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心の時空

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a day in my life

カテゴリ:金継ぎ/古美術/漆芸( 149 )

柏原交差点近くのユーズドショップ‘オールモストニュー’に時おり立ち寄り、ぶらぶら眺めていると‘おや!?’という掘り出しものに出遭うことが、あります。
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出遭うと言っても、値千金の骨董が、あるわけではなく、‘漆遊び’ したらおもしろいだろうな‥という安価な漆芸素材(失敗してもダメモト品)を見つけることです。
以前ご紹介した「割山椒向付」もベンガラ漆継ぎにしたら好いかも‥と購入、今夜ご紹介する「初根来」の向付も
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元々とっくりの袴(はかま コースター)でした。
スプーンは、波佐見の陶芸館前で売られていたお土産用の木製スプーンで、とっくりの袴とスプーンに塗られていたワニスを紙やすりで砥ぎ落とし、赤(朱色)漆と黒(呂色)漆を交互に塗り乾かし磨きの工程を数回繰り返し
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最後に生正味漆で拭き上げました。
とっくりの袴の内底には、大きさの違う○が、何条にも波紋状に彫られていましたので凹みに錆漆を入れ平面(フラット)にしました。
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現在、またユーズドショップ‘オールモストニュー’ で見つけた掘り出しもの二つ、一つが、魚の形に意匠された楕円盆(長径25㌢)と二つ目は、大きな木目が、見どころの焼き杉丸盆(径30㌢)で、魚形楕円盆は、根来に、焼き杉丸盆は、拭き漆で仕上げようと思っています。
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by blues_rock | 2016-03-11 00:11 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
福博相伝の会 主催の「和のミュージアム」が、3月5日(土)、6日(日)、旧簀子(すのこ)小学校(福岡市中央区大手門)の講堂で開催され、私たちの金継ぎ工芸会も初参加しました。
a0212807_222144.jpg忘れ去れつつある福岡と博多の伝統文化芸能を100年後の次世代に受け継いでもらおう(NPO法人福博相伝の会理事長、談)と昨年廃校になった簀子(すのこ)小学校の元講堂を利用して始まった地域の元気な若者たちによる啓蒙イベントです。
東アジアにおける博多の歴史や‘沖ノ島’の古代史跡的価値、簀子(すのこ)の歴史についてのトークショウほか、福岡と博多に所縁(ゆかり)ある工芸や芸能、食文化などが、紹介されました。
私は、茶道のお点前席(テーブル)に友人(金継ぎ工芸会Yamazaki氏)の作品「共継ぎ楽茶碗」(こちら)を持参、とくにお願いしてその茶碗で、お茶を点てていただきました。  (下写真:金継ぎ作品展示風景、手前から右へもう一列展示)
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にわか習いの作法ながら黒楽茶碗の茶溜まりに映える深い緑が、美しく、茶菓子として添えられた松露饅頭(しょうろまんじゅう)も美味しくて 結構なお点前でした。
by blues_rock | 2016-03-07 00:07 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
a0212807_03193.jpg金継ぎ工芸会(福岡市)の金継ぎ教室に通い始めて 6年‥この間、金継ぎ基礎工程の基本(金継ぎイロハのイ)である刻苧(こくそ)をしたことが、ありませんでした。
面倒くさがり屋の私は、今まで自動車ボディ修理用のねんどパテ(99工房‐016)で刻苧の代用をしてきました。
そのことが、金継ぎ工芸会の講師会で話題になったらしく、「金継ぎの伝統工芸技法は、刻苧(こくそ)が、基本です。 もうそろそろ刻苧に挑戦したらいかがですか?」とさる女性講師からやさしく諭されました。
そこで自称パテ派(形成が簡単)の私も一念発起、本来の部分が、3分の1しか残っていない古唐津茶碗を刻苧で金継ぎすることa0212807_04149.jpgにしました。
ちなみに刻苧とは、「続飯(そくい) 1 :地の粉 3 :刻苧綿 少々 :生漆 2 」 の割合で混ぜて作り、古代より陶器欠損の補修用材として使用され、乾くとノミでも削れないくらい強固になります。
陶器のカケを埋める錆漆(砥の粉と生漆を練り合わせたもの)は、普段よりひんぱんに使用するので、刻苧も錆漆同様、簡単に作れるものと安易に考えていた私は、教室で刻苧のノウハウa0212807_052074.jpgを先輩から教わり、当日予定していた他の作業に取りかかろうとしたところ、私のところに先生が、来られ黙って自分の続飯(上新粉糊)を置いて行かれました。
‘これで刻苧を作り早くやりなさい’の無言指導で、その日、教室で刻苧するつもりのない(材料も道具も持参していない)私は、慌てました。
その経緯(いきさつ)を静かに見ていたまわりのやさしい先輩・同輩たちが、私に同情、それぞれ自分の道具と材料を提供してくれ、こうして6年遅れで、私の‘刻苧元年’は、始まりました。

上写真:刻苧で3分の1を補修した共継ぎ楽茶碗(先輩Yamazaki氏作品)
中写真:番匠井上のサイトから刻苧引用
右写真:99工房 ボディ用‐016 ねんどパテ
by blues_rock | 2016-03-03 00:03 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
古備前の擂り鉢(径25㌢)で江戸期に焼成されたものと推察します。
ゆったりと挽かれた轆轤(ろくろ)跡と胴まわりの緋色に惹かれます。
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擂り鉢は、よく使い込まれながら無疵で、見込みのさらっとした緋襷(ひだすき)に風情を感じます。
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下の擂り鉢は、上の擂り鉢よりひと回り大きく、無骨な尺物の大擂り鉢(径35㌢)ながらザクッと挽かれた轆轤(ろくろ)跡と粗い陶土(つち)の石ハゼが、魅力で「これ、備前かなぁ?」という疑問も残ります。
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日常生活で長年使われ、擂り小木で擦り込まれた見込みが、素朴です。
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古備前(長け21㌢)の徳利で、頸から肩さらに胴の膨らみから腰に流れるラインさらに桟切り(さんぎり)の景色とタテに入った緋色が、小宇宙のようで‘ギャラクシー(銀河)’と名付けました。
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下の酒器セットは、誰が見ても備前と分かる‘蹲る’のような徳利(長け12㌢)とぐい飲み(径7㌢)です。
でっぷりとした徳利の肩にかかる胡麻、胴の牡丹餅文様と緋色の景色は、連れのぐい飲みとの相性も良く
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厭味がなくて、どこかのんびりしています。
備前のぐい呑みは、冷酒を飲むのにぴったり、これで大吟醸をアペリティフに一杯だけ飲むようにしています。
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備前の花器(長け18㌢)です。
口縁から頸へのすぼみと肩の櫛文さらに全体にかかった胡麻と胴から腰さらに底まで流れる釉は、滝のようで
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野趣豊かです。
写真には、写っていませんが、向こう側口縁と腰にあるヒビ割れをベンガラ色漆継ぎしています。
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備前に雲助(うんすけ)が、あるのかどうか私には、分からりませんが、ちょっと見、備前のような雲助(長け34㌢)で、口縁に小さな窯疵が、あるものの胡麻のかかった端正な形は魅力的です。
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(付録) いつの時代の古越前耳付壺(長け33㌢)か、私には分かりませんが、焼き締められた壺の石ハゼと口縁部にある小さな窯疵(かまきず)は、素朴です。
by blues_rock | 2016-02-18 00:08 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(2)
a0212807_3583611.jpg呼び継ぎ用にキープしていた古唐津陶片の中には、形や色、厚みや反りの合わない半端なものがあり‥とは云え、貴重な古唐津の陶片なので捨てることもできず、そのまま棚飾りや箸置きなどにしていました。
古唐津陶片の中でも絵唐津や釉色の良い陶片は、回りの凸凹をルーターで整え錆漆と色漆を塗ってペーパーウエイトにしていました。
ある時、閃いたのが、マグネットを利用した‘古唐津陶片マグネット’でした。
市販の接着剤で陶片の裏にマグネットを貼れば良いだけのことながら漆遊び人として、それでは、あまりにつまらないので接着剤に漆(呂色漆・麦漆・錆漆など)を使用しました。
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マグネットの接着面は、少し広いので乾きが遅くいつもより長く風呂(室)の中に入れておくとできあがりです。
接着面のはみ出しは、漆の乾きを待って、カッターの先で丁寧に除去すればきれいにとれます。
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河や海で拾った小石や壊れたアクセサリーの再利用などお気に入りとの組み合わせもおもしろいワン&オンリーのマグネットになりますので遊び心でトライしてみてください。
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唐変木の私が、作った古唐津陶片のマグネットなので「陶片朴」と銘名しました。
by blues_rock | 2016-02-06 00:06 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
今から遡ること220年前の寛政年間(1789~1801)、幕府は、赤字財政を立て直そうと田沼ノミックスにより景気拡大政策‥金融緩和・経済活性化~新田開拓などの公共事業や株制度など規制緩和による商業促進つまりバブル経済政策を計りましたが、天明の飢饉、浅間山の大噴火など相次ぐ自然災害や棄農による農民の江戸流入などで世情不安となり失敗、田沼意次嫌いの老中松平定信は、田沼ノミックスを全否定し‘寛政の改革’を断行しました。
a0212807_254996.jpg寛政の改革による極度の緊縮財政(倹約令・思想統制など)は、武士階級・商人庶民階級の消費経済力を次第に低下(デフレ経済)させて行きました。
そんな幕府の社会統制や緊縮経済政策が、困窮した下級武士(浪人)・町人(庶民)たちによる江戸時代のリサイクル生活様式を発展させ‥傘張り(下級武士の傘の張替え内職)、樽や桶の箍(たが)屋、下駄の歯入れ屋、端切れ屋などデフレ経済下の修理ビジネスを起業させ、何といってもその後、わが国の‘もったいない精神’を消費生活の文化として定着させたことを考えると皮肉なものです。
‘茶の湯文化’が、生み出した室町~安土・桃山時代の漆による陶器の「金継ぎ」に加え江戸時代の‘もったいない文化’は、伊万里磁器の「焼き継ぎ(やきつぎ)」を誕生させました。
a0212807_265141.jpg江戸時代、伊万里染付磁器は、高価で貴重な食器で、富裕層の生活必需品でした。
江戸や京都では、その高価で貴重な伊万里染付磁器のワレたりカケたりしたものを修理する「焼き継ぎ師(焼継屋)」と呼ばれる職人がいました。
焼き継ぎ師は、天秤棒の片方に火を熾した火鉢(小さな炉)を、もう片方には、道具や材料の白玉‥鉛ガラス粉末(フリットつまり釉薬)・石灰・布海苔(布糊)などを入れた箱を下げ「焼き継ぎ~ぃ、焼き継ぎ~ぃ」と江戸城下京都洛中を回りました。
お呼びがかかると職人は、依頼主の軒下を借り壊れた磁器のワレ・カケ跡に白玉を塗り700度から800度くらいの低温炉で焼き継ぐという修理をしました。
a0212807_2153516.jpg焼き継ぎした伊万里染付磁器には、それぞれ修理した職人のサインである焼継印(やきつぎいん)が、記されており仕事へのプライド(責任)を感じます。
私は、以前金継ぎの教材に古伊万里染付蕎麦猪口に‘焼き継ぎ’の跡それもお世辞にもきれいと思えない直し跡のある、さらに底に朱色で何やら書付のある猪口を購入しました。
ガラス質の継ぎ目が、研いでも砥げず難儀‥金継ぎを始めたばかりの私は、むろん‘焼き継ぎ’など知る由もなく「こんな直し方をする奴の気が知れん」と怒り心頭でした。
悪戦苦闘して銀継ぎ(本銀直し)にしましたが、そのままにしておけば良かったといま骨董的見地から大いに反省、後悔先に立たず、です。
by blues_rock | 2016-01-31 00:01 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(2)
a0212807_203207.jpg古唐津茶碗、初期伊万里・古伊万里磁器の金継ぎ(銀継ぎ・錫継ぎ)に行き詰まると‘気分転換’に古陶片を利用して箸置き・薬味入れ・マグネットを作ったり、小石のオブジェ創りなどで「漆遊び」をしています。
金継ぎ教室の教材に一筋の釉薬の流れと上の方にいくつかホツのある形は、何の変哲もない ‘壁掛け花器’ がありました。
ホツを星に見立て胴の部分に月、それも満月ではない十三夜の月を描いたらおもしろいかも知れないと思いトライしました。
星のキラキラしたイメージを出すためホツは、青貝と色漆(浅葱漆・赤漆)で蒔き分けました。
a0212807_20334537.jpg十三夜の月に梨子地銀を蒔きましたが、なかなか私のイメージする幽玄な十三夜の月にならないので何度も蒔き直し結局、アルミ粉を蒔きました。
by blues_rock | 2016-01-23 12:55 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
友人が、‘母上の形見’として大切にしている湯呑茶碗(3口)を修理しました。
1.唐津湯呑は、使い込まれた風格ある湯呑茶碗なので雰囲気に合わせ「銀継ぎ」にしました。
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2.木米窯の湯呑茶碗は、小さなカケが、口縁に一箇所あるだけなので、赤と緑の色調に合う「金継ぎ」にし、金
  をワンポイントの景色にしました。
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3.九谷湯呑茶碗の直しは、同系統の色漆継ぎか梨子地漆継ぎと思い迷いました。
  この湯呑茶碗の絵柄を生かすためには、「銀継ぎ」が一番風情を壊しませんでした。
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by blues_rock | 2016-01-16 01:16 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(2)
閏日(うるうび)」のオーナーから壊れても捨て切れずにいる器があると聞き、色漆継ぎを引受けました。
薄緑の透明感さわやかなガラスの水差しの頸が、ポッキリ折れていました。
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まずピンポイント(2、3箇所)を接着剤で固定し一日置き、つぎに折れた部分に沿って生正味漆を沁み込ませ一週間乾かし最後に青の美しい浅葱色漆で仕上げました。
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ポイントは、色落ちしないよう漆を低温低湿度で普段より時間をかけゆっくり乾燥させることです。
小さな愛らしい陶製の犬型花器の左前足が、一つ有りませんでした。
a0212807_2138594.jpgパテで左前足を作り整形、呂色漆に錫粉を蒔き全体の雰囲気を壊さないようにしました。
左写真上の磁器小皿は、右部の一箇所が、きれいに割れておりガラスの水差し頸直し同様の手順で朱色漆の仕上げにしました。
下の陶器小皿は、縁が、ほんの少し欠けているだけなのでパテで補填し白漆(生正味漆でほんの少し調整)で仕上げました。
by blues_rock | 2016-01-11 00:11 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
2015年、今年も多くの方が、拙ブログをご覧くださいました。
心からお礼申しあげます。
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私は、元日も一年365日の一日でしかなく、いつものように‘金継ぎ’をして‘映画’を見ていることでしょう。
皆様方におかれましては、好い新年をお迎えください。
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さて、私の住まう柏原にユーズド・ショップ(オールモスト・ニュー)があり、ときどき‘掘り出し物’を探しに(ほとんど冷やかしながら)行きます。
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まあ、掘り出し物を見つけることは、なかなかできませんが、梨子地漆の似合いそうな‘割山椒向付’と「拭き漆」にしたらおもしろいかなと思って‘屋久杉白木猪口’を購入しました。
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割山椒向付’は、ベンガラ漆仕上げで一旦ご紹介しましたが、やはり気に入らず梨子地漆にしました。
‘屋久杉白木猪口’は、きれいな木目なのでしばらく眺めていましたが、やはり漆芸の徒として「拭き漆」に挑戦a0212807_11224130.jpgすることにしました。
杉の木目は、他の木材より柔らかいので木地を錆漆で塗り固め研いだあと拭き始めるべきところをいきなり拭き始めましたので杉の木目に漆が、沁み込んで少しダークなトーンになりました。
「拭き漆」には、やはり才質の堅い‘桜・欅・栃’などが、木目と漆の調和(ハーモニー)に優れています。
by blues_rock | 2015-12-30 00:03 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)