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心の時空

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a day in my life

カテゴリ:金継ぎ/古美術/漆芸( 165 )

このところの金継ぎ人気で蒔絵用の細筆が、不足し困っています。
ナイロンのアクリル絵画用やネイルアート用の上質な筆が、あるにはあるものの天然素材で作られた筆や刷毛に到底及ばないのは、しばらく使ってみると良く分かります。
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筆と漆との相性、筆先の漆の含み、細い線の美しい伸びなど明確に金継ぎや蒔絵の仕上がりに表われます。
最高級品質の蒔絵用筆を‘本根朱’といい、琵琶湖に生息していたフナネズミ(クマネズミ)背中の水毛だけを使用、一本の筆を作るのに数匹分(五匹くらい)のフナネズミ背毛が、必要でしたので「幻の蒔絵筆」と呼ばれ、今
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ではもう手に入りません。
根朱(ねじ)とは、ネズミという意味ですが、ネズミの毛では、嫌がる人もいたようで根朱(ねじゅ)という字を充てて商品名にしたとのこと、現在の本根朱赤軸筆の素材は、普通のクマネズミの背毛を使用しているそうです。
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そのクマネズミも今や希少種となり、ドブネズミ(クマネズミと同種の家ネズミの一種ながらドブネズミの名前がかわいそう)の背毛や猫の毛を本根朱の代用品という意味合いで商品名最後に「替」が、付いています。
漆刷毛は、髪結い黒髪の日本人女性(昔の女性)の毛髪を数十年寝かせたものが、ベストだとか、現代女性のa0212807_22351997.jpg毛髪は、シャンプーとヘアダイによりぼろぼろで使いものにならないそうです。
現在の漆刷毛の素材は、中国女性の毛髪とか、これも中国社会の発展による女性たちへのシャンプーとヘアダイ普及で使えなくなるのが、目に見えており、わが国の伝統漆工芸を守るために女性の長い黒髪を求めさらなるアジア辺境の奥地へ素材の手当てに行くことでしょう。
古代 ‘茶の湯の精神’ が、生みだした遊び心(遊戯の世界)の「金継ぎ」は、さらなる辺境へ向かっています。

by blues_rock | 2017-09-21 00:01 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
玄洋窯の陶芸教室で いま挑んでいる‘破れ茶碗’の作陶に、手間取り、その合間にむらっ気で「灰釉木の葉皿」
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2枚を創りました。
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何とも野暮ったくシャープさに欠けますが、エアプランツとの相性は、良いようです。
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その日の帰り、玄洋窯 駐車場前(下写真 トンネルの向こう)の路上で、枇杷の落ち葉を拾いました。
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概ね乾いているものの少し柔らかいので、これ以上葉の形が、壊れないよう拭き漆(生漆を樟脳油で薄め柔ら
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かい筆で塗り綿棒で拭き固める)を二回してみました。
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これからさらに数回、拭き漆を続けてしっかり固めたいと思います。
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見渡せば、漆工芸(あるいは 漆遊び)の素材(ネタ)は、至るところに転がっているものです。
by blues_rock | 2017-09-11 01:19 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(2)
漆器のほとんどは、木胎漆器(木地のうえに漆を塗った器)ですが、他にも紙胎・籃(竹)胎・皮胎・陶胎・脱(麻)胎など漆工芸には、多種多様な漆工技法が、あります。
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玄洋窯 陶芸教室のことは、先日ご紹介したとおりですが、私のメインは、陶胎茶碗創り ‥ 焼成中どう窯の中でヒビ・ワレ・ニュウなど窯キズを入れるか、陶胎茶碗創作のイメージ(人いわく デタラメな妄想だとか)を描きつつ
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窯入れのために着々と準備しています。
そんな作陶をしながら、いつもの悪いクセで道草してしまいます。
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上写真の皿は、冨永師匠が、素焼きして工房に置いたままの一枚の皿を目敏く発見、譲り受けて、塗立て陶胎銘々皿を制作してみました。
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一応、出来上がりながら、あまりに稚拙なので ‘根来仕上げ’ にしようとしている(迷っている)ところです。
上の素焼きの皿は、茶碗を作っているとき、傍らにあった陶土(つち)で師匠の銘々皿を真似て作ってみました。
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昨日、金継ぎ工芸会教室で陶胎漆器用に購入した この茶席灰器も素焼きながら上質なので陶胎準備に踏み込めないでいます。
a0212807_12322119.jpg好感のもてる素焼き器は、余計なことをしないで そのままのほうが、好さそうな気もしています。
人生いろいろ、陶芸いろいろ、漆工芸いろいろ ‥ またここでも迷っています。
スマホカバーを見ると無性に皮胎乾漆してみたくなるし、何にでも漆を塗りたくなるパニック障害にいま悩んでいます。
by blues_rock | 2017-08-24 00:04 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
金継ぎ を始めて八年あまり、古陶磁のワレ・カケを刻苧(こくそ)で埋め復元する作業、古陶片を糊漆で接着し錆漆による修繕をしていると自分の気に入った器にあれこれ漆で陶胎したくなります。
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私は、これまで陶芸したいと思ったこと、とくにありませんでしたが、陶胎を漆で金継ぎすること … つまり焼成中に窯の中でひび割れた茶碗やいろいろな器を漆で直すオリジナルな陶胎漆器に挑戦してみたくなりました。
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そこで、陶芸家冨永保雄氏の玄洋窯 陶芸教室に入門しました。
ロクロが、ニガテな私は、手捻(てびね)りで作陶に挑戦、陶芸家にしてロクロ名人の冨永師匠にとって「焼成中
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の窯のなかで、ワレ・カケ・キズのできる茶碗を作る」など邪道も邪道の作陶でしょうが、辛抱して黙って見守っていただいています。
a0212807_20552241.jpg作陶を始めてはや5か月、失敗に失敗を重ね、陶土(つち)を捻りながら、崩れないよう形を創り窯の中でほんの少し壊れるようなそんな作陶こそ ・・ 私は、究極の名人技だと自負しています。
玄洋窯の陶芸教室は、週1回(金・土・日のいずれか1回)で月謝が、何と月5千円(=陶土とロクロなど作陶の道具類一式自由使用可) と一般の陶芸教室では、考えられない月謝です。
現在(いま)、安価なセラミック粉(パウダー)を混ぜた外国製の型押し器が、スーパー店舗や百均ショップに氾濫していますが、自分お気に入りのワン&オンリーの食器(陶磁器)を普段の暮らしで生涯使い続け、もし万一壊れたa0212807_20561331.jpgら修理(金継ぎや漆直し)して使い続ける道具類は、人生を豊饒にします。
昔、千葉の出張先で出会った有機栽培をする農家の方に「あなたは、飛行機にのったら、鳥になり、船にのったら魚になっていますか?」と訊ねられ、さらに「あなたの食べた物が、あなたの血肉になることを分かって食事していますか?」と真顔で言われたことが、ありました。
その時は、この方ヘンな人と思いましたが、いま私は、このヘンな人こそが、正しい人であったと確信しています。
ジャンクな食べ物(食品の安心と安全に関心のある方は こちらをご覧ください)が、ジャンクな精神と虚弱な肉体をつくり、ジャンク
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な暮らしは、ジャンクな人生になるぞと云っておられたのだと、いま良く分かります。
陶芸教室へのお誘いはずが、前置きの長い駄文になりました。
a0212807_20573813.jpg陶芸に興味のある方、自分だけの ‘ワン&オンリーの陶芸’ をしたい方、歓迎(初心者歓迎)いたします(‥と冨永師匠に相談なくお誘いしています)。
ともあれ私は、焼成中の窯のなかで、ワレ・カケ・キズ・ヒビのできる陶器作りに挑んでいます。
めでたく完成した暁には、拙ブログで皆様方に、ご披露したいと思います。

(付 録)
掲載している写真は、私が、日ごろ愛用している冨永陶工の作品です。
by blues_rock | 2017-08-18 00:08 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
江戸中期から後期あたりの古伊万里「輪花青磁染付竹笹図大皿」(径27㌢×高さ5㌢)の縁に6箇所の欠けが、ありましたので形をきれいに整えて 本金で直し(金継ぎし)ました。
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大皿は、愛用されていたようで経年の使用による摺れ疵が、あります。
呉須釉による洒脱な竹笹の絵も見事です。
この(下写真)鉄釉で縁取りされ呉須で山水図の画かれた尺皿(大皿)も江戸後期の古伊万里と思います。
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四時の方角に2箇所、小さな欠け疵があり、錫と銅との合わせ直しで大皿全体の色調に合わせて修理しました。
次は、完品ながら手持ちの大皿2枚を掲載しました。
江戸後期の古伊万里輪花染付大皿で窓の仙人を配した呉須の山水図が、目を惹きます。
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これ(下写真)は、友人のアマチュア陶芸家が、焼成した伊賀陶板の大皿です。
蛙目(がいろめ)の土を陶板風な大皿に成形し、内側を箆(へら)でダイナミックに削り、大胆な箆目(へらめ)を残しています。
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伊賀の陶土(つち)と灰釉(かいゆう)による蒼碧(そうへき)の透明感が、相俟って何とも云えない好い雰囲気を醸し出しています。
by blues_rock | 2017-08-06 00:06 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
いま私のお気に入り茶碗が、この唐津‘自然坊茶碗’(径10㌢、高さ7㌢)です。
唐津特有の鉄分の多い陶土(つち)をロクロで荒挽きして創りあげ、焼き絞めただけのような正しく自然そのまま
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の野趣豊かな茶碗です。
私の手にピッタリ収まり、私は、これでお茶やコーヒーを飲んでいます。
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中川自然坊氏(じねんぼう、1953~2011 享年58才)の作品(器)を初めて手にとって見たのは、六本松の「すし宗」でした。
a0212807_1323436.jpgすし宗 のご主人が、自然坊の陶器好きで、ご自慢の器類の逸品を飽かずゆっくり手にとって眺めさせていただきました。
金継ぎをしているせいか、唐津=古唐津で、今様の唐津に、さして興味なく、ほとんどスルーしていました。
作家モノと称する小賢しい陶器が、市中に氾濫する昨今、中川自然坊氏のバサラな陶器は、異彩を放ちます。

まあ、ともあれ、私の個人的な趣味(好み)ですが‥。
by blues_rock | 2017-07-25 00:05 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
a0212807_15522736.jpg中国 宋(960~1279)時代にあった古窯「建窯」(現在の福建省建陽県)で焼かれた天目茶碗ではないだろうか? と、持ち主 ‥ 3寸くらいの小振りな天目茶碗が、半分に割れ、3分の1は、欠落しています。
しかしながらシャープな形が、捨てがたく、欠損した部分を刻苧(こくそ=地粉・綿粉・米粉を漆で練り合わせ乾燥させたもの、極めて強固)で成形し再生することにしました。
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五重塔ならぬ‘七重の刻苧皿’塔、高台のある古唐津皿の陶片を刻苧でせっせせっせと復元中です。
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古唐津のワレカケ茶碗も高台さえ残っておれば、刻苧で再生できます。
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上は、白い陶土(つち)が、特徴の貴重な「山瀬窯 古唐津茶碗」の高台です。
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高台のある古唐津茶碗を刻苧で復元(成形再生)したところ、まだ道半ばです。
a0212807_15575233.jpgとくにこの3口は、貴重な‘絵唐津’なので、できあがるまでにまだ相当時間が、かかりそうです。
左は、古唐津無地茶碗の陶片を刻苧で復元し「梨子地銀 青貝蒔絵直し」で再生したものです。
詳しくは、こちらをご覧ください。
by blues_rock | 2017-07-19 00:19 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(1)
高台脇までタテに割け少し歪んで破れた古唐津無地茶碗を刻苧(こくそ)で成形し、呂漆でしっかり固め梨子地銀と青貝を蒔き梨子地漆と拭き漆で仕上げました。
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古伊万里(藍柿右衛門)薄手染付鷺文皿(裏に‘二重角渦福’、19㌢)に小さな欠け疵(2箇所)が、あり金継ぎしていましたが、見事二つに割れて私のもとに帰ってきました。
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今度は、趣向を変えて薄手染付の淡いブルーの色調に合うよう下地漆に浅葱漆を使い本銀直しにしました。
2、3年もすると下地のブルーが、被覆(コーティング)している銀の層を透して薄っすら表われ、薄手染付鷺文のa0212807_18315796.jpg色合いと融合すると思います。
まず、麦漆(糊漆)で割れた二つを繋ぎ、繋いだ下地のラインをきれいに整え本銀直しの共継ぎにしました。
アクセント(ご愛嬌)に最初に直した金継ぎ箇所を一つ残しました
by blues_rock | 2017-07-07 07:07 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
一年前(昨年6月)の「漆で遊ぶ」では、拭き漆と塗り立て漆を掲載しました。
「漆で遊ぶ その二」は、梨子地漆を掲載したいと思います。
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シャンペン・グラス(ラタフィアからの依頼品)の小さなキズをワンポイントの金直し(上写真左奥、下写真右奥 裏から撮影しているので下地の赤漆が透けて見える)で修理しました。
ステム(軸)にキズは、ないのですが、加飾し‘赤漆梨子地銀蒔絵’にしました。
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梨子地銀粉(3号)を蒔き、拭き漆して磨きあげると蒔いた梨子地銀が、乾いた漆の層を透して金色(こんじき)に輝くようになります。
私のチャチなカメラとヘタな撮影技術のダブルパンチでステムの蒔絵部分の不鮮明さが、少し残念です。
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グラスの中にコルクを落としエアプラントに根を張らせ室内飾りにするのも好いかもしれません。
住まい近くのユーズド・ショップの棚にあったワイングラス、シャンペン・グラスを買い占め(‥と云っても11個ですが)色漆で下地を作り、梨子地銀粉・錫箔粉を蒔き固め、漆で拭きあげると出来上がりです。
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好みのワインやシャンペンを飲むも好し、エアプランツを入れ眺めて楽しむもまた好し、あとは、人それぞれに「comme vous voulez」(お好きなように)です。
私が、普段使うサーモス製ステンレス真空断熱タンブラー(400ml)の胴まわりの 手で持つ部分を蒔絵(青貝と
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梨子地銀漆)にしてみました。
そして、いま エアプランツ ‥ 漆芸が、楽しいのは、回りにある道具や器に‘自由な遊び心’を持ちこめること、
人生‘遊びをせんとや生まれけむ’です。 
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by blues_rock | 2017-06-26 00:06 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
江戸時代後期の古伊万里色絵 花鳥扇皿一枚の中央(半月部分)に小さな窯疵が、ありました。
窯疵のうえから白釉が、かけられているので疵は、素焼きしたときにできたものと推察、気にならない窯疵でし
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たが、見たとたん私は、この皿に月を入れて ‘花鳥風月’ の色絵扇皿にしようと思いました。
こうして、世界で One & Only の古伊万里色絵 花鳥風月 扇皿(銘 銀の半月)が、完成しました。
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当初、半焼成気味であったこの古い皿は、縁が欠け、皿の中央部に高台に抜ける深い底割れもありました。
玄洋窯で再焼成してもらったところ灰釉(自然釉)が、かかってたようで渋いシックな色に仕上がりました。
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底割れ(亀裂)を刻苧と錆漆で埋め呂漆で固め、錫粉3と銅(ブロンズ)粉2のブレンド粉を蒔いて仕上げました。
金継ぎ教室の無料教材(高級料亭の疵あり向付舟皿)を2枚分けてもらい、縁の欠け疵を錆漆で固め真鍮粉を
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蒔いて使えるように再生しました。
by blues_rock | 2017-06-20 00:02 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)