アウトサイダー シネマの世界<第734話>
この手のB級ながら(つまらないと云う意味ではありません)超弩(ど)級のリベンジアクション映画でティル・シュヴァイガーに対抗できる俳優は、いまやイギリスの ジェイソン・ステイサム(1967~)くらいでしょう。
超弩(ど)級のリベンジアクション映画のシンボルと云えば、1988年から2013年まで5作シリーズで製作された「ダイ・ハード」で主演したアメリカの俳優ブルース・ウィリス(1956~)で、決して屈しないハードボイルドな中年男の象徴でした。
この2016年ドイツ映画「アウトサイダー」のプロット、娘から嫌われているハンブルグ警察のアウトロー刑事でダメ父親が、事件に巻き込まれた愛娘の命を守るために犯罪組織と戦うストーリーは、2008年から2014年まで3作シリーズで製作されたフランスの超弩(ど)級リベンジアクション映画「96時間」と重なるところあるものの元CIA工作員の父親を演じたリーアム・リールソン(1952~)のスマートなリベンジアクションに比べティル・シュヴァイガー演じる全身血(傷)だらけになり手段を選ばず拉致された愛娘を救おうとするアウトローな野獣刑事の典型的な超弩(ど)級リベンジアクション映画です。
ドイツの俳優ティル・シュヴァイガーは、製作・主演・脚本を担った1997年のロードムービー「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」で一躍有名となり、2009年映画「イングロリアス・バスターズ」、2012年映画「クーリエ 過去を運ぶ男」でハードボイルドな男優ぶりを発揮しています。
「アウトサイダー」は、ドイツ製作のテレビ劇映画「ニック NICK」シリーズの劇場版としてドイツの監督クリスチャン・アルバート(1974~ テレビ劇映画「ニック NICK」シリーズの監督)が、監督・製作を、同シリーズの脚本を書いたクリストフ・ダルンスタットもまた劇場版「アウトサイダー」の脚本を担っています。
映画の舞台は、テレビの「ニック NICK」シリーズが、ドイツの港湾都市ハンブルグであったのに対し「アウトサイダー」は、ドイツ、トルコ、ロシアと拉致された愛娘の行方を追うダイ・ハードな父親にして野獣刑事ニックの姿を描きます。
ニックの娘役でティル・シュヴァイガーの実娘ルナ・シュワイガー(1997~)が、出演しています。
超弩(ど)級のハードボイルドなリベンジアクションものが、お好きな方にお薦めの映画です。