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心の時空

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イレブン・ミニッツ  シネマの世界<第689話>

ポーランドの鬼才イエジー・スコリモフスキ監督(1938~)が、撮った2011年作品「エッセンシャル・キリング」(監督・製作・脚本、ヴェネツィア国際映画祭審査員特別賞受賞)は、個性的な俳優(同時に音楽家・画家でもある)
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ヴィンセント・ギャロ(1962~)の秀逸な演技もあって見ごたえのある秀作映画でした。
スコリモフスキ監督(右下写真)は、カンヌ、ベルリンも入れ世界三大映画祭で各賞を受賞しているポーランドをa0212807_10293897.jpg代表する名監督です。
カナダの名匠デヴィッド・クローネンバーグ監督の2008年作品「イースタン・プロミス」には、俳優として出演しています。
さて、イエジー・スコリモフスキ監督の最新作(監督・製作・脚本)「イレブン・ミニッツ」もスコリモフスキ監督の面目躍如、映画は、ポーランドの首都ワルシャワで、ある日の午後5時から5時11分までの11分間に、お互い見知らぬ縁も所a0212807_10301933.jpg縁(ゆかり)もない老若男女14人の人生が、映画のラスト、偶発的に起きた出来事を発端に一つの大事件として連なり重なっていく群像劇を描いています。
スコリモフスキ監督の上手さは、映画を見ている者が、冒頭から「何か恐ろしいことが起こるよ、きっと」と予兆を感じるような不穏な空気を漂わせながら、主要な人物14人を登場させ、やがて彼らの身に起きる運命的な出来事を少しa0212807_10313329.jpgずつモザイク状に交錯させ、テンポ良く重ねて(クロスカッティングしながら)展開していくところにあります。
そして、14人全員が、彼ら各人の意思を超越した(自分ではどうにもならない)不条理な現実=カタストロフィ(悲劇的な結末)に向かって行動していく緊張感に見ている者の胸もまたシンクロして緊張していきます。
a0212807_10322356.jpg映画に登場するのは、女好きの映画監督、野心家の女優、嫉妬深い女優の夫、ホッドドッグ屋の主人、バイク便の男、登山家の女と男、救急車の女医、風景画を描く画家、強盗に失敗した少年、犬を連れた女と元ボーイフレンド、産気づいた妊婦で彼らの悲哀に満ちた一人ひとりの人生をカメラが、大事件の起きたある日常の午後5時から5時11分までを追います。
a0212807_10334717.jpg「イレブン・ミニッツ」は、いま世界のどこで、いつ、誰の身に起きても不思議ではない驚愕の運命に呑みこまれていく人びとを描いたリアルタイムサスペンス映画の秀作です。
鬼才スコリモフスキ監督独特の演出スタイルである限られた抽象的な空間、特殊な時間の設定などを見事な技術で映像化していく撮影監督ミコワイ・ウェブコウスキのカメラワークが、これまた秀逸です。
a0212807_10361690.jpgウェブコウスキ撮影監督が、多種多様なカメラアングルや撮影技術(ギミックなショット、スローモーションなど)で撮ったスコリモフスキ監督演出の映像(ショット)を音楽監督の現代音楽作曲家パヴェウ・ムィキェティンは、二人が、コラボレーションした映像に不穏かつ不吉なノイズ音や都市空間にあふれる街の音をシンクロさせ、見ている者にホラー感すら醸し出す効果を生a0212807_10364397.jpgんでいます。
時おり映る低空飛行する大型旅客機、空に浮かぶ黒い点のナゾ、ヒビの入った腕時計、壁の割れ目を這い上がっていく水、大きなシャボン玉、風に揺れるカーテンなど‥意味もなく現われる映像も名匠スコリモフスキ監督の‘鬼才’たる所以でしょう。
a0212807_10371047.jpg見る人によっては、退屈で難解な映画なのでしょう、「イレブン・ミニッツ」のレビューにこの映画を酷評した人のコメントが、散見されるも「この快感が、分からない人は、気の毒だ」と感想を述べている方もあり、私と同意見でうれしく思いました。
野心家の女優を演じたポーランドの女優 パウリナ・チャプコ(1985~)の美しさが、私の印象に残っています。
by blues_rock | 2017-03-19 00:09 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)