ブログトップ | ログイン

心の時空

yansue.exblog.jp

a day in my life

パーソナル・ショッパー  シネマの世界<第720話>

フランスの鬼才映画監督オリビエ・アサイヤス(1955~ 「夏時間の庭」、「アクトレス 女たちの舞台」)最新作「パーソナル・ショッパー」は、アサイヤス監督が、映画芸術のクリエイターと絶賛するアメリカの若手実力派女優
a0212807_21542177.jpg
クリステン・スチュワート(1990~)からインスピレーションを得て、脚本を書き、当然主演女優にクリステン・スチュワートを迎え監督した心理ミステリー(ミステリーホラー)映画です。
a0212807_2235593.jpg
アサイヤス監督は、前作の「アクトレス 女たちの舞台」に出演したクリステン・スチュワートと仕事をしているとき、彼女にインスパイヤーされて「パーソナル・ショッパー」のオリジナル脚本を書いたのだそうです。
a0212807_225303.jpg製作スタッフ・キャストも‘オリビエ・アサイヤス組’で、撮影監督 ヨリック・ル・ソー(1968~)を始め「アクトレス 女たちの舞台」に出演していた俳優と女優たちが、脇を固めています。
映画のプロットは、心理ミステリー(サイコホラー)色が、強いので、ホラーっ ぽいと云えばホラーっぽくもあるものの「見えざるもの」(霊界)とのスピリチュアルな交信というアサイヤス監督特有なフレーバーは、第69回カンヌ国際映画祭(2016)で高く評価され「監a0212807_2273659.jpg督賞」を受賞しています。
2016年のカンヌ国際映画祭は、「エル ELLE」(2017年夏公開)、「セールスマン」(現在公開中)、「お嬢さん」、「わたしは、ダニエル・ブレイク」(パルムドール)、「たかが世界の終わり」(グランプリ)、「パーソナル・ショッパー」(監督賞)、「ありがとう、トニ・エルドマン」(近日公開)、日本から「淵に立つ」(審査a0212807_2282075.jpg員賞)など、ずらり傑作、秀作、佳作ぞろいでした。
閑話休題、アサイヤス監督の最新作「パーソナル・ショッパー」の主人公モウリーン(クリステン・スチュワート)は、ともに霊感の強かった二卵性双生児の兄(映画には登場しない)が、突然、滞在中のパリで心臓発作により亡くなa0212807_2284991.jpgり ‘パーソナル・ショッパー’ の仕事をしながら、死後の世界(霊的世界)の兄から届くはずのメッセージを待っていました。
映画は、モウリーンが、亡き兄の暮らしていた家で霊界にいる兄(らしきもの)の気配を感じるホラーっぽいシークエンスから始まります。
モウリーンの仕事は、キーラ(ノラ・フォン・バルトシュテッテン 1981~)という大富豪夫人のパーソナル・ショッa0212807_22251497.jpgパーで、買い物する時間がないキーラは、夜ごとの煌びやかな社交パーティや世界旅行など多忙な毎日の装いに必要な 艶やかなドレスなどの衣装類、身を飾るジュエリーなど装身具類の個人的な買い物(パーソナルなショッピング)を美的センスのあるモウリーンに任せていました。
a0212807_2226098.jpg霊界にいる兄からのメッセージを待つモウリーンと大富豪夫人キーラの私生活に深く関わるモウリーンをドーリーとハンディ・カメラが、追い、ズームやフォローのカメラワークは、秀逸です。
亡き兄(らしきもの)からモウリーンへのコンタクトと想われる超常現象、キーラの‘パーソナル・ショッパー’であるモウリーンの携帯(スマホ)に次々に着a0212807_22271430.jpg信する得体の知れないメール(SMS)、遠いアフリカ(オマーン)にいる恋人とのスカイプでの交信、豪邸(高級アパートメント)で惨殺されたキーラの第一発見者となったモウリーン、彼女のまわりで起きるスピリチュアルにしてシュールレアリスムな出来事(超常現象)とリアルな殺人事件を織り交ぜながら映画は、展開していきます。
a0212807_22275356.jpg62歳のオリビエ・アサイヤス監督最新作「パーソナル・ショッパー」は、27歳のクリステン・スチュワートを‘ファムファタルのように’撮った心理ミステリー映画の秀作です。
映画のラスト、モウリーンが、「すべて私の気のせい !?」と映画を見ている者に問いかけて終わるシーンは、「さすが、アサイヤス監督」とその演出の妙に敬服するすばらa0212807_22285946.jpgしいエンディングでした。

(左写真 : 演技の打合わせをするオリビエ・アサイヤス監督とクリステン・スチュワート)
by blues_rock | 2017-06-30 00:03 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)