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心の時空

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スノーデン  シネマの世界<第752話>

社会派の巨匠オリヴァー・ストーン(1946~)は、これまでベトナム戦争の現実をストレートに発表した三部作、1986年の「プラトーン」、1989年の「7月4日に生まれて、1993年の「天と地」、ならびに実在の(元)アメリカ大統領をプロットに描いた、例えば、1991年の「JFK」では、ケネディ大統領暗殺の事実隠蔽と国家秘密機関の関与へ
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の疑念を呈したり、他にニクソン、ブッシュ(息子)両大統領の内幕(暗部)を描いたり(大統領三部作)と筋金入りの社会派映画監督ぶりを発揮してきました。
古希を過ぎてもオリヴァー・ストーン監督に老いの兆候微塵もなく、最新作「スノーデン」では、言論の自由を尊a0212807_1550548.jpgぶアメリカ市民には、その勇気ある行動を社会正義のヒーロー(内部告発者)として絶賛され、反対に国家主義の愛国者にとり断じて許せぬ裏切り者(情報漏洩者、反アメリカのスパイ)として国民の意見を二分する現在34歳の元CIA・元NSAのスタッフ、エドワード・スノーデン(1983~)が、アメリカ政府から“国家反逆罪”その他の罪状でアメリカ国籍を剥奪され国外へ逃亡(現在難民として妻リンゼイとモスクワに滞在)するまでをドキュメンタリータッチで描いています。
a0212807_15513079.jpg筋金入りの社会派映画監督ストーン監督が、真骨頂を見せたは、正しくこの「スノーデン」で、オバマ大統領時代に発覚したアメリカ国防総省の諜報機関 アメリカ国家安全保障局(NSA)が、アメリカ自国民は、おろかアメリカ議会の議員、政府機関の首脳ならびに幹部、敵(対立国)味方(同盟国)問わず外国の大統領および首相の電話・メールを盗聴していたという事実(実話)を映画化したことです。
a0212807_15521714.jpg2013年6月、イギリスのガーディアン誌が、アメリカ政府(NSA)は、極秘で世界同時監視プログラムを駆使し世界中の政府機関と要人、民間企業、そして国民ひとり一人を監視しているという事実をスクープ(暴露)しました。
ガーディアン誌にその情報を提供したのが、アメリカ国家安全保障局(NSA)の契約職員であった当時29歳の青年エドワード・スノーデンでした。
自由の国アメリカを心から愛する平凡な若者のスノーデン(彼は、リバタリアン=個人の自由至上主義者とa0212807_15524541.jpg推察)が、なぜ輝かしいキャリアと愛妻リンゼイとの幸せな人生を捨ててまで世界最強の情報機関(NSA)に反旗を翻し暴露(内部告発)したのか、スノーデンは、国家が、テロリストの監視を名目に全世界の個人を監視しているという事実に愕然とし、未来社会への危機感を募らせていく様子をストーン監督は、手際(キレ)のよい演出で描いています。
エドワード・スノーデンを演じるのは、本人と雰囲気の良く似たジョゼフ・ゴードン=レヴィット(1981~)、妻のリンa0212807_15544580.jpgゼイをズーイー・デシャネル(1980~)、香港に滞在しているスノーデンに密着取材してドキュメンタリー映画「シチズンフォー(スノーデンの暗号名)」を制作したローラ・ポイトラス監督役にベテラン女優メリッサ・レオ(1960~)、密かにスノーデンと気脈を通じ彼に適宜アドバイスする反骨のシステム研究員ハンク役を名優ニコラス・ケイジ(1964~)が、脇を固めています。
ストーン監督は、リバタリアニズム(個人の自由至上主義)を信奉するエドワード・スノーデンが、国家の悪辣なa0212807_15571423.jpg行為に幻滅していく様子を丁寧に描いています。
スノーデンは、表向きデルの社員として横田基地内にある日本のNSA本部に2年間勤務、そこで日本政府 中でも内閣府・財務省・日本銀行、主要な国会議員・大手企業を監視していました。
スノーデンが、そのことを暴露したにも関わらず日本政府は、アメリカ政府に抗議すらせず「それが事実なら遺憾」のコメントを出しただけ‥で終わりました。
a0212807_15574438.jpg日本に在るアメリカ軍基地は、沖縄の37を筆頭に135か所です。(下図参照)
「思いやり予算」と称して国税で年間 1兆円(国民一人当たり1万円相当の税金)をアメリカ政府に在日アメリカ軍基地と施設の人件費や維持管理費(軍資金)を支出しアメリカに貢献している日本国民すら‘ターゲット・トーキョー’として執拗に監視していることにスノーデンは、たいへん驚きました。
NSAの監視は、「敵・反対者」に限らず、信頼できる協力者やまったく無関係な人たちまで対象にしている(スa0212807_1663274.pngノーデン談)とか、その監視システムが、「監視されても構わない」と思う人たちさえ執拗に追い回し、もし必要ならいつでも、その人物の個人情報を「危険人物」に変えられる(書き換えできる)ところに真の危険は、存在します。
とくにスノーデンの横田基地回想シーンで日本が、同盟国でなくなり敵になったときアメリカ軍は、日本の情報通信システムと ‘IoT’ インフラのすべてを乗っ取れるサイバー攻撃用のマルウェアを密かに仕掛けているとスノーデンが、告白したことをストーン監
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督は、この映画で映像にして見せてくれます。 (上図 : 日本にあるアメリカ軍基地と施設)
日本列島から電気が、全部消えていくシーンは、まさしくデストピア(地獄の未来)、身の毛が、よだつ思いです。
by blues_rock | 2017-10-04 00:04 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)