レザボア・ドッグス シネマの世界<第711話>
カンヌで公開されたとき「心臓の弱い方は、観賞を控えてください」と告知されるくらい 過激な暴力描写の多い
この映画の主人公となる6人の凶悪な宝石強盗たちの中でも、中心人物となるミスター・ホワイトを演じた名優ハーヴェイ・カイテル(1939~、1993年の傑作映画「ピアノ・レッスン」が、とくに印象に残る)は、当時まだ無名であったクエンティン・タランティーノの脚本を気に入り出演を快諾しています。
タランティーノ監督は、映画マニアであった看護師の母親コニーが、16歳のときの子供で、親子いつも一緒に映画を見ていたことからその影響大きく、クエンティン少年は、14歳のとき脚本を書き、16歳になると劇団に入り演技を学びました。
‘三つ子の魂百まで’の例え通り、大監督になった今でもタランティーノ監督は、超多忙な映画生活にあっても熱狂的な シネフィル(映画マニア)で、日本映画への造詣も深く、また「クエンティン・タランティーノの映画ランキング」を見ると(私から見れば)信じられないような平凡な映画(玉石混交)もあり‥それにしてもこれだけの量の映画をよく見ることができるものだと感心します。
「レザボア・ドッグス」のストーリーは、銀行強盗のために集められたお互いに仲間の素性を知らない6人が、カラー(色)の名前で呼び合い、大手宝石店強盗を実行するも警察は、この宝石強盗計画をすでに知っていました。
激しい銃撃戦のすえ重傷を負って彼らは、アジトに逃げ帰って来ると一人が、「この中に密告者(警察の先入捜査官)がいる!」と叫びました。
そして、疑心暗鬼になった彼らは、お互い仲間すべてを疑いました。
前述のとおりタランティーノ監督自ら出演、ハーヴェイ・カイテル、ティム・ロス(1961)ほか、マイケル・マドセン(1958~)、クリス・ペン(1965~2006)、スティーヴ・ブシェミ(1957~)など名優・怪優が、出演しています。
「レザボア・ドッグス」は、斬新な感覚(ニュー・ウェィブ)のバイオレンス・クライム映画として次世代の若い監督たちに影響を与えた映画です。