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心の時空

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a day in my life

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                 これやひとつ  欠けし茶碗に  金を繼ぐ     (里女)
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先日、歌人の筑紫里子さんから「金継ぎ工芸会 10周年記念作品展」(アクロス福岡・匠ギャラリー 8月31日~来月9月6日 詳しくはこちら)を前に、日々汗水垂らし、金を蒔くとき空調を止めるので当然ながら、悪戦苦闘している私
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を励ます俳句をいただきました。
俳句にある「金を繼ぐ」の‘繼ぐ’には、「命を繼ぐ」の意があり、正しくその‘繼ぐ’行為こそ「金継ぎの魂」です。
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上写真の中央横一列(3枚)と下段横一列(3枚)が、私の出品した10作品のうちの6枚です。
by blues_rock | 2015-08-30 00:30 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
a0212807_1464415.jpgアメリカの名優ゲイリー・シニーズ(1955~)は、1992年37才のとき新進気鋭の監督としてヒューマン映画の秀作「二十日鼠と人間」を発表しました。
アメリカのノーベル文学賞受賞作家ジョン・スタインベックの小説「二十日鼠と人間(of mice and men)」を原作にした1930年大恐慌時代のカリフォルニアで職を求め農場から農場へ渡り歩く季節労働者のジョージ(ゲイリー・シニーズ)とレニー(ジョン・マルコヴィッチ 1953~)の二人が、主人公です。
貧乏ながらも人にやさしく利口なジョージと知恵遅れながら大男で怪力の持ち主レニーは、いつも一緒に行動しカリフォルニアの農場を転々としながら働いていました。
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機転の利くジョージは、行く先々で子供のような無垢な心と怪力をもつレニーが、加減を知らないゆえに引き起こす事件の尻拭いに苦労していました。
a0212807_1481913.jpgジョージは、時にレニーを疎ましく思いながらも自分を信頼し切っているレニーを見るにつけ黙って置いて行くことができませんでした。
二人は、農場の粗末な小屋で、過酷な肉体労働と低賃金で暮らし、いつか自分たちの小さな農場をもつことが、夢でした。
ある夜、二人が、語る夢を偶然耳にした左手のないキャンディー老人(レイ・ウォルストン1914~2001)は、二人a0212807_1485854.jpgに長年コツコツと蓄えた貯金を提供するので自分も仲間に入れて欲しいと嘆願しました。
キャンディー老人の提案を受け入れたジョージは、三人の夢を実現するため大恐慌で破産した農場を買い取る手続きに入りました。
その矢先、レニーが、今度は、取り返しのつかない大事件を起こしてしまいました。
「二十日鼠と人間」は、人間それも善人であるジョージとレニーの二人が、一生懸命生きて行きながらも哀しい結末に至る姿を淡々と描いています。
撮影監督ケン・マクミラン(プロファィル詳細不明)の映像が、実に美しく、カリフォルニアの広大な自然を背景に撮った詩情あふれる映像は、ジョージとレニーのラストシーンをより切なく哀れにしています。
by blues_rock | 2015-08-28 00:08 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
a0212807_183673.jpg画家で映画監督・脚本家ジュリアン・シュナーベル(1951~)は、2000年「夜になるまえに」と2007年「潜水服は蝶の夢を見る」を撮る前、画家として親交のあった夭折の落書き前衛画家ジャン=ミッシェル・バスキア(1960~1988没、ヘロインの過剰摂取 享年27才 バスキアもまた‘27クラブ・メンバー’)の生涯を描き1996年初映画監督作品「バスキア」として発表しました。
この映画は、ニューヨーク画壇の異端にして短く、破滅的な人生を終えた前衛(パンク・ペインティング)画家バスキアへのオマージュとしてシュナーベル監督の熱い思いが、伝わってきます。 (下絵:ピカソに影響を受けた前衛画家ジャン=ミッシェル・バスキアの作品)
a0212807_1123922.jpg映画は、冒頭ピカソの大作「ゲルニカ」を映し、つぎに1979年ニューヨーク、スラム街の壁にスプレーで落書き(ペインティング)しているジャン=ミッシェル・バスキア(ジェフリー・ライト 1965~ 下写真右)を映して始まります。
1983年、ニューヨークの街角で有名な前衛画家アンディ・ウォーホル(デヴィッド・ボウイ 1947~ 下写真左)を見たバスキアは、‘無知な絵’と銘打ったポスト・カードサイズのグラフティ(落書き)を売り付けました。
a0212807_1131959.jpgウォーホルは、バスキアのグラフティ(落書き)を気に入り、バスキアが、言う値段で数枚を購入、画廊(ギャラリー)や美術評論家、コレクターたちを紹介、バスキアは、あっと言う間にニューヨーク美術界での‘時代の寵児’になりました。
一方、無垢で純粋なバスキアは、上手く人付き合いできず旧い友人たちとも別れ次第に孤独になっていきました。
a0212807_1162964.jpg孤独なバスキアは、麻薬(ヘロイン)依存症となり、自分を評価してくれるウォーホルだけに心を開き、スポンサー(ギャラリー・コレクター)から急き立てられるように次々とグラフティの大作を発表して行きました。
「人に利用され利用している」と語るバスキアも1987年アンディ・ウォーホル(1928~1987)が、亡くなり、心の拠りどころを失くしたバスキアは、孤独を癒すためのヘロインa0212807_1181181.jpg過剰摂取でウォルホールの後を追うように翌1988年に亡くなりました。
アンディ・ウォーホルと知り合ってわずか4年、享年27才の若さでした。
この映画に出演した俳優たちが、豪華で名優ぞろいです。
出演する時間は、それぞれ短いながらもベニチオ・デル・トロ(1967~)、デニス・ホッパー(1936~2010)、ゲイリー・オールドマン(1958~)、クリストファー・ウォーケン(1943~)、ウィレム・デフォー(1955~)、コートニー・ラブ(1964~ 故カート・コバーン‘27クラブ・メンバー’の妻)など、いずa0212807_1193985.jpgれも主演級の錚々たる顔ぶれです。
劇中に流れる音楽(サウンド・トラック)もすばらしく、ローリング・ストーンズ、トム・ウェィツ、ヴァン・モリソン、デヴィット・ボウイ、イギー・ポップなど、エンドクレジット・ロールで流れるジョン・ケールの「ハレルヤ」も心に沁みました。

(左絵:前衛画家ジュリアン・シュナーベルの作品)
by blues_rock | 2015-08-26 00:06 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
鶴の翼部分が、割れた「香蘭社 鶴皿」を‘錫(スズ)の共継ぎ’にしました。
私は、最初‘銀継ぎ’を考えましたが、銀より少しシックな錫(銀粉より少し粒子が粗い)で仕上げました。
鶴の翼部分の‘錫の共継ぎ’から発想し自分の羽で幡を織った夕鶴の「つう」と云う銘にしました。
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「現川 臥牛窯 銘々皿(4寸)」の深縁部分が、割れた丸皿6枚を購入しました。
割れた箇所の欠片がなく、1枚の深縁部分から残り5枚分をカットし整形、‘錫(スズ)の呼び継ぎ’にしました。
ほんの少し色合いが、違うのもまた呼び継ぎの味わいだろうと思います。
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by blues_rock | 2015-08-24 00:04 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
アメリカの俳優・映画監督・プロデューサーであるジョン・ファヴロー(1966~ 2008年「アイアンマン」監督・製作総指揮・出演、主演 ロバート・ダウニー・Jr.)が、1985年の日本映画「タンポポ」(伊丹十三監督 1933~1997)に大きな影響(インスピレーション)を受けて自主制作した映画が、2015年2月に公開された新作映画「シェフ」です。
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主人公のシェフ、カール役をジョン・ファヴロー自ら演じ、同時に製作・脚本・監督を務めています。
このことからもファヴロー監督が、いかに自分の手でこの映画「シェフ」を撮りたかったのか良く理解できます。
映画は、料理することが、何より好きな腕利きのシェフ、カール(ジョン・ファヴロー)は、メニューにあるマンネリ
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料理に辟易し自ら創意工夫した新作メニュー料理で常連客に食べてもらおうとしたところ、メニューの変更を許さないオーナー(ダスティン・ホフマン 1937~)と大ゲンカしました。
カールに好意をもつソムリエのモリー(スカーレット・ヨハンソン 1984~)が、なだめるのも聞かずカールは、店を
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辞めてしまいました。
離婚した元妻イネズ(ソフィア・ベルガラ 1972~)の励ましで一人息子のパーシー(エムジェイ・アンソニー 2003~)とマイアミを訪ねたカールは、キューバ出身であるイネズの父親から教わった‘キューバサンドイッチ’の美
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味しさに感動しました。
カールは、友人で実業家のイネズの前夫でもあったマーヴィン(ロバート・ダウニー・Jr. 1965~)から中古のフードトラック(オンボロ屋台)を譲り受け息子のパーシーと‘キューバサンドイッチ’の移動販売を始めました。
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元同僚のコック、マーティン(ジョン・レグイザモ 1964~)も駆けつけ、パーシーが、GPSツィッターでフードトラックの映像(動画)と移動中の位置情報をサイトで流したところ行く先々で屋台の前には行列が、できました。
父親カールに預けた息子パーシーを心配した母親イネズは、パーシーの活き活きとした表情を見て自分も参加
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しました。
こうしてキューバサンドイッチ移動屋台のロードムービーが、マイアミをスタートにルイジアナからテキサスを経てロサンゼルスへと展開して行きます。
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ファヴロー監督の演出する料理シーンが、何んともすばらしく、映画のストーリーは、コメディタッチで展開していきますが、ファヴロー監督のユーモアセンスとペーソスの隠し味(だし)の按配は、これまたバッグンです。
by blues_rock | 2015-08-22 00:02 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
a0212807_6324774.jpg猛暑の夏は、冷房の利いた映画館で避暑するに限りますと先日のシネマの世界「フレンチアルプスで起きたこと」(こちら)のときに書きました。
海山に囲まれた博多は、真夏でも涼しい風が、吹きぬけますので、窓を開けておけば、案外過ごしやすいところです。
だが、今年の夏は、殊更暑く35℃を超える日が、続きあまり暑がりではない私もさすがに辛抱できず、老朽化して冷房の利かないわが家の空調機をリニューアルしました。
そんな暑いある日、映画館で過ごそうと気軽に楽しめそうな映画を探していたら「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」と「ジュラシック・ワールド」を同時に上映している映画館(天神東宝シネマズ)が、ありましたので2本続けて見ました。
この日最初に見たのは、「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」です。
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「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」は、1996年に始まった「ミッション:インポッシブル」シリーズの第5作目に当たり、このシリーズ5作ともスリル満点の痛快アクション映画として‘大変おもしろい’ことです。
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映画「ミッション:インポッシブル」シリーズの有名なテーマ・ソングを背景に冒頭からスリル満点ハラハラドキドキのアクションでいつも登場する主人公のIMF(Impossible Missions Force)特殊工作員イーサン・ハントは、トム・a0212807_6474170.jpgクルーズ(1962~)の当たり役です。
監督(原案・脚本とも)は、脚本家のクリストファー・マッカリー(1968~ 1995年映画「ユージュアル・サスペクツ」でアカデミー賞脚本賞受賞)、撮影が、前作2011年映画「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」に続き、スリル満点のアクションシーンを撮らせたら、抜群の技術(わざ)を見せる名撮影a0212807_6483895.jpg監督ロバート・エルスウィット(1950~ 2007年「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」でアカデミー賞撮影賞受賞)です。
「ミッション:インポッシブル」シリーズが、始まったとき34才のイーサン・ハント(=トム・クルーズ)も今や53才ながら‥テロ組織‘シンジケート’を相手に命懸けのアクションシーンもテンコ盛り、空中・水中、ド派手なカーチェイス、バイクアクションが、映画の最後まで続きます。
ストーリーなんかどうでもよろしい‥とにかく手に汗にぎるスリルと派手なアクションあふれる映画を見たいと云う方にお薦めいたします。
続けて見た次の映画が、「ジュラシック・ワールド」です。
a0212807_6514487.jpgスティーヴン・スピルバーグ監督の1993年作品「ジュラシック・パーク」と1997年作品「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」以来、久しぶりに見る恐竜映画でした。
22年前の「ジュラシック・パーク」の続編をイメージ・コンセプトとして製作された「ジュラシック・ワールド」では、スピルバーグ監督は、製作総指揮にまわり、監督に長編映画2作目のコリン・トレヴォロウ監督a0212807_6533725.png(1976~)を起用しました。
新作「ジュラシック・ワールド」の主役恐竜は、前回主役の強暴な肉食恐竜ティラノザウルス・レックスのDNA操作で誕生した新種のハイブリッド恐竜(ティラノザウルス・レックスの遺伝子組換え種)です。
映画としてのインパクト(斬新さ)は、22年前のスピルバーグ監督作品「ジュラシック・パーク」に及びませんが、
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「ジュラシック・ワールド」の見どころは、なんと言っても最新IT技術(SFX・VFX)を駆使したハイテクニカルな映像にあります。
a0212807_773626.jpgストーリーは、陳腐ながらもスクリーンを縦横に走り回る様々な恐竜の映像が、リアルで、その迫力満点のスリルを楽しむSFスペクタクル映画です。
「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」、「ジュラシック・ワールド」ともに、日ごろの憂さ晴らしに見るには、最適の娯楽映画です。
by blues_rock | 2015-08-20 00:02 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
a0212807_10572593.jpgフランス映画の秀作「アメリ」(2001)の大ヒットで一躍有名になったジャン=ピエール・ジュネ監督(1953~)が、「アメリ」のあとに撮った2004年作品「ロング・エンゲージメント」(監督・脚本 Un long dimanche de fiançailles 長い婚約)もまた「アメリ」と同様シリアスな世界観とブラックユーモアに満ちた独特の映画です。
ジュネ監督は、「ロング・エンゲージメント」の中で対極にあるファンタジックな恋愛シーンと戦場のリアルな殺戮シーンを交錯させながら描きました。
撮影監督ブリュノ・デルボネルもジュネ監督の演出を良く理解し、徴兵前の恋人同士が、別れを惜しむシーンは、ロマンティックなa0212807_1141295.jpg美しい映像で、出兵した恋人が、遭遇する悲惨な戦場(塹壕の迫激戦)のシーンは、リアリティ溢れる残酷な映像で撮り、シリアスな中にも美しい映像で見せるミステリー・ロマンス映画にしました。
出演者も個性的で主人公の足に障害のある女性マチルドに「アメリ」の名女優オドレイ・トトゥ(1976~)、恋人のマネク役をフランスの若手俳優ギャスパール・ウリエル(1984~)、驚いたのは、なんとフランスの名女優マリオン・コティヤール(1975~ 2007年映画a0212807_117251.jpg「エディット・ピアフ~愛の賛歌」でアカデミー賞主演女優賞受賞)とアメリカの名女優ジョディ・フォスター(1962~ 何と言っても1976年映画「タクシー・ドライバー」 、1991年映画「狼たちの沈黙」、アカデミー賞主演女優賞2度受賞)の二人が、登場の少ない脇役で出演していたことです。
a0212807_1191347.jpg映画のストーリーは、第一次世界大戦中、フランス軍兵士5人が、過酷な軍務から逃れるため故意にケガ負傷するも発覚、軍法会議で死刑の判決を受けた5人は、ドイツとの最前線に送られ、激しい戦闘が、続く塹壕の外に武器もないまま置き去りにされました。
a0212807_11101640.jpgマチルドの婚約者マネクもその1人でやがてマネク戦死の報せが、マチルドのもとに届きました。
誰ひとり兵士マネクの最期(戦死)を見た者が、いないことからマチルドは、愛するマネクが、まだどこかで生きていると直感しました。
マチルドは、戦争が、終わると戦場へ行き、マネクの戦死をめぐる謎を解き明かしながら彼の行く方を追いました。
a0212807_11215238.jpg彼女は、パリで捜査専門の私立探偵を雇い、事実を調べながら自分の直感に従いマネクの消息を辿りました。
「ロング・エンゲージメント」は、イギリスの巨匠アンソニー・ミンゲラ監督(1954~2008病没、享年54才)の2003年作品「コールド・マウンテン」のプロット「あなた(君)との愛が私の生きるすべて、もう一度あなた(君)に会いたい」とa0212807_11223254.jpg良く似ています。
ミンゲラ監督作品の「コールド・マウンテン」は、南北戦争時代、南軍の兵士インマン(ジュード・ロウ 1972~)が、故郷のコールド・マウンテンで徴兵される前に出遭い、わずかな時間しか一緒に過ごせなかった最愛の女性エイダ(ニコール・キッドマン 1967~)にもう一度会うために徴兵された南軍を脱走、艱難辛苦に出遭いながら遠い故郷コールド・マウンテンへ徒歩で帰る物語です。
a0212807_11295857.jpgインマンは、南軍を追撃する北軍に囲まれる中、南軍野営地を脱走、脱走兵狩りの南軍追手を逃れながら湿地帯の原野や岩肌険しい山を経て、何百㌔も彼方のエイダが、待つ故郷コールド・マウンテンに徒歩で向かいました。
「ロング・エンゲージメント」、「コールド・マウンテン」ともにロマンス映画の佳作なので一途な愛をテーマにした映画が、好きな方にイチオシでお薦めいたします。
by blues_rock | 2015-08-18 00:08 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
a0212807_9571637.jpg玄洋窯主人の冨永さんと陶芸談義をしていると時間の経つのも忘れ長居し仕事のお邪魔をしてご迷惑ばかりかけています。
陶工としての冨永さんは、研究熱心で常に陶器の意匠(デザイン)などに創意工夫(チャレンジ)されています。
玄洋窯の玄関左にあるギャラリーa0212807_12481549.jpgには、モダンな意匠の日用使いの様々な器が、ずらりと並び、一つずつ見ていると楽しくなります。
冨永さんは、ロクロの名人(匠)でもあり、私が、今でも愛用している昔作陶された高取焼きの中鉢(径16.5㌢)を手に取るとその薄さと軽さに驚きます。
茶道が、盛んな頃a0212807_1248582.jpgは、茶道具の花器・茶碗・茶入れなども多く作陶されていたそうです。
私は、茶道の作法を知らず学んだこともありませんが、茶の湯と茶碗には、心ひかれます。
玄洋窯の茶碗棚に並ぶいくつかの茶碗(新作の作陶はしていないとのことなので旧作)を一つひとつ手に取a0212807_12493855.jpgってみたら、この二つの茶碗が、ぴったり両手に収まり何とも好い感じで、無理にお願いして譲っていただきました
冨永さんのオブジェのような花器も魅力的です。
私が「ひょっとこ」、「アンドロメダ銀河」と呼んでいる花器は、私のお気に入りです。
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玄洋窯 高取中鉢(径16.5㌢)
鉄分の多いきめ細かな高取の陶土(つち)をロクロで薄く挽き高温で焼き締め、さらに高取釉をかけ分けて焼成したもの
by blues_rock | 2015-08-16 00:06 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
a0212807_23252811.jpgパリのドイツ軍司令部では、シュテュルプナーゲル将軍(アンドレ・ユング 1953~)やこの史実を記録していたユンガー大尉(ウルリッヒ・マテス 1959~ 右)などが、フランス人銃殺後のフランス占領と統治に危機感を持ち、銃殺引き延ばしの時間稼ぎをしながら秘密裏にヒトラー命令の回避策を練っていました。
一方、フランス傀儡政府の出先シャトーブリアン郡庁には、150名の銃殺者リストを至急作成せよとの伝達が、届きました。
フランス人副知事は、収容者に政治犯や共産主義者の多いショワゼル収容所から同胞フランス人150人の銃殺a0212807_23332260.jpg者リストを精査せず適当に作りました。
そして銃殺されたのは、27名、収容所で最も若い17才のギィ・モケ(レオ=ポール・サルマン、犠牲の象徴としてパリ地下鉄駅に‘ギィ・モケ’の名が残されています)や収容所のまとめ役で皆なから慕われたリーダー格のタンボー(マルク・バルベ 1961~)、その他にも釈放当日が銃殺日で妻を収容所の外に待たせた青年など全員‘悪の恐怖’と戦い、苦渋と悲哀の表情を見せながら犠牲になりました。
銃殺される一人ひとりの表情をクローズアップで丁寧に映すシーンは、無力感で胸を締め付けられます。
a0212807_23463580.jpg若いドイツ国軍兵士の一人ハインリヒ(後にノーベル文学賞作家となるハインリヒ・ベルがモデル)は、理不尽な銃殺命令に対しその残酷さに耐えきれず、嘔吐して倒れてしまいました。
銃殺場に向かう27人一人ひとりから‘遺言・手紙・遺品’を預かる神父役のジャン=ピエール・ダルッサン(1953~ 「ル・アーヴルの靴みがき」)の渋い演技も秀逸です。
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彼が、ドイツ軍将校に‘命令の奴隷になるな’と諭すシーンを見て映画「ハンナ・アーレント」で哲学者ハンナの主張した‘凡庸な悪’を思い出しました。
同じようなやり切れない気持ちで私が、見たイタリア映画「やがて来たる者へ」も同じプロット(戦争の不条理)a0212807_2350950.jpgで、このイタリアの戦争映画もぜひ見ていただきたい残酷で理不尽な戦争映画の秀作です。
独裁者(絶対権力者)が、悪魔のような精神異常者(サイコパス)だった時代‥スイスの名優ブルーノ・ガンツは、傑作「ヒトラー、最期の12日間」で、誇大妄想と被害妄想という両極端の妄想で錯乱、精神のバランスを壊し思考と行動が、支離滅裂となった独裁者ヒトラーを本人と見紛うばかりの名演技で狂人ぶりを披露しています。(上・下写真:撮影中のシュレンドルフ監督)
ブルーノ・ガンツ演じる独裁者ヒトラーが、「自分は、国民に苦難を強制したことはない。 国民が自分を国家指導a0212807_23521560.jpg者(フューラー=独裁者)に選んだのだ。 ドイツ国民の破滅(死)など関心がない。 国民の自業自得だ。」と言い捨てる名シーンこそ国家権力の本質と思います。
私は、日本国民が、天皇の臣民として死ぬことを強制された軍事独裁国家の時代、その愚行(敗戦した戦争)への反省もなく、いまだお涙チョーダイで賛美するクダラナイ戦争映画は、ウンザリです。
巨匠小林正樹監督と名優仲代達矢主演による戦争映画不朽の名作「人間の條件」(1959~1961、6部構成でa0212807_10134444.jpg
9時間31分の長編)や名匠黒木和雄監督による「戦争レクイエム三部作」(3作品とも秀作こちら)のような見応えある新しい戦争映画の名作を心待ちにしています。
by blues_rock | 2015-08-15 00:05 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
日本の無惨な敗戦から70年、現在(いま)は、戦後なのか、また新たな大戦争の戦前なのか?‥雲行きが、まただんだん怪しくなってきました。(参考:集団的自衛権うんぬんの愚かさ
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毎年8月15日は、今を生きる私たち日本人にとって「敗戦メモリアル・デイ」‥愚かな戦争を二度としないために無条件降伏した敗戦を終戦記念日などという欺瞞的な表現、いい加減な言葉で誤魔化しちゃダメ!です。
今夜は、戦争の不条理、理不尽さ、残酷さ、滑稽さなど、とにかく愚かで悲しい戦争映画を描かせたらピカイチ
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の名監督、ドイツの巨匠フォルカー・シュレンドルフ監督(1939~ 「ブリキの太鼓」・「魔王」・「9日目」・「パリよ、永遠に」など傑作戦争映画の監督)が、昨年2014年に発表した新たな傑作戦争映画「シャトーブリアンからの手紙」(原題 La mer a l'Aube 夜明けの海)を紹介いたします。
a0212807_12201814.jpg私は、この映画を世界で起きたすべての戦争犠牲者の方々に捧げたいと思います。
シュレンドルフ監督は、代表作「ブリキの太鼓」で狂人独裁者ヒトラー率いるナチスドイツをグロテスクかつシュールな表現で、凶暴な権力の恐怖(悪の支配)、理不尽に抑圧された人間の悲劇を描き、独裁者と独裁者に暴力で支配された国家を痛烈に批判しました。
a0212807_122044100.jpgそして、シュレンドルフ監督の2014年新作「シャトーブリアンからの手紙」では、徹底したリアリズムで、ナチスドイツ支配下のフランス、シャトーブリアン郡にあった強制収容所での理不尽な見せしめ虐殺(史実)を描きました。
シュレンドルフ監督は、戦争中のフランスで起きた実話を静謐に見つめ、その史実を淡々とリアリズムに徹した演出で撮影しています。
a0212807_12213128.jpgこれに応えたブルガリアの撮影監督リュボミール・バクシェフ(1970~)の端正な映像も見事でした。
物語の骨子は、1941年10月、ナチスドイツ占領下にあったフランス古都ナントで1人のドイツ将校が、レジスタンスに暗殺されました。
ナチスドイツの独裁者ヒトラーは、報復(見せしめ)として即刻フランス人150名を銃殺するよう命令しました。
映画は、淡々とした語り口で報復の対象(見せしめなのでダレでも何人でもよかった)として銃殺されたフランス人27名処刑までの4日間を描いています。
a0212807_1223877.jpgフランスのシャトーブリアン郡ショワゼル収容所には、フランス国内の反ナチス抵抗運動で逮捕された政治犯や共産主義者たちが、収容されていました。
強制収容所にいる彼らが、ドイツ将校暗殺にも関与しているはずもなく、その不条理と理不尽さに見ている者の胸は、次第に締め付けられ苦しくなり、無力感でやり切れなくなります。
後編に続く)
by blues_rock | 2015-08-14 00:04 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)