若き名女優 クリステン・スチュアート ~ その1 シネマの世界<第786話>
デヴューして16年、27歳の若さですでに30作近い映画に出演(私が、見たのは、そのうちの24作品ながら)、年2作のペースで多種多様なジャンルの映画に出演しています。
オッファーされキャストされたどんな役柄も演じることのできる類稀な才能は、ケイト・ブランシェットと共通します。
“栴檀(せんだん)は、双葉より芳(かんば)し”の喩えのとおり、それを地で行くのが、若くて美しい名女優のクリステン・スチュアートです。
今夜から「若き名女優 クリステン・スチュアート」と題して 5回シリーズで、クリステンが、出演した映画とその見どころを紹介していきたいと思います。
女優としてのキャリアは、十分で出演している映画の監督も名匠(巨匠)・鬼才の大物監督ばかり、デヴィッド・フィンチャー監督(1962~)、ジョン・ファヴロー監督(1966~)、ショーン・ペン監督(1960~)、ウディ・アレン監督(1935~)、さらにフランスのオリヴィエ・アサヤス監督(1955~)と世界に名立たる名監督からの出演依頼(オッファー)を受け、また共演した俳優ならびに女優も錚々たる名優ばかり、この女優としてのクリステン・スチュアートのキャリアは、彼女の潜在的素質(才能)をさらなる演技の高みへ導いています。
クリステン・スチュアートは、2002年12歳のとき、巨匠デヴィッド・フィンチャー監督のスリラー映画「パニック・ルーム」で長編映画デヴュー、凶悪強盗に家宅侵入され監禁された母と娘の その娘役でした。
母親を演じた名女優ジョディ・フォスターを相手にクリステンは、映画初出演ながら12歳とは、思えない秀逸な演技で映画関係者や映画ファンを驚かせました。
2004年のバート・フレインドリッチ監督(1970~)作品「ミッションX」では、キュートになった14歳のクリステン・スチュアートが、ゴーカート・レース場を経営する父親の高額な難病手術のために銀行強盗をするやんちゃな娘マディ役をハートフルに演じています。
マディを片想いする同級生の少年二人を従え狙った銀行が、セキュリティ担当の母親(ジェニファー・ビールス 1963~)の勤める銀行で、最新鋭セキュリティ機器の作動テストを実施中でしたから大騒ぎとなりました。
2004年のデヴィッド・ゴードン・グリーン監督(1975~)によるサスペンス映画「アンダートウ 決死の逃亡」(製作 テレンス・マリック 1943~)でのクリステンの出番は、少ないものの主人公の幸せ薄い兄弟(クリステン演じる少女に想いを寄せる問題児少年と弟の知的障害児)を主人公にした佳作映画でした。
2005年、15歳になったクリステン・スチュアートは、ジョン・ファヴロー監督(1966~)のSFアァンタジー映画「ザスーラ」に出演、仲の悪い弟の二人ウォルターとダニーに薄情な姉リサを演じています。
弟二人が、家の地下で見つけた宇宙ゲーム「ザスーラ」を始めたとたん姉弟3人の住まう家は、宇宙船となり宇宙を彷徨(さまよ)い、いろいろな事件に遭遇するという奇想天外な作品ながら脚本家デヴィッド・コープ(1963~)の捻りの効いた脚本とファヴロー監督の演出が、おもしろい映画です。 (<その2>に続く)