エンド・オブ・トンネル シネマの世界<第737話>
貯金もなくなりホアキンは、生活のために自宅アパートの2階を貸し出すことにしました。
行くあてのない幼い娘を連れたストリッパーのベルタ(クララ・ラゴ 1990~)が、どうしても借りたいと押しかけ、ホアキンの意思を無視して住み始めました。
暮らしていくうちにホアキンの沈んだ心も生前の妻子の姿を懐い浮かべることで慰められ少しずつベルタ親子(母娘)と打ち解けるようになりました。
ある日、ホアキンは、一日のほとんどを過ごす地下室で壁の向こうから聞こえてくる隣室の奇妙な音を聞きました。
壁の穴にマイクロカメラを入れ盗聴するとなんと銀行強盗団が、隣室地下室の下にトンネルを掘り、隣接する銀行の金庫を襲撃している現場でした。
さらに、ベルタは、銀行強盗団のボス(パブロ・エチャリ 1969~ 出演/製作ならびに製作総指揮)の情婦でホアキンに気づかれないよう監視役として命令され送り込まれた女性でした。
ホアキンは、ギャングたちに気づかれないよう現金を掠(かすめ)取る計画を考え、金のために強盗団のボスに利用されているベルタと幼い娘を貧困
主人公を下半身麻痺の障害者にして車椅子を道具に使うグランデ監督の斬新な演出は、ベテラン撮影監督フェリックス・モンティ(1938~ 2009年「瞳の奥の秘密」の撮影監督)のダークな映像と相俟って好い味のアルゼンチンノワールを醸し出しています。