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心の時空

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a day in my life

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モイズ・キスリング(1891~1953没、享年62才)は、ポーランド出身でエコール・ド・パリの画家です。
同じエコール・ド・パリの画家モジリアニは、イタリア出身ながら同じユダヤ系で7才年下のキスリングを弟のように接し可愛がりました。
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                       縞のセーターを着た少年(キスリング)
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                   赤いセーターを着たモンパルナスのキキ(キスリング)
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                         キスリングの肖像(モジリアニ)
by blues_rock | 2011-10-31 21:14 | 美術/絵画/彫刻 | Comments(0)
a0212807_21424538.jpg映画の話が続きましたので、今日は秋の夜に似合うロックの名曲「哀愁のヨーロッパ」(サンタナ)について書きます。
昨年秋、カルロス・サンタナ(1947~)のニューアルバム「ギター・ヘブン」が、リリースされたので一刻も早く聴きたくて福岡市天神のタワーレコーズに行きました。
大きな店舗なので探すのが、煩わしく(昔はレコードショップに一日中いても平気でしたが‥)カウンターで若い店員嬢に「サンタナの新しいCDください。」と伝えたら「サンタナ?‥サンタナですか?」と聞き返され、目をパチクリでした。
ロックバンド「サンタナ」を知らない若い世代が、増えたことに歳月の流れを感じました。
「サンタナ」は、1960年代終わりサンフランシスコの「フィルモア」でデビューし、1969年のロック野外コンサート「ウッドストック」で一躍有名になりました。
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              <オリアンティ(MJの映画「This is it」のギタリスト)とサンタナ>
1970年2枚目のアルバム「天の守護神(Abraxas)」が、大評判となり「ブラック・マジック・ウーマン」・「君に捧げるサンバ」など大ヒット、サンタナはラテンとロックを融合させ彼独自のラテンロックを生み出しました。
a0212807_21473083.jpg1972年には、アルバム「キャラバンサライ(Carabanserei)」を発表、レコードに針を落とすと‥しばらくして、コオロギの鳴き声が聴こえてきます。
その静寂にギターの澄んだ音色が重なり、ギターの一音一音が耳の奥深くに染み渡っていきます。
このジャズとロックの融合は、いま聴いても精神性が高く新鮮です。
2010年アルバム「ギター・ヘブン」は、全14曲すべてロックの有名曲カヴァーで、ロックギター・マエストロ、カルロス・サンタナをじっくり堪能できます。
1976年発表の「哀愁のヨーロッパ」は、メロディが美しくサンタナを聴いたことのない人にお薦めの曲なので興味のある方は、ぜひ聴いてみてください。
カルロス・サンタナの奏でるギターの音色が、秋の夜更けに切なく哀しく響きます。
by blues_rock | 2011-10-30 00:30 | 音楽(Blues/Rock) | Comments(2)
今年始めに見たトニー・スコット監督とデンゼル・ワシントンによる新作「アンストッパブル」(2010)を紹介します。
このコンビによる2004年の映画「マイ・ボディガード」のキレの良い構成とスピード感溢れる映像カットに惹かれ「マイ・ボディガード」は、何度も見ました。
映画「アンストッパブル」のストーリーは、人為的なミスで機関車が突然動き出し、全長800mの貨物列車を引きながら暴走始めたところからスタートします。
その暴走列車を止めるため危険を顧みずに暴走列車に乗り移ろうとするベテラン機関士と若い車掌の手に汗握るスリル満点のクライム・アクション映画でした。
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映画が始まると機関車が不気味に動き始め暴走、機関士と車掌それぞれの人間模様がからみながら映画は展開していきます。
二人とも命の危険を顧みないで暴走列車に挑み、機関車を住宅密集地の寸前で止めると映画も終わるという単純な映画です。
トニー・スコット監督の個性的な映像センスとテンポの良い音楽により、映画の展開にキレとスピードがあり、迫力溢れる映画でした。
才能ある俳優は、名監督の演出に出会うことで見事な演技を見せてくれます。
トニー・スコット監督とデンゼル・ワシントンのコンビは、その良い例です。
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「クラディエーター(2000)」・「ロビンフッド(2010)」のリドリー・スコット監督(トニー・スコット監督の実兄)とラッセル・クロウも同じことが言えます。
ルキノ・ヴィスコンティ監督(1906~1976没、享年70才)の映画に続けて主演し、演技指導を受けたヘルムート・バーガー(「地獄に落ちた勇者ども」・「家族の肖像」・「ルードリッヒ」など)は、ヴィスコンティ監督が亡くなると、いつの間にかスクリーンから消えてしまいました。
余談ながら、いま私が注目している俳優は、「ハートロッカー」(2010)に主演したジェレミー・レナー(1971~40才)で、目の表情がすばらしいと思います。
by blues_rock | 2011-10-29 21:23 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
カナダ人女優サラ・ポーリー(1979~32才)の初監督作品映画「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」が、2006年に公開されたとき彼女は、若干27才でした。
シリアスなテーマですが、秀作でとても初メガホンとは思えないサラ・ポーリー監督の演出の冴えに、彼女の才能を感じました。
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映画は、認知症(アルツハイマー病)を発症した老妻と彼女を介護する夫の老夫婦の物語です。
きっとこれから、私たちの身近でどの家族(家庭)にでも起きるだろう現実を、認知症の老妻と介護する夫この老夫婦二人の現在(いま)と過去を見つめ、予想される近未来を冷静に淡々と映します。
結婚45年になる老夫婦は、これまでお互い愛し合い、満ち足りた生活を送っていました。
だがある日突然、老妻にアルツハイマー病の症状が表われました。
物忘れが多くなり、日常生活にも支障が出てきた妻を、夫は、じっと辛抱強く見守りますが…自分に起きていることが分からない不安な妻は、自らの意思で認知症介護施設に入り、面会に行った夫も分からなくなりました。
a0212807_1339411.jpgやがて妻は、同じ施設にいるアルツハイマーの初老の男を好きになります。
どんなに仲の良い夫婦でも、お互い相手に少し不満はあるもの、その不満を押さえているのが、一緒に暮した歳月と共通の記憶(思い出)でした。
もしある日突然、その記憶(思い出)が失われた夫婦の間と絆(きずな)は、どうなるのか‥この映画を見ている人に問いかけていました。 
病気(認知症)の妻は、やさしく介護し身の回りの世話をする夫をだんだん忘れていき、夫は、もしかしたら妻は、自分の過去の浮気をいま罰しているのではと嫉妬心から疑いました。
45年間の夫婦生活と言う長い人間関係が、壊れて始めていく時、その悲しみの中にそれまで見えなかったお互い人間本来のエゴイズムや相手を深く慈しみ、そして思いやる愛情が分かってくるものかもしれないとメッセージするサラ・ポーリー監督の眼差しがリアルでした。
カナダの美しい冬景色とその冷たい空気が感じられるような透明感溢れる映像と俳優たちの自然で静かな演技、感情移入しないクールな演出は、この才媛監督の次回作を楽しみにしています。
2009年映画「スプライス(結合)」では、女優サラ・ポーリーとして主演し、生体間遺伝子組換え学者を名演していました。
by blues_rock | 2011-10-28 20:41 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
a0212807_11243679.jpg2007年カンヌ映画祭で最高賞パルムドールを受賞した映画ですが、日本で上映された映画館は、全国で14館でした。
文化都市を自称自賛する首都東京ですら2館だけ‥文化都市って一体何なのでしょうか。
映画は、アイルランド民謡「麦の穂をゆらす風」にのって展開されます。
1920年代のアイルランドが舞台‥イギリスの圧政下で自由と独立のために抵抗運動に身を投じ、多くの仲間と友達を失う兄弟の物語です。
抵抗運動に興味のなかった医者の弟も抵抗運動のリーダーで尊敬する兄の影響を受けレジスタンスに参加します。
イギリスの手先である地主に脅迫されて、仲間を裏切り密告した幼馴染みを自ら処刑し号泣する弟の切なさが、胸を打ちます。
アイルランド独立運動に多くの同朋同志が犠牲となり、自治政府は樹立されました。a0212807_11261931.jpg
自治と自由独立のためにアイルランド自治政府は、支配者であったイギリスから多くの苦渋に満ちた妥協を迫られます。
老練狡猾なイギリス(大英帝国)と不平等な平和条を締結せざるをえなくなり、祖国アイルランドは北と南に分割統治され、独立した途端に内戦に向かうアイルランド共和国‥レジスタンスの仲間や友達の苦悩と悲しみ‥そしてアイルランド共和国自治政府に抵抗し反乱する弟、自由と独立のためにイギリスと妥協し反対派を弾圧する兄、弟にレジスタンスのアジトを教えよと拷問し、そして処刑する兄、拷問され処刑される弟‥現在まで続くアイルランド内戦の80年前の現実がありました。
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自由も平和は、与えられたものではなく愛する家族・信頼する友達や仲間たちの骨砕かれ、肉斬られ、血を流してできているアイルランドの歴史が、良く分かる映画でした。
U2(ボーノ)の北アイルランドへの強い愛国心は、そんな歴史にあると思います。
DVDがありますのでぜひ一度ご覧ください、推薦いたします。
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現代日本の繁栄も66年前、国家に騙された多くの家族と同朋たちの犠牲・悲劇の上に成り立っているのですが‥平和ボケして弛緩(しかん)した頭には、犠牲になった人たちの怨念にも、いま身の回りに蔓延している愚劣なものにも気が付かないのかもしれません。
by blues_rock | 2011-10-27 20:15 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
未明に目が覚めて眠れないので、サイトニュースを見ていたら、JA全中(農協の全国組織)が、TPP反対の国会議員356人(国会議員の50%)の名前を公表とありました。
呉越同舟の「反TPP丸」に乗船していたのは、次の選挙をネタに脅された平成大政翼賛会の議員たちでした。
a0212807_5425879.jpgサイトニュスを読んでみたら、国会議員としての「国家百年の経世済民大計」の理念など微塵もなく、次の選挙対策に「TPP反対で清き一票」をゲットしたいだけのMBA国会議員(MまるでBバカAアホウな国会議員の敬称)のリストが、計らずも公表されたわけですから、主権者にとって次の選挙投票の選考基準にしたら大いに役立つことでしょう。
8月28日の拙ブログ「私が政治に求めるマニュフェスト」で提案しましたが、衆・参の国会議員722人を△322人減員し、国会議員総数400人で緊張感を高め、政治家のレベルアップ(=政治の質の向上)を図るべきでしょう。
国会のコストカットで200億円(年収+諸経費)を節約し、その見合い財源で概ね1万人の雇用創出(年収2百万円/1人)ができ、失業している国民1万人を幸せにできます。
政治(立法・行政)は、国民を幸せにする道具なのですから、道具の手入れと管理を日ごろからきちんとやっておかなければ、私たちは幸せにはなれません。
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ヤフー・ニュースを転載すると「全国農業協同組合中央会(JA全中)は25日、環太平洋連携協定(TPP)交渉参加に反対する請願を衆参両院議長に提出したと発表した。 両院議長への提出には国会議員の紹介が必要で、紹介議員356人の名前も併せて公表した。民主党の前農林水産相や自民党の元首相らが名を連ねた。JA全中によると、請願ではTPPは農林水産業を行う地域経済や社会の崩壊を招く恐れがあるなどとして、不参加を求めた。JA全中は、紹介議員の名前を組合員に提供し、選挙の判断材料として活用してもらう考えだ。 紹介議員は、民主党が前農水相や最高顧問ら120人。 自民党は元首相や元官房長官ら166人と最も多かった。 公明党は幹事長ら25人、共産党が委員長ら15人、社民党が党首ら10人、国民新党が代表ら4人など。」が、要旨でした。   (下写真:農協組織の本丸、大手町の新JAビル)
a0212807_54439.jpgウルグアイラウンドでは、農協グループは自民党政府から6兆円という莫大な農業予算(バラマキ補助金)を獲得しましたが、国内農業を振興し競争力を強化するどころか、日本農業の基本問題をすべて先送りし産業としての農業基盤をさらに衰退(=生産力を低下)させてしまいました。
今回のTPP反対のスローガンも農業補助金と組織防衛が、見え見えで目的化しており、溺れる者はワラをもつかむの例えどおり、かき集めた国会議員の名前を見ると形(なり)ふり構わず無節操、国家百年の「食と農」の基本理念などカケラもありません。
農協は、農家組合員が幸せになるための道具です。
道具のために日本の農業があるのではないと国民(主権者とくに納税者・消費者)は、とっくに考えています。
農協(JA)全国組織の総本山、大手町のJAビルは、まさしく伏魔殿(ふくまでん)‥全国農家組合員の協同組合である農協のビルですが、組合員に自由解放されておらず中からの手引き(セキュリティ解除)がないと自分の意思で自由にビル内各階フロアへの出入りはできません。
農家組合員に「米を自由に生産させない」減反を強制し「米を自由に売らせない」食管制度のお先棒を担いで38万hの農地を放棄したまま、国内農業を壊滅させる自由貿易TPP反対はないでしょう。
東京の高層ビルにいないで、全国に拡散していく限界集落の「山を見よ!野を見よ!」、どこに日本農業の未来がありますか?と目の前で荒廃していく農地を見て、山裾で暮らすヘソマガリな隠遁者は思います。
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拙ブログ10月15日・16日・17日三夜連続で「TPP提言(経済/生活)」に書きましたが、日本のTPP参加・不参加に関わりなくTPP加盟国はTPP共同体構想を推進していくでしょう。
日本の製造業は、TPP加盟国へ海外移転し、国内の工場は閉鎖され、やがて全国各地の至るところで失業者が溢れることになるでしょう。
失業保険の財源は底をつき、年金もパンク、国家財政は△1,000兆円の債務超過‥ギリシャやイタリア・スペイン・アメリカの債務超過の比ではなく、世界最悪の国になろうとしています。
a0212807_2232983.jpg右の図は、OECDが発表したGDP(国民総生産)比の国家債務(財政赤字)の現状です。
いずれにしても今のままでは、日本は国際社会から排除され、世界経済・国際政治・東アジア地域において、日本の国力は低下し、国家として日本の存在も衰退していくでしょう。
近い将来、確実な現実となって日本社会にズッシリと負(マイナス)のリスクとして重く圧しかかってきます。
1933年国際連盟脱退‥1940年大政翼賛会‥1945年敗戦、いつか来た道、歴史に学ばないものは、いつも同じ過ちを繰り返します。
いまならまだ間に合います。
税金を払い日本国籍を有する主権者は、1票の主権を道具として使い、もう少しマシな政治家を選びみんなで厳しく育てましょう。
by blues_rock | 2011-10-26 04:24 | 経済/政治/世界 | Comments(0)
山口薫(1907~1968没、享年61才)の絵を最初に見たのは、十代の終り頃、福岡の画廊で見た「太陽(または月)と馬」の油彩画(6号)でした。
当時、大学の美術部に所属、学業そっちのけでせっせと油絵を描いていましたので、絵の勉強に良く美術館に行き市内の画廊を回っていました。
山口薫の絵を見てから、自分の描きたいと思う絵がやっと分かりました。
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それまで私は、好きな画家の好きな絵であっても、どうしても欲しいと思うことはあまりなく、気に入った絵の前でゆっくり観賞できればそれで満足でした。
私が、他人(ひと)の描いた絵を欲しいと思ったのは、山口薫の絵が最初でした。
もちろん手に入れることはできませんでしたが、せめてもの願いとして全国の美術館や画廊で多くの山口薫の絵を見てきました。
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とくに、彼が亡くなるまで、晩年10年間(50代)に描いた絵は、今でも私の好きな絵です。
絵からフォルムは解かれ、自由なカタチが色彩を言葉にして、キャンバスに詩を描いています。
フォルムはあってないような‥色彩と線と塗り残しの不思議なハーモニー、詩人山口薫が、キャンバスに描いている絵は、画家山口薫の詩でした。
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いままで海外や国内の美術館で、多くの絵を見てきましたが、山口薫の絵は、いつ見ても私の心にドキドキする感動を与えてくれます。
「あや子あやとり」(6号、上の写真)や「竹林の少女」(100号)は、いまどこにあるのでしょうか‥もう一度目の前で見たいものです。
a0212807_19575972.jpg山口薫は、デッサン帖やノート、メモ紙の余白などにつぶやくような詩や独り言のような心情を短い言葉で書き残しています。
「残しておきたいものがある/私の手垢である/自分のために」
「山桜/只花は咲いていたぞ/水が流れるように」
「祈りとは」
「みんな忘れてしまった」
「物質に対するはかない精神の抵抗-芸術」
「僕の絵は崩れ出した/とめどもなく」

西行が、「もろともに/あはれと思へ/山ざくら/はなより外に/しる人もなし」と詠った歌を山口薫は、晩年のノートに書き遺しています。
by blues_rock | 2011-10-25 20:56 | 美術/絵画/彫刻 | Comments(0)
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バルチュス(1908~2001 こちら)が、1945~46年に描いた大作「美しい日々」です。
1984年京都で開催されたバルチュス展を見て、バルチュスの描く少女たちの妖しい美しさに眩惑しました。
他にも「夢見るテレーズ」・「ギターレッスン」などバルチュス独自の感性に魅入られました。
美しいものには、危(あやう)く、儚(はかな)いものもあります。
by blues_rock | 2011-10-24 01:14 | 美術/絵画/彫刻 | Comments(0)
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海老原喜之助(1904~1970)の1934年作品「ポワソニエール」で、宮城県立美術館に展示されている「洲之内コレクション」の名画です。
海老原喜之助には、他に「馬と少年」をモチーフにした数枚の傑作があります。
by blues_rock | 2011-10-23 14:48 | 美術/絵画/彫刻 | Comments(0)
いまニューヨークのウォール街で、金融富裕層への市民抗議デモが、続いています。
不景気で失業率が高く、仕事がないこと(無収入)にイラ立つ市民の怒りは、ウォール街に向けられています。
そんな光景を見て、マイケル・ムーア監督(1954~)の2009年映画「キャピタリズム~マネーは踊る」を思い出しました。
ムーア監督は、2002年の映画「ボウリンク゜・フォー・コロンバイン」でアメリカの銃社会を皮肉たっぷりに告発し2004年の映画「華氏911」では、当時の天敵であったアメリカ合衆国大統領ブッシュをネタに、彼の偏狭な傲慢さと単細胞の能無しぶりを映像演出で徹底的にからかい痛烈に政治批判しました。
ムーア監督の理不尽な社会と不正な権力に対する反骨・反戦の精神には、心底性根が座っています。
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今回の敵(標的)は、イカサマな市場原理主義を‘錦の御旗’のごとく振りかざし、サギ金融でアメリカ経済と世界経済を不況のどん底に陥れた‥強欲なキャピタリズム(資本主義)の象徴ウォール街でした。
サブプライム問題で金融パニックを引き起こし、未曾有の世界経済恐慌(世界同時不況)の発端となったルールとモラルのないニセの自由主義経済を辛辣に糾弾しています。
2008年夏、アメリカでサブプライム・ローンが崩壊、住宅市場価格の大暴落により9月15日リーマン・ブラザーズ投資銀行が倒産、他のメガバンクも青息吐息の倒産寸前となりました。
マイケル・ムーア監督は、ウォール街のメガバンクや証券会社へアポなし突撃取材を行いその突入の様子を撮影し映画にしました。
映画は、冒頭からアメリカ市場原理主義経済の実態である社会的弱者搾取の現実を映し出しています。
a0212807_0253743.jpg映画全体から溢れ出るマイケル・ムーア監督の怒りのホコ先は、世界同時不況の元凶で巨額の公的資金(税金)を使いながら納税者である大量の労働者を失業に追い込んだ投資銀行・生命保険会社・証券会社に向けられウォール街へ「金返せ!」とデモ行進を行います。
カトリック教徒でもある彼は、大衆に影響力をもつ神父たちに「資本主義(キャピタリズム)は邪悪であり、神の教えに反している」と映画カメラの前で公言させます。
2時間にも及ぶ超辛口のアメリカ社会批判のドキュメンタリー映画から、アメリカ建国の基本精神である「自由・平等・博愛」の国家原則は、断固守るという彼の気概(価値観)が映画からヒシヒシと伝わってきました。
サウンドトラックの音楽センスも良くイギー・ポップのパンクロック「ルイ・ルイ」で始まりウッディ・ガスリーのフォークソング「ジーザス・クライスト」で終わります。
中でも50年代から70年代にかけて世界万国労働者の国際連帯のシンボル・ソング(プロレタリアートの聖歌)であった「ザ・インターナショナル」をジャズヴォーカルで聴かせてくれたセンスに、感激しました。
映画の全編に挿入される古き良き時代の映像もユーモアに溢れており、堅っ苦しい金融・経済のテーマながら私たち民衆に身近な社会問題としてスムーズに受け入れられるよう創意工夫されていました。
by blues_rock | 2011-10-22 20:30 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)