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心の時空

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a day in my life

<   2014年 06月 ( 25 )   > この月の画像一覧

a0212807_21355059.jpg2014年6月最後の夜です。
一会一期‥袖擦り合うも他生の縁、今夜拙ブログにお立ち寄りいただいた皆様方に小椋佳の「六月の雨」(こちら)を捧げます。
by blues_rock | 2014-06-30 00:01 | 詩/短歌/俳句/小説 | Comments(0)
a0212807_12304481.jpg斬新な映画への発想ならびにスタイリッシュな映像感覚(映像革命と称賛)に満ちた映画「マトリックス」(1999~シリーズ3部作)の大ヒットにより一躍有名になったウォシャウスキー姉弟監督の初作品が、1996年映画「バウンド」です。
「バウンド」は、ラナ・ウォシャウスキー(1965~ 性同一性障害で女性に性転換する前はラリー)とアンディ・ウォシャウスキー(1967~)姉弟監督の初監督(脚本・製作総指揮も同姉弟監督)作品ながら‘栴檀は双葉より芳(かんば)し’の喩(たとえ)どおりフィルム・ノワール映画をスタイリッシュな演出と映像で一級のクライムサスペンス映画にしました。
マフィアの愛人ヴァイオレット役ジェニファー・ティリー(1959~ マイナーなインディペンデント系からメジャーの大作まで出演、何でもこなす名女優、ポーカーのスペシャリスト)の少し甲高い甘ったるい声とタトゥーだらけの元窃盗犯で刑期5年を終え出所した女コーキー役ジーナ・ガーション(1962~)のマッチョな立ち姿が、魅力的な映画でした。
a0212807_12375889.jpg映画の冒頭、エレベーターの中で塗装道具に作業服のコーキーが、紅い口紅にセクシーなドレスを着たヴァイオレットに見つめられながらマフィア幹部シーザー(ジョー・パントリアーノ 1951~ 「マトリックス」にも出演)と乗り合わせるシーンは、事件発生を予感させるイントロとしてすばらしい演出でした。
コーキーとヴァイオレットは、エレベーターで出遭った瞬間、お互い一目惚れし恋に落ち、シーザーの目を盗みながら二人は、レスビアンセックスを重ねました。
ある時、ヴァイオレットの情夫シーザーが、マフィアの金200万㌦をめぐる事件に巻き込まれました。
a0212807_12402695.jpgヴァイオレットは、コーキーにこの200万㌦を奪って二人で逃げようと提案しました。
シーザーとヴァイオレットが、住む隣の部屋を改装しているコーキーは、マフィアの金を横取りする危険(報復)に躊躇するものの、盗む気になっているヴァイオレットの手引きでシーザーの部屋から200万㌦を盗み出しました。
「テルマ&ルイーズ」を彷彿とさせる映画「バウンド」ですが、ウォシャウスキー姉弟監督の演出は、どこまでもスタイリッシュな「コーキー&ヴァイオレット」でした。
映画の最後「テルマ&ルイーズ」(1991年 リドリー・スコット監督)では、二人車の中で手をつなぎ、自分たちの世界へのアクセルを踏み崖からダイブしますが、「バウンド」は、コーキーとヴァイオレットの二人、真っ赤に塗り替えたトラックの運転席でしっかり手をつなぎ、熱いキスをして、マフィアから横取りした200万㌦を積み、二人の新天地に向け出発するというクールな演出が、爽快でした。
by blues_rock | 2014-06-29 21:30 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
ユニークな映画「レーニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」(こちら)の公開で日本にもファンの増えたフィンランドの映画監督アキ・カウリスマキ(1957~)が、監督・脚本・製作を一人で担った2002年作品「過去のない男」も人生の不条理をユーモアとペーソスで描いた秀作映画です。
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この映画は、カンヌ国際映画祭で審査員特別賞(グランプリ)を受賞、主人公‘過去のない男’(マルック・ペルトラ 1956~2007没)が、惹かれる救世軍スタッフのイルマを演じたカティ・オウティネン(1961~)は、同映画祭主演女優賞を受賞しました。        (下写真:撮影カメラの確認をするアキ・カウリスマキ監督)
a0212807_0352780.jpgカティ・オウティネンは、アキ・カウリスマキ監督2011年映画「ル・アーヴルの靴みがき」(こちら)で愛想のない無表情な妻の役を淡々と演じていましたが、「過去のない男」のイルマ役で名女優カティ・オウティネンの個性は、すでに発揮されていました。
‘過去のない男’役のマルック・ペルトラは、荻上直子監督の2006年映画「かもめ食堂」に出演した後、2007年に亡くなりました。
アキ・カウリスマキ監督の社会の底辺で生きる失業者やホームレス、身体に障害のある人など貧困層を思いやa0212807_0363633.jpgる気持と彼らを見つめる眼差しは、人間性(ユーモアとペーソス)に溢れています。
一方、社会的弱者への理不尽な暴力に対する憎しみと怒りに手加減はありません。
映画の冒頭、何か理由(ワケ)あり気な表情をした男が、夜の公園のベンチで休んでいるとチンピラ3人組の強盗に突然襲われ、サイフ(金目のもの)や身分証明書など身ぐるみ剥がれて殴る蹴るの暴行を受け瀕死の状態で病院へ担ぎ込まれました。
a0212807_0395361.jpg集中治療室のベッドに横たわる男の脈が止まり、医師は男の死亡を宣告するや看護婦と病室を出て行きました。
その直後、死亡したはずの男が、息を吹き返しました。
男は、頭に受けた暴力の後遺症で記憶を完全に喪失していました。
病院を出て街を彷徨(さまよ)う記憶喪失の男に声をかけ、自宅(と言っても廃棄された小さなコンテナ)に招き入れ「人生は前にしか進まない」と励まし、寝る場所と食事を提供する老夫婦を始め、アキ・カウリスマキ監督の映画にいつも登場
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する私利私欲のない善良な人たちが、「過去のない男」でも主人公の記憶を喪失した男といろいろな出来事を通して関わってきます。
貧しい人たちに食事や衣類を提供する救世軍のイルマ(カティ・オウティネン 上左と下写真)もその一人でした。
a0212807_042169.jpgアキ・カウリスマキ監督の相棒、撮影監督ティモ・サルミネンの撮る赤・青・緑・黄など原色を配した映像が心に沁み、人生の哀歓を感動的に表現しています。
アキ・カウリスマキ監督のポップ&ロックンロール音楽好きは、彼の映画を見ると分かり、「過去のない男」では、クレイジーケンバンドの曲(2曲)が、使われていました。
by blues_rock | 2014-06-27 00:48 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
イギリスの名匠リドリー・スコット監督(1935~)の1982年作品「ブレードランナー」を2007年スコット監督が、自ら総指揮をとり、ファイナル・カットしたニューヴァージョンの「ブレードランナー」を見ました。
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SFX映像のスペシャリスト、ダグラス・トランブル(1942~「2001年宇宙の旅」の特撮スタッフ)を迎え、デジタル最新技術を駆使しオリジナル・ヴァージョンにあった細かい撮影ミスを修正、フィルム映像をブラッシュアップし高画a0212807_20283433.jpg質映像にしました。
原作は、アメリカのSF作家フィリップ・K・ディック(1928~1982)の「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」で1982年封切り当時、映画は、前衛過ぎて一部のSF映画ファンを熱狂させただけでカルト映画扱いでした。
高層ビルの立ち並ぶ廃墟と化した都市に人口が密集、混沌としたアジア的な近未来社会を表現するためスコット監督は、かって日本に滞在した時、印象に残った新宿歌舞伎町のイメージを膨らませ、映画に日本語の看板や日本風俗、日本語の会話を多く取り入れました。                           (上写真:リドリー・スコット監督)
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サウンドトラックの作曲家ヴァンゲリス(1943~)によるシンセサイザー音楽も効果的でした。
2019年、環境が一段と悪化した地球の人類の大半は、すでに宇宙に移住していました。
a0212807_2033176.jpg地球に残された人たちは、都市部に集まり高層ビル街の隙間で密集して生活していました。
人類は、高度に進化した遺伝子工学を駆使し宇宙開発のために‘レプリカント’と呼ぶ人造人間(アンドロイド)を大量に製造、宇宙空間での過酷な労働に従事させていました。
a0212807_20333061.jpgレプリカントは、外見上本物の人間とそっくりでしたが、感情をもつ能力に欠けていました。
しかし、最新型レプリカントは、製造から数年経つと感情が芽生え、主人である人類に抵抗し反乱を起こすようになりました。
人間社会に紛れ込んでレプリカントの反乱を起こす彼らを処刑するのが、「ブレードランナー」と呼ばれる専任捜査官でした。
元ブレードランナーのリック・デッカード(ハリソン・フォード 1942~)は、人間と同じ感情をもつレプリカントを処刑するという仕事に疑問をもちすでに引退していました。
ある日、リックは、彼の優秀な能力を評価する元上司から「最新型レプリカントが、地球に侵入し反乱を起こしている。」と呼び出され「ブレードランナー」a0212807_20371570.jpgへの現役復帰を強要されました。
捜査のために最新型レプリカントの開発会社タイレル社社長に面会に行き、秘書のレイチェルに惹かれました。
人類に紛れこんだ侵入レプリカントを次々リックは、始末しました。
最後にレプリカントのリーダー、ロイ(ルトガー・ハウアー 1944~)と対決したときリックは、彼らが、地球に侵入した本当のミッションa0212807_20375117.jpg(命をかけた目的)を知りました。
映画ラストのシークエンスで見せるリックとロイの対決が、壮烈なので、リックとロイの別れに切ないものがありました。(右のシーン)
映画は、「床に置かれた小さな折り紙」を映して終わりますが、リドリー・スコット監督のダンディズム(美意識)を感じるエンディング・シーンです。
by blues_rock | 2014-06-26 00:25 | 映画(シネマの世界) | Comments(2)
a0212807_122477.jpg映画「ブエノスアイレス」(原題 「Happy Together」1997年 )は、アルゼンチンを舞台にした香港映画で香港の映画監督ウォン・カーウァイ(1958~) が、一人で監督・脚本・製作しています。
この映画でウォン・カーウァイ監督は、カンヌ映画祭で監督賞を受賞しました。
カーウァイ監督の演出手法は、脚本を俳優に渡さず撮影する前にメモで指示、俳優に即興の演技をさせて撮るのが、特徴です。
撮影監督のクリストファー・ドイル(1952~)は、手持ちのズームカメラを使用して撮影、スローモーション映像や手持ちカメラによる躍動感あふれる映像(2010年「海洋天堂」こちら)に特長があります。
美術・編集担当のウィリアム・チョン(1953~)は、耽美的で斬新な映像を創造するアートディレクターで「ブエノスa0212807_1212292.jpgアイレス」に彼の映像構成センスが、良く表われています。
男同士の愛(ゲイ)が、主題の映画なのでカーウァイ監督から出演の依頼を受けたトニー・レオン(1962~)は、最初「同性愛者役はできない」と断ったそうです。
同じく主演のゲイ役、レスリー・チャン(1956~2003没 自死)のトニー・レオンと絡むラブ・シーンは、迫力満点で、映画を見ていて恥ずかしくなるくらいa0212807_12132651.jpgの熱演でした。
ファイ(トニー・レオン)とウィン(レスリー・チャン)は、お互い惹かれ合いながら相手を傷つけることしかできない恋人(ゲイ)でした。
ウィンは、ファイに何度も‘やり直そう’と迫り、そのたびにファイは、ウィンを突き放しますが、ファイもまたウィンと別れることはできませんでした。
二人は、‘やり直す’ためにアルゼンチンに向かいました。
a0212807_12144141.jpgブエノスアイレスで仕事を得て暮らし始めますが、二人の諍いは、絶えませんでした。
カーウァイ監督は、男と男(ゲイ)の刹那的な愛を観察するような視点で見つめファイとウィン二人に密着した撮影カメラが、二人の感情のデリケートな動きを見事に映していました。
a0212807_1215756.jpg夜のブエノスアイレスを背景にして流れるピアソラの哀愁あるタンゴのメロディが、男と男(ゲイ)の行き場のない刹那の愛をさらに切なく奏でます。
映画のラスト、香港に戻ったファイと香港の街をバックに「Happy Together」(1967年 タートルズ)が、流れて映画は、終わります。
ゲイならずとも愛する相手に自分の愛が伝わらない‘愛の切なさ’をリアルに表現した秀作映画でした。
by blues_rock | 2014-06-23 00:23 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
「ギルバート・グレイプ」(原題 What's eating Gilbert Grape)は、スウェーデンの映画監督ラッセ・ハルストレム(1946~)が、撮った1993年の傑作映画です。
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撮影は、スウェーデンの撮影監督スヴェン・ニクヴィスト(1922~2006没 1988年「存在の耐えられない軽さ」の撮影監督 こちら)で、若い時から巨匠イングマール・ベルイマン監督(1918~2007)作品の撮影監督を務め、世界a0212807_2219719.jpg中の名監督が、スヴェン・ニクヴィストに撮影監督を依頼しました。
出演した俳優たちも今では有名俳優になりましたが、映画公開当時、主人公ギルバート・グレイプ役のジョニー・デップ(1963~)は30才、弟アーニー役のレオナルド・ディカプリオ(1974~)が19才、ギルバートの恋人ベッキーを演じたジュリエット・ルイス(1973~)は20才でした。
ジョニー・デップ、レオナルド・ディカプリオ、ジュリエット・ルイス三人の若々しさとハルストレム監督の演出に応えた三者三様の演技は、すばらしく彼らの俳優人生における最高の演技と言えるでしょう。
とくに重度の知的障害をもつアーニー役レオナルド・ディカプリオの演技は、秀逸でディカプリオ出演作品の中で最高の演技と私は思います。
ギルバートに関係を迫るカーヴァー夫人役のメアリー・スティーンバージェン(1953~)、4人兄妹の母親で260㌔a0212807_22273061.jpgの超肥満体ゆえに家に引きこもる母ボニー役のダーレン・ケイツ(1947~)二人の存在も出色で印象に残りました。
「ギルバート・グレイプ」は、間違いなく映画史に残る傑作映画なので、ぜひ一度ご覧いただきたいと思いますが簡単に物語を紹介いたします。
ギルバート・グレイプは、自分が生またアメリカ中西部アイオワ州の小さな町で家族と一緒に住んでいました。
a0212807_22385583.jpg彼の家族は、重度の知的障害をもつ弟アーニー、父親の自殺から7年ショックで過食症となり肥満で身動きとれない母、二人の妹の4人でした。
ギルバートは、町の食料品店で働きながら家族の面倒を見ていました。
ある日、移動途中のトレーラー(大型キャンピングカー)一行の車一台がエンジンの故障でギルバートの町にしばらく滞在することになり、彼は、そのトレーナーで暮らす若い女性ベッキーと出遭いました。
a0212807_22393286.jpg貧しい暮らしの中でグレイプ家の家族が、お互いを思いやり、近隣の善良な友人たちとつつましく暮らしていく日常をハルストレム監督とニクヴィスト撮影監督の二人は、愛情豊かにアイオワの大自然を背景にして抒情的な映像で撮影しています。
by blues_rock | 2014-06-22 00:54 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
アメリカの俳優ロバート・レッドフォード(1936~)が、1980年映画監督デビューした初監督作品「普通の人々」は、いきなりアカデミー賞作品賞、監督賞、助演男優賞(ティモシー・ハットン)、脚色賞(アルヴィン・サージェント)の4部門で受賞しました。
映画のプロットは、息子(長男)を亡くした夫婦と兄を亡くした弟(次男)三人家族の喪失感を描き、残された家族a0212807_2305623.jpgにわだかまる三者三様の心理劇として映画は、展開していきます。
シカゴ郊外で暮らす弁護士のカルヴィン(ドナルド・サザーランド 1935~)とベス(メアリー・タイラー・ムーア 1936~)夫婦は、結婚して21年、二人の息子に恵まれて傍目には仲睦ましい夫婦でした。
ある日、湖でセーリングしていた長男バックと弟コンラッド(ティモシー・ハットン 1960~)兄弟のヨットが、嵐で転覆事故に遭い、長男のバックは、溺死しました。
母ベスにとって溺愛していた長男バックの死は耐えがたく九死に一生を得て助かった次男コンラッドに冷たい態度でよそよそしく接しました。
弟コンラッドは、兄を救えなかった自責の念で苦悩、自殺未遂をおこし精神病院に入院しました。
17才のコンラッドは、4か月後ハイスクールに戻り、聖歌隊のメンバーになりましたが、罪の意識から解放させず遭難時の悪夢を見てはうなされる後遺症に苦しみ精神分析医に通っていました。
a0212807_243251.jpgコンラッドは、精神病院で一緒だった患者のカレンと街で久しぶりに会い、彼女の元気そうな姿に安心しました。
コンラッドもハイスクールの聖歌隊で仲良くなったジーニン(エリザベス・マクガヴァン 1961~)に魅かれ少しずつ明るくなりました。
クリスマス休暇となり街で偶然遭ったカレンにお祝いの電話を入れると彼女の家族からカレンの自殺を知らされたコンラッドは、パニックとなり自己喪失、嫌っていた精神分析医のもとへ駆け込み助けを求めました。
精神分析医から「兄の事故死は、君の責任ではない。自分を責めてはいけない。」と諭され心の落ち着きを取りa0212807_2475052.jpg戻したコンラッドは、その足でジーニンを訪ね‘手首の傷痕’(自殺未遂)のことを話しました。
ある晩、コンラッドは、リビングの母に自分から近づき初めて母ベスにキスをしました。
ベスは、息子コンラッドの態度に驚きながらハグするわけでもなくぎこちない姿勢でじっとしていました。   (上写真2枚:ティモシー・ハットンに演技指導するロバート・レッドフォード監督)
その一部始終を見ていた父カルヴィンは、その夜寝室を抜け出し部屋の片隅で一人泣いていました。
カルヴィンが、居ないことに気付いたベスは、暗い部屋の隅で泣く気丈で冷静な夫の姿に当惑しました。
カルヴィンは、妻のベスにこれまで自分を抑えて言わなかった本心を伝えました。
a0212807_253136.jpgベスは、早朝家族に何も告げず、荷物をもって黙って家を出て行きました。
息子コンラッドは、憔悴し無言で庭に佇む父カルヴィンを見て静かに父を抱きました。
長編映画初出演で次男コンラッドを演じアカデミー賞助演男優賞を受賞したティモシー・ハットンは、心やさしく内向的な若者の心理を上手く表現しています。(上写真:メアリー・タイラー・ムーア と打ち合せるレッドフォード監督)
映画初監督ながらロバート・レッドフォード監督の演出センスが、光る秀作映画です。
by blues_rock | 2014-06-21 01:30 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
a0212807_1532268.jpg初期伊万里についてはこちらをご覧ください。
私が、次に‘金継ぎ’しようと教材として手に入れました。
初期伊万里の‘金継ぎ’挑戦は、以前(こちら)にも書きましたが、いまだ完成に到りません。
サボリ癖を改め、できるだけ早くご覧いただけるよう努力したいと思います。
皿は、三つに割れ、右中下の部分が、‘呼び継ぎ’されています。
流麗な筆つかいの染付絵が、美しいと思います。
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高台(こうだい)が、く低いのも初期伊万里の特長です。
砂を撒いて焼成した高台の砂跡もくっきりしています。
by blues_rock | 2014-06-19 00:30 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
ロシア映画の巨匠ニキータ・ミハルコフ監督(1945~)が、自ら脚本を書き主演、監督した2011年作品「遥かなる勝利へ」は、1994年作品「太陽に灼かれて」(ニキータ・ミハルコフ監督の製作・脚本・主演・監督 こちら)、2010
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年作品「戦火のナージャ」(ニキータ・ミハルコフ監督、共同脚本・主演・監督)から続く現代ロシア史(ソ連共産主義体制時代の暗黒の歴史)を描いた三部作の戦争叙事詩です。
a0212807_2236321.jpgその戦争三部作のリアリティ溢れる映像叙事詩は、人間の愚劣極まりない悲劇、一方で自らの命を迷うことなく捨て、最愛の者を救う崇高な愛という二律背反する人間の普遍をドラマチックに表現しています。
ロシア革命の英雄コトフ大佐(ニキータ・ミハルコフ)、その娘ナージャ(ナージャ・ミハルコフ 1986~ ニキータ・ミハルコフの実娘)、自分の恋人であったマルーシャが、コトフa0212807_22375543.jpg大佐の妻となり娘ナージャを生したことでコトフ大佐に付きまとい反スターリンの政治犯として強制収容所へ投獄するソ連国家秘密警察の将校ドミートリ(オレグ・メンシコフ 1960~)の三人が、三部作の中心人物です。
三部作最後の「遥かなる勝利へ」は、1943年、かってロシア革命の英雄であったコトフ大佐が、ソ連軍‘懲罰部隊(政治犯や犯罪者で編成された使いa0212807_22384399.jpg捨ての戦闘部隊)’ の一兵士としてナチスドイツ軍との激戦地にいました。
コトフ大佐は、ソ連共産党書記長スターリンによる大粛清の犠牲者でした。
そのころナージャは、最愛の父コトフ大佐の死の通知にそれを信じず、自ら最前線の従軍看護婦に志願、ドイツ軍との戦地に赴きました。
a0212807_22412137.jpgある日、難攻不落のドイツ軍要塞を取り囲む懲罰部隊に、酒(ウォッカ)を飲んでベロンベロンに酩酊(メイテイ)している督戦隊(殺戮への恐怖心で逃げる味方兵士を銃殺する部隊)の指揮官が、何を思ったか、突然丘のドイツ軍要塞を攻撃せよ、正面突破して要塞を陥落させよ、と犬死に同然の無謀な(ムチャクチャな)命令をしました。
ミハルコフ監督は、ソ連が国家崩壊する以前、スターリン独裁下、共産主義社会の陰湿で悲惨な現実を正面かa0212807_22432286.jpgら見すえリアルに描いています。
共産主義思想の名目で権力者の私利私欲のため、目障りなものはすべて、国家秘密警察(KGB)が難クセをつけ(罪をデッチあげ)政治犯(反共産主義の思想犯)として逮捕、強制収容所へ送り(現在の中国・北朝鮮)、使い捨ての懲罰部隊を編成、最激戦地の前線へ派兵するということをソ連共産主義国家は、平然と行ないました。
a0212807_22444797.jpg無謀な突撃命令に怖じ気づき、逃げ帰る味方の兵士たちを後方の督戦隊(銃殺部隊)が、次々に銃撃射殺していくシーンは、神も仏もない悪魔の仕業を思います。
スターリンの命令を受けたドミートリは、前線にいるコトフ大佐を捜し出しスターリンの元へ連れて行きます。        (下写真:この三部作は、女優ナージャ・ミハルコフの成長の記録としても貴重です。)
a0212807_22451885.jpgスターリンは、コトフを中将に昇級させ、前線の懲罰部隊を率いて難攻不落のドイツ要塞を陥落せよと命じました。
中将となったコトフは、ソ連陸軍の正装をして前線に赴きました。
ここから娘ナージャと父コトフが再会するラストまでのシークエンスは、ぜひ映画をご覧いただきニキータ・ミハルコフ監督の切なくも深い愛を感じて欲しいと思います。
by blues_rock | 2014-06-18 00:18 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
a0212807_13135843.jpgヴェトナム戦争などをテーマに社会派の映画監督としてアメリカ社会の負の部分を赤裸々に撮ってきた名監督オリバー・ストーン(1946~)の2013年日本公開映画「野蛮なやつら / SAVAGES」は、ハードボイルド・タッチのクライム・アクション映画です。
植物学者ベン(アーロン・ジョンソン=ジョンソン 1990~ 2009年映画「ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ」を主演、ジョン・レノン役は良かった)と元海兵隊のチョン(テイラー・キッチュ 1981~)は、無二の親友で、ベンの植物に対する知識とチョンの戦闘能力を生かし、高品質大麻の栽培ビジネスに成功しました。
厚い友情で結ばれた二人は、恋人オフィーリア(ブレイク・ライブリー 1987~ )との愛(セックス)も関係も共有、
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南カリフォルニア、ラグナ・ビーチの豪邸で男女3人の奇妙な同棲生活を送っていました。
ある日、メキシコに拠点を置く巨大麻薬組織の女ボス エレナ(サルマ・ハエック 1966~)は、ベンとチョン二人が扱う高純度大麻に目を付け‘業務提携’と称した名目上の契約を強引に持ちかけてきました。
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‘業務提携’とは、名ばかりでエレナの意を受けた代理人ラド(ベニチオ・デル・トロ 1967~)は、傍若無人に二人を脅迫、‘組織への非協力者たち’を処刑した残虐非道なビデオ映像を送り付け、人質としてオフィーリアを誘拐しました。
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これに州警察の麻薬取締官デニス(ジョン・トラボルタ 1954~)が絡み、三つ巴の壮絶な攻防戦を展開していきます。
大麻栽培というベンチャービジネスで成功したベンとチョンの偽善ぶり‥麻薬取引の収益でアフリカ貧困地域のa0212807_1318781.jpg慈善事業に精を出す一方で、非合法大麻の密売を広域化、マネーロンダリングしながら莫大な収益で酒と女(セックス)と暴力に明け暮れています。
この映画の見どころは、脇を固める(というより準主演の)ベニチオ・デル・トロとジョン・トラボルタの二人です。
劇中思わずブラボー!と拍手したくなるくらい見事な名役者ぶりを発揮しています。
ベニチオ・デル・トロの強烈な‘野蛮(サベージ)ぶり’が、実に秀逸で、汚職警官ジョン・トラボルタのユーモアとa0212807_13214725.jpgペーソス漂う雰囲気に末期ガンの妻を抱える中年男の侘びしさに味がありました。
ストーン監督の荒々しい映像は、治安の悪いアメリカ南部とメキシコ国境沿いの野蛮な空気感を生々しくリアルに表現していました。
by blues_rock | 2014-06-16 00:10 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)