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心の時空

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もはや伝説の名女優 ケイト・ブランシェット(中) シネマの世界<第718話>

2007年の同じ年、ケイト・ブランシェットは、メキシコの映画監督アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(1963~)「バベル」に出演、主演ではありませんでしたが、印象に残る演技で存在感を示していました。
もはや伝説の名女優 ケイト・ブランシェット(中) シネマの世界<第718話>_a0212807_12114026.jpgリチャード・エアー監督はじめスタッフ・キャストのほとんどをイギリス勢(ケイト・ブランシェットだけがオーストラリア)で固めて撮った2006年作品「あるスキャンダルの覚え書き」で見せた少年性愛者の中学教師シーバ役のハマりぶり(少年とのセックスシーンはさらりとしたものながらそのエロティックなリアリティは、凄い!)と、同僚のレスビアン老女性教師を演じたジュディ・デンチ(1934~)との演技バトルは、必見です。
1999年映画「理想の結婚」(監督・脚本 オリヴァー・パーカー 1960~)は、原作が、19世紀末のイギリス貴族社会を舞台にした作家オスカー・ワイルドの戯曲「理想の夫」です。
オスカー・ワイルドと云えば、この映画のキャッチ・コピーが、「嘘つきは、夫婦の始まり」とあるように希代のシニカリスト(辛辣な皮肉屋)なので、劇中の登場人物たち(貴族社会なので紳士・淑女たち)のセリフ(会話)すべてが、嫌味たっぷりでシニカル(冷笑的)ながらウィットに富み、ユーモアのセンス抜群なので、コメディ映画ではないのに、プッと吹き出したり、クスクス笑ったり、ニヤリとしたり ‥ 、知的なもはや伝説の名女優 ケイト・ブランシェット(中) シネマの世界<第718話>_a0212807_1213070.jpg会話が、楽しめるおもしろいシャレた映画でした。
ケイト・ブランシェットは、夫を疑うことを知らない貞淑な貴族の妻を演じ、共演したジュリアン・ムーア(1960~)が、彼女の夫を翻弄するウィーン貴族の悪女を演じています。
二人は、ラッセ・ハルストレム監督の2001年作品「シッピング・ニュース」でも共演していますが、この時の二人の役柄は、この時と真逆で、ジュリアン・ムーアが、亡くなった夫を忘れられない貞節な妻を演じ、ケイト・ブランシェットは、男に奔放で家庭を顧みない悪妻(売春婦然とした淫乱な悪女ぶりは秀逸でした)を演じています。
「理想の夫」の劇中で 一人の淑女が、女性にもてる独身の少しトンチンカンな紳士に「見ると 見えるは、違うももはや伝説の名女優 ケイト・ブランシェット(中) シネマの世界<第718話>_a0212807_12175692.jpgの、美しいものが、見えない者には、ほとんどのものが、見えていない。」と暗に自分の想いをうちあけているのに気づかないシーンには、思わずニヤリとしてしまいました。
2006年スティーブン・ソダーバーグ監督作品「さらばベルリン」では、ナチスの優秀な科学者の妻でユダヤ人として生き延びるために娼婦となり、ユダヤ人同胞をゲシュタポに売ることも厭わない虚無にして退廃的な雰囲気を漂わせる女の悲哀を見事に演じていました。
2005年作品「リトル・フィッシュ」(ローワン・ウッズ監督、オーストラリア製作、日本では劇場未公開)では、若いころのヘロイン中毒を何とか克服しレンタルビデオ店のマネージャーとして働く女性トレイシーの悲哀を名演、何をするにも過去が、現在の自分に重く圧しかかり、その閉塞感から抜けもはや伝説の名女優 ケイト・ブランシェット(中) シネマの世界<第718話>_a0212807_12235887.jpg出そうともがくも現実の奔流に流されていくリトル・フィッシュのような主人公トレイシーの心理(感情の動き)をケイト・ブランシェットは、絶妙に表現しています。
ヘロイン中毒を克服できずに母親と離婚して独り暮らしをしているゲイの父親をオーストラリアの俳優ヒューゴ・ウィービング(1960~ 1999年~2003年「マトリックス」シリーズ)が、哀切に演じています。
2004年作品「アビエイター」では、マーティン・スコセッシ監督の常連俳優レオナルド・ウィルヘルム・ディカプリオ演じる奇人変人の実業家ハワード・ヒューズの恋人であった往年の名女優キャサリン・ヘプバーン(1907-2003、アカデミー賞主演女優賞を4度受賞)の凛として姿を好演、アカデミー賞助演女優賞を受賞しています。
2003年ロン・ハワード監督作品「ミッシング」では、19世紀のアメリカ西部を舞台に家族を捨ててインディアン一族になった父親サミュエル(トミー・リー・ジョーンズ)が、許せない気丈な娘にして治療師マギー役を好演しています。
ある日、突然忘れたはずの父サミュエルが、二人の娘(サミュエルの孫)と暮らすマギーの前に現れます。
もはや伝説の名女優 ケイト・ブランシェット(中) シネマの世界<第718話>_a0212807_12252457.jpgマギーは、憎しみも露わに父サミュエルを罵りました。
数日後、騎兵隊の脱走兵でインディアンの元兵士らによる人身売買団一味に長女リリーを誘拐されたマギーは、やむなくインディアンの知識に詳しい父サミュエルの助けを借りることにしました。
サミュエルとマギーそして次女ドットは、誘拐団一味を追跡しました。
に続く)
by blues_rock | 2017-04-27 00:07 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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