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シャネルとストラヴィンスキー  シネマの世界<第684話>

a0212807_21564345.jpg監督は、フランスの(オランダ出身の映像作家)ヤン・クーネン監督(1964~)で、20年前の1997年当時、ハイパーバイオレンスとスタイリッシュな(というよりコミック的な)アクション映画として話題になった怪作「ドーベルマン」を撮った監督と言ったら「ウソだろ!?」と思う方もおられるかもしれませんね。
それくらい当時33歳のヤン・クーネン監督が、長編映画にデビューした作品「ドーベルマン」は、過激な暴力、パンクな映像(斬新なカメラワーク)、ビジュアル・テクノサウンド音楽とどれも前衛的でインパクトが、ありました。
「ドーベルマン」を撮ってから12年後の2009年、クーネン監督は、その秀でた映像ならびに音楽センスの良さを発揮、秀作「シャネルとストラヴィンスキー」を発表しました。
「シャネルとストラヴィンスキー」の主演は、デンマークの名優マッツ・ミケルセン(1965~)です。
a0212807_215998.jpgマッツ・ミケルセンが、主演(または出演)した映画を私は、いままで12作品見ていますが、2009年に出演した「シャネルとストラヴィンスキー」と「ヴァルハラ・ライジング」をまだ紹介していませんでした。
「ヴァルハラ・ライジング」は、デンマークの鬼才ニコラス・ウィンディング・レフン監督の作品ですが、肉おどり血しぶき舞う壮絶なシーンも多く万人向けとは、言い難いので、それもあってマッツ・ミケルセンの「シャネルとストラヴィンスキー」をa0212807_2212497.jpg取りあげました。
「ヴァルハラ・ライジング」について簡単に述べるなら北欧神話(ヴァイキング時代のヴァルハラ信仰)をレフン監督ならではの赤い色調映像も交えたケレン味あふれる演出でマッツ・ミケルセン演じる片目の奴隷戦士ワンアイを‘雄々しく’描いたダーク・ファンタジー映画です。
一方、「シャネルとストラヴィンスキー」の監督クーネン監督は、マッツ・ミケルセンに主人公であるロシア出身のa0212807_2233363.jpg有名な作曲家イーゴリ・ストラヴィンスキー(1882~1971 フランスを経てアメリカに亡命、バレエ音楽「火の鳥」や「春の祭典」が有名)を‘女々しく’演じるよう演出、図らずも2009年の同じ年、二人の名監督が、逸材俳優マッツ・ミケルセンに真逆の主人公を演じさせているので見比べてみるのも映画の楽しみ方の一つです。
a0212807_2253886.jpg「シャネルとストラヴィンスキー」を紹介します。
クーネン監督は、「ココ・シャネルとイゴール・ストラヴィンスキー」の実話(ロマンス)を丁寧に演出、スタイリッシュなシャネル・モードを背景にしてクラシカルな映像で描いています。
ココ・シャネル(1883~1971)を演じたフランスのモデルで女優アナ・ムグラリス(1978~)が、実に素晴らしく全身a0212807_22252023.jpgから‘ベル・エポック(旧き良き時代)’を体現していました。
アナ・ムグラリスは、「ゲンスブールと女たち」で見事にジュリエット・グレコを演じていました。
現在シャネルのミューズ(専属モデル)でもあるアナ・ムグラリスは、時おりケイト・ブランシェットに似ていると感じるときもありましたが、「シャネルとストラヴィンスキー」のもう一人の主人公ココ・シャネルの凛とした演技も秀悦a0212807_22262561.jpgでした。
1920年パリでバレエ「春の祭典」再演の準備で神経質な38歳の作曲家ストラヴィンスキーを愛したシャネルは、女盛りの37歳でした。
当時すでに有名な服飾事業家として成功していたシャネルは、常に黒を基調にした知的にして艶やかなファッションでパリ社交界の花形でした。
1913年、ロシア革命でフランスに亡命したばかりのストラヴィンスキーが、初演した「春の祭典」は、音楽やバa0212807_2228538.jpgレエの振付が、前衛過ぎて不評だったにもかかわらずシャネルは、彼の才能を高く評価しました。
ストラヴィンスキーを音楽に専念させるためシャネルは、別荘(豪邸)を提供、ストラヴィンスキー一家の経済支援をして面倒を見ました。
ストラヴィンスキーは、妻を愛しながらもシャネルの女性らしからぬ堂々とした振舞いと彼女の色香(フェロモン)に惹かれ二人は、邸宅の中でも愛し合うようになりました。
ストラヴィンスキーは、妻とシャネルとの板挟みで苦悶しますが、夫とシャネルの関係を察知した妻は、子供を連a0212807_2234339.jpgれて別荘を出て行きました。
それを知ったシャネルは、ストラヴィンスキーと別れ、匿名で彼のスポンサーとなり支援を続けます。
映画は、二人の女を愛し苦悩する作曲家ストラヴィンスキーとシャネルへの愛に嫉妬する妻、ストラヴィンスキーの才能を愛したシャネル、この三人の織りなす心理劇です。
いまでは、あまりにも有名な香水「シャネルNO.5」の誕生エピソードも交え、シャネルモード(ファッション)満載の1900年代初頭のクラシカルな背景と併せた映像も見どころです。
by blues_rock | 2017-03-11 00:11 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)