キングコング 髑髏島の巨神 シネマの世界<第714話>
「キングコング」といえば、1933年当時、無声(サイレント)映画の全盛期に、巨大類人猿のキングコングが、美女(フェイ・レイ 1907~2004)を片手に抱え超高層のエンパイアーステート・ビルディングによじ登り、複葉飛行機を叩き落とすという画期的な特殊撮影により、ハラハラドキドキのエンタメサービス精神タップリの原始パニック映画を懐い出します。
その後、「キングコング」は、何度もリメイクされ、キングコングとからむ美女たちも1976年 ジェシカ・ラング(1949~)、1986年 リンダ・ハミルトン(1956~)、2005年 ナオミ・ワッツ(1968~)と変わり、2017年の最新作「キングコング 髑髏島の巨神」(Kong Skull Island)では、ブリー・ラーソン(1989~ 「ルーム」アカデミー賞主演女優賞受賞)が、演じています。
最新作のキングコングは、髑髏島で巨神と崇められている身長30㍍、体重300㌧のクリーチャー(怪物)です。
髑髏島では、得体のしれないサイキックな原住民や探検隊を襲う巨大なトカゲのような怪獣(キングコングの天敵)、怪鳥、巨大水牛、巨大タコなど数多のクリーチャーが、共棲していました。
映画は、日本アニメ映画やゲーム映像の影響を受けたジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督が、スピルバーグ監督の「ジュラシック・パーク」やコッポラ監督の「地獄の黙示録」への個人的なオマージュと併せ、自分の好きな映画からお気に入りのシーンを取り出して構成しているので空想SFの漫画チックなリアリティを感じない怪獣パニック映画(ヴォート=ロバーツ監督はワクワクしながら撮っていたと推察)になっています。
まあ、クリーチャー(怪物や化け物)の登場するSFパニック映画にリアリティなど能書きを求めるほうが、野暮と云うものでしょう。
映画のエンディング・クレジットに入ると帰る観客も大勢いましたが、映画制作会社もイジワルなことするもの‥クレジットの終わりに、この映画「キングコング 髑髏島の巨神」の続編らしき 最新VFX映像によるSF怪獣パニック映画の次回作「コジラ」(Godzilla)を、さらにその続編として2020年には、日本映画版「キングコングとゴジラ」を最新VFX撮影技術でリメイクするとしいうウルトラSF怪獣パニック映画の製作を予告していました。