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心の時空

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a day in my life

もはや伝説の名女優 ケイト・ブランシェット(下)  シネマの世界<第700話>

a0212807_1731453.jpg同2003年のイギリス映画「ベロニカ・ゲリン」で演じたアイルランド実在の女性ジャーナリスト ベロニカ・ゲリンも秀逸でした。
新聞記者と同時に母親でもあるベロニカは、子供たちを蝕む麻薬犯罪組織に毅然と立ち向かい、脅迫に怯えながらも(麻薬犯罪組織を暴く取材をやめるよう諭す)夫に「私が、恐怖に震えていたと決して悟らせないで、奴らの思うツボだから」と言って報道を続け、麻薬ギャング組織に暗殺された主人公のベロニカ・ゲリンが、ケイト・ブランシェットに憑依したような入魂の演技が、胸を打ちます。
麻薬マフィアに惨殺されたベロニカの死でアイルランド国民が、立ち上がり法律を改正し麻薬犯罪組織のギャングらを国外追放しました。
a0212807_1782991.jpg2002年トム・ティクヴァ監督(1965~)作品の「ヘブン」も印象に残ります。
イタリアのトリノを舞台にした悲恋ロマンスの寓話(とくにラスト・シーン)です。
高校教師であったフィリッパ(ケイト・ブランシェット)は、麻薬中毒で夫と何人もの教え子を亡くし、国家憲兵隊(治安警察)に何度告発しても本部長と裏で繋がる表向き大企業経営者である麻薬組織ボスが、捜査されることはありませんでした。
フィリッパは、麻薬密売を止めるため窮余の策としてボスを時限爆弾テロで暗殺しようとしましたが、予期せぬ事態で、誤って父親と少女二人、50代の掃除婦の4人を殺してしまいました。
憲兵隊は、事件の前に実名で予告電話したフィリッパをすぐに逮捕しますが、彼女の自白をまったく信用せずa0212807_1792048.jpg(本部長が証拠隠滅)彼女は、テロ組織の一員にデッチあげられ、テロ組織の犯行と断定しました。
フィリッパは、麻薬組織のボスを暗殺できず無関係の善良な市民4人を犠牲にした罪の意識に苛まれました。
絶望と悲痛に苦しみ憔悴しながらも毅然として尋問に答えるフィリッパを見ていた若い憲兵隊員フィリッポ(ジョヴァンニ・リビシ 1974~)は、彼女を愛するようになりました。
フィリッポは、彼女を脱獄させ厳しい検問と捜査網を潜り抜けながら二人の逃避行が、始まりました。
ケイト・ブランシェットの丸坊主姿が、美しい映画です。
エストニアの作曲家アルヴォ・ペルト(1935~)によるサティを想わせるピアノの旋律だけの音楽も悲恋ロマンスの寓話をより切ないものにしています。
スウェーデンのラッセ・ハルストレム監督の2001年作品「シッピング・ニュース」で、ケイト・ブランシェットが、演じた淫乱悪女ぶりもお見事です。
オーストラリアの女性監督ジリアン・アームストロング(1950~)が、2001年に撮った作品「シャーロット・グレイ」もa0212807_17341112.jpg必見です。
第二次世界大戦下、イギリスの看護婦シャーロットは、空軍パイロットの恋人が、フランスを占領したナチスドイツ軍と戦闘中に行方不明となり、恋人を捜すため、イギリス諜報機関のフランスでの仕事を引き受けました。
フランスにスパイとして密かに侵入、街に溶け込み偽名を使いイギリス本国からの指示を受けながら、フランスのレジスタンス活動a0212807_17361188.jpgを支援しました。
たが、フランスのレジスタンス活動家には、多くの共産主義者もおり、情報が、ソ連に流れることをイギリス本国は、警戒していました。
スパイとして上手く地域に溶け込んだシャーロット・グレイでしたが、イギリス側にもソ連のスパイは、いました。
サム・ライミ監督の2000年サスペンス・スリラー(ホラー)映画「ギフト」では、霊能者だった家系(とくに祖母の血を色濃く)受け継a0212807_1741732.jpgぎ‘カード占い’で糊口をしのぐ(食料や日用品の差入れで生活する)シングルマザーのアニー役を繊細かつ表情豊かに(怯えや不安、苦悩、心の痛みなどの感情を)演じています。
アニーの霊感は、確かに強いものの心に深い痛手をもつ人や悩み苦しむ住人たちに‘カード占い’をしてカウンセリング(心療)してあげていました。
アメリカの片田舎には、迷信深い人も多く、無知・偏見・憎悪を込めてアニーを魔女と呼んで排斥していました。
a0212807_1743196.jpgアニーは、少女失踪事件というおぞましい事件に巻き込まれ、恐怖に慄きながらも、自分の良心に従い、勇気をもって真実に立ち向かうけなげな女性を名演しています。
ケイト・ブランシェットの名女優ぶりは、これから出演する作品で深耕され、彼女の名女優伝説もまたさらに厚みを増していくでしょう。
デンマークの名監督スザンネ・ビア(1960~)の新作「ザ・ディグ」をケイト・ブランシェットが、主演するとか、二人の熱烈ファンである私は、今から封切りされる日をドキドキしながら心待ちにしています。
by blues_rock | 2017-04-28 00:08 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)