手のものの舞台振付師でもあるマーシャル監督は、同名タイトルのミュージカル映画「NINE」にしました。
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主人公の映画制作に行き詰り極度のスランプに陥ったかって天才と称された映画監督グイドを演じるダニエル・デイ=ルイスに絡むのが、マリオン・コティヤール(1975~ グイドの妻ルイザ)、ペネロピ・クルス(1974~ グイドa0212807_20255263.jpgの愛人)、ニコール・キッドマン(1967~ グイドの女神クラウディアで新作映画の主演女優)、ケイト・ハドソン(1979~ グイドの熱烈なファンでファッション雑誌ヴォーグの記者ステファニー)、ファーギー(1975~ 少年グイドが砂浜で戯れる娼婦サラギーナ)、ジュディ・デンチ(1934~ グイドの理解者で長年衣装デザイナーを務めるリリー)、ソフィア・ローレン(1934~グイドの母親)とa0212807_20262435.jpgいう錚々たる美人女優ならびに名女優たちです。
ダニエル・デイ=ルイスが、ミュージカル映画に出演し歌う声を聴きたいのと同様に彼女たちもまたミュージカル映画に出演し歌を歌うとなれば、これは何としても見なければ(聴いてみなければ)と思った次第です。
ファーギーが、落ち込んだグイドを励まし歌う「ビ・イタリアン」そして、ケイト・ハドソンは、ミュージカルならではのa0212807_2031293.jpg歌と踊り「シネマ・イタリアーノ」を披露、ファーギーが、歌の上手いのは、歌手だから分かるにしてもケイト・ハドソンの迫力ある歌声には驚きました。
マリオン・コティヤール、ニコール・キッドマンも美しいうえに歌も上手くこれにも驚きました。
ダニエル・デイ=ルイス、ペネロピ・クルス、ジュディ・デンチ、ソフィア・ローレンも歌が、うまくお見逸れしました。
a0212807_20314924.jpg映画のストーリーをざっと述べますと天才と称されイタリアを代表するヒット作を次々に発表していた映画監督(マエストロ)のグイドは、映画会社が、大々的に発表した新作映画「イタリア」の制作に行き詰まり脚本すら1ページもできていませんでした。
グイドは、プロデューサーが、決めたタイトル「イタリア」と主演女優クラウディアだけで無理やり記者会見させられました。
a0212807_20323692.jpg追い詰められたグイドは、ローマの記者会見場から逃げ出し、海沿いのホテルに愛人カルラを呼んで慰めてもらおうとしますが、プロデューサーに発見されました。
プロデューサーは、ホテルの中に映画撮影用の巨大なセットを準備し大勢の製作スタッフと撮影クルーを集めました。
a0212807_20521056.jpgそこへ妻のルイザも来て愛人カルラと鉢合わせ、グイドから捨てられると思ったカラルが自殺未遂、ルイザは、愛想尽かしてローマに帰りました。
行き詰った映画制作のこと、妻と愛人さらに自分を取り巻く女性たちのことで悩むグイドの前に昔愛した女性たちの幻影が、次々に現れました。
愛を歌い踊る女性たちは、ときにグイドを励まし、またときに彼を責めて翻弄しました。
a0212807_20525074.jpgグイドは、一旦ローマの撮影スタジオに帰りますが、いまの自分に新しい映画の制作など不可能と感じた監督のグイドは、製作スタッフや撮影クルーに新作「イタリア」の撮影中止を告げました。
それから2年、抜け殻同然となったグイドのところに衣装デザイナーのリリーが、新作のオッファーに訪れました。
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グイドは、リリーの誘いを素直に受けて撮影スタジオに自分の愛する女性たちを集め、そして目の前に現われた子供のころの自分(=グイド少年)を膝にのせ、再び映画監督(マエストロ)として「アクション!」の声をかけ‥ミュージカル映画「NINE」の幕が、下りました。
by blues_rock | 2016-02-28 00:02 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
a0212807_1173029.jpgアメリカ映画の名作「カサブランカ」(1942)で主人公のリック(ハンフリー・ボガート1899~1957、出演時43歳)と元恋人のエルザ(イングリッド・バーグマン1915~1982、出演時27歳)は、フランス領モロッコのカサブランカで運命の再会をします。
その時、エルザが、店のピアニストにリクエストした曲が、「As time goes by」です。  (上写真:高齢者在宅介護施設「森の家」のペット猫 オセロ)
a0212807_1182227.jpgリックの部下サムを演じるドーレー・ウィルソン(1886~1953)が、しぶくメランコリックに歌っています。
リックの手引きでエルザは、反ナチレジスタンスの夫とアメリカへ亡命しますが、リックとの永久の別れに涙を流すエルザに「君の瞳に乾杯」というハンフリー・ボガートのカッコイイこと‥ダンディズムの極致を見る思いです。

(付 録) 私の最も若い友だち
ロンドンに住むハナ=ミズキ・ラムナラインちゃん(3歳)のハロウィン姿
by blues_rock | 2016-02-26 09:49 | 柏原生活/博多叙景 | Comments(0)
フランス映画ヌーヴェルヴァーグの中心人物であった奇才ジャック・リヴェット監督(1928~2016没、享年87歳)が、先月末に亡くなりました。
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私には、ジャック・リヴェット監督=1991年映画「美しき諍い女」=エマニュエル・ベアール(参考「愛と宿命の泉 第Ⅱ部 泉のマノン」)の美貌と美しいヌードが、ワンセットとなって私の印象に強く残っています。
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映画も238分(4時間)と長尺ながら‘傑作’なので長いと感じることはありません。
映画は、ミシェル・ピコリ(1925~)演じる世捨て人のような画家フレンホーフェルが、エマニュエル・ベアール
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(1963~ 「河は呼んでいる」の作詞・作曲家で歌ったギイ・ベアールの娘)演じる若い女性マリアンヌをモデルに、長い間制作を中断していた「美しき諍い女」を再び描き始め描きあげるまでの物語です
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エマニュエル・ベアールが、この映画で演じるシーンのほとんどが、画家のモデルとしてオールヌードで、エマニュエル・ベアールの若く美しい全裸の肢体(映像に下品なボカシ無しはありません)は、正に芸術品です。
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映画にストーリーは、ほとんどなく初老の画家フレンホーフェルが、全裸の若いマリアンヌを延々と描き続け、その光景(シークエンス)をカメラの長回しで撮り、静寂なアトリエの中で聴こえて来るのは、画家の動かすペンや
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木炭、絵筆の音だけです。
画家フレンホーフェル役のミシェル・ピコリが、マリアンヌを描いているシーンは、実在の画家ベルナール・デュ
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フール(1922~)が、ミシェル・ピコリの代わりに描いているシーンで、そのシーンを見ているだけで画家とモデルとの緊張感が、こちらに伝わってきます。
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その緊張感が、性的倒錯の官能的情感(=エロティシズム)を醸し出しています。
私は、うっとりと撮影当時20代半ば過ぎくらいの美しき女神‘エマニュエル・ベアール’を見ていました。
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映画「美しき諍い女」の原作は、フランスの文豪バルザックが、1831年に発表した小説「知られざる傑作」で、劇中の画家フレンホーフェルは、フランスの画家プーサンが、モデルです。
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フレンホーフェルは、未完成だった「美しき諍い女」を完成させますが、別の「美しき諍い女」を公開しました。
完成した本物の「美しき諍い女」を見たのは、フレンホーフェルが、制作を中断したときのモデルであった妻の
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リズと再び自分に描く意欲を蘇らせたマリアンヌだけでした。
画家フレンホーフェルの妻リズを演じているのは、ジェーン・バーキン(1946~ 女優シャルロット・ゲンズブールa0212807_17534084.jpgは娘)で、フレンホーフェルが、生涯最期の絵として制作途中に中断した「美しき諍い女」の元モデルだったリズ役ジェーン・バーキンの物憂げな雰囲気が、印象的でした。
エマニュエル・ベアールの美しい容姿ともどもアンヌュイな表情のジェーン・バーキンも見どころです。
「美しき諍い女」は、カンヌ国際映画祭審査員特別賞(グランプリ)を受賞しています。
by blues_rock | 2016-02-24 10:33 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
a0212807_258360.jpgイギリス映画協会(BFI)が、発行する映画雑誌「Sight & Sound」は、同協会が、10年に一度実施する「映画批評家が選ぶベスト映画」と「映画監督が選ぶベスト映画」の最新結果(2012年に選出)を発表しました。
イギリス映画協会(BFI)は、いまから83年前の1933年(昭和8年)ロンドンで設立された世界最古の映画協会です。
前回の2002年調査から10年、2012年に「映画監督(358人)が選ぶベスト映画」の第1位に小津安二郎監督の1953年作品「東京物語」が、選出されました。
a0212807_2595053.jpg「映画批評家(846人)が、選ぶベスト映画」では、第3位でした。
世界映画史上トップ10の第1位に、日本映画が、選出されたのは、初めてです。
小津安二郎監督の作品は、ヴェネツィア国際映画祭において「東京物語」が、上映され、カンヌ国際映画祭でも小津安二郎監督1962年作品「秋刀魚の味」が、上映されました。
旧い日本映画(モノクロ映像)ながら小津安二郎監督、黒澤明監督、溝口健二監督ほか‘総合芸術’ として映画を撮った監督の作品は、時代や国境を越え称賛され続けています。
「東京物語と小津安二郎監督」の詳細については、こちらをご覧ください。
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映画を職業とするプロフェッショナルに小津安二郎監督のファンが、多いのは、オリジナリティのあるカメラワーク(固定カメラやローアングル)さらに完璧と絶賛される演出など、その芸術性が、高く評価されているからです。
a0212807_35624.jpg「東京物語」は、今から63年前、戦後すぐ昭和28年の映画ながら、現在(いま)を予見していたような寂寥感あふれる‘家族の姿’と哀切な‘人間の性(さが)’が、丁寧に描かれており、「東京物語」は、芸術の絶対条件である人間の普遍性を表現しているからこそ今もなお絶大な人気が、あるのだと私は、思います。
a0212807_3145833.jpg「映画監督が選ぶベスト映画」は、1992年から始まりその時、黒澤明監督の「七人の侍」と「羅生門」が、第10位に選ばれています。(1992年の第1位は、オーソン・ウェルズ監督の「市民ケーン」です。)
ちなみに2002年は、第9位に黒澤明監督の「七人の侍」と「羅生門」、第1位に前回と同じオーソン・ウェルズ監督の「市民ケーン」が、選出されています。
a0212807_3152756.jpg最新2012年の「映画監督が選ぶベスト映画」トップ10は、つぎのとおりです。
第1位「東京物語」(小津安二郎監督)、2位「2001年宇宙の旅」(スタンリー・キューブリック監督)、3位「市民ケーン」(オーソン・ウェルズ監督)、4位「8 1/2」(フェデリコ・フェリーニ監督)、5位「タクシードライバー」(マーティン・スコセッシ監督)、6位「地獄の黙示録(フランシス・フォード・コッポラ監督)、7位「ゴッドファーザー」(フランシス・フォード・コッポラ監督)、7位「めまい」(アルフレッド・ヒッチコック監督)、9位a0212807_3183848.jpg「鏡」(アンドレイ・タルコフスキー監督)、10位「自転車泥棒」(ヴィットリオ・デ・シーカ監督)となっています。
「映画批評家が選ぶベスト映画」は、1952年から始まり過去トップ10に選出された日本映画を紹介します。
1952年の初回は、日本映画の選出なく第1位が、ヴィットリオ・デ・シーカ監督の「自転車泥棒」、1962年第2回は、4位に「雨月物語」が、選ばれ、第1位のオーソン・ウェルズ監督作品「市民ケーン」は、2012年アルフレッド・ヒッチコック監督の「めまい」に第1位の座を譲るまで50年間第1位でした。a0212807_3234637.jpg
日本映画は、1972年10位「雨月物語」、1982年3位「七人の侍」、1992年3位「東京物語」、2002年5位「東京物語」、2012年3位「東京物語」です。
最新2012年の「映画批評家が選ぶベスト映画」トップ10は、つぎのとおりでした。
1位「めまい」(アルフレッド・ヒッチコック監督)、2位「市民ケーン」(オーソン・ウェルズ監督)、3位「東京物語」(小津安二郎監督)、4a0212807_3315955.jpg位「ゲームの規則」(ジャン・ルノワール監督)、5位「サンライズ」(F・W・ムルナウ監督)、6位「2001年宇宙の旅」(スタンリー・キューブリック監督)、7位「捜索者」(ジョン・フォード監督)、8位「これがロシアだ」(ジガ・ヴェルトフ監督)、9位「裁かるるジャンヌ」(カール・テオドール・ドライエル監督)、10位「8 1/2」(フェデリコ・フェリーニ監督)となっています。
by blues_rock | 2016-02-22 02:02 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
異才トッド・ヘインズ監督(1961~)が、8年ぶりに撮った新作「キャロル」を見ました。
「キャロル」は、名作映画の三元素‥監督・脚本・俳優、そのいずれをとっても‘文句なし’の傑作映画です。
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まず監督のトッド・ヘインズ監督ですが、「キャロル」のプロットである1950年代アメリカの保守的な時代を背景に、女性ゲイ(レスビアン)の心に秘められた‘微かな瞬間’を掬いとる演出の巧さは、自らもゲイであるヘインズa0212807_1515866.jpg監督自身の繊細な心の襞(デリカシー)が、見事に表現されていて‘すばらしい!’の一言です。
映画を表現道具とする映像芸術について、映画批評家でない私は、上手く文章にできませんが、女性二人の恋(同性愛の心の動き)を切なくも美しい映像に表現できる才能をもつヘインズ監督は、演出の天才です。
a0212807_1524172.jpg脚本は、自らも映画監督にして脚本家であるフィリス・ナジ(1962~)でミステリー作家パトリシア・ハイスミス(1921~1995)が、1952年に発表した「The Price of Salt」を原作としています。
パトリシア・ハイスミスの小説を原作とした映画で特に有名なのが、アルフレッド・ヒッチコック監督の1951年作品「見知らぬ乗客」ならびにルネ・クレマン監督の1960年作品「太陽がいっぱい」a0212807_1553854.pngです。
愛し合う女性ゲイ(レスビアン)の二人を演じるのが、キャロル役のケイト・ブランシェット(1969~ 「キャロル」出演時46歳)とテレーズ役のルーニー・マーラ(1985~ 「キャロル」出演時30歳)、この名女優二人の演技は、‘すごい!’としか言いようがありません。
とくに映画の冒頭シーンからラストシーンのショットまでケイト・ブランシェット演じるキャロルとルーニー・マーラ演じるテレーズが、お互いを見つめる眼差しを見逃すのは、瞬きするのが、もったいないくらい感動的です。
希代の女優ケイト・ブランシェットは、ウッディ・アレン監督作品「ブルー・ジャスミン」でアカデミー賞主演女優賞を受賞、ヘインズ監督作品「アイム・ノット・ゼア」では、男性の‘ボブ・ディラン’を実に個性的に演じてヴェネツィア国際映画祭で女優賞(男性を演じ女優賞)を受賞しています。
演技力抜群の若手女優ルーニー・マーラを一躍有名にしたのが、「ドラゴン・タトゥーの女」のリスベット・サランデル役です。
a0212807_1562450.jpgこの映画のリスベット役でルーニー・マーラは、アカデミー賞主演女優賞の候補になりましたが、受賞は、惜しくもメリル・ストリープに譲りました。
ルーニー・マーラは、この「キャロル」でカンヌ国際映画祭女優賞を受賞、今月末に発表される2016年アカデミー賞では、主演女優賞と助演女優賞を「キャロル」のケイト・ブランシェットとルーニー・マーラが、ダブル受賞すると思a0212807_21082.jpgいます。
愛し合う女性二人の情感あるシークエンス(シーンの連続)は、性愛シーンも含め異次元のすばらしい演技を見せてくれた名女優二人の役者ぶりに心底感服、もしこの二人が、受賞しないとしたら6千人で構成するアカデミー賞選考員(無記名投票)に「あなたたちの目は節穴か?」と質(ただ)したいと思います。
a0212807_213977.jpg「キャロル」の映像を撮った撮影監督エドワード・ラックマン(1948~)は、ヘインズ監督の2002年作品「エデンより彼方に」からヘインズ監督作品の撮影を担っています。
ラックマン撮影監督が、ビスタビジョンカメラとスーパー16mmフィルム(アスペクト比1.66)で撮影した「キャロル」の映像は、レトロな色調と相俟ってうっとり見惚れてしまう映像美を生んでいます。
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音楽監督カーター・バーウェル(1955~ コーエン兄弟監督とスパイク・ジョーンズ監督の全作品を音楽監督)のしっとりした音楽、プロダクションデザイナー キャロル・スピアのレトロな美術セット、衣装デザイナー サンディ・a0212807_2162617.jpgパウエル(1960~)の色彩とファッション・センス、さらに製作のエリザベス・カールセン(1960~)と「キャロル」には、女性関係者が、多いのも特徴です。
映画が、あまりにすばらしいのでストーリーを後回しにしていました。
1950年代アメリカ東部のニューヨークと西部のアリゾナが、舞台です。
a0212807_2171932.jpgキャロル(ケイト・ブランシェット)は、自分が、ゲイ(レスビアン)であることを知りながら当時の道徳観(性のモラル)に縛られ良き妻、良き母であろうと努めていました。
デパート店員のテレーズは、売り場でキャロルを見て一目惚れ(セクシャル・ケミストリ)、キャロルへの恋心で自分のセクシャリティに気付きました。
a0212807_2174627.pngキャロルとテレーズは、お互い惹かれ合いながら、どう自分の気持ちを表現すれば良いのか分からず戸惑うばかりでしたが、キャロルは、テレーズを誘って旅に出ました。
現在公開中のトッド・ヘインズ監督の新作「キャロル」は、映画狂いの私が、100%自信をもってお薦めする映画です。
a0212807_2182659.jpg「キャロル」の公式サイト(こちら)を貼付いたしますので参考にしていただき、ぜひ映画館でご覧ください。
ヘインズ監督は、最も信頼できるパートナーと公言する名女優ジュリアン・ムーア(ヘインズ監督作品「エデンより彼方に」主演)と次の作品を企画中だとか、これも大いに期待し今から楽しみにしています。
(上写真:撮影の打合をするトッド・ヘインズ監督とキャロル役のケイト・ブランシェット)
by blues_rock | 2016-02-20 01:20 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
古備前の擂り鉢(径25㌢)で江戸期に焼成されたものと推察します。
ゆったりと挽かれた轆轤(ろくろ)跡と胴まわりの緋色に惹かれます。
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擂り鉢は、よく使い込まれながら無疵で、見込みのさらっとした緋襷(ひだすき)に風情を感じます。
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下の擂り鉢は、上の擂り鉢よりひと回り大きく、無骨な尺物の大擂り鉢(径35㌢)ながらザクッと挽かれた轆轤(ろくろ)跡と粗い陶土(つち)の石ハゼが、魅力で「これ、備前かなぁ?」という疑問も残ります。
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日常生活で長年使われ、擂り小木で擦り込まれた見込みが、素朴です。
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古備前(長け21㌢)の徳利で、頸から肩さらに胴の膨らみから腰に流れるラインさらに桟切り(さんぎり)の景色とタテに入った緋色が、小宇宙のようで‘ギャラクシー(銀河)’と名付けました。
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下の酒器セットは、誰が見ても備前と分かる‘蹲る’のような徳利(長け12㌢)とぐい飲み(径7㌢)です。
でっぷりとした徳利の肩にかかる胡麻、胴の牡丹餅文様と緋色の景色は、連れのぐい飲みとの相性も良く
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厭味がなくて、どこかのんびりしています。
備前のぐい呑みは、冷酒を飲むのにぴったり、これで大吟醸をアペリティフに一杯だけ飲むようにしています。
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備前の花器(長け18㌢)です。
口縁から頸へのすぼみと肩の櫛文さらに全体にかかった胡麻と胴から腰さらに底まで流れる釉は、滝のようで
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野趣豊かです。
写真には、写っていませんが、向こう側口縁と腰にあるヒビ割れをベンガラ色漆継ぎしています。
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備前に雲助(うんすけ)が、あるのかどうか私には、分からりませんが、ちょっと見、備前のような雲助(長け34㌢)で、口縁に小さな窯疵が、あるものの胡麻のかかった端正な形は魅力的です。
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(付録) いつの時代の古越前耳付壺(長け33㌢)か、私には分かりませんが、焼き締められた壺の石ハゼと口縁部にある小さな窯疵(かまきず)は、素朴です。
by blues_rock | 2016-02-18 00:08 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(2)
名匠リドリー・スコット監督(1937~)の最新作「オデッセイ」を見ました。
スコット監督の映画作風は、娯楽性の高い、スケールの大きな描写が、特徴です。
a0212807_2333619.jpg宇宙を舞台にしたスコット監督のSF映画は、1979年の長編第2作となるユニークなSFスリラー映画「エイリアン」に始まり、1982年SF映画の傑作「ブレードランナー」そして2012年「エイリアン」創生記のようなSF冒険映画「プロメテウス」へと受け継がれていきます。
スコット監督は、今回の最新作SF映画「オデッセイ」のプロットを宇宙空間そのものにおき猛烈な砂嵐のため‘火星’置き去りにされた火星有人探査チームの一人である植物学者マーク・ワトニー(マット・デイモン 1970~)が、大気のない無人の火星で生き延びたサバイバル561日(1年半)をスケールの大きなSF宇宙冒険映画‥古代ギリシャの詩人ホメロスの叙事詩に擬えて「オデッセイ」として描きました。
a0212807_235927.jpgアルフォンソ・キュアロン監督(1961~)のSF宇宙映画「ゼロ・グラビティ」でも宇宙空間とくに無重力(ゼロ・グラビティ)のリアリズム描写に感心しましたが、「オデッセイ」での酸化鉄(赤さび)に覆われた火星ならびに宇宙探査船ヘルメスやシャトル内の無重力宇宙遊泳(船内活動)のリアリティには、驚嘆しました。
映画の大半は、火星に取り残された植物学者マーク・ワトニーを演じるマット・デイモンが、‘ひとり芝居’をしているような展開ながらスコット監督は、火星と宇宙空間の科学的な分かり難さをマーク・ワトニーが、口述記録していくという手法でマークの絶望的な生存の困難さを見る者に説明していきます。
そのシリアスな主人公の状況を娯楽性の高いSF宇宙映画にするためスコット監督は、植物学者マーク・ワトニーをユーモアのあるユニークな人物として演出、それが
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マット・デイモンのキャラクターと相俟って「オデッセイ」の劇中での絶望的な苦境を笑い飛ばすエッセンス(映画のエンタメ要素)になっています。
a0212807_23101454.jpgマーク・ワトニーが、科学者の智恵を活かし前回ミッションの残留した保存資材で水・空気・電気を確保し、さらに植物学者としての知識で火星の土とクルーたちの残した排泄物で有機土壌をつくり冷凍ジャガイモを発芽させてジャガイモ栽培に成功するところなどは、見ていて愉快なシーンの連続(シークエンス)です。
a0212807_23111818.jpgスコット監督は、マット・デイモンが、クリストファー・ノーラン監督のSF宇宙映画「インターステラー」で演じたネクラな科学者マン博士とは、真逆なタイプの何事にもポジティブな科学者マーク・ワトニーにしました。
もうひとつは、劇中の随所に流れるポップな70年代モータウン・サウンド(ディスコ・ミュージック)楽曲の明るいこと、これは、宇宙探査船ヘルメス船長のメリッサ(ジェシカ・a0212807_23153344.jpgチャステイン1977~)の所持品(好きな音楽)ながらマーク・ワトニーが、‘趣味が悪い’と文句言いつつ火星でいつも聴いている音楽です。
マーク・ワトニーの火星滞在219日目に、NASA(アメリカ航空宇宙局)が、JPL(ジェット推進研究所)と共同で彼の救出に向かうと発表したときに流れる音楽は、デヴィッド・ボウイの「スターマン」です。
エンドロールで流れるグロリア・ゲイナーの「恋いのサバイバル(I Will Survive)」も「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドa0212807_23221222.jpgア」(こちら) の劇中に何度も流れた音楽で改めて感動しました。
リドリー・スコット監督の最新作「オデッセイ」は、ディスカバリー計画で火星に残したマーズ・パスファインダー(火星探査車・宇宙航空機・無人基地)などNASAの全面的な協力(コラボレーション)により撮影されただけあって最新VFX映像の超絶リアリティなこと、大型スクリーンでその迫力を楽しみながら映画の醍醐味を味わっていだきたいと思います。
a0212807_23233661.jpg映画の中で、NASAとJPLによるマーク・ワトニー救出計画が、ロケットの打ち上げ失敗で、もはや救出不可能かと思われた矢先、JPLは、中国航空宇宙局から所有ロケットの提供を受け、NASAも地球帰還途中の宇宙船ヘルメスへ救援物資を送ります。
火星往復の物資を受け取ったヘルメスは、Uターンして火星にいるマーク・ワトニーの救出に向かいました。
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映画の中でなぜ唐突に中国が、登場するのか‥リドリー・スコット監督によるアメリカのロケット開発を担うジェット推進研究所(JPL)の創設者セオドア・フォン・カルマン(1881~1963)の弟子にしてJPL共同創設者でもあったa0212807_23254083.jpg中国宇宙開発の父と呼ばれる銭学森(1911~2009、1950年マッカーシズムの弾圧で中国のスパイとされ捕虜交換で中国に帰り中国のロケット・ミサイル開発ならびに宇宙開発を指導、アメリカにとって皮肉なものです)へのオマジュと私は、推察しました。
a0212807_23261410.jpg最後に余談ながらマット・デイモンが、8年ぶりに新作「ジェイソン・ボーンⅣ」に出演するとのこと、うれしい限りです。
新作「ジェイソン・ボーンⅣ」の監督は、マット・デイモンが、‘ジェイソン・ボーン’シリーズへの出演条件にしていた‘ポール・グリーングラス監督’となったことで出演オファーを受け早や撮影も終了、現在ポスト・プロダクションに入っているそうです。
by blues_rock | 2016-02-16 21:16 | 映画(シネマの世界) | Comments(2)
a0212807_0212426.jpgスウェーデンの名匠ラッセ・ハルストレム監督が、2001年に撮った「シッピング・ニュース」もまた秀作です。
ニューヨークの新聞社で働くクオイル(ケヴィン・スペイシー 1959~ 1999年映画「アメリカン・ビューティー」での娘の同級生に恋をする中年男役は抜群)の仕事は、印刷現場のインク係、単調な労務の繰り返しに労働意欲なく惰性で働いていました。
クオイルは、乱暴な父親から受けた子供ころのスパルタ水泳で溺れかけ九死に一生を得ましたが、犬かきもできない自分は、何をやってもダメな欠陥人間と思い込み、それ以来日々無気力に惰性で生きていました。
a0212807_0225821.jpgある時、雨の中で男と言い争う娼婦のような女と偶然目が合い、クオイルの助手席に乗り込んできたその女を助ける羽目になりました。
女の名前は、ペタル(ケイト・ブランシェット 1969~ ドハデな衣装と厚化粧メイクの娼婦然としたペタル役はお見事!)と云い、クオイルに約束の時間までセックスしようと誘い彼の家に押しかけました。
a0212807_0233615.jpgペタルは、次々に男を変える淫乱な女でしたが、女に縁のなかったクオイルは、ペタルに夢中になり結婚、娘バニーが、生まれました。
クオイルは、バニーを溺愛し大切に育てました。
a0212807_0245355.jpgある日、クオイルに疎遠であった父親から母親と一緒に自殺するとの告知電話が入りました。
両親の葬儀で叔母のアグニス(ジュディ・デンチ 1934~)と再会、そのとき叔母アグニスは、捨てた故郷のニューファンドランド島へ戻るとクオイルに言いました。
a0212807_0274792.jpg葬儀を終えクオイルが、家に帰るとバニーとペタルは、不在でした。
しばらくすると警察からの電話でペタルが、自動車事故に遭い即死、運転していた男も死に娘のバニーは、無事であるとの連絡が入りるも派手好きなペタルは、金に困り娘のバニーを人身売買組織に6千㌦a0212807_028394.jpgで売っていました。
クオイルは、全財産なげうってバニーを取り戻し叔母のアグニスと一緒に故郷のニューファンドランド島に還りバニーと人生をやり直すことにしました。
海の見える崖のうえに残るクオイルとアグネスの家は、錆だらけのワイヤーで岩に繋がれ廃屋同然でした。
a0212807_0351070.pngニューファンドランド島の厳しい気候と村の環境になじめないクオイルでしたが、ニューヨークの新聞社でインク係として働いていたことから小さな地元紙に就職しました。
地元紙の社長から命じられた仕事は、「シッピング・ニュース(港湾情報)」の記事を書くことでした。
クオイルは、バニーを預ける託児所の園長ウェイヴィ(ジュリアン・ムーア 1960~「アリスのままで」でアカデミーa0212807_0361189.jpg賞主演女優賞受賞 )とも親しくなり、島での生活を前向きに考えるようになりました。
社長のジャック(スコット・グレン 1941~)から少しずつ記事の評価も受け始め編集長タート(ピート・ポスルスウェイト 1946~2011)の嫌味にも慣れてきました。
やがて、クオイルは、アグニスやウェイヴィにもそれぞれつらく悲しい過去が、あることを知りました。
a0212807_0403984.jpgさらにクオイルの先祖は、昔この地方の悪名高い海賊で他の島から追放されこのニューファンドランド島へ逃れて来たのでした。
幼い娘バニーは、母親の死を理解できず(父親のクオイルが言うように)眠っているだけなら起こして欲しいと駄々をこね泣きじゃくりました。
ある日の夜、海から吹きつける折からの嵐で崖のうえのクオイルの先祖の家は、吹き飛ばされ翌日の朝、跡形a0212807_0412445.jpgもなく消えていました。
クオイルは、これを地元紙の一面トップの見出しに「大嵐、家を奪う、あとには絶景が」と記事にして発行、そのことで自分の気持ちが明るく前向きになるのを感じました。
by blues_rock | 2016-02-14 00:14 | 映画(シネマの世界) | Comments(1)
私の好物に、早春のこの時期にだけ出回る柑橘(かんきつ)の「八朔」、「晩白柚(ばんぺいゆ)」が、あります。
晩白柚の主産地は、熊本県八代地域で全国生産量の97%を占めるので八代の特産品と言って良いでしょう。
晩白柚は、文旦(ザボン)の一種ですが、文旦(ザボン)のほうは、高知県が、主産地で全国生産量の90%を占め、晩白柚とは、別物(似て非なるもの)と考えたが良いでしょう。
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ちなみに八朔の主産地は、和歌山県で全国生産量の68%を占めています。
晩白柚の原産地は、マレ-半島らしく1930年に台湾の株が、鹿児島県の果樹試験場へ白柚(ぺいゆ、ザボンのこと)として導入されました。
晩白柚(ばんぺいゆ)と呼ばれる名前の由来は、台湾で果肉の白いザボンを白柚(ぺいゆ)と呼んでおりザボンa0212807_17342554.jpgより完熟するのが、遅かったので晩生の白柚つまり晩白柚と呼ばれるようになりました。
熊本県八代地域の特産品となったのは、昔から在来種サボン(文旦)の生産地で晩白柚生育の最適地であったこと、鹿児島県(の果樹試験場)に近かったこと、農家の方々の生産意欲が高く品種改良や栽培技術のカイゼン努力を怠らなかったことだろうと推察します。
晩白柚の皮をむき、果肉がしっかり絞まった甘酸っぱい味に舌鼓を打ちながら、これからさらに経済発展する東アジアにおける日本農業の実力(立ち位置)を考えていました。
浮羽の友人が、経営する果樹園で収穫されるブドウや柿も絶品!です。
今のところTPP(環太平洋パートナー12か国)の仲間に入れてもらえない中国、すねて入らない韓国、いずれ入るa0212807_17351583.pngASEAN(東南アジア諸国連合10か国)など現在の世界経済の流れをしっかり俯瞰すれば一目瞭然、拡大TPP経済圏の巨大マーケットが、目の前にあります。
‘ジャパン・クール’は、何もハイブリッド自動車やAIロボット、ハイテク精密機器(高性能トイレット)だけのものではなく、次世代日本農業が、明るいことを全国農協組織の元営業職員として働いていたころの実体験(こちら)から私は、知っていますので気候風土に支えられた日本農協の未来を非常に楽観しています。
年金暮らしの私が、個人的に心配しているのは、やがて八代の晩白柚、和歌山の八朔、浮羽のぶどう・柿などが、東アジアの富裕層の口にしか入らない高級果実になるかもしれないことだけ‥老婆心かな?
by blues_rock | 2016-02-12 00:12 | 自然/農耕/食料 | Comments(0)
いま公開されている名匠スティーヴン・スピルバーグ監督(1946~)の最新作「ブリッジ・オブ・スパイ」(Bridge of Spies)を見て「さすが!スピルバーグ監督。 映画づくりが、上手いなぁ‥」と心底感心しました。
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近代映画史にその名を残す名監督となったスティーヴン・スピルバーグ監督(1946~)は、戦争映画や人道的、社会的な映画を撮るとき、娯楽性もありながらなかなか骨のある作品を今まで何作も発表してきましたが、新作a0212807_0363244.jpgの「ブリッジ・オブ・スパイ」も円熟味の増した見せる映画の名作でした。
スピルバーグ監督には、SFや冒険活劇などの娯楽映画にも多くのヒット作品があり、世界最高のヒットメーカーの証しとして‘監督作品’・‘製作(プロデュース)作品’ともに歴代興行収入の第1位になっています。
a0212807_0375975.jpg今でも映画少年のころの初心を忘れない熱心な映画ファンであるスピルバーグ監督は、巨匠と称され世界的な映画監督になってもなおこの‘映画へのこだわり’をもち、デジタル撮影主流の現在(いま)においても自作映画の撮影には35㍉のセルロイド製フィルムを使用、フィルム独特の映像ニュアンスを好む映画の匠(たくみ)でもあります。
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スピルバーグ監督の作品は、撮影監督ヤヌス・カミンスキー(1959~ 1993年「シンドラーのリスト」でアカデミー賞撮影賞受賞))、編集マイケル・カーン(1935~ スピルバーグ監督作品でアカデミー賞編集賞を3回受賞)など製作スタッフのほとんどが、スピルバーグ組a0212807_0411991.jpgの常連メンバーです。
「ブリッジ・オブ・スパイ」では、この常連組に加え脚本を名脚本家と知られるジョエル&イーサン・コーエン兄弟監督が担い、プロダクション・デザインや衣装も1950年代アメリカを完璧に再現、当時築かれ始めていたベルリンの壁などの時代考証と併せ非の打ちどころのない映画でした。
a0212807_044251.jpg主演は、スピルバーグ監督作品4作目(1998年「プライベート・ライアン」、2004年「ターミナル」他)となる名優トム・ハンクス(1956~ 名匠ロン・ハワード監督作品にも4作品に出演)、共演もマーク・ライランス(1960~)、エイミー・ライアン(1969~)、アラン・アルダ(1936~)、オースティン・ストウェル(1984~)ほか出演者たち皆な名優ならびに中堅さらに若手俳優(子役も含め)とa0212807_0462233.jpgいずれも存在感(リアリティ)のある演技を披露しています。
「ブリッジ・オブ・スパイ」は、アメリカとソ連(現ロシア)の軍事対立が、核戦争の引き金にも成りかねない一触即発の緊張状態(冷戦下)の当時(1950年代から60年代にかけて)、実際にあった事件(実話)を描いたサスペンスタッチの歴史ドラマです。
a0212807_051262.jpg物語の骨子は、1957年ニューヨークでFBIに逮捕されたアベルというソ連スパイ(マーク・ライランス 彼の抑制された静かな演技がすばらしい)の国選弁護人として民間の保険専門弁護士ジェームズ・ドノヴァン(トム・ハンクス)が、選ばれました。
ドノヴァンは、アメリカ国家の司法制度を世界にパフォーマンスするため半ば強制的に国選にされたとは云え、ソ連のスパイ容疑でa0212807_0532249.jpg逮捕されたイギリスパスポートをもつアベルの弁護を引受けたことからアメリカ国中の非難を浴びますが、自分の弁護士職務をまっとうし検事の死刑求刑に反論、さらにドノヴァンは、ソ連スパイに容赦ない愛国的な判事とも駆け引きし(この経過が映画後半に彼のスパイ交換極秘任務に繋がります)アベルに死刑の判決を下さないよう交渉、懲役30年の刑にさせました。
a0212807_054630.jpgこのソ連スパイ事件から5年後の1962年、アメリカ空軍の秘密偵察機が、ソ連領空内でミサイル撃墜されパイロット(オースティン・ストウェル)は、敵国スパイとしてソ連に捕えられました。
お互いスパイの事実を隠蔽したい両国政府は、秘密裏にスパイ交換を画策、アメリカ政府が、交渉人として指名したのは、軍人でも政治家でもないアベルの弁護士であった民間人のドノヴァンでした。
a0212807_0543529.jpg交渉の場所は、ベルリンを東西に分断する壁が、築かれつつあった敵地の東ベルリンでした。
夫ドノヴァンの言うイギリス出張は、身の安全が、保障されない極秘任務であると察知した妻(エイミー・ライアン)は、心配しますが、ドノヴァンは、弁護士としての正義感と裁判の弁護を通して知ったアベルの祖国(ソ連)に対する揺るぎない忠義に尊敬の念を抱き、東ベルリンの緊迫a0212807_141127.jpgした情勢を承知で危険な交渉に臨みました。
そして1962年東西ベルリンを結ぶグリーニッケ橋でお互い疑心暗鬼のスパイ捕虜交換が、行なわれました。
2時間22分の長尺映画ながら冒頭のソ連スパイ逮捕から終盤のグリーニッケ橋でのスパイ交換まで見ている者は、緊張の緩むことはなくスピルバーグ監督の演出を始め、脚本(ストーリーa0212807_151714.jpg構成)、撮影(カメラワーク)、編集と制作の見事さを実感しました。
グリーニッケ橋での捕虜交換シーンの撮影にドイツのメルケル首相(右写真中央)が、見学に訪れるくらいこの事件は、ドイツの歴史にとっても重要な出来事だったのであろうと推察します。
by blues_rock | 2016-02-10 00:38 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)