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心の時空

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ワイルド ~ わたしの中の獣  シネマの世界<第673話>

ドイツの女性監督ニコレッテ・クレビッツ(1971~)が、自分の夢をもとにイメージを膨らませ、脚本を書き監督した作品「ワイルド(野生)~ わたしの中の獣」をKBCシネマで見て来ました。
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映画のプロットは、クレビッツ監督の作家性が、顕著ながらもリアル(現実)とファンタジー(幻想)を交錯させつつ主人公の女性アニアの性的メタファーとして偶然出遭った野生の狼を通して、若い女性アニアに内在する束縛
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(=現実)への鬱憤、自由(=欲望)への憧れ、自我解放(=本能)の悦びをリアルな映像で描いています。
映画の‘R15+’指定と併せタイトルの「ワイルド ~ わたしの中の獣」(原題「Wild」)とポスター写真からポルノ
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(AV)っぽさを想像して(期待して)見るとバスレます。
クレビッツ監督は、女性監督ならでは、の男心をくすぐるエロティックな演出が上手く、ストイック(禁欲的)な生活a0212807_440495.jpgをしていたアニアが、自宅アパート近くの森林公園で偶然一匹の野生の狼を見た瞬間、狼の野生の姿に魅入られ愛し自ら野性化していく姿(倒錯した愛)は、確かにエロティックでした。
アニアは、知恵を絞り手を尽くして狼を捕獲、密かに自宅アパートで飼い慣らし汚れた部屋で‘恋人’と同棲するように狼と生活、次第に自分を取り巻く現実の人間世界と狼と暮らす非現実的な妄想との境界が曖昧になり人間として常軌を逸するa0212807_4443886.jpg行い(R15+)をするようになりました。
段々野生化していく主人公の若いドイツ女性アニアを演じるリリト・シュタンゲンベルク(1988~)の変貌していく姿が、ワイルドでエロティック、そして美しく魅力的です。
アニアの‘恋人’を演じたヨーロッパ狼(牡の狼ネルソン)のダンディな存在感も秀逸でした。
変貌していくアニアに好意をもつ上司のボリス役をゲオルク・フリードリヒ(1966~ 「ファウスト」でファウスト博士a0212807_4464397.jpgの助手ワーグナー役)、アニアの妹ジェニーをザスキア・ローゼンダール(1993~ 「さよなら アドルフ」主演)が、好演しています。
私は、ニコレッテ・クレビッツ監督(=脚本)作品「ワイルド ~ わたしの中の獣」が、ヨーロッパ伝承の物語「赤ずきん」に深層心理学上の新解釈を与えたと思っています。
女性のクレビッツ監督は、若い娘、森、野生の狼、月経(生理)の血の赤で「赤ずきん」物語の基本を構成し生理
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の血を舐めて清拭する狼、舐められてエクスタシーを感じる若い娘との関係に野生の愛の交歓(野生の本能)つまり新メルヘン「赤ずきん」として表現したのだろうと私は、想像しました。
by blues_rock | 2017-02-08 00:08 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)