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心の時空

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中国の名匠 ジャ・ジャンクー監督(前編)  シネマの世界<第757話>

中国映画を代表する(私は中国最高の映画監督と思っています)ジャ・ジャンクー監督(賈樟柯 1970~)の新作映画「山河ノスタルジア」を書こうと思いながら映画を見て2年が、経ちました。
a0212807_1113829.pngジャ・ジャンクー監督ファンの私は、この「山河ノスタルジア」の感想と併せ、これまで見た他のジャンクー監督作品も一緒に紹介したいと思っていました。
中国・日本・フランス合作の「山河ノスタルジア」の原題は、「Mountains May Depart(山々は旅立つ)」と、哲学的なタイトルながら、ある中国人家族親子三人の物語を 1999年(過去)、2014年(現在)、2025年(未来)と時代を三つに分け、家族と家族に関わる人たちの人生を一大叙事詩のように描いています。
ジャンクー監督は、どんな人の人生も愛と情そして義の間(はざま)にあって家族が、生涯ずっと共に居られることはなく、どんな家族にもいつか必ず別れのときが、来ることを冷徹にメッセージしています。
映画は、この三つの時代を交差させながら展開していきます。
1999年の山西省、汾陽(フェンヤン)、小学校教師のタオ(チャオ・タオ 1977~)は、炭鉱で働くリャンズー(リャa0212807_129820.jpgン・ジンドン)と実業家のジンシェン(チャン・イー 1978~)、二人の幼なじみから恋心をもたれていました。
タオは、積極的で自信家のジンシェンのプロポーズを受け結婚、一人息子のダオラーが、生まれました。
2014年、タオは、ジンシェンと離婚、ひとり汾陽で暮らしていました。
a0212807_1294965.jpgある日、タオの父親が、亡くなり葬儀に出席しタオは、父親に引き取られた息子のダオラーと再会しました。
タオは、ダオラーから父ジンシェンと共にオーストラリアに移住することを告げられました。
2025年、オーストラリア、19歳になったダオラー(ドン・ズージェン)は、長いオーストラリアでの生活で中国語が、話せなくなっていました。
a0212807_1303926.jpg彼は、いつまでも中国人である父ジンシェンとの折り合い悪く対立、自らのアイデンティティを見失うなか中国語教師のミア(シルビア・チャン 1953~)と知り合いダオラーの記憶にかすかに残る母親の面影をミアに探し始めました。
製作は、市山尚三(1963~)、ジャンクー監督の要請なのか定かではないものの撮影監督ユー・リクウァイ(1966~)の撮ったスクリーンサイズ(アスa0212807_134358.jpgペクト比)が、たいへんおもしろく、1999年は、スタンダードサイズの‘1:1.33’、2014年が、ビスタサイズの‘1:1.85’、2025年は、シネマスコープの‘1:2.39’とだんだん大きく変化していきます。
プロダンショクデザインのリュウ・チァン、音楽の半野喜弘(1968~)の哀感あるメロディとペット・ショップ・ボーイズの名曲「GO WEST」を挿入したことなど秀逸でした。
a0212807_1343850.jpgカンヌで脚本賞を受賞した2013年作品「罪の手ざわり」も秀作ながら、あまりにもリアルに現在の中国社会の歪みを描いているために一党独裁の中国共産党批判と過敏に反応した中国政府により中国では、上映禁止にされました。(後編に続く)
by blues_rock | 2017-10-18 01:18 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)