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心の時空

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a day in my life

アンジェリカの微笑み  <第648話>

2015年に日本で公開されたポルトガル映画「アンジェリカの微笑み」は、世界最高齢の映画監督として知られたポルトガルの名匠マノエル・ド・オリヴェイラ監督(1908~2015没、享年106歳)が、101歳の時に撮った作品(ちな
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みにこの後さらに3作を監督)です。
映画のストーリーは、あって無きようなもの‥アマチュア写真家のユダヤ人青年イザク(リカルド・トレパ 1972a0212807_10484841.png~、オリヴェイラ監督作品の常連俳優、実孫)は、ある雨の夜、町の写真館主が、不在なため、若くして亡くなった美しい女性アンジェリカ(ピラール・ロペス・デ・アジャラ 1978~)の死装束写真を撮って欲しいと要請されました。
死者の写真を撮ることに気乗りしなかったイザクでしたが、眠るように横たわる死者のアンジェリカをカメラのファa0212807_10491749.jpgインダー越しに見たとき、アンジェリカは、瞼を開きイザクにやさしく微笑みかけました。
驚いたイザクは、あわてて目の前に横たわるアンジェリカを見つめましたが、美しい眠るような死に顔でした。
一瞬の出来事でしたが、それ以来イザクは、アンジェリカと自分との不思議な出来事に心が、乱されるようになりました。
a0212807_10545452.pngある朝、下宿の食堂でイザクは、同じ下宿の人たちの会話を何気なく聞いていたら「エネルギー」とか「魂」という言葉にイザクは、夜ごと心奪われるものが、何であるか気づき「アンジェリカ!」と呟きました。
映画は、死者を愛し、狂気に陥った青年の生死を超越したロマンス(愛の物語)なのか、または、死者が、生者を迎えに来るファンa0212807_10554788.jpgタジー・ホラーか、あるいは、魂を語る哲学のようでもありました。
オリヴェイラ監督は、カメラを据え、長回しで淡いセピアトーンの美しい映像で撮り、死者アンジェリカが、生者イザクに会いに来て空を浮遊する(シャガールの‘恋人たち’を連想する)幻想的なシーンは、モノクロトーンで撮っています。
a0212807_110198.jpg「アンジェリカの微笑み」には、ほんのりしたユーモア感覚もありますので映像散文詩として見ると面白いと思います。
私は、アンジェリカ役の女優ピラール・ロペス・デ・アジャラを2007年フランス映画「シルビアのいる街で」で初めて見て、古都ストラスブールの佇まいとシルビアを演じたピラール・ロペス・デ・アジャラの美しさに見惚れてしまいました。 (上写真 : 2007年映画「シルビアのいる街で」のワン・シーン)
by blues_rock | 2016-11-11 11:11 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)