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心の時空

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a day in my life

カテゴリ:金継ぎ/古美術/漆芸( 157 )

a0212807_19353133.jpg鎹(かすがい、右写真)とは、今のような強力な接着剤のない時代に、木材や石材を繋ぐために利用された金属の接着材です。
陶磁器の食器が、昔まだ庶民にとって貴重な生活用品であった時代、中国(清朝~現代、1999年中国映画「初恋のきた道」の劇中に茶碗を鎹修理するシーンがあります)や日本(江戸時代~昭和初期)では、大事な陶磁器が、割れると ‘鎹(かすがい)直し’で修理し再使用していました。
鎹(かすがい)修理で特に有名なのが、国立東京博物館にある国宝「青磁茶碗 馬蝗絆(ばこうはん)」にまつわる逸話(こちら 記事半ばから終わりまで)です。
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日本では、室町時代に茶の湯が、生まれると陶の茶碗は、茶人に大切に扱われ‘金継ぎ’が、誕生しました。
江戸時代には、生活用の磁器(茶碗・皿・鉢、湯呑や猪口)が、普及し始めるもまだまだ庶民には、高根の花で、a0212807_19501744.jpg大名や武士階級、裕福な商人たちが、日常生活に磁器を使用し始めました。
そして磁器が、割れると「鎹(かすがい)直し」や「焼き継ぎ」で修理し、子から孫へと大事に伝承されてきました。
さて、私の手元にある「古伊万里 花鳥文色絵 八角鉢(径14㌢、高8㌢)」には、4つの鎹が、施されています。
左写真の「古伊万里 胡蝶文 色絵猪口(径6.5、高5.5)」は、小さいながら10の鎹修理が、施されていました。
残念なことに胴が、少し欠けていて、私は、色合いから金継ぎではなく、「銀継ぎ(本銀直し)」にしました。
a0212807_19533333.jpg根来塗敷板(横28㌢、縦20㌢)は、4月17日(~4月23日)から始まる金継ぎ工芸会作品展に私が、出品する ‘山盃’ を並べるために制作しました。
材料は、揖保の糸 素麺の蓋板を布(ガーゼ)と錆漆さらに下地漆で整え、本消呂漆と赤漆を交互に塗り(拭いて)仕上げました。
私たちの周囲には、ポイ捨てするに惜しい道具類や生活財が、結構あり、ホームセンターに行けば、木目の美しい板が、安価な値段(百均ショップなら桐材を推奨)で並んでいます。
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お気に入りの板を買い、Tシャツなど古着の布切れに生漆をつけて拭いて乾かす作業を繰り返すだけ、極薄の使い捨てゴム手袋をつければ、漆かぶれもなく、あなたもまわりを唸らす漆芸家になれること請け合います。
by blues_rock | 2017-04-06 00:06 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
中古ショップを時おり覘くと私の拙い漆芸の技でも何とか再生できそうな道具類に運よく出遭うことがあります。
この木製の練り鉢(径25㌢)とサラダ椀(径13㌢)もふと立ち寄った中古ショップで手に入れたものです。
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胴に布地を張ったウレタン塗の練り鉢は、見込み中央にありきたりな祝い文様を描いたギフト製品でした。
水性サンドペーパー(粗目⇒中目⇒細目)で底中央部分の文様を剥がし次にウレタン塗料も砥ぎ落しました。
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そして、本消赤漆(練朱赤口レーキ合漆)を何度も刷り込み拭き漆にしました。
練り鉢として使い込んでいけば、赤も馴染み好い色合いに成長すると思います。
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サラダ椀もまた輸入材にウレタン塗料を塗った製品で百均のカゴにあったものを二つ買いしました。
中・細目の水性サンドペーパーでウレタンを砥ぎ落し、二つ共に根来塗の椀にしようと下地塗りを始めたもの
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の木目が、そろったほうの椀は、刷り漆(拭き漆)にしました。
もう一つの根来塗にしようと思っている椀の方は、もう少し手をかけて納得できるような根来椀になりましたら、
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拙ブログに掲載したいと思います。
by blues_rock | 2017-04-02 00:02 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
a0212807_1812916.jpgアクロス福岡の匠ギャラリー(福岡市 中央区天神1-1-1)で4月17日(月)から4月23日(日)まで私たち金継ぎ工芸会会員の作品展2017を開催(10時~18時、初日12時から、最終日16時まで)いたします。
開催期間中、14時から15時まで、会場内にて講師による「金継ぎ」の実演を行ないますのでぜひこの機会にご自分の目(百聞は一見に如かず)で「金継ぎ」をご覧いただきたいと思います。
作品展2017の展示数は、120作品を予定しています。
いま拙ブログをご覧になっている方で金継ぎ作品を見たことがないという方は、「金継ぎ工芸会(HP)⇒ ギャラリー」 にお立ち寄りくださり作品(過去のa0212807_182240100.gif作品)をご覧いただけると光栄です。
皆様方のご来場をお待ちしています。
     *
過去の作品展は、次のとおりです。
2016 韓国作品展
2016 唐津作品展
2015 福岡作品展

※ 私は、根来敷板(仕上中)とその上に山盃4口を並べ出品予定です。
 拙ブログにお立ち寄りいただいている方には、作品展の前にご覧いただけるよう準備しています。
by blues_rock | 2017-03-18 00:08 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
知人から「縁の欠けた深川製磁の深皿2枚をもっている、気に入っているのでなかなか捨てられない、修理できないだろうか?」との相談を受けました。
a0212807_10312643.jpg深皿には、それぞれ一箇所シンプルなカケが、あるだけなので色漆直しで良ければ‥と引き受けました。
深川ブルーワイナリーの藍染ぶどう文変形深皿を青(浅葱色)漆で、オリエンタルブルーのクリスマスローズ文深小皿は、赤(朱色)漆で修理しました。
いま、海外から型貫で量産された白地の食器類が、どの店(の陶磁器コーナー)にも、それこそ山積みで特売されています。
それを買った方から割れたけど捨てるのは、モッタイナイので「金継ぎして欲しい」と頼まれることもありますが、a0212807_10325181.jpgそんなときは、金継ぎ用の純金粉が、1g=9、300円することをそっと教えてあげます。
そうすると‘鳩に豆鉄砲のような顔’をされるので「ね、新しく買ったほうがずっと安いでしょ!?’」とやさしく答えるようにしています。
ともあれ‘金継ぎ’とは、壊れてしまった掛け替えのない大事なもの(One & Only)を再生することにあります。
なので、自分の大切なものであれば、金の価格 1g=9、300円なんて、チョー安い!‥そう、思われませんか?
by blues_rock | 2017-03-13 09:13 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
a0212807_109585.jpg古唐津 山盃を梨子地銀直しにしましたが、いま一つ納得できず、青貝を砕き、メッシュ(網目)の微細な篩(ふるい)にかけて出来上がりかけていた梨子地銀の上から蒔いてみました。
梨子地銀の地肌を砥ぎ破らないよう丁寧に青貝粉を磨ぎ出していくので結構、時間のかかる作業でしたが、山盃の中に小宇宙を感じたときは、感動しました。
コカコーラ・ロゴ入りのペーパー・ウエイトが、2個ありましたので、表面のコカコーラ・ロゴの凹みと裏面凹みに錆漆を入れ呂漆で固め、一つを黒地で、もう一つを赤地にして青貝片を蒔き梨子地漆でしっかり拭き固めました。
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衝動を抑制するようにしていますが、私は、気に入った陶磁器を見ると割って金継ぎに、きれいな木目のある白木地を見つけると無性に拭き漆をしたくなります。  (下写真 : 青貝蒔絵 梨子地漆 ペーパー・ウエイト)
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先夜、ラタフィア で、カウンター木地の分厚い樺桜を撫でながら ‘これを拭き漆にしたらいいよ’ とオーナーに余計なことを申しあげたら「私は、ひどい漆かぶれ症なので‥」と申し訳なさそうに言われ大いに反省しました。
by blues_rock | 2017-03-07 00:07 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
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初めて作陶に挑戦した手練りの茶碗ながら焼成すると2割も縮み ‥ 予期せぬ出来事とは云え、陶芸ど素人の悲しさで茶碗のつもりが、湯呑になってしまいました。 (参考 : 「初めての陶芸」)
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それから2年半、香炉にして使っていましたが、心機一転「陶漆」に挑戦してみました。
初めは、根来風の湯呑をイメージして始めましたが、上手くいかず中止、ならば、胴まわりに銀箔を張ろうとする
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も巧く扱えず見事失敗‥さて、どうしたものかと苦し紛れに梨子地漆で拭いてみたところ‘陶漆オブジェ’のような湯呑になりました。
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もう一つの手練り茶碗(こちら)は、必ずや‘金箔の陶漆茶碗’にしたいと思います。
by blues_rock | 2017-02-18 00:08 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(4)
刻苧(こくそ)は、古くから大切な陶器の欠損部分を補修する材料として使用されてきました。
補修され形状は、乾燥(凝固)するとノミでも削れないくらい強固に、元の姿同然に再生されます。 
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刻苧(こくそ)は、「続飯(そくい) 1 :地の粉 3 :刻苧綿 少々 :生漆 2 」の割合で良く練り合わせて作ります。
私は上新粉を続飯にしています。            (下写真 : 古唐津茶碗陶片を刻苧で成形する途中)
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この修復部分に様々な装飾(金・銀・錫を蒔く、蒔絵を施す、色漆仕上げなど)をして普段の生活で使用できるようにするのが、‘金継ぎ’です。   (下写真 : 古唐津 小峠窯茶碗 下地の出来上がり、概ね2か月の作業)
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私は、この刻苧(こくそ)という ‘金継ぎの極意’ (というか イロハ )を6年間もサボっていました。 
昨年、私は、‘私の刻苧(こくそ)元年’と自分に宣言し刻苧に専念、手持ちしている古唐津陶片で高台の有るも
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のを残らず復元しました。                   (上写真 : 古唐津蕨文四方皿 下地の出来上がり)  
さあて、どっさり溜まった刻苧再生陶器をどう金継ぎしようかと新たな悩みが、増えました。
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完成の暁には、拙ブログに掲載いたします。             (上写真 : 古唐津小皿 網文銅直し 完成)
by blues_rock | 2017-02-12 00:02 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(2)
日経新聞のコラムで「人は、一日一回、‘上質な孤独’ が、必要である」という主旨の記事を読みました。
ならば、金継ぎは、‘極上の孤独な時間’ です。
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江戸初期(1610~1640)の唐津に、古窯「小峠窯」(武雄の北)が、ありました。
特長は、三島唐津と刷毛目文の陶器です。
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この刷毛目文皿も当時のもので少し変形していますが、窯での焼きは、硬く上質です。
欠けた部分を刻苧で補い成形、赤漆か弁柄漆のいずれかを下地に蒔絵の金継ぎにしようと迷いながら磨い
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でいたら磨ぎ破り、根来風になりました。
この武雄系古唐津の刷毛目文皿は、根来風な雰囲気を生かすことにして、そまま仕上げました。
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もう一つは、古唐津皿の縁が、4分3ほど欠けていましたので縁周りを刻苧で成形し梨子地銀を蒔きました。
少し黄の色調を出すため、梨子地漆と透明黄漆を交互に入れ仕上げました。
by blues_rock | 2017-02-02 00:02 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
長年使ってきた湯呑(高10㌢×径7.5㌢)のニュウが、育ちヒビになりましたので修理と併せ、寒い冬熱い番茶を飲むとき手に持ちやすいよう 裾に指二本分麻紐を巻いて錆漆と呂漆で固め、根来風にしました。
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玄洋窯の伊羅保湯呑(ぐい呑み、高8.5㌢×径7㌢)に冨永氏のお許しをいただき根来風な趣になるよう拭き漆(練朱赤口レーキ漆)をしました。 (参考 : 玄洋窯の茶碗
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ほんの少し黄の色調を出すため最後に透明黄漆で拭き上げました。
by blues_rock | 2017-01-25 00:05 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
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私は、窯疵(キズ)が、あったり歪んだり割れ欠けのある茶碗を見るとそこに金継ぎ(漆芸)したくなります。
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昨年秋、玄洋窯を訪ねたとき、部屋の隅に置かれた見込みの底(茶溜り)が、割れた窯疵のある薄手刷毛目のa0212807_3304087.jpg井戸茶碗に見惚れました。
私の金継ぎの病 膏肓に入る を良くご存じの玄洋窯主人冨永さんに物欲しげな私の気持ちが、伝わったのか、その井戸茶碗を黙って私に渡されました。
茶溜りの窯疵は、高台内に抜ける 3㌢くらいの亀裂で疵に錆漆を入れ呂漆できれいに整え、表の茶溜りを金、裏に銀を蒔きました。
薄く白釉の掛かったグレイの色調と金が、美しく調和し、薄暮の空にある三日月のような趣なので銘を「三日月」にしました。
by blues_rock | 2017-01-19 00:09 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)