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心の時空

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a day in my life

カテゴリ:映画(シネマの世界)( 789 )

2015年ドイツほか5か国合作映画「誰のせいでもない」は、出演している“3人の女優”の名前だけで監督・脚本家始め撮影ならびに音楽監督の名前も知らないまま見た映画ながら、何とドイツの名監督ヴィム・ヴェンダース
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(1945~、1987年「ベルリン・天使の詩」、1999年「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」)の最新作で驚きました。
“3人の女優”とは、フランスからシャルロット・ゲンズブール(1971~、2007年「アイム・ノット・ゼア」、2009年「アンa0212807_2322525.jpgチクライスト」、2011年「メランコリア」、2013年「ニンフォマニアック」など)ならびにマリ=ジョゼ・クローズ(1970~、2003年「みなさん、さようなら」、2005年「ミュンヘン」、2007年「潜水服は蝶の夢を見る」、2010年「海の上のバルコニー」など)、およびカナダからレイチェル・アン・マクアダムス(1978~、2004年「きみに読む物語」、2011年「ミッドナィト・イン・パリ」、2013年「アバウト・タイム」、2014年「誰a0212807_23232448.jpgよりも狙われた男」、2015年「サウスポー」、「スポットライト 世紀のスクープ」)の3人です。
この3人の女優に絡むのが、映画の主人公で作家のトマスを演じるアメリカの俳優ジェームズ・フランコ(1978~、2002年「容疑者」、2008年「ミルク」、2011年「猿の惑星/創世記」)と、トマスが10年前、カナダ、モントリオール郊外の雪道で起こした交通事故の被害者で16歳になった少年クリストファーを演じるカナダの若手俳優ロバート・ネイラー(1996~)の2人の俳優です。
a0212807_23234973.jpgシャルロット・ゲンズブールは、トマスの運転する自動車事故で幼い息子(4歳の次男)を亡くした母親のケイト役、マリ=ジョゼ・クローズが、出版社の編集者で作家トマスの再婚相手アンの役、レイチェル・アン・マクアダムスは、作家トマスが、不遇の時代 不可抗力の事故とはいえ幼い男の子(4歳の次男)を死なせた罪悪感で心神喪失、自殺未遂した当時の妻サラの役を名演してa0212807_23251456.jpgいます。
「誰のせいでもない」(原題 Every Thing Will Be Fine すべてうまくいく)は、視界の悪い雪道に突然飛び出してきた幼い子供二人の乗ったソリと走行中のトマスの車との不可抗力の「誰のせいでもない」偶発的な交通事故ながら、トマスとその後、彼の人生に深く関わる3人の女性たちならびに雪の坂道から道路にソリで飛び出して幼a0212807_2327383.jpgい弟を死なせてしまった10年後の16歳になったクリストファーの人生を事故から2年後、4年後さらに4年後と時間を区切りながらゆっくりしたテンポで5人の人生を描いていきます。
名匠ヴィム・ヴェンダース監督演出のすばらしさもさることながらヴェンダース監督が、見出したノルウェーの脚本家ビョルン・オラフ・ヨハンセン(1965~)のシナリオもまたすばらしく映画は、登場人物のさまざまな感情 ‥ 罪悪感、怒り、赦し、失望など、彼らの心a0212807_23292478.jpgの襞(ひだ)を丁寧にとらえ、不可抗力とはいえ、加害者と加害者の家族、被害者と被害者の家族それぞれのデリケートな感情の動きを緻密に描いていきます。
ベルギーの撮影監督 ブノワ・デビエ(2010年クリステン・スチュワート主演映画「ランナウェイズ」の撮影監督)のトーンを落とした映像が、秀逸で、寒々としたカナダの雪景色を登場人物5人の心象風景と重ね合わせ、さらに映画音楽の名作曲家 アレクサンドル・デスプラ(1961~ a0212807_2330996.jpg2005年「真夜中のピアニスト」と2014年「グランド・ブダペスト・ホテル」でアカデミー賞作曲賞受賞)の控え目ながら心に沁み入るような音楽(サウンドトラック)は、5人の揺れ動く心情を見事に表現しています
ヴェンダース監督演出の上手さは、シリアスな心理ドラマをミステリーっぽく見せ ‘これから何か事件が起きるのでは’ と見る者に予感させるサスペンス仕立てにして最後
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まで映画に緊張感をもたせていることでしょう。 (上写真 : 主演のジェームズ・フランコとヴェンダース監督)
by blues_rock | 2017-07-19 00:09 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
2001年のシュールなSFミステリー映画の傑作「ドニー・ダーコ」のプロットは、現在と未来の時間軸が、複雑に交差する摩訶不思議な映画です。
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‘精神情動障害’という心の病を抱える主人公の少年ドニー・ダーコは、彼の未来の象徴である‘銀色のウサギ’と出遭うことで自分の過去(つまり現在)を知り、そして自分の運命が、分かるという‥以下見てのお楽しみ、a0212807_1334362.jpgリチャード・ケリー監督(脚本も、1975~)は、カルト映画の名人と思います。
‘精神情動障害’を抱える 主人公のドニーを演じたのが、今や名優のジェイク・ギレンホール(1980~)で、撮影当時十代の終わりか二十歳くらいながら主人公を絶妙に演じ、インディペンデント系映画の新人俳優として一躍注目を浴びました。
a0212807_13345811.jpgドニーの姉エリザベスの役でジェイク・ギレンホールの姉で名女優 マギー・ギレンホール(1977~)が、出演いまや姉弟共にアメリカ映画を代表する俳優ながら、この映画のほかに 二人の共演(上写真)した作品は、なくギレンホール姉弟ファンにとって 貴重な映画でもあります。
a0212807_13394490.jpgドニーの国語教師カレンの役でドリュー・バリモア(1975~)が、出演し製作総指揮も担っています。
さらにドニーの主治医 精神科医 リリアン役で、なんとアメリカン・ニューシネマの代表的な名女優 キャサリン・ロス(1940~ 1967年の名作「卒業」、1970年の傑作「明日に向って撃て!」の主演女優)が登場、こa0212807_133607.jpgれも映画ファンとしては、うれいし限りです。
ドニーが、恋している女子高生 グレッチェンの役で、当時十代半ばの若手女優 ジェナ・マローン(1984~)も出演しています。
映画は、1988年、ヴァージニア州の小さな町 ミドルセックスが、舞台です。
a0212807_13521957.png17歳の高校生 ドニー・ダーコ(ジェイク・ギレンホール)は、両親と大学受験を控える姉 エリザベス(マギー・ギレンホール)、幼い妹の5人家族で暮らしていました。
ドニーは、頭脳明晰ながらも情動障害のあるティーン・エージャーで、精神科医リリアン(キャサリン・ロス)の心理カウンセリングを受けていました。
a0212807_13493387.jpg1988年10月2日の夜、ドニーは、自分を呼ぶ声に気づきベッドを抜け出し家の外に出るとフランクと名のる不気味な ‘銀色のウサギ’ が、彼を待っていました。
銀色のウサギは、彼に「あと28日6時間42分12秒」で世界が、終わるとドニーに告げました。
翌朝、近くのゴルフ場で目を覚ましたドニーが、自宅に帰ると、墜落した飛行機のエンジンが、ドニーの部屋をa0212807_146342.jpg直撃していました。
前夜もしドニーが、自室のベッドで寝ていたら即死していたはずでした。
銀色のウサギ フランクは、ドニーを「未来へ来い」と誘いました。
10月30日に行くとドニーの母親(メリー・マクドネル 1952~)と妹の乗るロスアンジェルス発ヴァージニア行の飛行機のエンジンが、故障し10月2日にタイムスリプしダーコ家に落ちていたのでした。
「あと28日6時間42分12秒」は、それまでに残された時間でした。
a0212807_1464849.jpgそれを知ったドニーは、10月2日の夜、‘銀色のウサギ’の呼ぶ声に耳を貸さず、ベッドの上で楽しそうに笑いながら飛行機のエンジンが、自分の上に落ちてくるのを待つのでした。
傑作(秀作・名作)映画三つの基本要素が、監督・脚本・俳優であることを教えてくれる映画です。  (上写真 : 撮影中のリチャード・ケリー監督)
あとは、映画を見る人のレベル ‥ いや、好みの問題です。
by blues_rock | 2017-07-15 00:05 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
名優にして名監督のベン・アフレック(1972~ 監督・主演した「ザ・タウン」ならびに「アルゴ」、主演の「カンパーニー・メン」、「ゴーン・ガール」、弟のケーシー・アフレックは、「マンチェスター・バイ・ザ・シー」で、アカデミー賞
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主演男優賞受賞)は、2017年公開の新作「ザ・コンサルタント」(原題「The Accountant」会計士)で “クリスチャン・ウルフ” という新たなアンチ・ヒーローを創りあげました。
a0212807_12431350.jpg主演ベン・アフレック、監督(製作総指揮)ギャヴィン・オコナー(1964~)、脚本ビル・ドゥビューク(プロファィル不詳)、撮影監督シェイマス・マクガーヴェイ(1967~、2008年「つぐない」、2009年「ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ」の撮影監督)という才能が、コラボレーションして創りあげたなかなか コクのある作品です。
a0212807_12434272.jpg映画は、田舎町でしがない会計事務所を開いているクリスチャン・ウルフ(ベン・アフレック)に最新ロボット医療技術を開発した大企業から財務不正に関する極秘調査の依頼が、ありました。
会社財務(BS/PL)の巧妙な粉飾疑惑に気づいた経理担当のディナ(アナ・ケンドリック 1985~)が、CEO(社長)に直訴、CEOは、会計士クリスチャン・ウルフに財務調査の依頼をしました。
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ウルフは、ディナの指摘したとおり会社の重大な金融不正を見つけCEOに報告しますが、調査は、突然打ち切られてしまいました。
a0212807_12462769.jpgウルフは、その日から何者かに命を狙われるようになり、この粉飾疑惑に関わった人物が、次々に暗殺されました。
ウルフには、精神障害者施設で成長した誰も知らない過去につながる ‘二つの顔’ が、ありました。
ひとつは、世界各地の組織犯罪者や危険人物を顧客とする彼らの裏帳簿を仕切る(顧客からコンサルタントと呼ばれる)会計士のa0212807_12523258.jpg顔と、もうひとつ命中率100%のスナイパー(暗殺者)の顔を持っていました。
このことを極秘で捜査しているアメリカ商務省の犯罪調査局キング局長(J・K・シモンズ 1955~、2014年映画「セッション」でアカデミー賞助演男優賞受賞)と特別捜査官メディナ(シンシア・アダイ=ロビンソン 1985~)は、組織犯罪者や危険人物らと一緒に写真にa0212807_1254680.jpg映る得体の知れない男が、会計士のクリスチャン・ウルフであることを突き止めました。
最初、「ん!?」というシーンもあり主人公の会計士クリスチャン・ウルフの‘野暮ったさ’と相俟って、少しまったりしますが、これは、中盤から後半そしてクライマックス(エンディング)に続く布石です。
a0212807_1255125.jpg脚本(ビル・ドゥビョーク)が、実に緻密に練られ構成されており、内容の精神性も高く、ギャヴィン・オコナー監督(1964~)の演出とウルフを演じたベン・アフレック‘得意技’の無表情な顔(無感情な演技)と強靭な肉体のアンバランスは、すばらしく、意に添わないストレスを受けたときウルフが、過去(子供のころの記憶)にフラッシュバックして、高機能自閉症(アスペルガーa0212807_1259404.jpg症候群)であることを描いていくシーンは、秀逸です。
映画には、重要な見どころが、たくさんあります。
ウルフは、子供のころ精神障害者施設に入所し、それ以来生き別れになっていたウルフ最愛の弟プラクストン(ジョン・バーンサル 1977~、2015年映画「ボーダーライン」に出演)との意外な再会、ウルフが、子供のころからパニックになると呟くお呪(まじ)いのようa0212807_1323672.jpgな「ソロモン・グランディ」(イギリスの伝承民謡)は、兄弟の重要な絆であること、ジャクソン・ポロックやルノワール絵画の役割、さらにウルフからの指示をテキパキこなし同時に適切なアドバイスをする電話の向こうにいる極めてIQの高い優秀な “なぞの女性アシスタント” の存在などいくつかの物語が、最後に一つになる面白いサスペンス・アクション映画の佳作です。
by blues_rock | 2017-07-11 00:01 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
2013年のジョージア(旧グルジア)・エストニア合作映画「みかんの丘」は、ジョージアの映画監督ザザ・ウルシャゼ(1965~)が、脚本・監督・製作して撮った傑作映画です。
a0212807_2156166.jpgその翌年2014年に、同じジョージアの映画監督ギオルギ・オバシュビリ(1963~)が、撮った「とうもろこしの島」と2作品併せて見ると私たち日本人にジョージア(旧グルジア)の深刻な “民族・宗教・文化(言語)・思想” の対立を教えてくれます。
映画のプロットは、オバシュビリ監督作品「とうもろこしの島」と同じジョージアの内戦(ジョージアからのアブハジア民族独立戦争)を描いていますが、「みかんの丘」の主人公は、旧ソ連邦(15共和国ソビエト連邦)の中で人気のあった‘温州みかん’(マンダリンオレンジ)が、唯一栽培できる旧グルジア共和国(ソ連崩壊後ジョージア)に移民したエストニア人の悲しい運命を描いています。 (下地図 : 白=ジョージア、緑=分離独立したアブハジア、赤=ロシアが実効支配する南オセチア)
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主人公は、ジョージアから分離独立したアブハジア自治共和国のエストニア人集落でくらすみかん木箱職人の老人とみかん生産者の二人です。
a0212807_2214056.jpgジョージア内戦(ジョージアとアブハジア自治共和国の紛争)でみかん作りをしていたエストニア人は、ほとんど祖国に帰りましたが、みかん木箱職人 イヴォ(レンビット・ウルフサック 1947~、エストニアの俳優)とマルゴス(エルモ・ヌガネン1962~、エストニアの俳優)の二人だけは、集落に残っていました。
a0212807_222993.jpg二人の暮らすエストニア人集落のまわりでも戦闘が、激化、ある日イヴォは、重傷の兵士二人を発見し自宅に連れ帰り介抱しました。
一人は、アブハジアの分離独立を支援するチェチェン兵アハメド(ギオルギ・ナカシゼ)、もう一人が、ジョージア兵ニカ(ミヘイル・メスヒ)で二人は、お互い敵同士でした。
同じ家の中に敵が、いることを知った二人の兵士は、お互い殺意を剥き出しにしますが、イヴォは、自分の家でa0212807_2264944.jpgの殺し合いを許さず、兵士二人もイヴォに助けてもらった恩義で戦わないことを約束しました。
その数日後、アブハジアを実効支配し逃亡ジョージア兵を捜索するロシア軍の小隊が、イヴォの家に傍若無人に侵入して来ました。
この2013年映画「みかんの丘」と2014年映画「とうもろこしの島」のリアリズムは、帝政ロシア、ソ連邦を経て、現在もなお続くa0212807_2253475.jpgロシアとジョージア、ジョージアとアブハジア、ロシアとチェチェン、その “民族・宗教・文化(言語)・政治”の歴史的な背景を理解しないと分からないと思います。
ザザ・ウルシャゼ監督の傑作映画「みかんの丘」は、映像も美しく(撮影 レイン・コトブ)と音楽(ニアズ・ディアサミゼ)と相俟って映画を見る者の心に不条理な戦争の愚劣さと虚無を強く印象付けてくれます。
by blues_rock | 2017-07-09 00:09 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
いまや監督としての評価も高いフランスの女優 メラニー・ロラン(1983~ 「呼吸 ~ 友情と破壊」)が、女優として2001年長編映画 2作目となる「これが私の肉体」(原題「Ceci est mon corps」 DVDスルー)に出演、この映画の主演女優 ジェーン・バーキン(1946~)を相手に、初々しく(撮影時たぶん17歳)堂々たる演技を披露しています。
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メラニー・ロラン主演のアクション映画「ラスト・アサシン」(原題「殺し屋のための鎮魂曲」)も劇場未公開(DVDスルー)になっていますが、メラニー・ロラン演じるシングル・マザーの「ニキータ」のようでおもいしろい映画です。
幼い子供を抱えた凄腕の暗殺者(アサシン)という設定が、ユニークなので ヒットしただろうにと想像するも、日本a0212807_10385819.jpgの映画配給会社と系列映画館の目は、やはり節穴のようで一般公開されませんでした。
さて、この「これが私の肉体」の監督(と脚本)は、ロドルフ・マルコーニ(1976~)ですが、マルコーニ監督の作品を見るのは、初めてです。
映画のプロットは、クールな美青年 アントワーヌ(ルイ・ガレル 1983~、映画初出演)とはるか年上ながら魅惑的な女性 ルイーズ(ジェーン・バーキン 1946~、1969年「ジュ・テーム・モワ、ノン・プリュ (Je t'aime..moi non plus)」が大ヒット、1984a0212807_10393663.jpg年映画「ラ・ピラート」も秀逸)との不毛な性愛物語です。
当時10代の新鋭女優 メラニー・ロラン演じるのは、前述のとおり大女優 ジェーン・バーキン相手に恋人のアントワーヌを翻弄するゲイで魅惑的な中年女性 ルイーズに敵対心を剥き出しにする10代の娘クララ役です。
ナイトクラブで若いクララが、恋人のアントワーヌと一緒にいるルイーズと会い、アントワーヌのいないとき、ルイーズに面と向かって「寝た?」と訊ねるシーンは、その後に続く魅惑的であっても、もはや若くない中年女性ルイーズ(ジェーンa0212807_1040144.jpg・バーキン)が、若さあふれる十代の美しい娘クララ(メラニー・ロラン)に‘捨て台詞(負け惜しみ)’を言って立ち去るシーンへと続き、なかなかおもしろいシークエンスです。
出演時55歳のジェーン・バーキンが、まだ衰えていない美しいヌードを見せ、強がりながらも若い男を翻弄する孤独な中年女の肌さびしい性愛を見事に表現し演じています。 (上写真 : 母ジェーン・バーキン70歳、娘シャルロット・ゲーンズブルグ45歳、共に大女優の母娘)
by blues_rock | 2017-07-05 00:05 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
6月23日(金)~25日(日)の3日間、アンスティチュ・フランセ九州主催のフランス映画祭2017が、西鉄ホール(天神 ソラリアステージ6F)で開催されました。
a0212807_1259271.jpg3日間で新旧のフランス映画7作品が、上映され私は、3作品を見ました。
一日目の6月23日(金)は、ヌーヴェルバーグの旗手 フランソワ・トリュフォー監督(1932~1984)の1969年作品「暗くなるまでこの恋を」見ました。
主演は、名優ジャン=ポール・ベルモンド(1933~、現在84歳)と名女優カトリーヌ・ドヌーヴ(1943~、現在74歳)で、当時36歳男盛りのジャン=ポール・ベルモンドと26歳の美しく艶やかなカトリーヌ・ドヌーヴが、スクリーンに登場します。
ジャン=ポール・ベルモンドは、何と言ってもトリュフォー監督とともにヌーヴェルバーグの旗手であったジャン=リュック・ゴダール監督(1930~)映画で主演した1959年作品「勝手にしやがれ」と1965年作品「気狂いピエロ」が、あまりに有名でフランス映画界のレジェンド俳優です。
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カトリーヌ・ドヌーヴが、21歳のとき出演した1964年のミュージカル映画「シェルブールの雨傘」での清純な姿と清らかな歌声(ダニエル・リカーリ 1942~ の吹替えながら)の美しさは、際立っていました。
a0212807_1313226.jpgその美人女優カトリーヌ・ドヌーヴが、1967年に出演した「昼顔」のマゾヒスティックな娼婦役は、カトリーヌ・ドヌーヴのファンであった私にとってショック以外の何ものでもありませんでした。
トリュフォー監督は、「暗くなるまでこの恋を」の中に自分の敬愛する監督たちへのオマージュとして様々な映画のシーンやカットをさりげなく取り入れています。
a0212807_134395.jpg映画のプロットは、マダガスカルの東にある西インド洋のフランス領リユニヨン島でタバコ工場を経営する独身男ルイ・マエ(ジャン=ポール・ベルモンド)と写真見合いと文通で彼と結婚するためにフランス本国から来た女マリオン(カトリーヌ・ドヌーヴ)の虚々実々のサスペンス・ミステリー ドラマです。
この映画のカトリーヌ・ドヌーヴは、ジャン=ポール・ベルモンド演じる独身男ルイ・マエの資産を狙う妖艶な性悪a0212807_1310057.jpg女で、その毒婦ぶりが、見どころの映画です。
二日目の6月24日(土)は、名優アラン・ドロン(1935~)主演の1978年フレンチ ノワール(ハードボイルド サスペンス)映画「チェイサー」を見ました。
監督は、ジョルジュ・ロートネル(1926~2013)、共演者も名優・名女優たちで、モーリス・ロネ(1927~、1957年「死刑台のエレベーター」、1960年「太陽がいっぱい」など)、ミレーユ・ダルク(1938~)、ステファーヌ・オードラン(1932~、1987年の傑作映画「バベットの晩餐会」主演)、イタリアの美女 オルネラ・ムーティ(1955~)、ドイツの怪優 クラウス・キンスキー(1926~1991)などが、出演しています。
a0212807_13141869.jpg映画は、フランス政財界の権力闘争に絡み殺人を犯した政治家(モーリス・ロネ)が、親友の実業家グザヴィエ(アラン・ドロン)に助けを求めてくるところから始まります。
グザヴィエは、親友のアリバイ工作に協力しますが、パリ市警の刑事は、政治家とグザヴィエの証言を信用していませんでした。
殺人事件は、二転三転しながら国家を揺るがす汚職事件に発展、政治家の若い愛人(オルネラ・ムーティ)や政a0212807_13162694.jpg財界の黒幕(クラウス・キンスキー)などを巻き込みながらグザヴィエは、命を狙われるようになりました。
劇中に流れるジャズの名サックス奏者スタン・ゲッツの音楽(サウンドトラック)が、この映画のハードボイルドなストーリーと併せサスペンスタッチの緊張感を緩ませることなく効果絶大です。
a0212807_13175443.jpgちなみに、韓国のナ・ホンジン監督(1974~)が、監督デビューした2008年のコリアン ノワール(ハードボイルド バイオレンス)映画「チェイサー」と同じタイトルながらフランス版のリメイクではなく別作品です。
三日目の6月25日(日)は、5月のアンスティチュ・フランセ九州シネマクラブで上映された映画「呼吸 友情と破壊」の再上映です。
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私の映画評と感想は、すでに書いたとおりですが、映画上映後の転校生サラを演じたフランス若手女優 ルー・ド・ラージュ(1990~)とのトーク・イベントも女優然とした気取りもなく、会場からのいろいろな質問にも気さくに自a0212807_13224346.jpg分の意見を述べるなど聡明さを感じさせるものでした。
印象に残るのが、自分は、サラとまったく違う性格ながらメラニー・ロラン監督から「自惚れの強い性悪女の役(精神に疾患のある自己愛性人格障害少女の役)だけど、やってみる気ない?」と声かけられサラの役に非常に興味を持ったというコメントでした。
ブリジット・バルドーのくちびるに似たサラの口から発せられる ‘毒のあるセリフ’ が、強烈で ルー・ド・ラージュ をキャストし演出したロラン監督は、大いに満足したろうと推察いたします、
by blues_rock | 2017-07-03 00:03 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
フランスの鬼才映画監督オリビエ・アサイヤス(1955~ 「夏時間の庭」、「アクトレス 女たちの舞台」)最新作「パーソナル・ショッパー」は、アサイヤス監督が、映画芸術のクリエイターと絶賛するアメリカの若手実力派女優
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クリステン・スチュワート(1990~)からインスピレーションを得て、脚本を書き、当然主演女優にクリステン・スチュワートを迎え監督した心理ミステリー(ミステリーホラー)映画です。
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アサイヤス監督は、前作の「アクトレス 女たちの舞台」に出演したクリステン・スチュワートと仕事をしているとき、彼女にインスパイヤーされて「パーソナル・ショッパー」のオリジナル脚本を書いたのだそうです。
a0212807_225303.jpg製作スタッフ・キャストも‘オリビエ・アサイヤス組’で、撮影監督 ヨリック・ル・ソー(1968~)を始め「アクトレス 女たちの舞台」に出演していた俳優と女優たちが、脇を固めています。
映画のプロットは、心理ミステリー(サイコホラー)色が、強いので、ホラーっ ぽいと云えばホラーっぽくもあるものの「見えざるもの」(霊界)とのスピリチュアルな交信というアサイヤス監督特有なフレーバーは、第69回カンヌ国際映画祭(2016)で高く評価され「監a0212807_2273659.jpg督賞」を受賞しています。
2016年のカンヌ国際映画祭は、「エル ELLE」(2017年夏公開)、「セールスマン」(現在公開中)、「お嬢さん」、「わたしは、ダニエル・ブレイク」(パルムドール)、「たかが世界の終わり」(グランプリ)、「パーソナル・ショッパー」(監督賞)、「ありがとう、トニ・エルドマン」(近日公開)、日本から「淵に立つ」(審査a0212807_2282075.jpg員賞)など、ずらり傑作、秀作、佳作ぞろいでした。
閑話休題、アサイヤス監督の最新作「パーソナル・ショッパー」の主人公モウリーン(クリステン・スチュワート)は、ともに霊感の強かった二卵性双生児の兄(映画には登場しない)が、突然、滞在中のパリで心臓発作により亡くなa0212807_2284991.jpgり ‘パーソナル・ショッパー’ の仕事をしながら、死後の世界(霊的世界)の兄から届くはずのメッセージを待っていました。
映画は、モウリーンが、亡き兄の暮らしていた家で霊界にいる兄(らしきもの)の気配を感じるホラーっぽいシークエンスから始まります。
モウリーンの仕事は、キーラ(ノラ・フォン・バルトシュテッテン 1981~)という大富豪夫人のパーソナル・ショッa0212807_22251497.jpgパーで、買い物する時間がないキーラは、夜ごとの煌びやかな社交パーティや世界旅行など多忙な毎日の装いに必要な 艶やかなドレスなどの衣装類、身を飾るジュエリーなど装身具類の個人的な買い物(パーソナルなショッピング)を美的センスのあるモウリーンに任せていました。
a0212807_2226098.jpg霊界にいる兄からのメッセージを待つモウリーンと大富豪夫人キーラの私生活に深く関わるモウリーンをドーリーとハンディ・カメラが、追い、ズームやフォローのカメラワークは、秀逸です。
亡き兄(らしきもの)からモウリーンへのコンタクトと想われる超常現象、キーラの‘パーソナル・ショッパー’であるモウリーンの携帯(スマホ)に次々に着a0212807_22271430.jpg信する得体の知れないメール(SMS)、遠いアフリカ(オマーン)にいる恋人とのスカイプでの交信、豪邸(高級アパートメント)で惨殺されたキーラの第一発見者となったモウリーン、彼女のまわりで起きるスピリチュアルにしてシュールレアリスムな出来事(超常現象)とリアルな殺人事件を織り交ぜながら映画は、展開していきます。
a0212807_22275356.jpg62歳のオリビエ・アサイヤス監督最新作「パーソナル・ショッパー」は、27歳のクリステン・スチュワートを‘ファムファタルのように’撮った心理ミステリー映画の秀作です。
映画のラスト、モウリーンが、「すべて私の気のせい !?」と映画を見ている者に問いかけて終わるシーンは、「さすが、アサイヤス監督」とその演出の妙に敬服するすばらa0212807_22285946.jpgしいエンディングでした。

(左写真 : 演技の打合わせをするオリビエ・アサイヤス監督とクリステン・スチュワート)
by blues_rock | 2017-06-30 00:03 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
友だちから薦められて見た2001年韓国映画「春の日は過ぎ行く」は、私が、初めて見るホ・ジノ監督(1963~))作品ながら、なかなかどうして映画才能(映像演出力)のある名匠監督でした。
a0212807_6125218.jpg映画のプロットは、今どき珍しい純情な青年と年長で離婚歴が、あり生理的な感情(孤独感と肌の温もり欲しさ)で自分に恋する青年と付き合うジコチューの(ある意味 非常に人間的な)女性との儚く切ないラブ・ストーリーです。
主人公の青年、録音技師のサンウ(ユ・ジテ1976~)とラジオの深夜放送番組のプロデューサーを兼ねる DJウンス(イ・ヨンエ 1971~、2000年韓国映画「JSA」出演)は、番組で使用する‘自然の音’を収録するため一緒に取材することになりました。
サンウは、ウンスを深夜放送のラジオから聞こえる声(語り)を通して知っていました。
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ウンスは、地方駅(サンウの生まれ故郷の駅)に迎えに来たサンウとそこで初めて会いました。
映画冒頭でサンウが、駅で待つウンスとの約束時間に遅れ到着するシーンと 映画の最後、お互い相手に未練a0212807_615221.jpgを残しながら別れるシーンで、本人の姿は、そこにないものの認知症を患うサンウの祖母(ペク・ソンヒ 1925~ 脇役ながら秀逸)が、この映画の‘狂言回し’の役割を担い、重要なキーパーソンになります。
美男・美女が、主人公のこの手の恋愛映画は、監督に抜群の演出技能が、ないと甘ったるくて見られたものでは、ありませんが、ホ・ジノ監督は、老女優 ペク・ソンヒ演じるサンウの認知症祖母を登場させることで美男ユ・ジテと美女イ・ヨンエ主演の悲恋物語を芳醇な人生ドラマに昇華して描きました。
仕事(自然音の収録取材)で、知り合ったサンウとウンス、いつしかお互いを意識し惹かれ合うようになりますが、相手に対する気持ちの有様(ありよう)は、違いました。
純真な青年サンウは、美しい年上の女性ウンスに会うたびに想いをつのらせ、一途に恋する(恋してしまうもの)ようになりました。
離婚で傷ついた心が、癒えないウンスは、愛に臆病でサンウの恋をまっすぐ受け入れず孤独と寂しさを癒すため、そして時おりサンウや他の男に肌の温もりを求める感情のおもむくままの愛(異性愛)でした。
a0212807_616682.jpgホ・ジノ監督は、「愛は惜しみなく奪う」という利己的な愛(性愛)の本質と一途に相手を想う恋(相手の中に自己を投影させる欲求)との明確な違いを分かりやすく描いています。
「恋と愛」、私たちが、‘恋愛’と一括りにするまったく異質な人間(男と女)の性(ヘテロであれホモ=ゲイであれセックス)への普遍的な感情をこれほa0212807_6175871.jpgど分かりやすく表現した映画は、他になくジノ監督が、演出した「春の日は過ぎ行く」は、悲恋(悲恋でない恋は、恋ではないのかも)ロマンス映画の秀作です。
人生の「春」とは? ‥サンウの認知症を患う祖母(ペク・ソンヒ )は、認知症を患っていても春の日が、過ぎてゆくものであることを知っています。
a0212807_6225730.jpgとっくの昔に亡くなった夫(連れ合い)の帰りを待ち、毎日駅に迎えに行く祖母が、ウンスに失恋してさめざめ泣く孫のサンウにそっと寄り添い「つらいんだねえ、去ったバスと女は、追うもんじゃないよ」と静かに慰めるシーンは、胸を熱くします。
a0212807_6232980.jpg映画の終盤、祖母が、嫁入りのときに着た懐い出のチマチョゴリを着て、日傘をさし、嫁いで以来長年暮らした家の門を出て行く(たぶん駅に亡き夫を迎えに行く)シーンも印象に残る名場面です。
祖母に可愛がられたサンウは、祖母を大事にし祖母もまた孫のサンウを溺愛していましたが、祖母の死でサンウは、春の日が、過ぎてゆくものであることを知りました。
a0212807_7203241.jpgホ・ジノ監督の演出は、静かでやさしさに満ちており、サンウの恋とウンスの愛の移ろいを「老い」の視線でゆっくり描いていきます。
「春の日は過ぎてゆく」は、恋と愛の本質的な違いを知りたいと思う方にお薦めいたします。
この映画は、‘音楽’と‘音’も非常に重要です。
a0212807_721618.jpg私見ながら映画のプロットに大きな影響を与えたと推われる歌(原曲 カンツォーネ、ダスティ・スプリングフィールト、エルヴィス・プレスリーがカヴァーして大ヒットした)「この胸のときめきを」(You don't have to say you love me)が、編曲(スロウにアレンジ)されて劇中でゆったりと流れ、正しくこの歌の切ない歌詞そのまa0212807_7264034.jpgまに悲恋ドラマにしたのではないかとふと思いました。
‘音’は、サンウとウンスをつなぐ重要な道具で、竹林の風の音、風の音、雪の音、波の音など自然の「音」が、映画に深い情感を与えています。
ジノ監督は、撮影中いつも録音技師と一緒に現場に行き、撮影に合わせ同時録音したそうです。
エンドクレジットに流れる松任谷由実 作詞・作曲の主題に添った「春の日は過ぎゆく」もなかなか好い曲でした。
by blues_rock | 2017-06-28 00:08 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
アルゼンチンの若手映画監督ロドリゴ・グランデ(1974~)による2016年クライムサスペンス映画「エンド・オブ・トンネル」もフレンチノワールと一味ちがったハードボイルドな映画です。
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主人公のホアキン(レオナルド・スバラーリャ 1970~)は、交通事故により妻子(娘)を失くし、自らも後遺症(下半身麻痺)で車椅子生活を余儀なくされ、自宅に引きこもり外との接触を避けて孤独な日々を送っていました。
a0212807_02484.jpg貯金もなくなりホアキンは、生活のために自宅アパートの2階を貸し出すことにしました。
行くあてのない幼い娘を連れたストリッパーのベルタ(クララ・ラゴ 1990~)が、どうしても借りたいと押しかけ、ホアキンの意思を無視して住み始めました。
a0212807_0255053.jpg暮らしていくうちにホアキンの沈んだ心も生前の妻子の姿を懐い浮かべることで慰められ少しずつベルタ親子(母娘)と打ち解けるようになりました。
ある日、ホアキンは、一日のほとんどを過ごす地下室で壁の向こうから聞こえてくる隣室の奇妙な音を聞きました。
壁の穴にマイクロカメラを入れ盗聴するとなんと銀行強盗団が、隣室地下室の下にトンネルを掘り、隣接する銀a0212807_0302156.jpg行の金庫を襲撃している現場でした。
さらに、ベルタは、銀行強盗団のボス(パブロ・エチャリ 1969~ 出演/製作ならびに製作総指揮)の情婦でホアキンに気づかれないよう監視役として命令され送り込まれた女性でした。
ホアキンは、ギャングたちに気づかれないよう現金を掠(かすめ)取る計画を考え、金のために強盗団のボスに利用されているベルタと幼い娘を貧困
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の泥沼から救い出すことにしました。
主人公を下半身麻痺の障害者にして車椅子を道具に使うグランデ監督の斬新な演出は、ベテラン撮影監督a0212807_0352068.jpgフェリックス・モンティ(1938~ 2009年「瞳の奥の秘密」の撮影監督)のダークな映像と相俟って好い味のアルゼンチンノワールを醸し出しています。
by blues_rock | 2017-06-24 00:24 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
a0212807_11123858.jpg2014年制作のフレンチ・ノワール映画「コルト45 孤高の天才スナイパー」(原題「Colt 45」)は、リュック・ベッソン監督の1990年作品「ニキータ」を想わせるテンポの好いアクション映画ながら、パリ市警の殺人捜査科と特殊犯罪捜査科の内部対立、フランス軍テロ対策特殊部隊の有無を言わさぬ介入、現金強奪グループや麻薬密売組織などのギャング団が、入り乱れ、ド派手な銃撃戦を繰り広げるノワールなドラマです。
主人公のパリ市警の若き警察官ヴァンサン(イマノル・ペルセ ベルギーの若手俳優 プロファイル詳細不明)とヴァンサンの先輩同僚でベテラン刑事クリスチャン(フランスの名優ジェラール・ランヴァン 1950~)のほか映画に登場するのは、パリ市警察の刑事、フランス軍特殊部隊隊員、強盗グループや麻薬組織のギャング団ながら、どの顔も人相悪く、映画をしっかり見ていないとダレが、善玉で悪玉なのか、見ている方は、区別が、つかなくなり次第に‘重大事件(凶悪犯罪)’に巻き込まれていく天才狙撃手のヴァンサンは、果たして善人なのか、悪人に利用される彼らの手下なのか、分からなくなっていきます。
a0212807_11144511.jpgストーリーは、パリ市警武器庫管理係のヴァンサンは、まだ25歳ながらまわりのダレもが、認める射撃の天才でパリの警察学校で射撃を教える教官でもありました。
ヴァンサンの射撃能力を高く評価するパリ市警の犯罪所管部署やフランス軍特殊部隊は、ヴァンサンを引きぬこうとしますが、人間関係より銃器を愛し他人(ひと)と付き合うのを避ける彼は、内勤の武器庫管理a0212807_11155376.jpg係を続けたいと上司に伝えます。
しかし、ヴァンサンの思いとは、裏腹にヴァンサンの狙撃能力を利用しようとする陰謀が、密かに進行していました。
この後は、映画を見てのお楽しみということにして軍が、目的(テロ対策の大義名分)のために警察を駒のように扱い、警察は、警察で犯罪捜査と事件解決のためにお互い協力し合うのではなく縄張り争いを繰り広げ内部対立、犯a0212807_1117264.jpg罪捜査のためなら手段選ばずギャングたちを脅して利用します。
「コルト45 孤高の天才スナイパー」は、銃撃戦のシーンが、多く、どのシーンもリアリティにあふれ迫力あり、ベルギーの監督 ファブリス・ドゥ・ベルツ(1972~)の演出を上手いものだと感心していたら、銃撃戦などの戦闘シーンは、元SAS隊員をアドバイザーとしてa0212807_11185131.jpg迎え(冒頭アドバイザーの元SAS隊員本人がアメリカ軍特殊部隊の将校役で出演)、リアルな銃撃戦の演出をアドバイスしてもらったのだそうです。
孤独なヴァンサンに好意を持つベテラン女性刑事にアリス・タグリオーニ(1976~ 「ブルゴーニュで会いましょう」)が、紅一点で出演しています。
a0212807_11213716.jpg映画ラストのシークエンスは、まさに「ニキータ」の冒頭のようで、警察官を殺したニキータが、その殺しの手際の良さで、殺しの才能を国家権力に見こまれ、非合法な司法措置により過去をすべて抹消され暗殺者(アサシン)として教育されるシークエンスに似ていました。
by blues_rock | 2017-06-22 00:22 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)