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心の時空

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a day in my life

2012年 07月 15日 ( 1 )

昭和5年、荒川豊蔵((1894~1985没、享年91才)が、岐阜県可児市(美濃)山中の古窯跡で‘古志野陶片’を発掘するという歴史的な発見で美濃古窯の発掘と調査・研究が一気に進みました。
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そのきっかけは、荒川豊蔵が、懇意の古美術商から「古志野竹の子絵茶碗」を見せてもらった時、茶碗の高台内側にわずかに付着していた‘赤い陶土’でした。             (写真上・下 : 豊蔵資料館)
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荒川豊蔵は以前から、古志野が瀬戸古窯で焼かれたとする言い伝えに疑問を持っていました。
瀬戸周辺の古窯に志野を焼成した窯跡がなく、古窯のモノハラに志野の陶片が、発見されませんでした。
a0212807_13153255.jpg‘赤い陶土’を手がかりに美濃に出かけ、以前織部の陶片を見つけた大萱の牟田洞古窯跡を詳しく調査したところ、名古屋で見た「古志野竹の子絵茶碗」と同じ古志野の陶片を発見し、古志野が美濃で焼かれたことを確信しました。(詳しくはこちらの2.古志野を参照ください。)
それから美濃周辺にあった古窯跡が、次々に発見され、美濃古窯の全貌も明らかになりました。
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桃山時代の古志野に陶芸の原点を求めていた荒川豊蔵は、「古志野竹の子絵茶碗」の陶片を発見した大萱に、桃山当時と同じ半地上式穴窯を築き、古志野の再現のために作陶を重ね、「荒川志野」と呼ばれる新しい古志野を焼成しました。                         (写真上 : 荒川豊蔵志野、銘「随縁」)
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可児市久々利大萱の荒川豊蔵窯跡に「豊蔵資料館」が建設され、荒川豊蔵の偉大な足跡と作品を見ることができます。          (写真上 : 荒川豊蔵「志野ぐい呑み」、写真下 : 加藤唐九郎「織部手鉢」)
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加藤唐九郎(1897~1985没、享年88才)については、こちらに書きましたので省略いたしますが、名古屋市守山区の「唐九郎記念館」と「愛知県陶磁器資料館」・「豊蔵資料館」の3館を巡る旅は、古陶ファンには、至福の時間と思います。                 (写真下 : 鼠志野茶碗、銘「峯紅葉」 五島美術館蔵)
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時間に余裕のある方は、少し足を延ばし土岐市の美濃陶磁歴史館に行くと、古唐津焼の流れをくむ元屋敷窯跡(国指定史跡)から出土した古志野や古織部など桃山陶の名品を見ることができます。
多治見市・可児市内にも古窯跡の発掘品と推察される古陶の名品が、小さな施設の片隅に何気なく展示されており「何でこんなところに」とビックリしました
by blues_rock | 2012-07-15 12:58 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)