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心の時空

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マジカル・ガール  シネマの世界<第666話>

白血病で余命わずかなスペインの少女アリシア(ルシア・ポシャン)は、日本アニメのヒロイン「魔法少女ユキコ」に憧れ、ユキコのコスチュームを着て踊るのが、夢でした。
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娘の最期の望みを叶えるため元国語教師で失業中の父ルイス(ルイス・ベルメホ)は、そのコスチュームを買ってあげようとインターネット・ショップで調べたら高額(日本円にして80万円)であることが、分かりました。
a0212807_12183755.jpg唯一の財産である書籍を売りますが、受け取ったのは、わずかな金額でした。
実直に生きて来たルイスですが、ついに宝石店強盗を決意しました。
そこから2014年スペイン映画「マジカル・ガール」は、心に深い闇を抱えた女性バルバラ(バルバラ・レニー 1984~、バルバラ役でスペイン版アカデミー賞ゴヤ賞の主演女優賞を受賞)や過去に教え子のバルバラを守るために殺人事件を起こし刑務所から出所しa0212807_12201466.jpgたばかりのワケありそうな元数学教師ダミアン(ホセ・サクリスタン 1937~)などを巻き込みながら、それぞれが、関わることになる摩訶不思議な運命を描いています。
監督・脚本は、スペインの新鋭カルロス・ベルムト(1980~)、この秀作映画「マジカル・ガール」が、長編映画監a0212807_12205624.jpg督デビュー作品で、前夜ご紹介したギリシャのヨルゴス・ランティモス監督と共に優れた才能をもった逸材が、ヨーロッパに現れました。
「籠の中の乙女」が、長文でしたので「マジカル・ガール」は、見どころだけ簡単に紹介いたしますので、ぜひご自分の目で、この映画の素晴らしさをa0212807_12295976.jpg堪能していただきたいと思います。
「マジカル・ガール」は、映画を三つの章で構成し「世界(MUNDO)」、「悪魔(DEMONIO)」、「肉(CARNE)」と日本アニメのファンタジー、ミステリアスなサスペンス、ヒューマンな心理ドラマといろいろなプロット(要素)を持ちながら、ベルムト監督のa0212807_12321830.jpgクールな‘ネオ・ノワール’と呼ばれる演出で奇想天外なストーリーを一つにまとめています。
映画に漂うヒンヤリした空気感とブラックなユーモアセンスは、撮影監督サンティアゴ・ラカハの映像と相俟って完成度の高い映画です。
a0212807_12341175.png主人公の女性バルバラ(バルバラ・レニー)ともう一人の主人公の少女アリシア(ルシア・ポシャン)が、一緒に映画に登場するシーンは、なかったものの自虐的で奇妙な女性バルバラと不治の病でいくばくもない純真な少女アリシアの対照(コントラスト)が、秀逸です。
a0212807_1235076.jpg映画ラストのシークエンスで、アリシアを演じるルシア・ポシャンが、父ルイス(ルイス・ベルメホ)を殺し、さらに自分を殺そうとするダミアン(ホセ・サクリスタン)をじっと凝視する長回しのシーンは、胸に迫るものがあり、精神を病んだバルバラ・レニーの狂気漂わせた名演技と併せルシア・ポシャンのアニメ少女ユキコの寓意的な存在感もこの映画の見どころです。
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(右写真 : 子供のころから日本文化とくにマンガやアニメ、日本映画に親しみ、現在1年のうち4、5か月は、日本に滞在して新宿コールデン街浅草などの下町が、好きというスペイン映画新進気鋭のカルロス・ベルムト監督)
by blues_rock | 2017-01-13 00:13 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)