フランス30代半ばの新鋭女性監督(と脚本)モナ・アタッシェ(1981~)が、撮った長編2作目の新作コメディ映画「レ・ガゼル」(Les gazelles)をアンスティチュ・フランセ・シネマで見ました。
IF(アンスティチュ・フランセ)九州では、毎月1回、フランス若手の映画監督作品や作家性の強い(話題性はありながら商業的でない)未公開映画を上映しています。
音響が、少し悪い(映画館ではないので仕方ない)のを除けば、800円(1グラス赤ワイン付き)でゆっくり新作を鑑賞できるのでフランス映画好きの私には、ありがたいことです。
さて、アタッシェ監督の「レ・ガゼル」は、同じ若い女性の立場で、妙齢女性( アラサー < アラフォー )の「愛と孤独」をテンポの良いショットで描いていきます。 (映画冒頭のクレジットの見せ方が上手い!とまず感心。)
主人公となる5人の妙齢の‘ガゼル’(アフリカのサバンナに棲む草食系の牛と鹿のハーフのような動物)たちは、全員ワケありで、現実と云うサバンナ(砂漠)で人生(自分と愛)を見失い、喪失感を抱いて暮し孤独感に苛
まれていました。
マリー(カミーユ・シャモー 1977~)、サンドラ(オードレー・フルロ 1977~)、グウェン(アンヌ・ブロシェ 1966~)、ジュンヌ(ジョゼフィーヌ・ド・モー 1977~)、ミリアム(ネドラ・アヤディ)の5人は、それぞれが、抱える問題(ジコチューによるストレス)に抗う(争う、諍う)ため、弱いガゼルが、サバンナで群れるように夜
な夜な集まり、タバコをふかし、酒をあおり、男漁り(ワンナイト・セックス)の乱痴気騒ぎをしていました。
映画の主題そのものは、在り来たりながらアタッシェ監督の演出が、テンポ好く洒脱で、とくに若い女性監督ならではのアッケラカンとした乾いたセックス描写は、ぷっと吹きだすくらい可笑しく、99分最後まで退屈しませんでした。
モナ・アタッシェ監督(上写真)は、まだ30代半ば、少し意気込み過ぎて(肩に力が入り過ぎて)2、3箇所余計なショットもあったように思いますが、次の新作を楽しみにしています。