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荒馬と女  シネマの世界<第788話>

荒馬と女  シネマの世界<第788話>_a0212807_12474536.jpg1961年のアメリカ映画「荒馬と女」は、「The Misfits(ミスフイッツ)」が、原題で日本語に翻訳したら「不適合な者たち(とか順応できない人たち」という意味になります。
この映画最大の見どころは、伝説の女優 マリリン・モンロー(1926~1962没、享年36歳)の遺作であり、その伝説となった妖艶な(セクシー)で美しいマリリン・モンロー最期の姿が、出演した映画の中で演技と併せマリリン・モンロー最高の容姿(モノクロ映画ながらただ美しいの一言です)というところにあります。
当時のマリリン・モンローは、若いころ女優の自分に強いられた‘頭の悪いセクシーな金髪美女’イメージへの抵抗(払拭のために自分の映画会社設立)、数回の結婚と離婚、ケネディ兄弟とのセックス・スキャンダル ‥ 何より持病であった精神の病「境界性パーソナリティ障害」に苦しんでいました。
そのため長年、睡眠薬の使用を続けるうち依存症となりオーバードース(過剰摂取)により自宅のベッドで不慮の死を遂げました。
その時の姿が、全裸であったことからスチャンダラスな憶測を生み、睡眠薬過剰摂取による事故死説、自殺説、枕元に薬を飲むコップの不在やマリリン・モンローは、愛用の赤い手帳を日記代わりしていたとか、この赤い手帳が行方不明なことから陰謀による他殺説などマリリン・モンロー絶頂期のあまりに早い死は、死後に謎が、多いのも特徴です。
この「荒馬と女」でマリリン・モンローが、演じた主人公の女は、繊細で感受性豊かながら感情の起伏が、激しく情緒の不安定な、気分屋で言動に一貫性のない今で云うところのどうしようもないジコチュウ女(いわゆる‘境界性パーソナリティ障害’の女性)を‘水を得た魚のように’伸び伸びと、見事に演じています。
荒馬とは、野生の馬(ムスタング)のことで、ハリウッド屈指の伊達男であったクラーク・ゲーブル(1901~1960荒馬と女  シネマの世界<第788話>_a0212807_12493594.jpg 心臓発作で病没、享年59歳)が、演じる時代に順応し切れない老カウボーイを指しています。
この時のクラーク・ゲーブルに、38歳の時に出演した1939年の名作「風と共に去りぬ」で演じたレッド・バトラーのような伊達男ぶりは、もはや見られず老いに抗う初老のカウボーイ男を好演、クラーク・ゲーブルもこの映画が、遺作となりました。
荒馬と女  シネマの世界<第788話>_a0212807_12584312.jpgこの主演の二人に絡むのが、初老のカウボーイの友人でロデオ大会賞金稼ぎの若者を演じる伝説の二枚目俳優モンゴメリー・クリフト(1920~1966 心臓発作で病没、享年46歳)です。
モンゴメリー・クリフトは、若いころから二枚目俳優のみならず演技の評価が、非常に高く(アカデミー賞主演男優賞に数回ノミネート)、メジャー映画会社からの長期契約も名作映画への主演オッファにも平然と拒否する実力ある名優でした。
荒馬と女  シネマの世界<第788話>_a0212807_1385992.jpg
このアメリカ映画を代表する三人の元気な姿が、見れるだけでも私個人の独断ながらレオナルド・ダ・ヴィンチ500億円のキリスト像(こちら)を見るくらいの価値は、あります。
荒馬と女  シネマの世界<第788話>_a0212807_139206.jpg
ちなみに、この映画「荒馬と女」の監督は、巨匠ジョン・ヒューストン(1906~1987)、脚本は、当時マリリン・モンローの夫であった劇作家のアーサー・ミラー(1915~2005)、撮影が、名撮影監督のラッセル・メティ(1906~荒馬と女  シネマの世界<第788話>_a0212807_1393476.jpg1978)で、映画の終盤、野生の馬(ムスタング)を追うシークエンスの映像(空中撮影の映像も含め)は、非常に迫力があり、この映画のもう一つの見どころと云えるでしょう。
by blues_rock | 2017-11-29 12:41 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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