バーニー・トムソンの殺人日記 シネマの世界<第780話>
長編映画初監督と主演をイギリス(グラスゴー出身)の舞台監督で俳優のロバート・カーライル(1961~ 1997年コメディ映画「フル・モンティ(素っ裸)」主演)が、この理髪店で働くベテランながらへそ曲がりで冴えない中年男バーニー・トムソンを軽妙に演じています。
未解決のシリアル・キラー(連続殺人犯)事件の容疑者としてバーニー・トムソンを執拗に追う刑事にレイ・ウィンストン(1957~)、容疑者である息子バーニーを助けるどころか事あるごとに足を引っ張る母親にエマ・トンプソン(1959~)、刑事のライバルとして手柄を奪おうとする女刑事にアシュレー・ジェンセン(1969~)など、いずれ劣らぬ芸達者な個性派ぞろいの名優・名女優たちの演技バトルは、必見です。
緻密な脚本とテンポの好い演出でバーニー・トムソンが、予期しない事故で理髪店主を殺してしまい、死体の処置に困り果てたバーニー・トムソンは、母親に相談、彼女の指示通りに死体を自宅の冷凍庫に運ぶと、他にも別の死体が、ありました。
バーニー・トムソン自身は、悪意も殺意もないものの結果的に次々と殺人を引き起こしていく負(死)のスパイラルに巻き込まれていく笑えない姿を描いています。
この映画の詳細をあまり書き過ぎるとこの映画のブラックでシニカル(冷笑的)なコメディの面白さ(見どころたくさんのコメディアスなシーン)を半減させてしまいますのでここらで今夜のシネマの世界は、お終いにします。