ア・フォンド(とことん) シネマの世界<第755話>
映画のプロットを貫くギャグとユーモアは、‘マーフィーの法則’‥「失敗する可能性のあるものは失敗する」とか、「高価なものほどよく壊れる」など、機知(ウイット)に富んでいます。
ちなみに、配給会社GAGAの邦題は、「ボン・ボヤージュ~家族旅行は大暴走」でしたが、原題の「ア・フォンド(とことん)」のほうが、映画の内容には、ぴったりです。
主人公の整形外科医トム・コックス(ジョゼ・ガルシア 1966~)は、最新テクノロジーを装備した真赤なワンボックスカーで家族と夏のバカンスに出かけました。
同乗者は、トムの家族5人で、トムと妊娠中の妻 ジュリア(カロリーヌ・ビニョ 1975~)、9歳のヘンテコな娘リゾンとイタズラ盛りの7歳の息子ノエ、粗忽(そこつ)な祖父のベン(アンドレ・デュソリエ 1946~、「パリよ、永遠に」)
トムは、最新システム機能を装備した自慢の新車で、念願のサマーバカンスに出発、意気揚々と時速130㎞の自動走行を設定、高速道路をすっ飛ばしていました。
ところが、新車の最新テクノロジーのブレーキ制御システムに突然、機能障害のトラブルが、発生し制御不能となりました。
あわてたトムは、設定した自動走行の時速130㎞を操作ミスでさらにスピードアップ、時速160㎞でハイウェイを暴走 ‥ ドジな交通警官(白バイ)やトムに新車を売りつけた無責任なディーラー、愛車BMWのドアを壊され怒り心頭の男を巻き込んで‘マーフィーの法則’を地で行くハイウェイ・パニックが、発生しました。
ドタバタながら、とにかく可笑しくて抱腹絶倒 ‥ ストレスで鬱屈している方、つまらないこと続きでクサクサ鬱々している人にお勧めしたい映画です。
病は、気からと申します。
猛暑が、続くこの夏、冷房の効いた涼しい映画館で何も考えず「ア・フォンド(フルスピード)」を見て大笑いすれば、きっとあなたの頭は、すっきりすること請け合います。(右上写真 : 主演のジョゼ・ガルシアとカロリーヌ・ビニョ、監督のニコラ・ブナム)