メメント シネマの世界<第778話>
原作は、ノーラン監督の弟にして脚本家ジョナサン・ノーラン(1976~)の短編小説「Memento Mori」(ラテン語で
撮影監督は、ノーラン監督の盟友にしてノーラン作品の常連カメラマン ウォーリー・フィスター(1961~)です。
原作と脚本そして演出が、すばらしく、映画の物語は、終わりから始まりへと時系列(時間経過)を逆行して構成して行くのでしっかり見ていないと置いて行かれます。
映画のプロットは、自宅に押し入った暴漢が、妻をレイプし殺害、主人公のレナード(ガイ・ピアース 1967~)は、犯人の一人を射殺しますが、もう一人の犯人に突き飛ばされ頭を強打、レナードは、その後遺症で事件当日以降の記憶が、抜け落ち、新しい記憶も10分くらいしか維持できない記憶障害に苦しみます。
犯人を捜し出し復讐しようとするレナードは、記憶すべきことをメモし出会った人物の顔や行った場所をポラロイド写真で記録、余白に自分にとり必要なことをメモにして書き残していました。
さらに決め手となる重要な名前や場所、番号などは、自分の身体のいたるところに喪失しないよう刺青にして保存していました。
それでも自分の身の回りで目まぐるしく変化する環境に順応していくのは、難しく、時に混乱して自分に近づく人物や一切の出来事に対し疑心暗鬼を募らせていきます。
本当に信用できる人物は、一体誰なのか‥、真実は、一体何なのか‥、エンディングが、映画の冒頭シーンに還り映画は、終わります。
共演者として「マトリックス」シリーズのトリニティー役で有名なキャリー=アン・モス(1967~)、地味ながら多くの映画に出演している名脇役のジョー・パントリアーノ(1951~)などが、しっかり脇を固め見応えのある一級のサスペンス・スリラー映画にしています。