コルト45 孤高の天才スナイパー シネマの世界<第736話>
主人公のパリ市警の若き警察官ヴァンサン(イマノル・ペルセ ベルギーの若手俳優 プロファイル詳細不明)とヴァンサンの先輩同僚でベテラン刑事クリスチャン(フランスの名優ジェラール・ランヴァン 1950~)のほか映画に登場するのは、パリ市警察の刑事、フランス軍特殊部隊隊員、強盗グループや麻薬組織のギャング団ながら、どの顔も人相悪く、映画をしっかり見ていないとダレが、善玉で悪玉なのか、見ている方は、区別が、つかなくなり次第に‘重大事件(凶悪犯罪)’に巻き込まれていく天才狙撃手のヴァンサンは、果たして善人なのか、悪人に利用される彼らの手下なのか、分からなくなっていきます。
ストーリーは、パリ市警武器庫管理係のヴァンサンは、まだ25歳ながらまわりのダレもが、認める射撃の天才でパリの警察学校で射撃を教える教官でもありました。
ヴァンサンの射撃能力を高く評価するパリ市警の犯罪所管部署やフランス軍特殊部隊は、ヴァンサンを引きぬこうとしますが、人間関係より銃器を愛し他人(ひと)と付き合うのを避ける彼は、内勤の武器庫管理係を続けたいと上司に伝えます。
しかし、ヴァンサンの思いとは、裏腹にヴァンサンの狙撃能力を利用しようとする陰謀が、密かに進行していました。
この後は、映画を見てのお楽しみということにして軍が、目的(テロ対策の大義名分)のために警察を駒のように扱い、警察は、警察で犯罪捜査と事件解決のためにお互い協力し合うのではなく縄張り争いを繰り広げ内部対立、犯罪捜査のためなら手段選ばずギャングたちを脅して利用します。
「コルト45 孤高の天才スナイパー」は、銃撃戦のシーンが、多く、どのシーンもリアリティにあふれ迫力あり、ベルギーの監督 ファブリス・ドゥ・ベルツ(1972~)の演出を上手いものだと感心していたら、銃撃戦などの戦闘シーンは、元SAS隊員をアドバイザーとして迎え(冒頭アドバイザーの元SAS隊員本人がアメリカ軍特殊部隊の将校役で出演)、リアルな銃撃戦の演出をアドバイスしてもらったのだそうです。
孤独なヴァンサンに好意を持つベテラン女性刑事にアリス・タグリオーニ(1976~ 「ブルゴーニュで会いましょう」)が、紅一点で出演しています。
映画ラストのシークエンスは、まさに「ニキータ」の冒頭のようで、警察官を殺したニキータが、その殺しの手際の良さで、殺しの才能を国家権力に見こまれ、非合法な司法措置により過去をすべて抹消され暗殺者(アサシン)として教育されるシークエンスに似ていました。