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心の時空

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サウスポー  シネマの世界<第669話>

a0212807_1343314.jpg今夜は、アメリカのアントニー・フークア監督(1966~ アクション映画「イコライザー」の監督)の新作でボクシング映画の秀作「サウスポー」(2016年公開)を紹介します。
映画のプロットとストーリーに新しさは、ないもののフークア監督演出のすばらしさもさるものながら何と言っても栄光の絶頂から奈落の底に転落しどん底から這い上がってくる主人公のライト・ヘビィ級世界チャンピオン、ビリー・ホープを演じた36歳の若さながら名優の域にあるジェイク・ギレンホール(1980~)が、ボクサーの肉体に改造しボクシングの全ファイトシーンに自ら挑んだド迫力のリアルな演技とそれを撮った撮影監督マウロ・フィオーレ(1964~ 「アバター」の撮影監督)の見事なカメラ・ワークは、必見です。
a0212807_135759.jpgジェイク・ギレンホールは、主演が、決まると毎日2回、一日も休まず8か月の間、ボクサーとして肉体改造トレーニングを行ない当時にボクシングスキルを学び筋肉と体力、ボクシング能力を身に付けた(‘デニーロ・アプローチ’を実践した)そうで希代の名優ロバート・デ・ニーロの遺伝子を受け継ぐ俳優の一人であることを証明しました。
a0212807_1355473.jpg前作の「ナイトクーラー」でも減量しガリガリに痩せ、大きな目をさらにギョロ目にして狂気を孕んだ不気味なキャラクターを怪演、俳優としての凄さを見せてくれました。
共演した俳優(女優)陣の演技もすばらしく、ビリーの最愛の妻モーリーンを演じたレイチェル・マクアダムス(1978~)もまたボクサーの妻を演じるに当たって、その心情を理解するためにボクシングのトレーニンa0212807_149494.jpgグに参加して激しく打ち合う闘いのリアリティを体験して臨んだそうです。
映画の中盤(52分くらい)からどん底の元世界チャンピオン ビリーが、再起のために助けを求めたダウンタウンのボクシングジム・トレーナーを演じたフォレスト・ウィテカー(1961~ 「ラストキング・オブ・スコットランド」でアカデミー賞主演男優賞受賞)存在感も抜群でした。
a0212807_149489.jpgビリーの愛娘レイラ役のウーナ・ローレンス(2002~)も天才子役少女ぶりを発揮、レイラは、自分と破滅的な父ビリーをいつも見守ってきた最愛の母モーリーンが、短気な父ビリーのケンカに巻き込まれ殺され、その喪失感から自暴自棄になった父ビリーを突き放し児童養護施設で、父ビリーの人間(父親)として、そしてボクサーとしての再起(自覚)を願う健気な少女レイラをa0212807_1534544.jpg名演していました。
映画タイトルの「サウスポー」は、左利きのこと、攻撃な打ち合いを得意とし自分も血だらけになりながら勝ち続けて来た右利きのビリーが、どん底でトレーナーから‘自分を守る’ことの大切さ(亡き妻モーリーンが、ビリーに「あなたは打たれ過ぎている」と言い続けたこと)を教わり、それまでの攻撃的に打ち合うボクシングから我が身と自分の大切なものを守るため右利きの自分に打ち克つ「サウスポー」に変わることを意味しています。
a0212807_1541842.jpg音楽監督を務めた映画音楽の名作曲家ジェームズ・ホーナー(1953~2015)は、映画製作予算不足のためノーギャラで作曲、完成した映画を見ないまま飛行機事故で亡くなりました。
フークア監督は、映画のエンドクレジットに「ジェームズ・ホーナーは思い出の中に」と追悼メッセージしていました。
a0212807_1545095.jpgフークア監督の最新作(2017年近日公開、黒澤明監督「七人の侍」のリメイク)「マグニフィセント・セブン」のために亡き音楽監督ジェームズ・ホーナーは、飛行機事故で亡くなる前、フークア監督にナイショで「マグニフィセント・セブン」の音楽を事前に作曲していたことが、分かりました。
a0212807_1552968.jpgアントニー・フークア監督と作曲家ジェームズ・ホーナーの映画を通した強い信頼関係と厚い友情が、分かる逸話だと思い紹介しました。
by blues_rock | 2017-01-23 00:23 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)