女神の見えざる手 シネマの世界<第785話>
先日ご紹介した「アトミック・ブロンド」でシャーリーズ・セロンが、演じた女スパイのロレーン・ブロートンと同様、この「女神の見えざる手」でジェシカ・チャステイン演じる一匹狼の女ロビーストのエリザベス・シャローンもヒラメ社会(上目使い)に棲むヤワな男たちには、到底太刀打ちできないアラフォー女性の典型です。
実際のエピソードをもとに初めて脚本を書いたイギリスの弁護士ジョナサン・ペレラの才能といい、デンマーク出身の撮影監督セバスチャン・ブレンコー(1972~)の秀逸な映像といい秀作映画の基本条件が、揃った映画です。
アメリカ議会(議員たち)への裏工作(ロビー活動)は、熾烈を極めており、各業界(利益団体)から高額で雇われたロヒーストたちにとり法案の実現(または廃案)だけが、‘勝敗’のすべてでした。
映画は、アメリカ政界に蠢(うごめ)く老獪にして海千山千の男性ロビーストたちを相手にエリザベスが、依頼を受けた仕事の達成(法案を通すこと=勝つこと)のためには、微塵の私情も入れず、常に計算し駆け引きしながら冷徹に利用できるものすべてを利用していく颯爽(さっそう)とした姿を描いています。
仕事だけの人生であるエリザベスに恋人は、なく一夜の男が、欲しくなるとエスコート(高級男娼)をホテルの一室に呼びセックスを済ませると仕事の邪魔とばかりにさっさと追い返すクールな女性でした。
大手コンサルタント(ロビー活動請負業)会社に勤め業界から畏敬の念で見られるロビーストであったエリザペスは、ある日、ライフル協会から依頼のあった銃規制の法案反対の仕事を巡り会社と意見が対立、彼女は、会社から解雇(クビ)を宣告されました。
銃規制の法案賛成の小さなロビー団体の代表シュミット(マーク・ストロング 1965~)は、ここぞとばかりエリザベスを引き抜き、彼女にこれまでと真逆の銃規制法案賛成の世論形成と議会(賛成派議員)の多数派工作を依頼しました。
マッデン監督は、演出にミステリーとサスペンスの要素をふんだんに取り入れ、登場する人物たちとエリザベスとの関わりやエリザベスが、触れられたくない過去のスキャンダルなども絡めながら映画は、二転三転どころか最後の最後までスクリーンから目が、離せない緊張感をもって展開していきます。
エリザベスに憧れるも過去に銃に対してトラウマを持つ研修生エヌメを演じるイギリスの女優ググ・バサ=ロー(1983~)と、エリザベスから共に移籍する誘いを断り会社に残り銃規制法案反対のロビー活動を続けるエリザベスの忠実な部下であったジェーンを演じるデンマークの女優アリソン・ピル(1985~)が、ジェシカ・チャステインと絡むシーンで見せる演技も秀逸でした。
コメントをいただきながら、お返事が遅くなり申し訳ありません。過分のお褒めの言葉にただただ恐縮しました。
単に美女が好きという理由だけで、ここまで続けてきたことに我ながらあきれています。それも、いつまで続けられるか・・・?
因みに、先々月の末、旅先の京都のシネコンで二晩続けて「アトミック・ブロンド」と「女神の見えざる手」を観て、久しぶりに映画を観て満腹感を覚えたのを思い出しました。
と言うわけでこれからもよろしく。nightly
コメント、ありがとうございます。
突然のぶしつけな拙ブログへのフォロー貼付けをお許しくださりありがとうございます。
「アトミック・ブロンド」と「女神の見えざる手」は、私も堪能いたしました。
映画好きな人から薦められた「ワンダーウーマン」、世界的な大ヒット作らしんですが、あれは、ひどかった!
たったひとつ、主演女優 ガル・ガドットを見るためだけの映画でした。