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心の時空

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a day in my life

神様の思し召し  シネマの世界<第691話>

イタリアの脚本家 エドアルド・ファルコーネ(1968~)が、47歳にして監督デビューした2015年のイタリア映画「神様の思し召し」(監督・脚本)は、2012年のフランス映画「最強のふたり」とどことなくプロットの似ているコミカルな
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人間ドラマの佳作です。
映画のイントロで、いきなりキレの好いハードロック・ギターが、流れ(劇中シーンの随所に流れドラマを盛り上げ
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る)、そしてテンポの良いカットの連続、さらに見ている者を煙にまくエンディングと、私は、ファルコーネ監督の初演出に ‘お主できるな’ と感心しました。
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名心臓外科医ながら傲慢な性格で徹底した無神論者さらに歯に衣着せぬ毒舌家のトンマーゾ(マルコ・ジャリーニ 1963~)は、医者になるとばかり思っていた大学生の息子の「神父になりたい」の一言で、彼の人生の歯車
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が、突然狂い始めました。
寝耳に水の、信仰心ゼロの医師トンマーゾは、父親のプライドから何とか平静を装いながらも卒倒せんばかりa0212807_14215634.jpgのショックを受け、長年連れ添った妻のカルラ(ラウラ・モランテ 1956~)に相談しますが、昔学生運動の過激派であったカルラは、更年期の自己喪失感からアルコール依存症で、心ここに在らず状態でした。
トンマーゾが、私立探偵を使って調べると息子は、刑務所帰りのカリスマ神父ピエトロ(アレッサンドロ・ガスマン 1965~)に心酔しa0212807_14223696.jpgていることが、分かりました。
心臓外科医として自信満々のトンマーゾは、日ごろから「人びとを救っているのは、医者の自分で神ではない」と公言しており、ピエトロ神父に「息子は洗脳されている」と思いこみました。
それからトンマーゾは、ピエトロ神父の正体を明かすため密かに近づき、手練手管でその正体を探ろうとしますが、そのことは、やがて自分自身と向きあうことになりました。
a0212807_14232797.jpg神と人生、家族愛というシリアスなテーマをコミカルな演出に徹して描く抜群の物語センスは、脚本執筆で培ったファルコーネ監督の優れた才能でしょう。
フランス映画「最強のふたり」が、おもしろかった方にお勧めするイタリア映画の新作です。
by blues_rock | 2017-03-23 00:03 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)