幻の本根朱(ほんねじ) 赤軸筆(温故知新)
ナイロンのアクリル絵画用やネイルアート用の上質な筆が、あるにはあるものの天然素材で作られた筆や刷毛に到底及ばないのは、しばらく使ってみると良く分かります。
最高級品質の蒔絵用筆を‘本根朱’といい、琵琶湖に生息していたフナネズミ(クマネズミ)背中の水毛だけを使用、一本の筆を作るのに数匹分(五匹くらい)のフナネズミ背毛が、必要でしたので「幻の蒔絵筆」と呼ばれ、今
根朱(ねじ)とは、ネズミという意味ですが、ネズミの毛では、嫌がる人もいたようで根朱(ねじゅ)という字を充てて商品名にしたとのこと、現在の本根朱赤軸筆の素材は、普通のクマネズミの背毛を使用しているそうです。
漆刷毛は、髪結い黒髪の日本人女性(昔の女性)の毛髪を数十年寝かせたものが、ベストだとか、現代女性の毛髪は、シャンプーとヘアダイによりぼろぼろで使いものにならないそうです。
現在の漆刷毛の素材は、中国女性の毛髪とか、これも中国社会の発展による女性たちへのシャンプーとヘアダイ普及で使えなくなるのが、目に見えており、わが国の伝統漆工芸を守るために女性の長い黒髪を求めさらなるアジア辺境の奥地へ素材の手当てに行くことでしょう。