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心の時空

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a day in my life

幻の本根朱(ほんねじ) 赤軸筆(温故知新)

このところの金継ぎ人気で蒔絵用の細筆が、不足し困っています。
ナイロンのアクリル絵画用やネイルアート用の上質な筆が、あるにはあるものの天然素材で作られた筆や刷毛に到底及ばないのは、しばらく使ってみると良く分かります。
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筆と漆との相性、筆先の漆の含み、細い線の美しい伸びなど明確に金継ぎや蒔絵の仕上がりに表われます。
最高級品質の蒔絵用筆を‘本根朱’といい、琵琶湖に生息していたフナネズミ(クマネズミ)背中の水毛だけを使用、一本の筆を作るのに数匹分(五匹くらい)のフナネズミ背毛が、必要でしたので「幻の蒔絵筆」と呼ばれ、今
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ではもう手に入りません。
根朱(ねじ)とは、ネズミという意味ですが、ネズミの毛では、嫌がる人もいたようで根朱(ねじゅ)という字を充てて商品名にしたとのこと、現在の本根朱赤軸筆の素材は、普通のクマネズミの背毛を使用しているそうです。
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そのクマネズミも今や希少種となり、ドブネズミ(クマネズミと同種の家ネズミの一種ながらドブネズミの名前がかわいそう)の背毛や猫の毛を本根朱の代用品という意味合いで商品名最後に「替」が、付いています。
漆刷毛は、髪結い黒髪の日本人女性(昔の女性)の毛髪を数十年寝かせたものが、ベストだとか、現代女性のa0212807_22351997.jpg毛髪は、シャンプーとヘアダイによりぼろぼろで使いものにならないそうです。
現在の漆刷毛の素材は、中国女性の毛髪とか、これも中国社会の発展による女性たちへのシャンプーとヘアダイ普及で使えなくなるのが、目に見えており、わが国の伝統漆工芸を守るために女性の長い黒髪を求めさらなるアジア辺境の奥地へ素材の手当てに行くことでしょう。
古代 ‘茶の湯の精神’ が、生みだした遊び心(遊戯の世界)の「金継ぎ」は、さらなる辺境へ向かっています。

by blues_rock | 2017-09-21 00:01 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)