古伊万里には、金継ぎが、好く似合う(二)
ふた昔前の玄洋窯主人陶芸家冨永保雄氏の作品です。
右の高取花器の取り手が、折れましたので呂色漆(黒漆)直しをしたら見た目に分からなくなりました。
以下は、余談ながら昨年11月に「古伊万里には、金継ぎが、好く似合う」を書いたとき私は、ふと太宰治の「富嶽百景」のなかの「富士には、月見草が、よく似合ふ」という一節を憶い出しました。
私は、十代の終わりの頃、流行り熱病のごとく太宰治にのぼせました。
年をとり、もう一度冷静に読み直してようと筑摩書房の全集を買ったものの案の定、積読状態 ‥ 太宰治が、不惑(四十)を前に「もう書けない」と書き遺し愛人と情死した情熱(と心の闇)を探究したいの思いもいずこへか霧散、本棚の全集を横目に私は、いま金継ぎにのぼせています。
教室の皆さんの色んな修理のやり方を見てると様々な方法があると、何年習ってても勉強になります。
チャレンジャーの古賀さん、磯山さん、凄技の山崎さん、他の皆様も(勿論、当然の事ながら、先生も)本当に勉強になります。
今年も益々いろんな事にトライして下さいね。楽しみにしてます。
拭き漆ならお金なくても、OK ‥ 生漆とサンド・ペーパーそしてウェス(綿布)さえあれば、身近にある何でもない木地(木の空箱・使い古しのお盆など)が、見事な漆塗や根来塗の匠仕事に大変身します。
コツは、もくもく‥ゴシゴシ、もくもく‥ゴシゴシ、です。