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アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち  シネマの世界<第676話>

イギリスの映画監督ポール・アンドリュー・ウィリアムズの(1973~ 秀作「アンコール!!」の監督)最新作(2016年日本公開)「アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち」を紹介します。 (公式サイト こちら
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ドイツの独裁者ヒトラーとナチス(国家社会主義ドイツ労働者党)の人類(とくにユダヤ人)に対する極悪非道な暴虐への告発は、第2次世界大戦後72年経った現在(いま)でも続き、この映画の冒頭にも「 ヒトラーが自殺a0212807_84167.jpgてもファシズム(独裁主義)は無くならない」と ‘当時のドイツ国民が選挙で選んだ独裁者ヒトラー’ より悪の独裁システム(権力装置)の本質を糾弾(喝破)しています。
最近公開された‘ヒトラーとナチス’をプロットにした映画として、2014年「ハンナ・アーレント」、2014年「シャトーブリアンからの手紙」、2014年「顔のないヒトラーたち」、2015年「サウルの息子」、2016年「ヒトラー、暗殺 13分の誤差」、 2016年「帰ってきたヒトラー」、 2016年「我が闘争 a0212807_8415771.jpg若き日のアドルフ・ヒトラー」(製作2009年、画家を目指し、ウィーンの美術学校を受験するも二度失敗し挫折、屈辱感から政治に転向、ナチズムに狂信していく青年時代を描いた作品)と、凡庸な人間(普通の人たち)を殺人鬼に変えていくナチス権力装置(ファシズム)の凄まじい実態を描いた映画の傑作(秀作・名作)が、立て続けに発表されています。
さらに2017年1月公開の「アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男」は、今夜ご紹介するこの「アイヒマン・a0212807_8424038.jpgショー 歴史を映した男たち」の前章譚としてご覧いただくと‘ヒトラーとナチス’が、滅亡しても悪霊のごとく戦後世界のあちこちに生き永らえている実態を描いた映画です。
2016年公開映画「アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち」もまたヒトラーとナチスの“ユダヤ人問題の最終解決(ホロコースト=大量虐殺)”政策のもとヨーロッパ全域からユダヤ人6百万人を拉致し絶滅収容所a0212807_8461750.jpgへ送る指揮官であった親衛隊(SS)中佐アドルフ・アイヒマン裁判(1961年4月~12月)の模様を放送されたら‘都合の悪い人びと’からの妨害や脅迫を克服し報道のための撮影に奔走したアメリカのテレビ制作チームの実話を描いています。
彼らが、撮影したアイヒマン裁判のドキュメンタリー映像は、虐殺者アイヒマンの素顔、過去(強制収容所の恐怖)を封印して生きてa0212807_8484628.jpg来た112人の生存者の証言、ホロコーストの証拠資料として裁判に提出されたナチスから押収した大量虐殺の記録(ドキュメンタリー)映像と併せユダヤ人大量虐殺の実態を世界37か国に報道しヒトラーとナチスの極悪非道なホロコーストの蛮行を初めて全世界の人びとに知らせました。
a0212807_8493136.jpgナチスによる組織的なホロコーストの真実を全世界に知らせる大義に不屈の意志と情熱を捧げるプロデューサーのミルトン・フルックマンを演じるマーティン・フリーマン(1971~)とドキュメンタリー監督レオ・フルビッツを演じるアンソニー・ラパリア(1959~)二人の名演技が、光ります。
a0212807_850820.jpg映画のエンディングに「自分は、他者より優秀に創られたと一度でも考えた者は、アイヒマンと同じ地平にいます。 そして、一度でも鼻の形や肌の色や信仰する神の違いによって他者に悪意を抱いた者は、理性の喪失が、狂気への道と知るべきです。 このようなことから全てが、始まったのです。」という当時のドキュメンタリー映像(とナレーショa0212807_8521632.jpgン)が、流れます。
‘ヒトラーとナチス’のDNAをもった悪霊が、大統領になり政治家になっていまもなお世界中至るところに現われ、私たち市民を悪しき時代に誘おうとしている現実は、歴史から何も学べない、学ぼうとしない愚か者たちへの痛烈な皮肉であり不気味な現象(地獄への道の再来)です。
by blues_rock | 2017-02-16 00:06 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)